20代の後半頃は、毎年12月になると池波正太郎の随筆ばかり読んでいたものだけれど、最近ではもうほとんど読むことはなくなってしまってます。この雑記でもちゃんとした池波正太郎の本が取り上げられたのははじめてになるのではないかな。時代物まで手がのばさなかったせいもあるし、随筆ばかりだと、読み重ねていくうちにタイトルは違っても内容は似たようなエピソードが書かれているなんてことが多くなってきたりして、気がついたらまったく読まなくなってしまった。でも池波正太郎を読み、檀一雄や吉田健一、獅子文六、小島政二郎・・・・といった人の料理に関する随筆をたどっていったことによって、今の私の読書傾向が決まったという意味では、池波正太郎の存在は大きいといえるかもしれません。よくわかりませんが・・・・。
さて、クリスマスだからといってそれほど気合いを入れているわけではないのだけれど、小さなツリーもあるし、クリスマス用の電飾も2つあるので、毎年なんとなく部屋の飾り付けをしてます。近年は23日や24日になってやっと用意して、大掃除の時はそのままにしておくことが多くなってしまった。今年も少し大きめのツリーを買おうと思っていたのに、気がついたら23日になっていて、慌てて買いに行ったらちょうど良い大きさのものは売れ切れになっているという始末。「210cmのものならあるんですけど・・・・」と言われてもね。で、今年は、24日は、荻窪にあるル・ジャルダン・ゴロワのブッシュ・ド・ノエルを買って、毎年恒例になっているチーズフォンデュ(年に一回しかフォンデュ鍋を使う機会がない・・・・)して、25日は、友達が来て大きなチキンを3人で食べました。だいたいこのくらいからお正月にかけて、食べ過ぎの日が続くようになりますね。
来年こそは、大きめのツリーを買って、もう少し早めに部屋の飾り付けをしたり、ビーチボーイズやフォーシーズンズ、モータウン、フィル・スペクターなどのクリスマスアルバムをそろえたりして、クリスマスを迎えられるようにしようと思う。なんたって、うちにあるクリスマスアルバムと言えば、ビンス・ガラルディの「スヌーピーのクリスマス」と、Hair stylisticsやSxOxB、Seagull Scrueaming Kiss Her Kiss Herなどが参加している「the Christmas Album」、そしてコレクターズやワウワウヒッピーズ、ヤングオデオン(小西康陽)、オリジナル・ラヴなどの曲が収録されている「Mint Sound X’mas Album」の3枚だけですから・・・・。
クリスマスも終わればもう気分は年末。プリンターを修理に出していたせいで年賀状もぜんぜん作ってないし、スキャナーも使えず(複合機なんで)先週まったく本の更新ができなかったので、年末年始のあいだに少し更新しておきたいし、ロバロバカフェの古本市の準備もまったくしてないし、行きたいところもいくつかあるし、飲みにも行きたいし、大掃除もしなくちゃいけないし・・・・なんて考えるだけで歳が明けてしまいます。できるだけ来年に持ち越さないようにして、年明けは少しのんびりしたいと思っているのだけれど、どうなることやら。なんかバタバタしているうちにお休みも終わってしまいそう。
「年始名刺」「初湯初床」「神田ばやし」「酉の市」「江戸まえ言葉」「筆の話」「深川めし」「鍋焼きうどん」「うり声」「豆腐」「どじょう汁」「あんころ」「そばやの看板」・・・・など、昔の下町の風物や習慣、言葉、人々などについて、語ったもので、一つ一つ1ページから2ページくらいでまとめられている。
それぞれゆかりのある人たちに東京の各地域を受け持ち、それぞれの地域のいろいろな味や店について書いたものを集めた本。「浅草」(檀一雄)、「新宿」(戸板康二)、「築地界隈」(池田弥三郎)、「神田」(高橋義孝)、「渋谷・世田谷」(奥野信太郎)、「吉祥寺」(江藤淳)・・・・といった文章が収録されています。こういう本で紹介している店が、今でも残っていることは稀だろうし、もしあったとしてもその当時の様子とは変わっているだろう。そういうお店を探して回るという趣味もあまりないので、それよりもその周辺で描かれるお店の主人や一緒に行った仲間とのやりとり、その頃の街の様子などが随所に出ているようなものがおもしろい。そういう意味では、この本はどちらかというと店の紹介が中心になっているので、その点ではちょっと物足りないような気もします。でも吉祥寺のところで浜田山の旭寿司が出てきたりすると、「そういえば浜田山の駅を通り過ぎるとき、旭寿司の看板が見えるけれど、そこなのだろうか?」とか、「ケーキがなくなってからボアにもすっかりいかなくなってしまったなぁ」とか、思たりしてしまいます。
庄野潤三の作品は初期の頃をのぞくと、そのほとんどは郊外での子どもたちとの静かな生活の、ほんのささいな出来事や、遠くで暮らす兄弟とやりとり、学生時代のことなどをつづったものなのだけれど、読んでいて静かな共鳴を受けるようないい作品に感じられるものと、読み進めるのがちょっと苦痛なくらい退屈さを感じてしまうものがあるのはどうしてだろう。そういう風に感じるのは私だけなのだろうか。そう感じながらも作品によってどこかどう違うのかよくわからなくて、実はその時の自分の気分に合うかどうかによって、印象が変わっているだけなのかもしれないとも思ったりもする。
中国からロシア、そして大陸横断の国際列車に乗り込んでヨーロッパへ。昭和のはじめ、1927年から1年超にわたって、中央公論社特派員の名目で夫婦でヨーロッパを旅行した際の旅行記。前に読んだ「テキサス無宿」もそうだったけれど、カタカナ、英語混じりで軽快、そしてユーモアあふれる文体は、当時としてはかなりハイカラかつモダンだったに違いない。が、なんだか今の私にはちょっと読みづらいというか、途中で文字を追いかけるのが面倒になってしまって、上巻でとりあえず挫折。けして嫌いではないのだが・・・・。下巻はまた気が向いたら読むことにしたい。
「ku:nel」は、会社員の私にとって田舎暮らしの現実離れした内容が多くなってしまっているような気がするし、広告とのタイアップ記事ばかりのような気もするし、前回の「本と料理」の特集でがっかりしたこともあって、もう買うのはやめよう、と思っていたのだけれど、本屋に新しい号が平積みされているのを横見で見てみたら、「パリのすみっこ案内」という特集で、表紙・イラストは堀内誠一・・・・。これって反則でわ?と思いながらも、ダブルポイントをねらってタワーブックスで購入(せこい)。パリに行く予定も“あて”さえもない割には、なんだか今年はパリについての本をよく買ったり、読んでいるような気がするのは、単に山田稔と堀江敏幸の本をよく読んだせいか。
週末に雨が降ると一日のうちのほとんどをスペースシャワーTVとかカートゥーンネットワークとかをつけっぱなしにして、家の中でダラダラと過ごしてしまいます。一日のあいだにアジカンとaikoとレミオロメンとエルレガーデンとテリヤキボーイズと・・・・のPVを何回見てしまったことだろう。もう見飽きました。そんなわけで芸能情報にはすっかり疎くなってしまった反面、日本の売れてる音楽には妙に詳しくなっていっているような気がする、ような気のせいのような・・・・。
12月に入って本格的に寒くなってくると、ストーブを少し強めにつけて、温かいココアなんかをすすりながらレス・バクスターの「Ricordate Marcellino」をテーマに、フォーフレッシュメン、ミルズ・ブラザーズ、ハイローズ、ブルースターズ、パイド・パイパーズ、ヘンリー・マンシーニ、そしてジョー・スタッフォード・・・・など、昔のコーラスグループのレコードを聴いてみたくなる・・・・。
いままで「美味放浪記」や「檀流クッキング」といった料理に関する本以外、檀一雄の本を読んだことはなかったのだけれど、古本屋の100円均一の棚に積み重ねられたなかから、なにげなく取り出してみて最初ページをめくってみたら、次のような文章が目に入ってしまい、読んでみる気に。
予定ではこの本を取り上げるときに、鎌倉のイワタコーヒーなどについて書こうと思っていたのだけれど、なかなか読み終わらなかったり、書くことがなかったりしたせいで先走ってしまいました。