「草競馬流浪記」-山口瞳-

山口瞳の紀行文というとたいてい前日までに飲み過ぎて、かつ眠れずという体調が悪い状態で、出発したらしたでトラブル続きで、なんとか行ってやることだけはやったからよしとしよう、みたいな印象があります。
基本的に、この本でもその部分はあまり変わらないのだけれど、全体的に楽しげな雰囲気になっているのは、やはり競馬が好きだから、競馬自体にどこか気分を盛り上げるなにかがあるのから、なんでしょうか?わたしにはよくわかりませんが‥‥。11月から府中市民になったからには、その気持ちを少しでも味わうためにも、一度は府中の競馬場に行ってみるべきなんでしょうかね。まあ、府中市民と言っても道を渡ったら小金井市というほんとうに隅っこなんですけど。

さて、今日は、朝起きたら昨日とうってかわって、寒いし雨が少し降っていたので、ちょっと迷いましたが、思い切って、マザーディクショナリーのイベントに行ってきました。京王線の仙川にある造園事務所が、自宅兼事務所で運営している森のテラスというオープンガーデンで、コサージュのワークショップや写真家の高橋京子の撮影会、蓄音機の音楽会などがありつつ、何人かの作家がお店を出したりしている、というイベント。
といっても、ワークショップなどには参加しなかったので、ワタナベマキさんの玄米ちらしをテラスで食べたり、アクセサリーや販売している雑貨を見たり、部屋の中や庭を歩いたりしただけだったのですが、森のテラスというロケーションがとてもよかったです。寒かったせいとまだ子どもが小さ過ぎたので(マザーディクショナリーのイベントだけあって、子どもがたくさん来ていたのですが、歩く前の子どもはうちの子だけでした)、それほど堪能できませんでしたが、テラスで火をおこして、マシュマロやお餅を焼いて食べている子どもたちを見ていると、もう少し大きくなったら、こうやって遊べるんだろうなぁ、なんて思ったり、歩き出したら大変そうだなぁ、なんて思ったりしてました。
森のテラスは、いろいろとイベントをやっているようなので、また機会があれば遊びに行きたい場所です。お茶会、食事会、音楽会などいろいろなイベントだけじゃなくて、和室でごろ寝、読書、勉強、ピアノの練習など個人でも利用できるみたいなので、少人数の集まりなどで借りてもおもしろいんじゃないかな。テラスでなんかを焼きながら月見とか‥‥。

「へなへな随筆」-獅子文六-

引っ越しに際して、今部屋の中にある家具をいくつか粗大ゴミにだそうと思っているのですが、粗大ゴミ出すということは、その中に入っているものを整理しなくてはいけないわけで、なかなか出せなくて困ってます。
このあいだはようやくスライド式の本棚を2つ出して、なんとなく部屋の中がすっきりしたような、逆に段ボールに囲まれていっぱいいっぱいになってしまったような状況。
スライド式の本棚はひとり暮らしをはじめた頃に買ったので、もう15年以上使ってたんですが、正直、スライド式の本棚って本が入らないですよね。大きなカラーボックス2つ並べたほうが収納的にはたくさん入ると思う。でも学生時代、ひとり暮らしの友だちの家に行くと必ずスライド式の本棚があったのはなぜなんでしょうね。流行りだったのだろうか。今でもひとり暮らしの大学生とかは使っているんでしょうかねぇ。

引っ越ししたら、ひと部屋を壁一面を本棚にしたいと思っていて、先週、今週と、カヌー犬ブックスの作業もあまりないし、子どもはひと頃に比べてすぐ寝るようになったし、なんとなく夜の時間をもてあまし気味ということもあり、ネットなどでいろいろ調べてます。見積もりができるサイトで大きさなどを入力したら50万近くになってしまってあきらめてみたり、やっぱりイケアのビリーを並べてるか、でも車持ってないし送料かかりそう、なんて思ってみたり、最終的には日曜大工好きの父親に作ってもらう手もありか(週末手伝うから‥‥)とか、あれこれ思案中。
基本的には、その本棚に入る分だけ自分の蔵書としてあとは読んだらカヌー犬ブックスに出すという形にしたいですね。

さて、この「へなへな随筆」は前に1冊だけ買った「獅子文六全集」に収録されていた随筆集。
前にも書いたことがありますが、獅子文六は、山口瞳と同じように、文庫本だけを読もうと思っていて、文庫本のリストを作ったりしてたんですけど、実際に探してみると、文庫本があまり見つからず、単行本が多くなってしまってます。で、最近は、いつか置ける場所を確保できるようになったでいいから、どうせならまとめて全集を買ったほうがいいのでは、と考えていたので、引っ越したらこの機会に全巻そろいで購入しようかと密かに思ってます。
いや、そもそもいま自分の蔵書がどのくらいあるのか把握してないので、壁一面本棚にしたとしても、「獅子文六全集」全17巻を置けるスペースが残るのか分かりませんが‥‥。加えて簡単に17巻そろいで手に入れられるのかも不明なんですけど‥‥。

「今日の買い物。」-岡本仁+岡本敬子-

月末にむけて段ボールに本を詰めしなくちゃいけないのに、まったくできてません。ちゃんと一日で引越しができるのかどうかかなり不安な今日この頃。
「在庫の確認ができない場合」とか書いている場合じゃないって。普通に注文受付中です。

さて、「今日の買い物。」。なんだかいまさら?という気もしないでもないけれど、買ったものを写しているだけというポラロイドの写真がなんとなく好きで買ってしまいました。
この本を写真集と呼べるのかどうかは別として、意外とポラロイドの写真集でいいなと思うのがなかったりするんですよね。もうポラロイドのフィルムが生産中止になって一年以上経つけれど、岡本仁や岡尾美代子は、どれだけポラロイドのフィルムを買いだめしたのだろうか、ちょっと気になるところです。ちなみにうちにはあと1パックと、カメラに入れてあるフィルムしか残ってなくて、もったいなくて「このとき!」という時までもう使えません。「このとき!」というのがいつのことなんだかさっぱり分かりませんが‥‥。
THE IMPOSSIBLE PROJECTという有志によるポラロイドフィルムの復活にプロジェクトがあって、米Polaroid社からオランダのフィルム工場を製造機器ごと借りる10年間のリース契約を結んだなんていうニュースがかなり前に出ていたり、最近でもモノクロは2010年2月、夏にカラー、2010年の年末にスペクトラが発売予定なんてニュースが出ていたりしてますが、実際のところどうなのでしょうね。もし再生産されたとしても値段や写りのがどうなるか気になったりもしますし、あまり期待せずに待ってます。ほら「期待は失望の母」(by大滝詠一)っていうじゃないですか。

そんなポラロイドのフィルムの復活も気になりますが、個人的には、このあいだスーパーイコンタを買ったばかりだというのに、長崎に行ったら、ニコンのUSをいただいてしまい、はじめてのオートフォーカスの一眼レフに、まだフィルムも入れていないのにちょっとわくわくしちゃってます。これで漣くんが動き回っても大丈夫!?
オリンパスOM1、コニカC35、コニカBiG mini、リコーオートハーフ、ポラロイド、スーパーイコンタ、そしてニコンUSと、気がつけば、カメラももう7台目。カメラによってフォーマットが違ったり、写り方がかなり違うので、用途別にカメラを使い分けられるな、という感じです。用途別に使い分けるほど写真撮ってるのか?といわれると、「‥‥」ですけどね。

「フローズン・フィルム・フレーム」-ジョナス・メカス-

ジョナス・メカスの「フローズン・フィルム・フレーム」と呼ばれている作品や撮影当時の日記、来日時に詩人、吉増剛造と交わした二つの対話、インタヴュー、自伝的エッセイをまとめた本。確か写真美術館で展覧会が行われたのと連動して出版されたのではなかったかと記憶しているのだけれど、どうだったんでしょう。当時、日曜美術館で紹介されていて、展覧会やこの本のことを知ったのですが、けっきょく展覧会も行けず、この本も手に入れることなく、12年が過ぎてしまったわけですね。2005年に南青山のギャラリーで展覧会が行われていたのもぜんぜん知らなかった~。
で、その12年のあいだに、写真もフィルムからデジタルへと完全に移行してしまったわけですが、こういう作品を見ているとまだまだフィルムの写真の可能性は残されているのではないかと思ったりもします。わたしがまだフィルムだけで写真を撮っているのは、そういう理由からではなくて、単にデジタルデータというものをいまだに信用できないのと、アウトプットの種類が増えると整理が面倒という理由だけなのだけれど、フィルム写真の新しい作品を見てみたいですね。ここのところ新しい写真家や写真集などをチェックすることもあまりなくなっていますが、これを機にちょっとチェックしてみようかな、と思ってみたり、みなかったり‥‥。

さてちょっと前になってしまいますが、3連休を利用してミオ犬の実家がある長崎に行って来ました。1日は漣くんをつれて市内観光。1日はミオ犬の両親に漣くんをみてもらって、長崎の港から船で20分くらい行ったところにある伊王島に行って、温泉に浸かったり、新鮮な海鮮丼を食べたりしてのんびりしてきました。
今回は日帰りで、あんまり時間もなかったですけど、レンタサイクルを借りて島を一周できたり、海水浴場もあるみたいだし、防波堤で釣りをしている人がいたりしたので、いつか漣くんをつれて遊びに行きたいなぁ~と思ってみたり、みなかったり‥‥。しかしいつになるのやら‥‥って感じではありますが。

「たらちね」-井伏鱒二-

1992年に刊行された随筆集。井伏鱒二は1993年7月に亡くなったので、晩年の本といえるかもしれません。生前最後の作品集なのかどうかは分かりませんが‥‥。こういうときに講談社学芸文庫があればすぐに調べられるのに、と思ったり‥‥。
内容としては、太宰治をはじめ、庄野潤三、小沼丹、河盛好蔵、永井龍男といった友人たちのことや、少年時代の回想、歴史随筆‥‥など、テーマもなくつづられているのだけれど、雑な雰囲気がないのは、一つ一つの文章がよいから。というより、単に読むほうがこの時期の井伏鱒二の随筆集に統一感なんて求めてないから?なのかもしれません。

だいぶ間が空いてしまいました‥‥。

先々週末に銀座に行って、イコンタというカメラを買ったので、とりあえず出かけるときに必ず持ち歩いて試し撮りをしています。
もともとは、いつかハッセルブラッドを手に入れたいなぁと思って、本を眺めたりしていたのですが、安くなったとはいえ、20万もするカメラを買えるわけもなく、持ち歩くのも大変そうなので、あきらめることにして、マミヤ6か最近出た富士フイルムのGF670か、いやこうなったらLomographyから出ている2眼レフやHolga、いや最終的には35mmで正方形の写真が撮れるDiana Miniでも‥‥とかとかぐるぐる。というわけで、ひとり暮らしで自由な時間もできたので、久しぶりに中古カメラ屋を回ってみたら、イコンタ6出会ったという次第。
スーパーイコンタは、ドイツのツアイスイコン社の製品で、戦前から1950年代にかけて製造された高級スプリングカメラ、当時はかなり人気あったらしいです。4.5×6、6×6、6×9判があるようですが、私が買ったのはもちろん、6×6判。単純な話ですが、フォーマットが変わると、新鮮な気分で写真を撮れて楽しいです。会社にも持っていって、昼休みに撮りたいくらい、なのですが、今週は台風が‥‥。

「くるみが丘」-井伏鱒二-

井伏鱒二の本を読むのは、今年初めてですね。特に作品をリストとかにして追っているわけではなくて、たまたま古本屋で見つけたら買う、という感じなので、ちょっと気を抜くとあいだがあいてしまいます。
とりあえずこの本の何がいいってタイトルがいいですよね。くるみが丘自体は最後のほうに少し出てくるだけなんですけどね。同級生の二人が、いじわるな教師に、異母兄弟だと言われたことがきっかけで、二人で家出をし、東京に出てきて日雇いの仕事などに就きながら過ごす顛末が描かれていきます。パチンコ屋や横浜での船の仕事場、ファッションショーの様子など、映像にしたら映えそうな場面がたくさん出てくるし、ストーリーも単純なので、映画化しやすそうだなと思って調べてみたのだけれど、映画化されてるわけではなさそうです。ざんねん。

あっという間に5連休も終わり。連休中は、久しぶりに外苑前~表参道に行って、ワタリウム美術館で「ルイス・バラガン邸をたずねる。」を見てきました。ルイス・バラガンは、ピンクや水色など、メキシコらしい原色を壁などに取り入れる一方、水面や光、庭の木などをうまく取り入れた建築が特徴的なメキシコの建築家。昔、ルイス・バラガンが手がけた建築の特集を、テレビで放送していたのを見て、ずっと気になっていて、出かけてみたのだけれど、さすがにその建築物の特徴をうまく伝えきれてるとは言い難いかも?建築家の展覧会は難しいですね。唯一人だかっていたのが、その建築を紹介しているモニターの前ってのも、なんだか‥‥という気がしました。

「日本競馬論序説」-山口瞳-

山口瞳が続いてます。リストアップした文庫本で手に入れてないのが、「草競馬流浪記」「酒食生活」「諸君!これが礼儀作法だ」の3冊のみになっていて、ほかに最後に読もうと思ってとっておいた男性自身シリーズ最終巻、「江分利満氏の優雅なサヨナラ」だけになっているので、一気に読んでしまおう思ってるんですが、なぜか「草競馬流浪記」が見つからず。このあいだまでよく見かけていたような気がするんですが‥‥。
でも今まで一度も競馬をやったことのないわたしには、さすがに競馬関連の本はちょっとわからん~。騎手と馬の名前を知らないのが一番のネックですね。もっとも、この本が出たのが1986年なので、今の競馬ファンが読んでも、名前などについては分からないのかもしれないですけど。草競馬だとさらにハードルが上がりそう~

週末、いい天気だったので、久しぶりにニック・ヘイワードの「フロム・マンデイ・トゥ・サンデイ」を聞いていました。9月の晴れた休日の定番。いつも電子音楽やらハードコアやらジャズやらそのときの気分によってばらばらの音楽を聴いてますが、このアルバムとフィールド・マイスの「セプテンバーズ・ノット・ソー・ファーラ」は、この時期なると今でも聴いてしまいます。毎年9月の第1週の「サンデーソングブック」で、竹内まりやの「セプテンバー」がかかるのと同じ。「セプテンバーソング」ではないけれど、そうやって9月を過ごしているうちに、すぐに今年も終わってしまうのかもしれません。今年は年末にかけてちょっと忙しくなりそうなんですよ。

「小説・吉野秀雄先生」-山口瞳-

かなり以前に買っていて、いつか読もうと思っていた本。中身を見ていなかったので、タイトルと表紙から勝手に、1冊全部が吉野秀雄について書かれたものだと思い込んでいたのです。さすがに吉野秀雄で1冊は敷居が高い‥‥。
ところが実際ページをめくって目次を見たら、吉野秀雄は、半分くらいしかなくて、川端康成や山本周五郎、高見順、木山捷平、内田百けんと、いろいろな人について書かれていることがわかり、もっと早く読んでおけばよかった、とちょっと後悔。しかも解説は野呂邦暢。
先日(?)山口瞳は、思い入れがある人について書いたとき、ほんとうにいい文章を書くって書いたけれど、ここでもまさに当てはまってます。ただし、後半は文章の量が少なくて、表面的な記述でのみ、踏み込んだところがなく終わっていて、少し物足りないものもありますが‥‥。

さて、シリーズ「今年の夏によく聞いたウエストコーストジャズ」。第一回目は、ホーン・セクションのアレンジが心地よい4枚ということで‥‥

「The West Coast Sound」-Shelly Manne & His Men-
チェット・ベイカーやアート・ペッパーをウエストコースト・ジャスの4番打者、5番打者とするならば、シェリー・マンは、7番打者、守りの要、キャッチャーというところか。しかもドラムなのに編曲までする頭脳派。実際に誰に当てはまるのか普段まったく野球を見ないので分かりませんが‥‥。その4番打者アート・ペッパーをはじめ、バド・シャンク、ボブ・クーパー、ビル・ホルマン、マーティ・ペイチなど、ウエストコースト代表するプレイヤーによる勢いのあるカラっとした演奏が、いかにもウエストコーストという感じがしますね。

「Bud Shank-Shorty Rogers-Bill Perkins」-Bud Shank-
邦題は「昼と夜のバド シャンク」。前半のショーティ・ロジャースとのセッションのジャケット写真が昼のハリウッド・ボウル、ビル・パーキンスとのセッションが夜のハリウッド・ボウルだからという理由でつけられたらしい。演奏的には、ビル・パーキンスとのどちらかというとなめらかというか、やわらかい演奏になっていますが、どちらも昼なんじゃないかな。同時に「夜!しかも熱帯夜!」みたいなオルガンジャズも聴いていたので、それと比べてしまうとねぇ。

「Vol.1: The Quintets」-Lennie Niehaus-
解説にもあるけれど「流線型」という言葉がぴったりのアレンジが心地よいです。上の2枚はまだ個々のプレーヤーのセッションということで、演奏が「個」の集まりという感じなのですが、これは個々のプレーヤーの演奏よりも、アレンジのよさを楽しむという感じですかね。ソロパートでさえも個性よりもアレンジの一部という‥‥。と思ったら、レニー・ニーハウスは、最近では、映画音楽の作曲家として活躍していて、クリント・イーストウッドの映画のほとんどを担当しているらしいです。

「Cool And Sparkling」-Paul Smith-
ポール・スミスがウエストコースト・ジャズなのか、と言われるとかなり微妙、というか違うと思うんですけど、このアルバムは今年かなり聴いたかも。ジャスのイージーリスニング境界線?逆にこのジャケットで、レコード会社がキャピタルという情報から想像したら、ジャズっぽいと感じでしまうのではないか、と思ったりしますが、どうなんでしょう。ラウンジテイストのピアノとゆったりとしたなめらかなホーンセクションがかぶさり合うのだけれど、適度なスイング感あるので甘過ぎになる一歩手前で踏みとどまってます。

「世相講談(下)」-山口瞳-

ツイッターによるとこの本を読み終えたのは8月7日らしい。どんだけ放置しているのやら。備忘録にもなってません。
そういえば、8月7日は、夕方から大雨が降ったときで、会社の人たちと大門から竹芝桟橋までずぶぬれになりながら歩いて行って、東京湾納涼船で飲んでましたね。で、帰り浜松町から山手線に乗ったら、つい寝過ごして池袋まで行ってしまったという‥‥。あの時は早めに帰ってきてよかったなぁ。終電まで飲んでたら帰れなくなるところだった。といっても、ほかの人たちは、納涼船を降りた後、浜松町で朝まで飲んでいたらしいですが‥‥。

さて、前にも書きましたが、今年の夏は、太陽が出ているあいだは、ウエストコーストジャズと聴いて、夜になったらオルガンジャズを聴いて過ごしてました。
基本的にジャズって、各プレーヤーが、楽器を使って「俺が~、俺が~」って主張し合いながらぶつかることで、化学反応を起こす音楽だと思っているのですが、今は、その「俺が~俺が~」の主張がなんとなくうるさく感じてしまいます。だからジャズでも、ウエストコーストジャズみたいなアンサンブルをベースにしたもののほうがしっくりくるんですよね。オルガンジャズやソウルジャズも、一見(一聴)すると、個性の応酬みたいかイメージではあるけれど、実は、個性よりも全体の「ノリ」のほうを重要視していて、一人のプレーヤーが突っ走るということはあまりないように思うのだけれど、どうでしょう。
というわけで、次回から、今年の夏によく聞いたウエストコーストジャズ/オルガンジャズのCDをいくつか紹介していこうと思ってます。まぁ特に名盤というわけでもないですし、レアなわけでもなくて、単に今年の夏にわたしが聴いてたってだけですので、あいからず。(次回へつづく、と書いて続いた試しはなし)

「時間」-吉田健一-

最近は朝が早いせいで電車の中ですぐに寝てしまうので、本を読む時間が細切れになってしまう。吉田健一の本は、どこでやめても、どこから読んでも楽しめると思っていたけれど、それは、ある程度ゆっくりと読み進められるというときのことで、あまりにも細切れだと、さすがに読み進めるのが難しかったです。というわけで、途中(といってもかなり最初のほう)で読むのを断念、いつかもう少し時間(と気持ち?)に余裕があるときに、読むことにしよう。

それにしても麻生太郎が総理の時に、吉田健一ブームは起きなかったな、と思う。吉田茂経由で白洲次郎は、その生涯を描いたテレビドラマが放送されたり、本屋でも関連書籍が平積みになっていたりしたのにね。もう一押しが足りなかったか。
といっても、いま、カヌー犬ブックスに吉田健一の在庫はほとんどないので、ブームにのって売上げが上がるというわけではありませんが‥‥。いや、個人的には、吉田健一の作品のドラマ化とかチャレンジャブルなことをして欲しい。そして潔く失敗して欲しい。映画の宣伝文句でよく使われるのとは違う意味で映像化不可能なのだから‥‥。

明日はちょっと用事があったのでお休みを取ったのですが、ついでに金曜もお休みにしてしまったため、明日から4連休です。たまたまなんですが、会社の人、みんなに「お盆で実家とかに帰るの?」と聞かれてしまう。特に何をする予定があるわけでもないんですけどね。
それから、私はお盆とかお正月に実家に帰るという習慣がまったくないので、ニュースで、混み合った新幹線に乗り込んでいる映像や、渋滞した高速の映像を見ていると「なんでそこまでして帰るのか?なにがみんなをそうさせているのか?」という気持ちになってしまいます。多分、ほかの人にはそうでもないんでしょうけど、私にとっては不思議な光景です。あの気持ちは永遠に分からないような気がしますね。