それぞれゆかりのある人たちに東京の各地域を受け持ち、それぞれの地域のいろいろな味や店について書いたものを集めた本。「浅草」(檀一雄)、「新宿」(戸板康二)、「築地界隈」(池田弥三郎)、「神田」(高橋義孝)、「渋谷・世田谷」(奥野信太郎)、「吉祥寺」(江藤淳)・・・・といった文章が収録されています。こういう本で紹介している店が、今でも残っていることは稀だろうし、もしあったとしてもその当時の様子とは変わっているだろう。そういうお店を探して回るという趣味もあまりないので、それよりもその周辺で描かれるお店の主人や一緒に行った仲間とのやりとり、その頃の街の様子などが随所に出ているようなものがおもしろい。そういう意味では、この本はどちらかというと店の紹介が中心になっているので、その点ではちょっと物足りないような気もします。でも吉祥寺のところで浜田山の旭寿司が出てきたりすると、「そういえば浜田山の駅を通り過ぎるとき、旭寿司の看板が見えるけれど、そこなのだろうか?」とか、「ケーキがなくなってからボアにもすっかりいかなくなってしまったなぁ」とか、思たりしてしまいます。
週末は、なぜかギャラリー三昧でした。
「スイスポスター100年展」
ギンザ・グラフィック・ギャラリー 2005年12月2日~12月22日
タイトルのとおりスイスポスター100年の歴史たどった展覧会。ギンザ・グラフィック・ギャラリーなので、100年をたどるには展示数は多いとは言えないけれど、アール・ヌーボーの影響を受けた19世紀終わりから20世紀初頭のものから、第二次世界大戦後のノイエ・グラフィーク、コンピューターを用いた最近のものまで、一つ一つの作品はすばらしいものばかり。
「新しい紙『タントセレクト』による私的装幀デザイン展」
紙百科ギャラリー 2005年12月2日~2006年2月25日
仲條正義氏・羽良多平吉氏・工藤強勝氏・松田行正氏・古平正義氏、5人のグラフィックデザイナーによる私的な本の装幀デザイン展。新しい紙「タントセレクト」と言われても私にはそれがどんなものなのかぜんぜんわかりませんが・・・・。
「タナカタナ夫展~アンビエント・マンガの世界」
ラフォーレミュージアム 2005年12月14日~12月28日
「バカドリル」やトン子ちゃんで有名なタナカカツキ初の大展覧会。初期の叙情的な作品から最近の映像作品、Tシャツはもちろん、小学生・中学生のころに書いた漫画なども展示されてます。これが小学生の割にはクオリティが高く、そして今でもきれいに保存されていることにびっくりさせられます。誰が書いているのかわかりませんが、作品に添えられたキャプションもおもしろい。
「クリスマスの宿題工作展」
原宿LAPNET SHIP 2005年12月14日~12月25日
安齋肇&朝倉世界一がプロデュースした、しりあがり寿、高橋キンタロー、白根ゆたんぽ、薙野たかひろ、なんきん、ミック・イタヤらが参加している工作展の第三弾。先生役はナンシー関、山田五郎に続きクリスマスと言えばこの人(?)パラダイス山元が担当。ゲストの女子生徒の東京モダンアート娘って誰?真剣さとちゃらんぽらんさが同居したクリスマスをテーマにしたバカバカしい工作の数々に大人の余裕を感じます。適当。
「Pretty Things」
ペーターズ・ショップ・アンド・ギャラリー 2005年12月9日~12月25日
作品集「Pretty Things」を出したばかりのイラストレーター、原子高志さんの個展。原子高志さんといえば、ランブレッタ、モッズ、そして「礼儀作法入門」。そうしたアイテムがスタイリッシュな作風で描かれています。印刷ではわからない原画ならではの線や色の塗りの微妙な感じだとかがわかったり、鉛筆で描かれた下書きが展示されていたりして興味深いです。23日にクリスマス・パーティも開かれるのですが、行きたい・・・・でも行けないかなぁ・・・・。
「牧野伊三夫展」
HBギャラリー 2005年12月16日~12月26日
音、呼吸、記憶をテーマにした作品や即興絵画、スコットランド取材をした「ウイスキーヴォイス」の来年のカレンダーなどが展示されています。