「銀色の鈴」-小沼丹-

◆連休中に行った展覧会をいくつか
前回に続いて小沼丹も出たらとりあえず買っておく系。今年に入ってもう一冊「更紗の絵」という本も出てるのでそちらも買っておかねば‥‥。講談社文芸文庫がそういう位置づけになりつつある今日この頃です。でも小沼丹は、老後の楽しみにしている全集はまだまだ読めないし、昔の単行本も高くて買えないので(昔よりも若干安くなってきてるような気も‥‥)、講談社文芸文庫から新しい本(?)が出るのはありがたい。意外と文芸文庫から小沼丹の本出てるんですよね。しかもあまり絶版になってない。(しかし7冊全部買うと9167円!)

■講談社文芸文庫から出ている小沼丹の本
 「銀色の鈴」
 「更紗の絵」
 「村のエトランジェ」
 「懐中時計」
 「小さな手袋」
 「埴輪の馬」
 「椋鳥日記」
 あと創元推理文庫から「黒いハンカチ」という探偵小説も出ています。

さて、この本は、戦中に疎開先での教員体験をユーモラスに描いた大寺さんものの「古い編上靴」、信州に別荘を持った友人を訪ねる「山のある風景」、戦前の良き時代の交友を語る「昔の仲間」、こどもの頃に定期的に訪ねた逗子の伯母の別荘でのできごとを語りつつ、伯母の家の凋落に時代の変遷を重ねる「小径」など7篇が収録されています。

どれも淡々とした文体でつづられた穏やかないい作品なのですが、なんといっても表題になっている「銀色の鈴」がいい。前妻の突然の死から再婚するまでを描いていて、自身の経験をもとにしているのにもかかわらず心情の告白するわけでもなく、娘たちとの葛藤があるわけでもなく、あくまでも普通の生活としての娘さんや飲み屋のおかみさん、作家仲間たちとのやりとりがあって、その間にあっさりとした表現で主人公の気持ちがつづられてます。そんな日々の表層の部分だけを切り取って巧みにっないでるだけなのに、行間から深い感情がじわあっと浮き上がってきます。この大寺さんという視点の人物を作ったことで、「いろんな感情が底に沈殿した後の上澄みのようなところが書」けたと小沼丹自身も言っていたようです。

ちなみに大寺さんものは以下の12篇。全部収録した文庫をどこかで出してくれないものかな。文芸文庫が難しいならちくま文庫でお願いします!(ちくま文庫のほうがあってる気がしますね)

■大寺さんもの
 「黒と白の猫」
 「タロオ」
 「蝉の脱殻」
 「揺り椅子」
 「古い編上靴」
 「銀色の鈴」
 「藁屋根」
 「眼鏡」
 「沈丁花」
 「鳥打帽」
 「入院」
 「ゴムの木」

さて、先週からミオ犬と子どもたちが長崎に帰っていたので、連休はなんとなく美術館巡り。去年もそうだったけれど、映画もぜんぜん見なくなってしまって久しいし、行きたくなるようなライブとかイベントがタイミングよく帰省中にあるということもそんなにないし、ついでに古本屋とかCDショップをまわりつつ行くとことと言えばまぁ美術館ぐらいしかないんですよね。
そんなわけで見に行った展覧会についてちょっとずつ。

■「操上和美写真展:時のポートレイト」
展覧会といえばまず東京都写真美術館を調べてしまう。でも操上和美についてはまったく知らなくて、説明によると「70年代から、日産『フェアレディZ』、サントリー『オールド』、ブリヂストン『レグノ』等のCMや、ロバート・フランク、笠智衆、キース・リチャーズ等のポートレイト」を手掛けているとのことで、最初はあんまり興味もなかったのですが、調べていくうちに初期の頃から「Switch」の表紙を手掛けていることを知り、興味がわいてきた次第。
実際にはコマーシャルフォトが展示されているわけではなく、おもちゃのカメラで撮影されたモノクロ写真や、故郷である北海道への旅をまとめたシリーズ、日常的に撮りためたスナップショットと、3つのシリーズの写真作品が展示されています。
特におもちゃカメラで撮られた「陽と骨」シリーズの作品は、元々が粗いにもかかわらず、それをさらに引き伸ばしていて、ざらざらとした質感や傷が生々しくてよかったですね。結局、モノクロでもカラーでも作品の中に詰め込まれた情報量が削られたものが好きなんだなあ~

■「大正・昭和のグラフィックデザイン小村雪岱展」
小村雪岱は原田治の「ぼくの美術帖」で知った画家。この展覧会では、泉鏡花などの本の装幀や舞台装置の原画などが展示されてます。描かれている内容は、女性の雰囲気も含めて江戸情緒にあふれているのですが、全体から受ける印象は洗練されていてその折衷がすばらしい。少女趣味っぽいところや色気にはしることもなく描いている対象を冷静に眺めてるところがいいな、と。実際は気に入った女子をモデルにして描いてるらしいので単にイメージなのかもしれないですけどね。
それにしても100年近く前に刊行された本も展示されているのですが、どれも状態がよくてびっくりです。個人蔵となっていたけれど、どんなコレクターが所有しているのだろうか。かなり気になります。あと今出ている本が100年後にこんな風に展示されるようなことがあるのかなぁ?ともちょっと思いましたね。電子書籍だから劣化せず100年後も今と同じ状態で見れるのか?しかし少なくとも紙の本は個人でもちゃんとすれば、100年保存できるかもしれないけど、100年後でもちゃんと起動するかたちでiPadを保存しておくのは無理だからねえ~

■「清方の美人画」
小村雪岱が鏡花の本の装幀を手掛ける前に、装幀を行っていたのが鏑木清方。芝木好子や戸板康二など最近読んだ本で続けてその名前が出てきていたりして気になってました。鎌倉に行ったときにちょっと時間が空いたので、いい機会と思い鏑木清方記念美術館に寄ってみることに。
ちょうど展示されていたのが、清方が鏡花をはじめとした挿絵画家として人気を得たあと、自由な画題で描きたいという思いから、日本画家に転身した後の時代の作品だったので、初心者としてはもう少しいろいろな面からこの画家の作品を見てみたいです。また機会があったらどこかの美術館に足を運んでみます。

■「芹沢銈介の作品と収集II 身にまとうよろこび」
去年から芹沢銈介の展覧会を見るのは3回目。今回は展覧会を見るというよりは、芹沢銈介美術館に行ってみたかっただけですね。実際、展示としては芹沢銈介の作品が半分、芹沢銈介が収集したアジアを中心とした着物や布が半分という感じでした。日本のものでは、影響を受けたと言われる沖縄のものがなかった気がしたけどなぜかな?
建物は建築家の白井晟一が設計したもので、建物の外の噴水と池、椿の緑、そしてそれを囲むような石の壁のコントラストとバランスがいい。そして建物の中は太い木の柱が多く使われていて、展示されている芹沢銈介の作品にマッチしていて、大胆に素材を使い分けている感じでした。

■「フィンランドのくらしとデザインームーミンが住む森の生活」展
こちらはついでに。見る前からわかっていましたが、ムーミンをはじめカイ・フランクの量産型食器、マリメッコのファブリック、アアルトの椅子や照明器具などについては、まとめた形で見るおもしろさはあったけれど、新鮮さはそれほどなかったです。それよりもフィンランドの自然を描いた絵画や彫刻、民族叙事詩「カレワラ」の挿絵原画など、前述のプロダクトデザインの土壌となった作品のほうがおもしろかったので、この辺の展示がもう少しあったらと思いました。(それだとキャッチーじゃなくなってしまい人が来なくなっちゃうのかもしれないけれど‥‥)

「聖ヨハネ病院にて・大懺悔」-上林暁-

◆9月29日は暁くん1歳の誕生日でした
収録されている作品がすでに読んだものばかり、というのは分かっていたけれど、とりあえず買っておく。しかし前に文芸文庫から出ていた「白い屋形船・ブロンズの首」と収録されている作品が10編中3編かぶっちゃってるってのはちょっとひどい(新潮社から出ている文庫とのかぶりも3編)。上林暁の本なんて全部で30冊くらいしかないのだから、全部、文庫化してくれればいいのに、って思ったりもしますが無理ですかね。
前回書いた山下達郎のベスト盤じゃないけれど、紙の本もあと数年くらいしか出すことができないかもしれないので、“出すなら今のうち”という気持ちで、編集者が出したいものをどんどん出版して欲しい(笑)。なんてことを古本屋がのんきに書いてていいのだろうか?

話がそれましたが、上林暁は夏葉社からもアンソロジーが出ているので、近いうちにそれも読むつもりです。文庫とはかぶっていないようだし、独自の切り口で選ばれた作品が収録されているみたいなので、楽しみ。でも、なんとなく選者の思い入れが、表紙の裏とかページの隙間とかからはみ出してきてちょっとつらいんじゃないかと思ったりもしてます。まぁ結局のところ本の値段が高いのでなかなか手が出ないだけなんですけどね。
あと、上林暁のアンソロジーと言えばちくま文庫から出てた「禁酒宣言」がよかった。ときどき読み返したいと思うけれど、本棚の奥のほうにあってなかなかとりだせないままになってます。

ちなみうちの子に暁とつけたのは、上林暁から、というわけではないです。まったくの偶然というわけではないですけど。

その暁くんも29日で1歳。去年、「生まれた~」という連絡を受けて、新幹線で長崎まで行ったときから1年。今ではもう歩き始めて、毎日少しずつ歩ける距離も長くなってるし、離乳食もだんだん普通の食べものに近付いてるし、赤ちゃんの一年は大きい。そして確実に前に進んでいく。

とは言っても、1歳の誕生日なんて、本人は何も分かってないし、おいしいものを食べられるわけでもないので、大人たちが単に「大きくなったねえ~」みたいな感じで盛り上がるのと、お母さん一年間お疲れさまでした、って感じになっちゃうんですけどね。ほかの人はどうしてるんでしょう?漣くんの時は長崎から義母が来ていたので、長崎のしきたりで大きなお餅を踏ませたりしてたけど、東京・神奈川はそういうのない気がしますね。あるのかな?
しかし先週はうちの親や妹が来てケーキを食べたり、当日は立川に出てキ八チでちょっとぜいたくなランチにしたりと、暁くんにまったく恩恵がなしの状態だったので、家族で食べるケーキくらいは暁くんも食べられるものにしようと、1歳から食べられるスポンジケーキのセットを購入。

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漣くん飾り付け中~!

甘いしふわふわしてるしおいしいかったのか、ろうそくを消して切り分けた瞬間から二人ともすごい勢いで食べ始め、ほぼ全部、二人で食べてしまうという結果に。こんなに食べさせていいのか?という気持ちもありつつ、誕生日だからということで‥‥。

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そして次の日、3人は羽田から長崎に旅立って行きました~長崎でも誕生日を祝ってもらうんでしょうねえ~

「パリの女」-アンドレ・モーロア、ニコ・ジェス-

◆明日は山下達郎の「サウンドクリエイターズファイル」の最終回
8月の終わりは、大滝詠一のポップス伝を聞いたり、小西康陽のこれからの人生を聞いたりしていた。ここ何十年もラジオなんてサンデーソングブックをたまに聞くくらいだったのに、iPhoneを使うようになってからよく聞くようになったのは、まあ不思議な感じ。録音できるアプリも入れちゃったので、単純作業な仕事をしながら何度もポップス伝聞いてしまいました。

9月は山下達郎がマンスリーで出ているクリエイターズファイルを録音して、通勤やカヌー犬ブックスの作業中に聞いてます。ベスト盤の発売に合わせて、35年のキャリアを振り返る内容で、初めて聞くエピソードも多く、おもしろい。エピソードとしては初期のほうがやっぱりおもしろいんだけど、けっこう知ってる話も多い。で、中期になると知らない内容が多くなってくるのは自分の思い入れの強さなのか、そもそもあまり語られていないのか、どっちなんだろう。そういう意味ではあまり期待していなかった今週末の後期も楽しみになってきてます。ちなみに第三回目のゲストは東山紀之です。

しかし山下達郎だけじゃなく、桑田佳祐とか松任谷由美とか、パッケージがなくなる前にあからさまにベスト盤で稼いでおこうというリリースが続いていてなんだかなあと思ってしまうね。ほんとはベスト盤で時間をつぶしてしまうのなら、ライブ盤とか企画ものを出してほしい。「オン・ザ・ストリートコーナー」はもう無理なのだろうか?

-このアンドレ・モーロアとニコ・ジェスの「パリの女」は、シュガーベイブの「songs」に描かれたイラストの元ネタの写真が収録されていることで有名な(?)本。元ネタというかまあそのままです。いや、よく考えたらバンドのデビューアルバムのジャケットでなんでこの写真をイラストにして使おうと思ったのかがなぞ。音を何度も聴いてるとジャケットと合っていると思ってくるんだけど、デビューアルバムぽいフレッシュなインパクトはないですよねぇ~
ちなみにこのイラストを描いたのは「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」と同じ金子辰也という人らしい。てっきりWORKSHOP MU!かと思ってました。というか、調べてみたらこの金子辰也って人、今ミリタリー系のプロモデラーで、TVチャンピオンでモデラー選手権でチャンピオンになったりしてるんですね。う~ん。

本の内容は、女学生、市場のご婦人、お針子、バレリーナ、女優・…など、1950年代のパリに生きた女の人を写したニコ・ジェスの写真に、アンドレ・モーロアのパリの女性に関する文章が添えられている。なぜ今になってこの本が再版されたのかわからない。まさか訳者が芥川賞を受賞した朝吹真理子のお母さんである朝吹登水子だから、というわけでもないだろう。

なんだかいろいろ不思議な本だ。

「暮しの手帖第4世紀59号」

◆月一ドライブ9月はこどもの国まで
辰己芳子や飛田和緒、野崎洋光、上田淳子、堀井和子、大川雅子、ホルトハウス房子、岡尾美代子‥‥といった料理研究家や料理上手な著名人39人の座右の料理本を紹介した「私の好きな料理本」というページにひかれて購入。ページ数はそれほど多くないけれど、みなさん素敵な本を紹介していて、いろいろな意味で見入ってしまいます。

料理本はヴィジュアルもきれいだし、昔の本はイラストなどもかわいいものが多いし、いろいろな人がおすすめの料理本を紹介する本があったらおもしろいと思うのですがどうなんでしょう。そんなに多くの本を載せなくてもいいし、本の厚さも薄くていいのでオールカラーで、できればハードカバーだとちょっとうれしい。和書と洋書の2部構成になっていて、それぞれ数ページずつちょっとしたテーマにあった本を紹介して、そのあいだに料理家を紹介するコラムや本を作ったときのエピソードが掲載されているとか‥‥などなど、と妄想。

さて、話が変わりますが、ここ10年間くらい車の運転をしない生活をしてきたのですが、子どもが二人いると車で移動できるほうが便利かなと思い、去年の9月にペーパードライバー講習を受けて車生活を復活させました。でも今のところは別に車を買う気(余裕?)もないので、また運転しない期間が長くならないように、月一くらいで車を借りて、練習がてらどこかに行くようにしています。

先月は逗子まで行ってbeach mufrinでごはんを食べたり、わかなぱんでパンを買ったりしました。ほんとは泳がなくても海に降りて砂浜でちょっと遊べたら、と思っていたのですが、beach muffinを出たらどしゃぶりになっていて、外に出られずちょっと残念な結果に。

-今月は、こどもの国へ行ってきました。特に理由もないんですが、車を借りた時に行こうと思っていたところがダメになったので、適当にはなれた場所で漣くんが遊べそうなところという感じですね。
こどもの国はわたしはまだ横浜に住んでいた頃に何回か行った記憶があるのですが、なんせ小学校上がる前のことなので、ポニーに乗ったというくらいでほかに何をしたという記憶はないです。あとはうちの親が留守の間に近所の友だちの親につれてもらって行って帰ってきたら大騒ぎになってたってことかな。もう40年近くのことなので記憶があったとしても今でも同じようなものがあるかどうかはわかんないすけどね。

そんな記憶があやふやなこどもの国ですが、改めて行ってみるとけっこう広い。9月とはいえ、30度を超えている中、歩きまわるのはちょっと辛かったです。そんなわけで、今回は牧場を中心に遊具で遊んだり蒸気機関車の形をした園内バスに乗ったりするだけでなんとなく親が疲れてしまった次第。
-でも動物園はそれほど広くはないのですが、実際に柵の中に入って触れるのがよかったです。こわがりな漣くんも動物に関してはあまりこわがらずに、うさぎや鹿の赤ちゃんとかを触ったりしてましたしね。

ちょっとした乗り物や水遊び、バーベキュー、ボート、冬ならスケート場など、園内でできることがたくさんあるので目的を絞って遊びに行くか、レンタサイクルもあるので、自転車に乗れるようになってから行くといろいろなところに移動できて楽しいのかもしれません。

帰りは、こどもの国を出たすぐ近くにあるコメダ珈琲でお茶。シロノワールとクリームソーダで初コメダ!って別に元の会社の本社が名古屋になったからといってコメダに思い入れがあるわけではないですけど。でもまたこどもの国に行くことがあったら、コメダでお昼ごはん食べるかも?

「d design travel TOKYO」

◆ナガオカケンメイ×嶋浩一郎@B&B
もう先週の話になってしまいますが、ナガオカケンメイと嶋浩一郎のトークショーを聞きに下北のB&Bに行ってきました。B&Bはビール片手に本が楽しめて、夜になると毎日さまざまなイベントが行わるという7月に開店したばかりの本屋さん。もちろん行くのは初めてなんですが、ちょっと古めのシンプルな本棚やテーブル、イスなどが置かれた落ち着いた店内で、棚ごとにテーマに合わせた本や文房具などが並べてれているという素敵なお店でした。まぁイベントの時間なので人もいっぱいしたし、トークショー用のイスが並べられていたりして実際はゆっくり本を見るという感じではなかったんですけどね。

B&Bに関しては、トークショーで嶋浩一郎が、「本屋でビールを飲みたかった」ってことと、「街の本屋さん」ということをすごい強調していたけれど、こういう本屋さんが街の本屋さんとして機能するのって下北ならではなのかなって思います。街の雰囲気や集まってくる人の性質もそうですけど、大型の本屋さんも三省堂くらいしかないということも大きいのでは‥‥適当。

-さて、対談のほうは最近刊行された「d design travel TOKYO」で紹介されているお店や人に関する取材時のエピソードや、これまでに出た「d design travel」を含めた雑誌の作り方、取材方法などについての話、そしてこれからの予定などをナガオカケンメイが話す横で、その話題に関する小ネタや豆知識を、嶋浩一郎がちょこちょこと披露するという内容でなかなか楽しかったです。
ほんと、二人ともほんとうにいろいろなところに行っていて、かつ、たくさんの知り合いと交流し、豊富な知識を持っていて、ただ感服するのみです。なんかひさしぶりにパワーを持っている人の話を直接聞いた気がします。

実を言うと、行く前は本屋さんのイベントなんで2時間じゃなくて1時間くらいのカジュアルなものにして、チケットも1500円だとちょっと高いので800円くらいにしてもらえると会社帰りに気軽に行けていいんだけどなぁ、チケットが800円だったらビール3杯飲みますって、などと思っていたんですよ。
でもけっきょく、1時間じゃちょっと物足りない気分になるんじゃないというくらい2時間たっぷり話が聞いて楽しんだうえに、入り口でトークショーのテーマになっている「d design travel TOKYO」や資生堂パーラーから出ているソーダ水をもらい、料金的にもものすごく得した割には1杯しかビールを飲まなかったっていう‥‥。あぁぁ、次回行く時はもっと飲んで本も買って帰ります!

「おふくろの妙薬」-三浦哲郎-

◆三鷹 星と森と絵本の家
三浦哲郎の初めての随筆集。なのに、なんだか故郷の母親や姉の話が多いなぁと思って読んでいたのですが、途中でタイトルが「おふくろの妙薬」ということに気がつきました‥‥。
ちなみに「おふくろの妙薬」は三浦哲郎の母親が若い時に湯治に行ったときに、親切してくれたお返しにといって寺の住職に教わった目ボシに聞く薬のこと。この薬はたばこのヤニから作るため、三浦哲郎がパイプからヤニを集めている様子などが描かれている。

と、そんなことよりも、この本を読んで、三浦哲郎が大学では小沼丹に習い、小説も書き始めの頃から井伏鱒二に読んでもらい師と仰いでいたということを初めて知り、なんでもっと早く読まなかったのかと後悔してます。ここでも木山正平や庄野潤三といった作家が出てきたり、阿佐ヶ谷文士の様子をまた違う視点から読めておもしろかったです。こういう阿佐ヶ谷文士の交友録的な話を読むと、これらを横串にしたアンソロジーを組んでみたいと思いますね。「将棋についての話」とか「●●という飲み屋について」など切り口としてはいろいろありそう。

日曜日は、前々から行きたいと思っていて、周りにも行ったら絶対楽しいとすすめられていた三鷹の星とと絵本の家に行ってきました。

星と森と絵本の家は、国立天文台の敷地内にあり、絵本との出会いやさまざまな体験を通じて自然や科学への関心につながることを目的としたところ、らしい。大正時代の古い、でもきれいに保存された建物の中に絵本が展示されていたり、広い庭には自然のものを使った遊び道具が置いてあります。星と森と絵本の家自体はそれほど広い場所ではないし、絵本もものすごくたくさんあるわけでもないけれど、家の中の長い廊下を歩きまわったり、ちょっとしたおもちゃで遊んだり、外に出てみたり、緑の多い天文台の敷地内を散歩したり、もちろんソファに座って絵本を読んだりしているだけで、子どもも飽きずに楽しめます。

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すだれがかかっているので建物の様子が分かりにくいのが残念

わたしが行ったときは、まだ暑かったけれど、午後からかき氷屋さんが出て来て、太陽系の惑星に合わせた色のシロップのかき氷を縁側で食べたりできたのもよかった。見た目はなんてことのない色のついたシロップだったのですが、ちゃんとその果物の味がしておいしかったです。どこかにシロップが売っていたら欲しい!
天文台のほうで別に受付をしたら天文台の見学もできるそうなので、次回は天文台にも行くつもりです。

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こんな足踏みミシンやオルガンなども置いてありました

「たべもの草紙」-楠本健吉-

◆約1か月ぶりの雑記だけど書いてる内容も1か月前の話。ボリショイサーカスに行ってきました
特に忙しいわけでもないし、書くことがなにもないというわけでもないのですが、なんとなく雑記を書くのが億劫になってしまってます。ツイッターをチェックしてみたら、この本を読み終えたのが7月26日だったので1か月以上も経ってる。7月の読んだ本について書くとか、1か月のあいだに何したんだっけ?なんて思いながら雑記を書いてるなんて、なんだか夏休みの宿題の日記を8月の終わりにまとめて書いている小学生みたいな気分。なんてことを言っているうちに9月になってしまってるんですけどね。

三月書房から出ている小型本。俳人らしく季節ごとに、旬だったりその時期に行われる行事で食べるような食べものについて、作者の経験談なども交えつつ紹介しています。基本的にはその食べもの自体を紹介することに主眼をおいているので、わたしとしてはちょっともの足りない。でも、さまざまな食べものをわりと短い章で分けて紹介するという構成も文章の内容も小型本にあっていると思う。だからといって普通に身辺雑記をつづったような随筆集が小型本に合っていない、というわけではないですが。

さて8月は、夏休みをとってどこかに行くということもなく、1日だけ有休をとってボリショイサーカスに行ってきました。ボリショイサーカスは、昔、東京ドームでやっている時に見たことがあるのですが、わたしもミオ犬も、サーカスというとフェリーニの映画や「二十世紀少年読本」などを思い浮かべてしまっていたので、わりと現代的なその内容に肩透かしな気分になってしまった記憶があります(もちろんシルク・ド・ソレイユみたいなアクロバティックなショーに比べたらかなりノスタルジックですが)。そんなわけでそのあとしばらく経って、味の素スタジアムでやっていた木下大サーカスにも行きました。こちらはイメージ通りのサーカスでしたね。今住んでるところは、味の素スタジアムまで自転車で行ける距離なので、またやってほしいなぁ~

10年ぶりくらいに見たボリショイサーカスは、子どもと一緒ということもあり家族4人でかなり盛り上がりました。いや、家族4人はウソです。暁くんは分かってないです。まぁたぶんサーカスに限ったことではないと思うのですが、小さい子どもと一緒に見ると、ステージで起こっていることを説明したり、質問してみたり、いろいろ話しかけながら見ることになるので、どうしても自分もテンションが上がってしまうということろがありますね。

わたしとしては、ステージの上のほうでBGMを演奏している人たちを見ているのがおもしろかったです。ドラム、ベース、キーボードの3ピースに録音されたものを組み合わせて、演目に合わせたアップテンポだけれどちょっとノスタルジックなメロディを、おじいさんが演奏していました。上のほうで客席からみにくいところにいるせいか特に楽しそうな振りをするわけでもなく、逆に冷めた感じでもなくたんたんと演奏している様子が“らしく”てよかった。もちろん動物たちの動きに合わせたブレイクもやり慣れている感じでピッタリ、なんだけど、それも特にどうということもない。
なんかステージが終わったあとは楽器なんか放り出して、三人で話に盛り上がるわけでもなく言葉も少なく静かに飲んでるイメージだよな、なんて想像してしまいましたね。そう、サーカスってのは、ステージの上だけでなく、それが終わったあとのストーリーを(たとえありきたりなものだとしても)想像できる余地があるところがいいんじゃないかと。それは人と人の関係だけではなくて、ステージ上での人と動物のちょっとした仕草からも浮かびあがってきますよね。

そんなことは大人の楽しみに過ぎないけれど、現代的とはいえ演目もどちらかというと素朴だし、アクロバティックなものはそれほどないし、動物もたくさん出るし、小さい子どもが楽しめる内容なので、暁くんが漣くんくらいになったらまた行ってもいいかも、なんて思ってます。

「杏の花」-芝木好子-

◆宮内優里ライブ@江戸東京たてもの園下町夕涼み
本の内容ももちろんいいんですが、本自体がものとしてすばらしい。芹沢錐介による装丁のデザインや色合いのよさはもちろん、函も普通のものではなく本を包んでマジックテープでとめるという凝った作りになっています。しかも署名の入ったしおりがはさんであるという‥‥いつまでも大切に手元に置いておきたいですね。ちなみに芹沢錐介は、このほかにも「湯葉・隅田川」や「染彩」「下町の空」といった芝木好子の本の装丁を手がけています。

本に限らず音楽もそうだけれど、中身だけがあればいいというものでもなくて、パッケージのデザインや仕掛けなどとの相乗効果でその作品の世界がより鮮明になることも多いし、またそれをきっかけに興味の広がっていくことも一つの楽しみとしてあると思うんですよね。なので、パッケージがなくなっていくということに関してはかなりさみしいです。ほんと、レコードジャケットや本の装丁などを入り口に知ったデザイナーや写真家などがどれだけいるか!ってことですよ。

-いろいろ技術が進歩したというけれど、本当の進歩というのは、「今までこういう本を作るのはものすごく手間がかかったけれど、手間が削減されてより簡単に同じものを作ることができるようになりました」ということなんじゃないかな。「こういう本を大量に作るのはやっぱり難しいから、より簡単に作れる本で大量生産を可能にしました。」ってのは進歩と言わないんじゃないだろうか、とか。あるいは「これからは○○だ」ではなく「今までは△△が主流だったけど、これからは△△とOOのそちらかが選べます」とか。こういう本に触れるといろいろ考えてしまう。多分、そうやってすべてにおいて昔に作られたきちんとしたいいものにちゃんと接するということが大事なんじゃないかな。そうしないと今ものとの違いや、これからのどういうものと自分がつきあっていくべきなのか、ということの判断ができなくなってしまうのではないかと思う。

昔のものに接するということでつなげるわけではないですが、先日は、小金井公園の江戸東京たてもの園でやっていた下町夕涼みというイベントに行ってきました。たてもの園は、江戸時代から昭和初期までの建造物が復元されて展示されているのですが、そんな中で焼きそぱや焼き鳥といったいろいろな屋台が出ていたり、駄菓子が売っていたり、盆踊りや歌謡ショーが行われていたりするのを見ながら、ビール片手に歩いているとなんだかタイムスリップしたかのようでした。まあ実際は、漣くんが展示してある路面電車で遊ぶのに夢中でぜんぜん離れなかったのと、目的のライブがちょっと離れたところでやっていたため、その雰囲気を存分に味わえなかったんですけどね。

で、そんな昭和なイベントでなぜか宮内優里とausのライブ。なぜエレクトロニカ?という疑問もわきますが、涼音堂茶舗が温泉やお寺でライブイベントをやっていたりするし、意外と日本的な環境とエレクトロニカは合っているのかもしれません。実際、甚平姿で演奏する宮内優里は、古い日本家屋をバックにしたステージ?にかなりマッチしてました。音楽的にも、音に隙間が多い分、周りの虫や鳥の鳴き声や木々が風に揺られる音などがまじりあい、野外ならではの相乗効果で心地よかったです。また途中から観客の小さな子どもが前に出て音楽に合わせて踊りだしてみんなを盛り上げ(ちょっとドラゴンアッシュで踊っている人風のダンスでこれがまたうまいんですよ)、それに合わせて宮内優里もちょっとアップテンポな曲を演奏したり、いろいろ話しかけたりしてして暖かい雰囲気のライブでした。

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ausのほうは子どもたちがちょっとぐずりだしてあまり見れず。かなりアンビエントな音だったので子どもには無理があったか。単に昼寝をしてなかったせいで眠かっただけか。

来年は漣くん、暁くんに甚平でも着せて盆踊りのほうをゆっくり楽しみたいと思ってます。

「皿皿皿と皿」-永井龍男-

◆三連休はバーベキュー三昧(ってほどでもないか)
二つの家族の暮らしの一場面を、2~3ページ程度の短い文章で切り取った連作長編。それぞれの文章が直接つながっているわけではなくて、独立しつつも関連しているという趣向になっていて、読者は行間ならぬ「章」間を読むことで一つの物語を組み立てていく感じになっています。
一つ一つの章の切り取り方や描いているものへの焦点の当て方がうまいので、ストーリーや文章自体はあっさりとしているのに、つい引き込まれてしまいます。また会話が多いので、タイトルではないけれど「さらさら」読み進めてしまって、あとからもう少しゆつくり読めばよかったと後悔したりしました。一日にちょっと時間があいた時に、二章くらいずつ読み進めるような形で読みたい。もちろん電車の中とかではなくてね。

一つの章で大きく場所が変わったリストーリーが動くということがないので、それを一場面と考えると、ある意味、シナリオ的な本とも言えるのかもしれません。単純に考えるとそのまま映画化できそうな気がするけど、文章だからおもしろいのであって、映像化したらそれはそれで退屈な感じになってしまうんでしょうかね。

さて、三連休は、ガラにもなく2日間バーベキュー。

14日は会社の人と有明にある新しくできたそなエリア東京バーベキューガーデンに行ってきました。ここはみんな集まることを考えるといい場所だし、利用料金だけでテーブル・イス・コンロセットなどの機材も借りられるのでかなり便利。まぁうちからは遠いですけど…。できたばかりということもあって機材もきれいでした。

今回は、お肉もちゃんと下味をつけたものを持っていったり、当日に築地に寄って魚介類を仕入れたりして、みんな普段はバーベキューなんてしなさそうな人たちばかりなのですが、かなり本格的になりました。ただ3時間という時間制だったのであまり長居ができず、ほんとうに焼いて食べて終わりという感じになってしまったのが残念。時間があれぱもっと遊んだり、休憩しながら第二弾の食材を焼いたりできたんでしょうけどね。
ただ場所的に大きな木があるわけではなく、単に芝生が広がっているだけなので木陰がなく、一応ターブを借りていたのですが、夏場は一日いるとかなり暑くなりそうです。

16日は、はけのおいしい朝市のメンバーに誘われて武蔵野公園で朝食会。こちらは基本的には参加者がそれぞれ料理を持ち寄ってみんなで外で食べよう、という感じ。それぞれが持ち寄る食事もおいしいのですが、武蔵野公園はバーベキューもできるので、何人かの人がコンロや小さなバーベキューセットを持ってきて、お肉や野菜はもちろん焼き鳥を焼いたり、ダッチオーブンで野菜のラタトゥーユ(?)を作ったりしてもしました。
大人も子どもも20人くらいで合わせて40人以上という朝食会で、初めて会う人もいたりしましたが、なんとなく普通にみんな話したりしていい雰囲気でした。こういう雰囲気がはけのおいしい朝市にもあらわれてるんだろうなと思います。誘っていただきありがとうございました~!

そんな風に続けてバーベキューや朝食会など外でごはんを食べてると、バーベキューの器材を買いたくなってしまいますね。とりあえず小さめで手軽なものから手に入れたいと思って、なんとなくネットで調べたりしてみてるんですけど、そもそもクーラーボックスとかテーブルとかイスとかもないですから、まだまだ先は遠いです。

しかし考えてみれば、あと2、3年したらバーベキューとまでいかなくても、近くの公園にちょっとした器材を持っていって、いろいろ焼きながらごはん食べたりってことを、家族だけでできるんですよね。なんか不思議な気分になってしまいますが、そういう意味では子どもたちの成長というかできることに合わせて少しずつ集めていければって感じでしょうかね。

「店じまい」-石田千-

◆今年、前半の後半によく聴いたCD
手芸屋、文房具店、銭湯、自転車屋、居酒屋といった個人商店から大型デパートまで、閉店したお店の思い出を軸に、現在と過去の風景や心情が交差する石田千らしいエッセイ集。この前に読んだ「きんぴらふねふね」は、「食」をテーマにしていて、石田千のエッセイのテーマとしてはちょっと広いかなと思った記憶がありますが、今回は全体の世界観が際立っていていい塩梅です。一つのエッセイの中で時間の移動がわりとあるので、空間的に動かないものをテーマにしたほうがおもしろくなるのかも?なんて適当なことを思ったりしますね。
あと、全体的な文章の雰囲気も、文章にひらがなが多く使われてるのもあまり変わらないけど、なんとなく読みやすくなったような気がするのはなんでだろう?

今年の前半は、1960年代のイギリスのハーモニーポッブ、ポッブサイケばかり聴いていたけれど、後半は、アメリカのグループを中心に聴こうと思っています。こんなに60年代の音楽ばかり聴いてるのはひさしぷり。聴いているつもりで持ってなかったCDとか、いつのまにかCD化されていたものなど、今年は60年代のポップスにこだわって聴いていくつもりです。

そんなわけでこの間もちょっと紹介しましたが、今年前半によく聴いたCDをいくつか。前半の後半はほんとポップサイケの定番といったCDばかり聴いてました。

■「Tomorrow」-Tomorrow-
-トゥモロウに限らず、ニック・ロウが在籍していたというキッピントン・ロッジや「ティーンエイジオペラ」「ラテン・ア・ゴー・ゴー」といったソロなどマーク・ワーツ関連のCDをけっこう聴いてましたね。マーク・ワーツはCD化されてないイージーリスニング~ラウンジ系のソロアルバムなどもたくさんあるみたいなのでそれらも機会があれば聴きたいところ(高そうだが)。で、このトゥモロウですが、テープの逆回転やインド風味なテイストなどをサイケデリックな要素をうまく取り入れつつも、プリティッシュビート~スウィンギソロンドン的なポッブなサウンドマナーをしっかり守っている感じが気に入ってます。

■「an Apple a day」-Apple-
-キンクスのプロデューサーとして知られるラリー・ペイジによるレーベル、ペイジ・ワンから1969年に発売された唯一のアルバム。オリジナル版はン十万円もするらしいです。グループ名とジャケットからなんとなくビートルズのアップル関連のグループなのではないかと思ったりしてましたが、どうやら違うらしいです。サウンド的にはビートルズの影響は大きいですけど。いや、ビートルズの影響を受けていないイギリスのポッブサイケのバンドなんてないんじゃないかと。メロディやサウンドもポッブで聴きやすいのですが、何回か聴いていると意外とハードなギターが鳴っているのに気がついたりして、それが聴き飽きないアクセントになっています。

■「Tangerine Dream」-Kaleidoscope-
-力レイドスコーブという名前のバンドは、アメリカにも日本にありますが、ジャケットもサウンドもアメリカからは出てこないバンド。サイケとフォーク(イギリスのね)とブログレ的な要素がまじりあって、なんとなくつかみどころがないサウンドになってる気がします。いや、端的にサウンドを説明すると直球のサイケなのですが‥‥。加えていい意味でも悪い意味でも強い個性を持ったメンバーがいないため、ポッブなんだけど地味な感じは否めないです。そういう部分も含めて、すべてがイギリスぼいスタイルで統一されているところがよかったりするんですけどね。あとマイナーなメロディがわりと多いんですが、メロディがマイナーになると一気に日本のGSぽい雰囲気になりますね。

■「The Huge World Of Emily Small」-Picadilly Line-
-男性二人によるデュオによる1967年のアルバム。二声のコーラスで歌われる柔らかなメロディに、繊細なオーケストラが全体を覆う優しいサウンドで、トリップ感や妖しい感じはまったくなく、ポッブサイケというよりソフトロックに近いです。アメリカのバンドのような開放感はなく箱庭的なせいか、初期のドノヴァンとかアル・スチュアートなどの音を思い出したりします。あとニック・ドレイクとか。あそこまで繊細じゃないか。この後、二人はエドワーズ・八ンドと改名し、ジョージ・マーティンのプロデュースのもと、英国的な叙情性を持ち合わせたトラッドなアルバムを発表することを考えると、時代的な影響でこういうサウンドになったという感じなのかもしれません。

■「Tinkerbells Fairydust」-Tinkerbells Fairydust-
-バッ八の「誓いのフーガ」が日本だけでヒットしたというグループ。クラッシックをもとにした曲って日本人好きですよね。これは当時録音はされたもののお蔵入りとなったアルバムにシングルトラックをカップリングしたもの。スパンキー&アワ・ギャングの「Lazy Day」やアソシエイションの「Never My Love」のカバーなどが収録されていたり、ビーチボーイズ風のコーラスが聴ける曲があったりとソフトロック度はかなり高め。でも油断して聴いているとヴァニラ・ファッジのバージョンをベースにした「(You Keep Me)Hangin’On」やヤードバーズのカバーなどハードな曲がはじまったりしてびっくりします。

しかしカレイドスコーブでアルバム二枚。そのほかは一枚とかお蔵入りと、なんか裏道にひっそりと開店して、ちょっとだけ固定客がついたと思ったらすぐに閉店してしまったお店みたいですね。強引にまとめると。