「世界漫遊随筆抄」-正宗白鳥-

◆「ジョセフ・クーデルカ プラハ1968」@東京都写真美術館
昭和3年、11年と二回わたるアメリカ・ヨーロッパの旅行、また昭和10年に樺太、中国などを訪れた際に書かれた随筆などをまとめた本。
全体的に行く先々の風景やそこで出会う人たち(特に現地で暮らす日本人)の様子が冷静な視線で描かれているだけれど、微妙に否定している国と持ち上げている国があって興味深い。文章が感情的でない分、それがどこから来ているのか本当の理由がわからないんですよね。いや、単にわたしの読解力が足りないとか、もしくは正宗白鳥の本を読むのは初めてという知識不足が原因なのかもしれませんけど‥‥。正宗白鳥の本は前々から読んでみたいと思ってはいるんですが、実際どれから読んでいいのかよくわかんないんですよね。と言っていては何にも進まないので、近いうちに何かしら読んでみることにしたい。

さて、話が変わりますが、5月から写真美術館で、チェコスロバキア出身の写真家、ジョセフ・クーデルカの展覧会が開かれていて、ポスターなどを見るたびにちょっと行きたいなと思っていたんですけど、週末はなかなか出かけられないし、開催時期も7月18日までだったのであきらめてました。
でも前日とりあげた「歩くキノコ」を読んでいたら、チェコに行ったところでクーデルカの話が出てきたので、やっぱり見ておきたくなってしまって、ちゃんと調べてみたところ、写真美術館は木曜、金曜は8時まで開館しているので、早めに会社を出れば見に行けそうな感じではある、ということが判明。知らなかった~うそ、知ってた。
まあそれで、ちょうど期末の余裕のあるときだし、金曜日あたりに行こうかな、行けるかな、なんてと思っていたら、友だちがチケット手に入れたんだけど行けなくなったのでくれるとのこと。いやーなんかクーデル力展に引き寄せられてますよ、運命ですよ。なんて、ひそかに盛り上がりつつ、早めに、っつうかフレックス使いまくりの早さで写真美術館ヘレツツゴー!

今回の展覧会では、1968年8月のワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻「チェコ事件」の写真を収録した写真集「lnvasion 68 Prague」からの写真が展示されています。ソ連を中心とした軍隊が街の中で市民と対立する様子が、至近距離から切り取られていて、写真の力強さや勢い、そして兵士や市民の表情などの臨場感がすごかったです。これはどこからどうやって撮ったのだろうと思うものもたくさんあって、よく軍に拘束されるんじゃないかともう40年以上前のことなのにドキドキしてしまいました。

ただ、オリジナルプリントじゃなくて、パネルに印刷した感じで、写真展としてはどうなんだろうという疑問はありました。開催されている場所が小さなギャラリーとかだったら許せるけど、写真美術館ですから。パネルとプリントではー枚の写真から発散される情報量が絶対的にちがうと思うんですけどね。写真に交じって展示されていたポスターもモノクロのコピーみたいな感じで無造作に壁に貼り付けられてたし、その辺は演出としてこういう形での展示にしたのだろうか?そうとしてもー枚のパネルに何十枚もの写真を並べたものとかはちょっと安易な気がしましたが‥‥。

報道写真や戦争写真をじつくりと見るのは、前に何を見たか思い出せないくらい久しぶりなんだけど、街角のスナップ的な写真に比べて情報量と訴えようとする力が圧倒的に違ってて、見ているとクラクラしてしまいます。好き嫌いにかかわらずこういう写真を定期的に見ておくべきだなということを実感、まあそれだけに‥‥だったらもっと‥‥(何度繰り返さないっ!)

「作家のおやつ」-コロナブックス編集部-

◆今年の夏は在宅勤務して仕事の合間に「作家のおやつ」に出てくるようなおやつを食べたい、のだ!
コロナブックスの「作家の~」シリーズは、このほかにも「作家の家」「作家の食卓」「作家の酒」「作家の犬」「作家の猫」などいろいろ出ていいますが、この本が一番ヴィジュアル的によさそうかな気がします。まあ個人的な趣味ですが‥‥。でもほかの本も欲しい。少なくとも「作家の食卓」「作家の酒」は手に入れておかなくては。

三島由紀夫のプチガトーや植田正治のフルーツケーキ、向田邦子のシュークリーム、植草甚一のお団子、小津安二郎の半生菓子、池波正太郎のホットケーキ‥‥といった作家がひいきにしたおやつが、実際にそこで食べたと思われる仕事部屋や机などと一緒に撮られた写真や、そのおやつについての作家自身の文章の引用が掲載されていたりして本全体としていい雰囲気になっています。やっぱりおやつは色合いがきれいだったり形がかわいかったりするので、基本的には落ち着いた雰囲気の作家の仕事部屋と一緒だと映えますね。この辺「作家の食卓」「作家の酒」だとどんな感じになってるんでしょう。
そういった演出もあって、どれも高級でおいしそうに見えるのだけれど、中にはABCビスケットやさーたーあんだぎー、森永のキャラメルなど庶民的なおやつもあり、実際の値段よりもやはり趣味のよさというのがにじみ出てるという感じです。仕事の合い間にこんなおやつを食べたいものだけれど、まあ会社じゃ雰囲気でないッス。

ちなみに今日の夜の作業のおやつは、St.Michelのガレット。週末に吉祥寺に行ったときにパルコのB1にできたジュピターという輸入食料品店で買ったもの。St.Michelというメーカーを初めて知ったんですけど、フランスではNo.1ビスケットとして35%以上のシェアがあるらしいです。まぁ味の方はいかにも外国のお菓子らしいバターのきいたビスケットなんで、どうということもないんですけどね。

話は逸れますが、むか~し、初めて調布のパルコに行ったときに、地下が食料品売り場になってて「パルコなのに!」とびっくりした記憶がありますが、輸入食料品とはいえ、吉祥寺のパルコのB1も1/4くらい食料品売り場になってしまって、なんだか「‥‥」という気がしてしまいました。いやわたしが知らないだけで、ほかのパルコって普通に地下は食料品が売ってたりするんでしょうか。

「歩くキノコ」-飯沢耕太郎-

◆匙屋さんの店先で食べたいちごのかき氷、夏はもうすぐ?
今日は、国立の匙屋さんの店先で開店していたたいやきやゆいさんのかき氷を食べに行ってきました。天気的にはかき氷日和!というわけではありませんでしたが、逆に先週の平日のような天気だったら、駅から匙屋さんまで歩くだけで汗だくになってしまうだろうし、匙屋さんの前にだらだらとしゃべったりすることもできないので、これはこれでよかったのかもしれません。

夏みかんが売り切れていたので、うちは苺のに練乳をかけたもの、お店の前で合流したTAIYODOの菅藤さんは抹茶を頼んでみんなで食べました。苺の果肉がちょっと残ったところ手作りの練乳の甘さが程よくて、抹茶は外には粒あんがかかっていて、氷の中にはこしあんが入っているという手間のかかったものでした。かき氷自体もキーンと冷たい~!というよりも、ふわっとしたやさしい食感で涼しい時に食べたからといって体が冷えてしまうようなこともなかったです。

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匙屋さんの前にはニチニチ日曜市に出ている古本泡山さんがいたり(いつもちゃんと話したいと思ってるのですが、なかなか話せない‥‥)、あとから「みんな丘へ!」のメンバー(って言ういい方でいいのか?)トモキくんが自転車で店の前を通ったりして、ご近所さん集まる、みたいな感じになってました。
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ちなみに、匙屋に行く前に、籠太でお昼ご飯を食べたときも、お店で赤ちゃんを連れたOさんに偶然会ったし、その後に行った黄色い鳥器店では、お店の人とお客さんが、わたしが昔勤めていた会社の同僚と思われる人の話をしていたりして、なんだか不思議な一日だったな。

さてこの本は、最近では、文学から漫画・音楽・映画と、古今東西のあらゆる「きのこ本」に言及した「きのこ文学大全」や、萩原朔太郎や夢野久作、泉鏡花、北杜夫、宮沢賢治など「きのこ文学」を16作品を集めたアンソロジー「きのこ文学名作選」、「世界のキノコ切手」「考えるキノコ摩訶不思議ワールド」など、きのこに関する本を出している飯沢耕太郎による東アフリカとトルコ・ヨーロッパを巡った6か月間の旅行記。

作家など著名人らしい快適な旅というわけではなく、かといってバックパッカー的な旅でもないある意味とらえどころのない旅なんですけど、もともと、飯沢耕太郎が1979年から1980年にかけて日本アフリカ文化交流協会スワヒリ語学院の学生としてケニアのナイロビで過ごしていることもあっての15年ぶりの東アフリカなので、単なる旅行記・紀行文にはなってないです。

「INVITATION」-マーク・ゴンザレス-

◆新しいカメラを買いました!
マーク・ゴンザレスの作品は一見すると単純な線のまるで子どもの絵のようなんだけれど、どことなくユーモアがあって暖かい感じがするところがいい、なんて言って書き始めてはみたものの、実はトーマス・キャンベル、ハーモニー・コリン、マイク・ミルズ、トミー・ゲレロ‥‥といったシーンの他のアーティストたちのイメージと重ねてしまっているところもあるような気がします。

まぁそういうシーンとしてのつながりも含めて好きなわけで、はたしてこの本に掲載されている作品をなんの前知識もなく見たらどう思ったのだろうか、ということはやはりどうでもいいのかもあしれない。むしろ他のアーティストの作品も積極的に見たり、聴いたりしていくことで、より楽しめるようになるんじゃないかと思うんだけれど、そういう楽しみは邪道なのだろうか。なので「ビューティフル・ルーザーズ」は必見ののアイテム。わたしは映画館に見に行けずいまだに見れていないけれど‥‥

さて、話は変わりますが、10年以上使っていたコニカのBig miniの液晶部分が壊れてしまって、設定がまったく見れなくなってしまったので(前回もこの部分が壊れて買いなおしたんですよね~)、これを機に新しいコンパクトカメラを買いました。いろいろ迷ったのち結局、ニコンの35Tiを購入。最初はリコーのGRにするか、コンタックスのT2もしくはT3にするかなど思っていたのですが、まっ最終的には35mmということと価格、そしてデザイン、ですかね。
デザインについては、当時は(今も?)上部にあるクルクル針に気に入って購入した人が多いみたいですが、わたしはここについてはそれほどいいとは思えなくて、四角いところやチタン合金色と黒の箇所のバランスを含めたちょっと古い感じの全体感が気に入ってます。
ネットを見てると28Tiの黒塗装のよさだったり、コンタックスT2の機能のよさだったりが書かれているけれど、カメラにかかわらず、わたしが自分が使う道具を決める要素としては、期待する性能から大きくかけ離れているような場合でなければ、この全体感が気に入るかどうかが、購入を決める大きな要因になることが多いです。

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結局のところ自分にとって必要な機能なんて使っていくうちに代わっていくものだし、使いやすさについても実際に何年も使ってみないと分からないところが多い。それよりも機能に合わせて使い方を変えていったり、使いやすさも逆に使うものに合わせて自分を変えていったほうが楽。ただそのためにはそのものが好きじゃないとだめなわけで、長く使うにはそっちのほうが大事なんですよね。

早く試しで撮ってみてどんなふうに写るのか確認したいのですが、週末まで出番はなさそう。しかも家にあったフィルムが36枚撮りを入れてしまったので、来週末、フィルム一本撮りきれるかも微妙。とりあえず次の週末に雨が降らないことを今から願ってますっ。

「冬の薔薇」-秋山ちえ子-

◆蓮沼執太のインストアライブとかカヌー犬ブックス8周年記念20%オフセールとか
秋山ちえ子さんは1957年から45年間「秋山ちえ子の談話室」というラジオ番組のパーソナリティをつとめた人で、「大晦日のローストビーフ」「春・夏・秋・冬 女の食卓」「雨の日の手紙」「82歳のひとりごと」といったラジオ番組などを通じて出会った人々とのエピソードや身辺の出来事をつづった随筆集や昭和40年代から50年代の高度成長期に取材した人たちを10年後に再度訪問するという「十年目の訪問」などの本も出しています

この本は77歳、喜寿を迎えた記念としてまとめた本。
前にも誰かの本で、誰かが三月書房から出している小形の本が気に入っていたので、今回何かの記念に自分でも出すことができた、みたいなことが書いてあったような気がするのだけど、記憶があいまい過ぎて調べようがない。三月書房自体も少人数でやっている小さな出版社みたいだし、そういうつながりで出している本もわりと多いのだろうか?

そしてウィキペディアを見てみたら秋山ちえ子さんは、1917年生まれでまだ存命のよう。喜寿どころか今年珍寿なのですね。しかも2005年まで自身のラジオ番組を持っていたとのこと。ちょっとびっくり。

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金曜の夜は、スパイラルレコーズでやっていた、蓮沼執太のインストアライブを見に行ってきました。当然ですが蓮沼執太のライブを聴くのは初めて。
蓮沼執太は、生楽器中心のオーケストラ編成の蓮沼執太フィル、コンピュータが中心のソロである蓮沼執太チームなど、さまざまな形態でライブを行っているのだけれど、今回は蓮沼執太バンドと称して、蓮沼執太(鍵盤)、Jimanica(ドラム)、千葉広樹(ヴァイオリン)、石塚周太(ギター)、斉藤亮輔(ギター)の5人のメンバーでのバンド編成。まぁこれは最後にメンバー紹介をしたとぎにはっきり分かったことで、会場は人が多くて、最初から最後まで演奏している様子を見ることはできず。ライヴ・レコーディングを素材にしたアルバム「wannapunch!」で聞かれるような、フレーズが組み合わさり、絡み合うような曲がどのように演奏されているのかちょっと見たかったですね。
練習する時間があまりなかったというわりには息もぴったりで、バンドのサウンドとしてストレートに演奏されていて、蓮沼執太のブレイヤーとしてのすごさを実感しました。機会があれば、ちゃんとしたライブを見てみたいです。

ところで、話が変わりますが、6月10日でカヌー犬ブックスは8周年を迎えました。まあいろいろありましたけど、なんとかここまで続けてこられたのも皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
ここ数年はいろいろやりたいこともありつつ、あまり実行できないという感じでしたが、10周年に向けて少しずつ前に進んでいきたいと思っておりますので、今後もよろしくお願いいたします。

そんなわけで、8周年記念ということで6月10日(金)から24日(金)まで、全品20%オフセールを行っています。前から欲しかった本や買い逃していた本、あるいは買うかどうか迷っていた本などがありましたら、この機会にぜひご利用ください。

「ふらふら日記」-田中小実昌-

◆はけのおいしい朝市@中村文具店
ちゃんと照らし合わせていないけれど、なんとなく読んだことがあるものばかりなので、ほとんどがちくま文庫の田中小実昌エッセイ・コレクションの<旅>編に収録されているのかもしれない、いや、読んだことがある気がするだけで分かんないです。いつでもバスに乗って“ふらふら”とどこかに行き、行った先でお酒を飲んで“ふらふら”と酒場をはしごする様子がつづられているので、読んでいるほうもときどきコミマサさんがどこにいるのか分からなくなって“ふらふら”してしまいます。
たぶんものすごくたくさんの知識と経験を持っているにも関わらず、実際の“もの”はほとんどなくて、所有にもこだわらず、ほぽ手ぶらな状態で、“ふらふら”と歩きまわる生き方はほんとうにうらやましい。

そういえばエッセイコレクションも最終巻の<自伝>を読んでないや。今度読もう。んでもって気持ちだけでも“ふらふら”としながら過ごしていこう。

さて、日曜ははけのおいしい朝市。前にPetalでやっていたときに何回か行っていたけれど、 dogdeco HOMEでやるようになってからはあんまり行かなくなってしまってました。そんなに遠くなったわけではないけれど、通り道かどうかっていうのが大きい。それから、朝市の時だけじゃないけど、素敵な植木の置いてあってその横で出茶屋さんのワゴンがあって、小さなテーブルとイスが置いてあって、みんなで囲むようにコーヒーを飲みながらマフィンを食べたりしている、というPatelのお店の前の雰囲気がよかったということもあるかな。(そういえば前は参加しているお店が持ち回りで朝市の会場にしてましたね)

今回は、dogdeco HOMEと中村文具店での2か所での開催とのことで、60年間、小金井でお店をやっていたという文房具店の倉庫に眠っていた古い文房具や、それを再生させたオリジナル商品があるらしい中村文房具店が気になっていたのと、近所にあってミオ犬がしょっちゅう行っているスプーンフルというカフェがdogdeco HOMEのほうに出店するということだったので、あわよくば両方まわれたらいいかな、と。

中村文具店では、「文具店で、ちょっと座っていきませんか」と題した手づくり手紙キットのワークショッブやオヤコデねっとによるひらがなやカタカナが白抜きで書かれているポストカードに自由に絵を描くという「これなーんだ?」があり、奥ではYUZURIHA+アチパンの日本茶カフェがあって、ガレージの中は子どもたちでいっぱい。そんな中で漣くんもお絵描きに夢中になってしまったので、予定では、文房具を見てアチパンでパンを買ってさくっと移動する予定だったのですが日本茶をいただきながら抹茶のマフィンを食べたりしてのんびりしてしまいました。

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ガレージの中だけでなく、お店が路地というには広く、でも車が行き交うわけでもない道路に面しているので、子どもたちが多少店から出ても安全だし、こういうワークショッブをするにはいい場所でしたね。

ところで、家に帰ってちょっと調べてみたら、中村文具店って南口の商店街に合った文房具店だったんですね。わたしたちがここに引っ越してきてしばらくたった頃、閉店セールをやっているのを見つけていろいろ文房具を買ったのを思い出しました。
そう考えると引っ越してきて一年半くらいしか経ってないけど、駅前の様子など武蔵小金井周辺はかなり変わりましたね。そもそも線路がまだ高架になってなかったですよねえ(遠い目)。

「口福無限」-草野心平-

◆SLが料理を運んでくるお店でお祝い
週末は金曜をお休みにして3連休でした。
特にどこかに出かけるというわけでもなかったのですが、金曜の昼間は家でのんびりして(というか午後、家族3人で思いっきり昼寝してしまったのだ)、夕方から国分寺に出て行き、小平にあるいろりの里というところで食事をしました。

いろりの里は、国分寺といっても住所は小平、玉川上水沿いにあって、敷地内には日本庭園が広がっていて、まさに”武蔵野”という感じのレストランで、その庭園を個室から眺めながら、しゃぶしゃぶやすきやき、海鮮料理といった料理を楽しむことができます。

なんでわざわざそんなところまで行ったかと言えば、部屋の外にレールが敷いてあって蒸気機関車が料理を運んでくれるのです!しかもそんなギミックだけではなく、料理もおいしいらしいし(ミオ犬は昔ここで食事をしたことがあったらしい)親子3人とも満足できる素敵なレストランなのですよ。って大げさか。もっと近くにあったら頻繁に行くのに!いや、うそです。平日ランチでも2500円のコースなんてそうそう食べられません。

実際は、全部の料理をSLが運んできてくれるわけではなくで、しゃぶしゃぶのお肉とデザートの2品だけなんですが、ほかの部屋に料理を運んでくるときも窓の外に出てSLを見たりするので、食事をしている間、わりと頻繁にSLが通ります。その度にほぼ全室で大騒ぎになるのですが、SLが戻って行った後は個室に入って窓を閉めてしまえば静かに料理を食べられます。

しかしなんでSLなのかはちょっとなぞ。

そして隣の女の子(漣くんと同じ2歳。女の子はおしゃべりがはやいねぇ)が大騒ぎしているのに気遅れしてるのと場所見知りで、SLは気になるけど、いまいち緑側に出ていくことができない漣くんなのだった。SLの音がすると窓を開けてその隙間から外を見たりしてるのですよ。この辺はなんか「自分の子だな~」と思ってしまうところですね。
でも、「このお肉おいしいねえ」という親の声に反応して、いきなり、しゃぶしゃぶの生肉に食いつくようなところは、「自分の子とは思えないなあ~」と思ってしまいますけど。

「阿蘭陀まんざい」-鈴木信太郎-

◆画家の鈴木信太郎とは知らずに買った本
実を言うと、この本は、フランス文学者のほうの鈴木信太郎の「記憶の蜃気楼」と並べられ置いてあったのを内容もろくに見ずに値段だけで見て両方買ったので(両方とも500円!)、読み始める直前までフランス文学者の鈴木信太郎の本だと思ってました。

それで、前に読んでいた本が読み終わって次に何を読もうかと本を函から出してみたら、なんだか可愛い装丁で、ちょっと意外だなぁと思い、さらにページを開いてみたら、あの特徴的なイラストとそれに添えられた「す」の署名が目に入って、そこで洋画家のほうだと気がついた次第。
いやや、作品集だってなかなか手に入らないのに、まさか洋画家の鈴木信太郎の本を“読める”なんてね、ほんと本は出会いだなーとかなんとか‥‥文章の内容としては、医学博士である永井隆博士の「花咲く丘」の挿絵を担当したことがきっかけとなった長崎旅行の様子を中心に日々の出来事などがイラストとともにつづられています。

中には住んでいた荻窪の様子や挿絵を担当した井伏鱒二の家を訪問した様子なども書かれていたり、荻窪~吉祥寺~三鷹台~久我山といったエリアに暮らしている(た)人たちの家の地図が描かれてあって、それに合わせるようにそれぞれの人についての思い出などがつづられていたりして、阿佐ヶ谷文士のつながりと重なる部分もありつつ、また違った杉並に住んでいた人々の相関図が分かって興味深い。

鈴木信太郎自身は、荻窪から三鷹台に引っ越すことになるのですが、昔の三鷹台の駅のイラストを見ると、何年か前まで三鷹台、久我山に住んでいた私としては、もちろんイラストに描かれている駅とはぜんぜん違いますが、それもまたうれしい気分になってしまいました。

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なんていうことをツイッターでつぶやいたら、三鷹台に住んでいる友だちが、鈴木信太郎の家のすぐ近くに住んでいて、孫と歳が近いこともあって子どもの頃、よく遊びに行っていたことが判明。なんだかすごい。鈴木信太郎家はなぜか庭によく小銭が落ちていたらしいです。次に一緒に飲みに行く機会があったら詳しい話をいろいろ聞きたいな。

ちなみに鈴木信太郎が引っ越していったあとの荻窪の家には、棟方志功が引っ越してきたそう。となれば、6月5日まで荻窪の「6次元」でやっている「デザイナーとしての棟方志功展」を見に行くしかない!あんまり時間もないけどタイミングを見て会社帰りに絶対に寄らなくては。

「リーズンズ・トゥ・ビー・チアフル」-バーニー・バブルズ-

◆バーニー・バブルズの本と国立のバラ園
バーニー・バブルズは、エルビス・コステロやニック・ロウ、イアン・デューリー、ダムドといったスティッフレーベル、またスクィーズやビリー・ブラックなどのミュージシャンのレコードジャケットや「NME」のロゴなどを手掛けてたグラフィックデザイナー。1983年に亡くなっている。何かを調べていたときに偶然知って、さらに検索してみたら、小西康陽の「200枚のCDを聴く。」という連載にこの本のことが書かれていたのを見つけたのだった。もっともそこで小西康陽はこの本を褒めている、というわけではない。
ずっと絶版になっていたのだが、最近2ndエディションが出て、アマゾンで買えるようになったので、すぐに買えなくなってしまいそうで慌てて購入。

わたしはあんまりレコードジャケットの本を持っているわけではないのだが、これとジャイルス・ピーターンンが監修したボサ・ノヴァのレコードジャケットを集めた本は買おうかなと思っている。あぁそうだ小西康陽と常盤響の「いつもレコードのことばかり考えている人のために。」も買っておくべき?正直“いつもレコードのことばかり考えている”わけでもないですけどね。

さて今日は、TAIYODOがフジカワエハガキでお店を出していたので、散歩ついでに国立へ。
駅近くの中華料理店でお昼ご飯を食べてから、珍しくお休みの匙屋の前を通り、やっているのを見たことがないフードムードで半開きのシャッターの中をのぞいてみたり、お休みのお店が多い中いつものようにやっているレットエムインの店内を見たりしながら、フジカワ工八ガキに行ってみると、お店の前ではアグネスさんが菅藤さんとしゃべってて「おお!偶然!いいタイミングだね」なんて話していたら、通りの向こうからともきくんが自転車でやってきて、なぜか「みんな丘へ!」の仲間が続々と集合。

お店の前でお茶を飲みながら話しているうちに盛り上がってきて、これまた「みんな丘へ!」のメンバーであるハタノくんが勤めているひかりフラワーというバラ園にみんなでいく。

ひかりフラワーは、国立の北口の通りをずうっと行ったところにあるバラを中心した園芸店なんですけど、敷地がかなり広くて、さまざまな種類のバラが、鉢植えになっていたり、地面に植えてあったり、アーチに這わせてあったりして、買わなくても見ているだけでかなり楽しい場所でした。パラを見ながら紅茶やケーキなどを食べることのできるカフェもあります。
加えて、わたしたちは仕事中のハタノくんに園内を案内、一つ一つのバラを解説してもらって、かなり賛沢な時間を過ごさせていただきました。

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バラ園の入り口

漣くんも花を見てはいちいち「これかわいいね~」とか「これきれいだね~」と大声をあげながら園内を走り回ってました。すぐに花に触ろうとするので、親としてはけっこうドキドキ。あと、園内をまわっている途中で、折れていたバラをハタノくんが切ってくれたのですが、それを振り回しながら走り回る漣くんを見てると、あきらかに子どもが勝手に枝を折って振り回しちゃってる図で、それはそれでまたちょっとドキドキしちゃったりして‥‥。

国立の駅から遠いんですけど、花の咲いている時期にもう一回くらい行きたいですね。

「春の坂」-上林暁-

◆本の五月祭@高円寺あずま通り
増田れい子の「春の予感」、木山捷平の「耳学問・尋三の春他」に続いて、春になったら読もうと思って本棚に積んであった本。気がついたらもう5月も半分過ぎてしまってますけどね。

日曜は、漣くんとお出かけ。ミオ犬には、吉祥に行ってくるって言って家を出たんだけれど、パスの中で、ツイッターを見ていたら、あまりにもいい天気だったこともあって、高円寺の本の五月祭に行き先を変更~!
本の五月祭は、高円寺の駅から古書会館まで行くときに通るあづま通りを会場とした縁台ふるほん市を中心に、古書会館で行われているちいさな古本博覧会やライブ、卜一クショーなど本に関するさまざまなイベントが行われるお祭?なんですけど、遊びに行く側として今の気持ちとしては、子ども連れということもあり、“本”だけのイベントだとちょっと物足りないんですよね。じゃ何がいいのかと言われると分かんないけど‥‥。

あづま通りは、たいていBGMに童謡のインストがかかっていて、「亀は意外と速く泳ぐ」でふせえりがやっているようなアナウンスが入ったりするような通りで、地味な感じがわりと好き。なかなか行く機会ないですけど、最近はいい感じの飲み屋や古本屋などが増えてきてるみたいです。

さて、本の五月祭。
いやね、子どもの生活に合わせてると、普通に起きて、ご飯食ぺて、洗濯とか掃除とかして、そのまま出かける用意をして出かけると、武蔵小金井から出たとしても、普通に11時半くらいには、高円寺についてしまうんですよね。まして、今回は、途中で行き先を変更したので、開催時間が12時~18時なんてチェックしてなかったので、みんなまだ準備をしているという状態。通りを歩いていて半分くらい来た時に「もしかしてまだちゃんと始まってない?」って気がつきました。

それでも、三月書房の小型本など何冊か購入。こういう狭い通りでまわりにお店みたいなところがあると漣くんもけっこう歩いてくれるし、天気もいいし、これで、ちょっとした食べものや飲みものを売っているお店が出ていたり、入りやすそうな喫茶店があったりしたらいいのにな、って思いました。
あとで考えたら出店はあったのだけれど単に時間が早かったのでお店の準備ができてなかった、喫茶店は時間が早いので当然あいてない、ってことだったのかもしれません。次回は行く機会があったらもう少し時間を見ていきたいと思います。

ちなみにお昼は、4丁目カフェでピザを食べました。先週の福生に続いて2週連続ピザ、そして、ゴールデンウィークに立川のmarumi-yaに行ったときに知った「電車から見える建物は、建物からも電車が見える(可能性がある)」という法則(?)どおり、4丁目カフェからも中央線・総武線がよく見え、漣くんも大ほしゃぎ。お店自体もざわざわしてるし、子ども連れにおすすめ、というほどでもないです。子ども連れでも可、くらいか。