「ニュードキュメンタリー図録」-ホンマタカシ-

◆「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」@東京オペラシティ アートギャラリー
土曜日に初台のオペラシティでやっているホンマタカシの「ニュードキュメンタリー」を見に行ってきました。会社帰りにギャラリーに寄ったりしたことはあっても、ちゃんとした美術館なんて行くのはほんとうに久しぶりな気がします。漣くんも連れて家族3人で行ったので、片方が展覧会を見ているあいだ、もう一人は外で漣くんと遊んでいる、というちょっと面倒なやり方だったけれど、思ったよりもゆっくり見ることができました。

周りを見てみたら、赤ちゃんを抱っこしていたり、小さな子どもをベビーカーで連れた夫婦が何組かいたし、意外と見に来ている人が少なかったから、静かにしていたら子どもと一緒でも大丈夫だったかも?なんて思ったりしましたが、うちの子は声が大きいし、最近は、勝手にベビーカーから降りて自分の気になるほうに歩いて行ったりするので、まあ無理ですね。

それとは別に、金沢でやっていたときにもけっこう話題になってたし、子どもがいるいないに関係なく、混んでてゆっくり見れないんじゃないかと思っていたので、あんまり人がいなかったのは意外でした。やっぱり単純に「かわいい!」って思えるような川島小鳥の「未来ちゃん」とかのほうが人気なのだろうか?

というのは、同じ女の子を撮った写真でも、ホンマタカシの場合、素直に「かわいい!」って気持ちで見れないのね。「Tokyo and My Daughter」ってタイトルがついてるにもかかわらず、ホンマタカシの娘じゃない(みたいだ)し、ホンマタカシが撮ったもの以外の写真も混ざっちゃってる(みたいだ)し、しかもこの女の子の日常とはまったく関係ない(みたいな)広範囲の東京の風景が挟まったりして、いちいち立ち止まって考えちゃうんですよ。
ほかの写真も同じような感じで、作品を見て進めば進むほど、疑問が浮かぶような仕掛けがしてあって、大げさに言うと疑心暗鬼になってしまう。
それで「ニュードキュメンタリー」というタイトルがついているんだと思うだけど、金沢21世紀美術館にしろ東京オペラシティアートギャラリーにしろ、こんな大きな会場でそんなことするなんて、なんだかおおげさだなぁという気もちょっとします。なんとなくそれぞれのシリーズが、一つのギャラリーで行われている展覧会というイメージかな。

もちろんこの写真展で提示されている「写真とは何か」とか「ドキュメンタリーとは何か」、さらに言うと「真実とは何か」みたいな問いかけについての答えはないです。だいたいこの展覧会だけでそれを提示することは不可能なわけで、そのあとは個々にホンマタカシの作品を見たりや著作を読んだり、またホンマタカシ以外の写真家の作品を見たりや著作を読んだりして、自分なりの答えを見つけていくのかもしれない。

ただ私が思うのは、ここ10年のデジタル化によって、写真が真実を写すという幻想はまったくなくなってしまったのではないかなということ。こういう問いかけをするための世界観の構築ってデジタルを使用することで簡単にできるようになってしまった気がしますし‥‥。

それと、今、写真を見たりしている人にとっては、そこに写っているものやことが、真実だろうか真実でなかろうが関係なくて、写真の中のものを真実として受け取れるような世界を構築したり、そのために個性を前面に押し出してくるような、写真(家)のほうが、求められているのかも、なんてことも思ったりします。いや適当。

わたしはホンマタカシみたいな“考える写真家”好きですけどね。というか、ホンマタカシは、個性とかじゃなくて、その問いかけをするための世界を構築するテクニックや感性、それを裏付けるための知識の使い方がすごいんですよ。

それで実はこの写真展のポスターにもなっている「Tokyo and My Daughter」からの女の子の写真さえもホンマタカシが撮ったものじゃなかったりして‥‥。

「いつも夢中になったり飽きてしまったり」-植草甚一-

◆立川のmarumi-ya
たいていの植草甚一の本はタイトルがよいのだけれど、これはその中でも1、2を争うんじゃないでしょうか。
インパクトのある植草甚一の写真をうまく使った筒の函も凝ってるし、こういう本を手に取ると「スクラップブック」とか「●●誌」のようなアンソロジーもいいけれど、きちんと単行本を集めておきたいな、と思いますね。

内容はといえば、ジャズやロックや外国小説、映画、雑貨などについて、植草甚一のあのいつものような文体で書かれていて、この本だからという特徴はあまりないです。ただ個人的には、テーマを決めて組まれたものよりも、この本や「ワンダー植草・甚一ランド」「ぽくは散歩と雑学がすき」みたいにバラバラの内容を寄せ集めたもののほうが好き。というよりも、テーマが決まってると途中で飽きてきちゃうんですよね。昔はそんなことはなかったので、単に歳をとって、植草甚一の好奇心について行くだけの体力がなくなってるだけなのかもしれませんが‥‥。

さてさて、今年のゴールデンウィークは、あっという間に過ぎてしまったような気がします。去年、一昨年は、漣くんもまだまだ小さくて、ほとんど出かけるということもなくて、ときどき親戚や友だちが遊びに来るほかは、近くの公園とかに出かける程度だったので、4日くらい休むと、なんかずいぶんゆっくりしてる気がするけどまだまだ休みなんだなぁ~なんて思ったものでしたが‥‥
とはいうものの、今年も一泊二日で伊豆に行った以外は、吉祥寺や立川、国立など近場に出かけただけだったし、それもたいていは4時か5時くらいには帰ってきてしまうという感じだったのですが、やはりちょっとでも出かけると気分的に違うものですね。

それにしても、毎日のように13キロ近くある漣くんを抱っこして出かけてると、4日日くらいから肩が痛くなってきて、これからもっと子どもがアクティブになっていったらどうなっちゃうのか、なんてちょっと心配。などと思っていたのですが、連休中、一日自由時間ができて、ひとりで高円寺の古書会館を中心に中央線の古本屋レコード屋巡りをした次の日の朝の筋肉痛のほうがひどかった、という‥‥。どんだけ本買って歩き回ってるんだか‥‥。
漣くんはすぐに抱っこをせがみながらも、時々は歩いてくれるけれど、本は絶対に歩いてくれませんもんね。

植草甚一が古本屋巡りをしていたせいで、歳をとっても足腰がしっかりしていたという話は有名ですが、それを実感したゴールデンウィークでした。

って、中身もないうえに、そんなオチもうどうかと思うので、連休中に行った立川のmarumi-yaを紹介します。

marumi-yaは、去年の9月に国立でやっていたワイワイ祭りに行ったときに知った、玄米ご飯をメインにしたメニューが食べられるお店です。ワイワイ祭りの時は、確か玄米が売れ切れたとかで食べられなかったのですが、そのあと場所をウェブで確認したら、立川に行くときに電車から見えるビルにあることが分かり、立川に行くたびに行ってみたいと思っていました。

今回初めて行ってみたそのピンクのビルには、marumi-yaのほかにもカフェや食器を売っているお店などが入っていて、外から見たちょっと古いピンクのビルの印象に似合わず、なかなかいい雰囲気。marumi-yaも窓が多くあり日当たりや風通しのよい部屋で、木製の古いテーブルやイスが置いてあって、カウンターの横には絵本が売られていたりして素敵なお店でした。

わたしが食べたのは鶏肉団子の甘酢あんかけ(もしかしたらちょっと名前は違うかもしれません)。漣くんが食べそうなものと思って頼んだのですが、それよりもミオ犬が頼んだはるさめにがっついてました。いまいち漣くんの好きなものが把握できてないお父さん。いや、甘酢あんかけも最後のほうは団子だけでなく“あん”までも飲んだりしてましたが‥‥。

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鶏肉団子の甘酢あんかけ定食

それから、前述したようにここは電車から見えるビルの一室なのですが、逆に、この部屋から立川に入って来たり出ていく電車が一望できるので、電車好きの漣くんとしては興奮しどうし。何か食べては「おいしい!」を連発し、電車が通るたびに「がたんがたん」を繰り返して、周りのお客さんが温かい人たちでよかったものの、静かなお店の雰囲気をかなり壊してました。すみませんっ。

ちなみにお店の人は、先日国立のヒラヤギャラリーで行った「みんな丘へ!」に来てくれたそう。わたし自身、イベントの時に話したりしたわけではなかったので、絵本を見ていたら声をかけられてびっくりでした。

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店内の様子

「鈴木信太郎展 親密な空間、色彩の旅人」-鈴木信太郎-

◆アースデイに行ってきました
先日は、フランス文学者の鈴木信太郎の本を取り上げましたが、今回は、その時にも書いたこけし屋やマッターホルンの包装紙などのイラストでおなじみの洋画家のほう。
手ごろな画集がなかったので、2006年10月から11月にかけて、横浜のそごうで行われた「鈴木信太郎展」の図版をとりあえず買ってみました。

中心となるのは優しく暖かい印象の洋画で、こちらもよいのですが、やはり気になるのは本の装幀。最後の方、参考資料としての掲載なので、ページ数にして5ページ程度に、宇野千代や石坂洋次郎、林房雄、尾崎一雄、獅子文六、源氏鶏太‥‥といった人の本が掲載されています。どの本も表紙、背、裏表紙、全体を使って一つのイメージとなるような装幀で、つい集めたくなってしまいますが、どう考えても無理なので、佐野繁二郎や茂田井武に続いて、誰か鈴木信太郎の装幀や挿絵などを集めた本を作ってくれないものだろうか?

ちなみにこの展覧会のほうはそごうで行われたの後、八王子の夢美術館でも開催されていて、こちらについては、堀井和子の「みてまわる日々」に書かれてました。

日曜は思ったよりもいい天気だったので思い切って代々木公園でやっていたアースデイに行ってきました。アースデイに行くと言っても基本的に体力のない夫婦なので、ライブをやトークショウを見たり、ワークショップに参加したり、ブースを隅から隅までチェックしたりということはなし。
原宿から渋谷までのんびり散歩ができて、カフェエイトのごはんを食べて、なんとなく目に入ったブースをのぞいたりできればいいかな、という感じです。カフェエイトは青山にあったときはかなり頻繁に通っていたのですが、中目黒に移転してからすっかり行けなくなってしまっているので、こういう機会があるとうれしいですね。

カフェエイトではわたしはテンペカツカレーを、カレーとかテンペとか漣くんにどうなのよ、と思いつつ買ってみたのですが、そんな心配は必要ないくらいガツガツと食べられてしまって、どちらかというとわたしのほうがちょっと物足りない気分。ミオ犬もりんごジュースをほぼ全部飲まれてたし、なんなんだかなぁ~うちの子。

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テンペカツカレー、シートの色が‥‥

そんなこともあって(?)渋谷まで歩いているうちに漣くんが寝たのをいいことに、親たちはマーガレットハウエルのカフェでお茶。カプチーノとレモンケーキを食べてちょっと満足。なんなんだかねぇ~この親たち。
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「装幀の本」-平野甲賀-

◆「みんな丘へVol.2」にたくさんの人にきていただきありがとうございました!
No.126ギャラリーでやっていた平野甲賀展の会場に置いてあったのを見て「やっぱり欲しいな」と思いなおしたのが、2007年夏。その前からずっと欲しいと思っていた本なのだけど、平野甲質展から考えてももう4年くらい前のことになるのかと思うと月日は早い。
あのときは代々木上原まで行って、ハリッツでド―ナツを買ったり、dish/Organic Cafeでごはんを食べたり、LOSPAPELOTEで本を見たりしてからのんびりと駒場東大前まで歩いたんだった。けっこう距離があったし、暑さがひいたタ方くらいに家を出たので、ギャラリーに着くころにはもう暗くなっていたという記憶があります。
機会があればまた代々木上原周辺~駒場東大前を散歩してみたい気がしますが、そんな機会があるのかなぁ~。

さて、この本では、初期の晶文社の本を含む1964年から1984年までの装幀や黒テン卜時代の演劇のポスターが収録されています。たぶんわたしのデザインに対する注意力と記憶力の問題なのだろう。こうやってまとめてみてみるとあれだけ個性的な描き文字にもかかわらず、平野甲賀と認識してなくて、あらためて「そういえばこれもそうだったな」なんて風に気づく本もあったりします。
もちろん“装幀”なのですべてが“描き文字”を使っているわけではないですけどね。
あと、最近出た平野甲賀特集の「アイデア」も買っておかないと。何年かして手に入らなくなったころに欲しくなる気がします。

さて、日曜日の「みんな丘へ!」は、天気にも恵まれて、たくさんの人に来ていただき大盛況でした。みなさまありがとうございました。
前回もそうでしたが、わたしは相変わらず出店者というよりもお客さんのひとりみたいな感じで楽しませていただいてしまいました。トンボベーカリーのパンやカレーを食べながら、アグネスパーラーのサンダリアやビール、夜になったらOH!TAKU1980のカクテルを飲んで、来てくれた人としゃべったり、漣くんと一緒に他の子どもたちと遊んだり、春の休日を満喫。
いやいや毎回そんな感じでもだめなので、次回はいろいろ考えてちょっと違うカヌー犬ブックスにしたいと思ってます~

ヒラヤギャラリーは、5月の終わりまで週末を中心に、カフェや展示などのイベントが行われるようなので、国立散歩がてら出かけてみてください。わたしもちょこちょこ遊びに行きます。スケジュールなどはヒラヤギャラリーのブログでチェックしてみてくださいね。~

 →みんな丘へvol.2の様子(ricamera’s photostream)
 →ヒラヤギャラリーブログ

「こころの眼」-アンリ・カルティエ・ブレッソン-

◆写真絵本いろいろ
アンリ・カルティエ・ブレッソンによるエッセイ集。自身の写真に対する哲学、中国やヨーロッパなどこれまでに撮影した場所について、そしてジャコメッティやドアノー、キャパ、サラ・ムーンなど友人たちについて書いたものの三部で構成されています。
どの文章も簡潔だけれどするどい文章が印象的で、いくつか引用したいところだけど、それで伝わるかというとちょっと疑問なのでやめておきます。
ブレッソンの写真は、何度見ても飽きないし、見るたびに新しい発見や駕きがあるけれど、この本も同じ、いつでも手に取れるような場所に置いておいてときどき読み返したい。
さて、前は雑記で絵本なども取り上げていたけれど、子どもが生まれてから、基本“漣くんのため”という建て前なので、ここでは取り上げてません。でも堀内誠一とか柳原良平とか、子どものためという言いわけで自分の好きな本を買っているという感じですけどね。
最近は、写真絵本に凝っていて自分の本をアマゾンで買うついでに注文したり、古本屋さんで探したりしてます。漣くんに見せても“絵”より“写真”のほうがくいつきがいいのです。このジャンルは洋書の絵本でいい本がたくさんあるみたいなので、わたしとしてはちょっと探してみたい気もしてるのですが、そうすると目的が変わってしまうしなぁ~なんて思ったりして。

-■「ねむいねむいちいさなライオン」-マーガレット・ワイズブラウン&イーラ-
動物園にいる子どもライオンがお母さんライオンから離れて冒険に出るというお話。ライオンの表情はもちろん、冒険の途中で出会う犬や猫との写真などかわいい写真が満載。
写真を担当したイーラは、動物のポートレート専門のスタジオ設立するなどしたウィーン出身の女性動物写真家。この本のほかにも「85枚の猫」や「せかいをみにいったアヒル」、自身がストーリーも手がけた「二ひきのこぐま」といった絵本や動物の写真集を刊行しています。

-■「わたしのろばベンジャミン」-ハンス・リマー-
ある日、お父さんと海を散歩していた女の子スージーは一匹のロバと出会います。そのろばとスージーとが一緒に暮らす様子をつづった本。いつも仲のよいスージーとベンジャミンのかわいさはもちろん、地中海の風景や家の様子など、二人を取り囲む風景がとてもきれいです。

-■「イエペはぼうしがたいすき」-石亀泰郎-
1OOものぼうしを持っているという帽子好きのイエペは、ある日保育園にお気に入りの帽子をかぶらずに行ってしまいます、そのせいかなんだかいつもと違う‥‥
石亀泰郎がデンマークの公園で出会ったイエペという少年を撮影した本なのですが、これも家のインテリアとか、庭の様子がめちゃくちゃかわいくて、大人のわたしはそんな写真の隅っこばかりに目がいってしまいます。
続編に「イエペさんぼにいく」があるのですが、こちらはなぜか絶版で、手に入れるのがしいみたいです。

-■「ヌーヌーサーカスへいく」-ヌーヌー、アンヌ・マリー・べロー-
この辺になると子ども向けというより大人向けになってくるような気がしますが、まあ今のところ動物の写真が載っていればだいたいOKなのです。おしゃべりなクマのぬいぐるみヌーヌーがサーカスに入団するためにチンパンジーと踊ったり、ゾウの上に乗っかったり、曲芸師とアクロバットを演じてみたり‥‥ちょっと無理やりな構図も含めて楽しい絵本。ちょっとスーティっぽい?
ヌーヌーシリーズは.「ヌーヌーとフローレンス」というヌーヌーと女の子の話の本も出ています。

-■「パリのおつきさま」-シャトロット・ゾロトウ-
表紙を見るとなんとなく「赤い風船」を思い出してしまいます。「赤い風船」も写真絵
といえば写真絵本といえるかな。「赤い風船」はうちにあるのはペーパーバックなのでハードカバーのやつが欲しいかも。
セーヌ河や通りのカフェ、朝日に輝くマロニエの木、バケットを抱えたパリジェンヌ‥‥など、パリの風景写真がきれいな本だけれど、こちらも漣くんがもう少し大きくなってから、もしくは大人向け、ですね。いや、やんちゃな漣くんがこんな本を好きになるようなことがあるのかかなり疑問です。

「耳学問・尋三の春」-木山捷平-

◆「みんな丘へvol.2」in国立東4丁目 平屋ギャラリーのお知らせ
国立大学通沿いにある築60年の平屋群。
老朽化のために取り壊しが決まり、この住まいを愛した住人達もこの春ででていくことになりました。
その中の1軒まるごと使って、みんな丘へvol.2。
平屋の最期に花を添えるべく、そうそうたる愉快な仲間達が集まってくれました。
絵や鳥や古本や、縁側ラジオを聴きながらパンやお菓子を。夕暮れに唄を。
空っぽになった家がどんなことになるのか、楽しみです。
賑やかなフィナーレ。

【概要】 →大きなフライヤー

■日にち:4月17日(日)

■時間:11時~18時/17時~園部信教 投げ銭ライブ

■場所:国立市東4-15-52 平屋ギャラリー
 [平屋ギャラリーへの行き方]
 JR国立駅南口下車。大学通り沿い左側をまっすぐ。
 蕎麦屋を過ぎ、ケーキ屋過ぎたところの信号を渡ったらもう少し。徒歩15分ほど。(約1km)
 ※大学通りに面しています。歩道橋よりも手前。
 ※南武線谷保駅も使えます(徒歩10分ほど)

■出展者
◆展示
 関田孝将(造形作家)
 Ricamera(写真とごはん)
 ぺぺぺ小鳥店(オブジェ)
 西淑(イラストレーション)
 片岡メリヤス(にんぎょう)
 しるこの部屋(絵と工作)
 ハタノ=コンスタンティン(映像/縁側ラジオ)
◆FOOD
 TAIYODO(植物性焼菓子)
アグネスパーラー(ドリンク/軽食)
 TomBo Bakery ( 群馬の地粉を使った自家製天然酵母パン)
 レイ・チャーン(トマト農園のケチャップ)
 OH!TAKU1980 (バーテン、夜のドリンク)
◆その他
 カヌー犬ブックス(古本)

■家主/関田孝将さんからのお知らせ
みんな丘への1週前の4月9(土)、10日(日)にヒラヤギャラリーでのさよならイベント第1弾として家主/関田孝将の「暮らしの道具をつくる展」をやっています。
ちょうど大学通りの桜も満開の頃だと思うので、お散歩がてら是非おいでください。
普段製作しているスプーンや鍋、椅子、テープルなど生活の道具を展示します。

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「記憶の蜃気楼」-鈴木信太郎-

◆賑やかな週末@レットエムイン
鈴木信太郎といえば、個人的には西荻にあるこけし屋や長崎のお菓子クルスがすぐに思い浮かびます。このほかに学芸大前にある洋菓子店のマッターホーンや神田志乃多寿司といったお店でも鈴木信太郎の絵をモチーフにした包装紙などが使われていたり、井伏鮮二や丹羽文雄、尾崎士郎といった作家の本の装丁なども手掛けており、こちらも気になっているところ。
なのですが、この本の著者の鈴木信太郎は、その洋画家の鈴木信太郎とは別の人でフランス文学者。しかもこの二人同い歳ということで、かなり紛らわしい。そのおかげでこのフランス文学者のほうの鈴木信太郎を知ることができたので、それはそれでよかったんですけどね。

墓本的には、生涯、大学教授として東大仏文科を活性化に努めた人なので、翻訳を除くとそれほど多くの著作はないようですが、断片的に描かれるパリ留学時の話ゃ岸田国士、辰野隆といった友人たちの話など、もっと読んでみたい。中でもびっくりしたのは、森茉莉の元夫だった山田珠樹と親友だったということ。山田珠樹については今まで森茉莉の視点からしか描かれているのを読んでなかったので新鮮でした。逆に森茉莉の随筆には、辰野隆が出てきたりするのだけれど、わたしが読み飛ばしただけで、鈴木信太郎も出てきてたのだろうか?出てきたとしたらどんな風に描かれてるのが気になります。(辰野隆もあんまりよく書かれてなかったし、鈴木信太郎もよく書かれていることはないんでしょうけど‥‥)
こうやっていろいろな人の“点”がつながって“線”になっていくのが、交友緑のおもしろさの一つですよね。

TAIYODOがレットエムインで出店しているということで国立へ。
レットエムインのある国立市北区商店会は初めて来たときは、駅から遠いなぁと思いながら、暑い中ベビーカーを押して行った記憶がありますが、それからワイワイ祭など何回か来ているうちにそれほど遠いという気もしなくなりました。ほとんどがTAIYODOが参加していたり教えてもらったりしたイベン卜がらみなんですけどね。
TAIYODOのかんちゃん(サイ卜に名前が出てなかったので愛称で書かせていただきます)は、昔、ミオ犬が吉洋寺のバウスシアターでバイ卜していたときに、一緒にバイトしていた人なのですが、武蔵小金井に引っ越してきてニチニチ日曜市によく行くようになってから、国立の情報をいろいろ教えてもらったり、イベントに誘ってもらったり、イベントを通じて新しい友だちができたりと、かんちゃんがいなかったらかなり味気ない生活になってしまっていたのではないか、と思うくらいなのです。

レットエムインの帰りは籠太でビュッフェランチ。籠太は、会津の郷土料理を中心とした居酒屋なんですが、昼間はビュッフェになっていて、しかもキッズスペースがあったりと子ども連れでも入りやすい。並べられている料理は、煮物が中心なのですが、サラダやポテトグラタンなど子どもでも食べやすいものが多いし、ケーキや和菓子などのデザートなどもいろいろあります。唯ーないのがお酒、ですかね。これでビールが飲めたら最高なんですけどね。って、じゃ夜に行きなよ、と。

ここは20年以上国立に住んでいる友だちに教えてもらいました。この友だちも昔、一緒にイベントをやったり、フリペを作ったりしてた人。そのあともずっとお互いのイベン卜に行ったり一緒に飲みに行ったりしてましたが、引っ越してきて、月に一度レコ―ドを回している福助という飲み屋に遊びに行くようになったり、ニチニチ日曜市に一緒に行ったりと、またよく会うようになりました。

ほんと近所の友だちに感謝です。

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TAIYODOのスコーン

「贅沢貧乏」-森茉莉-

◆森茉莉と吉田健一が似ている点
・エッセイとも小説とも言えるような形式
・根がお壊さまだけに深刻さや悲愴ささがまったくない貧乏生活
・賛沢というものへの独自の、そして確固とした価値観
・食べ物ペの執着
・自分の気に入らないものに対する侮蔑の仕方
・難しい漢字を使ったり、長かったりと文章が読みにくい
・今でも熱烈な(特に同性の)ファンが多い
‥‥など

実際に書かれている内容や主張は違うんだけれど、方向性というか姿勢というかカテゴリとして森集約と吉田健一の共通点は多いなぁとこの本を読んで改めて思いました。そもそもこの「贅沢貧乏」というタイトルも、吉田健一の「三文紳士」とか「乞食王子」と、どことなく意図するところが似てるね。

あと二人ともフォトジェニックですよね(美男美女という意味ではなくてね)。

さて話が変わりますが、吉祥寺にヨドバシカメラができたのが2007年、もう4年近くも経つし、その前は何年も三越だったにもかかわらず、今でも近鉄裏と言ってしまうのは、わたしだけではないはず。改めて調べてみたら吉洋寺の近鉄が閉店したのって2001年!もう10年も前のことなんですね。
この辺は、駅から歩いてくるとうブホテルゃ風俗店、スナックなどの飲み屋が並んでて、夜になると客引きでいっぱいになるような場所なんだけど、そういうお店に交じって昔はバラレルハウスやSide-Cなどの雑貨屋さんがあったし、今でも洋服屋とかおもちゃ屋、雑貨屋、古本屋など小さなお店がたくさんあって、東急裏とはまた違った雲囲気で、わりと好きなエリアだったりします。

そんな近鉄裏を散歩したときにたいてい行くのが、ダーチャというカフェ。近鉄裏周辺よりもさらに離れた五日市街道沿いのマンションの2階にあります。街の中心から離れている分静かだし、店内の様子もこじゃれた感じでもなく、かといって昔ながらの喫茶店という感じでもなく、その両方をうまく活かした‥‥いや、本やCDがたくさん置いてあったり、ギターなどの楽器や古いカメラ(たぶん壊れてる)、おもちゃなどがが無造作に置いてあったり、小さな水槽で魚を飼っていたり‥‥お店というより友だちの家に行ったような独特の空気が流れていて妙に落ち着くカフェです。

一人で行ったときなどは、ご飯を食べたりコーヒーを飲んだりしながら、店内にたくさんある本を読んだり、ノートにやらなくちゃいけないことなどをメモしたり、買ってきたものをチェックしたりのんびりしてしまっているのですが、先日、ヨドバシに用事があつたついでに、そんなある意味大人なカフェに漣くんを連れていくという暴挙を試みてみました。
ちょうど窓際の席が空いていたので、そこ座らせると、いきなり目の前に 置いてあったチェブラーシカの人形で遊びはじめるは、窓際に置いてある電車のおもちゃを指さして「ガタン、ガタン」と叫び出すは、棚に置いてあるものを次から次に取ろうとするは、本人は楽しそうだったけれど、けっこう大変、というか静かに本を読んでいたりする周りの人にあきらかに迷惑。

すみませんでした~

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「春の予感」-増田れい子-

◆西荻は遠くになりにけり
去年の11月に取り上げた「いろんな瓶」と一緒に買ったのだけど、題名にあわせて春が近づいたら読もうと思って、本棚にずっと置いておいた本。3月になってようやく春になってきたかな、と思って読んでみましたが、なかなか暖かくならならなくて、まだまだ春は遠い、という感じです。そう言えば去年もゴールデンウィークくらいまで寒い日が続きましたね。今年はどうなんでしょうね。

なんてことをぼんやりと思いながら過ごしていたら大きな地震が。
わたし自身は、地震が起きたときには会社にいたし、家も本棚の本が飛び出したくらいで、大きな被害はないし、家族や知り合いもみんな無事だっし、当日帰ってくるのがちょと大変だったくらいで、そのあともしかしたら停電があるのかな?なんて思いながら電気を使わないようにしたり、通勤の電車がちょっと混んでたり以外は、今のところ特に生活に支障があるわけではないので、できるだけいつも通りの気持ちで生活をしてます。
いや、わたしはわりと鈍感に生きてるほうなので、こういうときほどきちんとアンテナを広げて自分にできることのレスポンスを早くするようにしなくちゃいけないんでしょうけど、なかなかできず‥‥。しばらく経ってから気づくことも多いんだろうなぁ。
被災地で避難生活を送っている方は、ほんとにまだ冬の気候の中、不自由な生活を強いられていることを考えると、少なくとも被害を受けている方々に迷惑をかけるようなことや救援活動などに支障を来たす可能性があるようような行動をとらないように気をつけたいと思ってます。

そんなわけで、いつも通りの週末。土曜日は、漣くんを連れて西荻を散歩。
会社の帰りに音羽館などに寄ったりすることはあっても、武蔵小金井に引っ越してから、休日の昼間にのんびりと西荻を歩くなんてこともまったくなく、ほんとうに久しぶりです。前と違ってベビーカーにのせる必要もないので少々お店が狭かったりしても抱っこして入れるだろうと思うとちょっとワクワク&感慨深い、というと大げさか。

とはいうものの、とりあえず子ども連れでも安全パイと思われるKIKUでごはんを食べて、にわとり文庫や雨と休日をちょっとのぞいたり、音羽館や花鳥風月のほうまで歩いていったついでに古道具屋に入ってみたり‥‥と、うろうろしてみたけど、道が狭いわりに車通りがあるから自由に歩かせるわけにもいかないし、抱っこしてお店の中に入るのもけっこう難しいお店が多かったりして、意外と思うようにいかず、でした。西荻って子どもを連れて歩くにはあんまり向いてないのかもね。

あ~西荻は遠くになりにけり。一時期は“西荻夫婦”になりたい、と思ってたくらいだったんですけどねぇ~

でも近いうちにまた行こうと思ってます~

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KIKUで食べたお総菜3品。これなら漣くんも食べられます。

「ロボッチイヌ」-獅子文六-

◆2月によく聴いたCD
表題の「ロボッチイヌ」は“ロボット犬”と思いきやロボットをフランス語の女性形にした造語ということで、女性を性の奴隷から開放するために売春ロボットを作るという話。このほかにも容姿が西洋人に似た日本人が西洋人になりきる話など、風刺的要素が強い短編が収録されています。
長編だと風刺的要素が背景に漂うという感じで、ある意味隠し味になっているところが、獅子文六の作品の“味”になっていると思っているのですが、ここに収録されている作品では風刺的要素が前面に出過ぎっちゃってる気がします。どこか筒井康隆や星新一的な雰囲気もあります。

年末に「電子音楽InTheLostWorld」を読んだときに、1970年代後半から1980年代にかけての日本のテクノポップを聴き返してみようかな、なんてことを書きましたが、その後、見事にはまってしまいました。でもまだまだ聴き始めたばかりで、YMOやプラスチックスの周辺を中心に昔聴いたアルバムをCDで買いなおしてるって感じです。ついでにNew MusikやBuggles、New Order、OMD、Strawberry Swichbladeなどのエレポップまで手を伸ばしかけていたりして、今年はこの辺だけでなく80年代の音楽をいろいろ聴き返してみようとまで思ってる次第。
80年代の音楽って一部(邦楽だと大瀧詠一と山下達郎、洋楽だとネオアコ周辺くらい)を除いて、90年代以降あえて聴いてこなかった分、ある意味新鮮な気分で。いや、単なる懐古なのかもしれませんけどね。
しかしこの頃のアルバムをCDで手に入れようとすると意外と見つからないもんですね。

そんなわけで2月によく聴いたCDを5枚‥‥

-■「Singing Circuit」-Shi-Shonen-
これは高校時代にほんとによく聴きました。前半の「Lovely Singin’ Circuit」「デジタブル・イン・ベッド」「N-Sマグネティック」「Bye-bye Yuppie」という流れは完璧(もちろんそのあともいい曲が続きますが)。今の音楽に比べるとぐっと前面に押し出す感じがないので、パフュームとかエレクトロ系の人の曲と続けて聴いたりするとかなり軽い感じになってしまうんでしょうけど、おじさんにとっては耳に優しくてうれしい。パフュームも好きだけれど、ずっと聴いてると疲れるのよ。隙間がある分、奥行きが感じられるのね。
今考えるとこのShi-shonen~ピチカート・ファイヴという流れが、わたしのビートルズに影響と受けた人たち離れを促進させたんだなぁと。

-■「マイ・ガール・フライデー」-サロン・ミュージック-
90年代の真ん中くらいにイベントをやっていたときに、よく「マッスル・ドーター」をかけていたので、それほど懐かしい感じでもないのですが、CDで買い直して改めて通して聴いてみるといい曲がそろっているなぁと思いますね。リアルタイムでは、1990年の「Psychic Ball」まで聴いてました。逆に90年代のトラットリア時代以降はぜんぜん聴いていないので、こちらも聴いてみたいかも。
そういえば、吉田仁はピンクの岡野ハジメとQuadraphonicsなんてユニットもやってましたね。懐かしい~
CD化の際にジャケットのデザインが変わってしまったのが残念。

-■「緑の法則」-鈴木さえ子-
鈴木さえ子のアルバムは、「科学と神秘」とアンディー・パートリッジがプロデュースした「スタジオ・ロマンチスト」しか聴いてなくて、これを聴くのは初めてなのですが、でもどこかで聞いたことのある曲が多いのは、鈴木さえ子のラジオ番組を聴いていたせいかもしれません。
ほかのアルバムでもそうなのですが、このアルバムもインストがいいんですよ。1曲目の「夏休みが待ちどおしい」とか、インストなんですけどメロディはもちろん使われている効果音や音色などが、ほんと「夏休みが待ちどおしい」って雰囲気を出してるんです。
それにしてもファーストアルバムのタイトルが「毎日がクリスマスだったら」で、次のアルバムの1曲目が「夏休みが待ちどおしい」って‥‥。

-■「SF」-鈴木慶一-
鈴木慶一プロデュースによるSFをテーマにしたイメージアルバム。
ムーンライダースのメンバーが変名で参加していることもあって、テクノポップというよりもプログレというかフュージョンというか的なインストが収録されています。この頃のテクノ(ポップ)ってあんまり演奏力はないけれど、アイデアやひらめきがあればいい音楽が作れるという発想のものと、もともとプレイヤーでアレンジャーも兼ねていたりするようなミュージシャンが、シンセを取り入れることによって一人で音楽を作っちゃう多重録音的なものと2つの面があると思うのですが、これは後者。もちろん鈴木慶一なのでそれだけではないですけどね。大村憲司とか佐藤博とかこっち方面のCDにも手を広げたいところ。
あと、萩原朔太郎の孫(萩原葉子の息子)である萩原朔美が作詞で参加しています。

-■「浮気なぼくら」「サーヴィス」-YMO-
「浮気なぼくら」とか「サーヴィス」など、いわゆる歌謡曲路線と言われているYMOのアルバムをまた聴くことがあるとは?という感じですが、この歌謡曲路線が今の気持ちに合っていて、けっこう繰り返し聴いています。歌謡曲といえばYMOの3人が作詞、作曲、編曲、プロデュースで関わった歌謡曲を収録した「イエローマジック歌謡曲」というCDも出ているみたいですね。イモ欽トリオとか伊藤つかさ、三田寛子、スターボー、安田成美、中原理恵‥‥といったアイドルの曲を3枚組、全55曲収録、かなりお腹いっぱいになりそうです‥‥。
ちなみに「サーヴィス」のほうはSETのコントを外してiPodに入れてます。ははは。