「良平のヨコハマ案内」-柳原良平-

◆第4回東京蚤の市に参加しました。たくさんの人に来ていただきありがとうございました!

みなとみらい地区で横浜博覧会が開催された1989年に出た本。
「みなとみらい21」プロジェクトを筆頭に大きく変わろうとしていく当時の横浜で、柳原良平が関わったプロジェクトの顛末や、当時で横浜に移り住んで25年の柳原良平の行きつけのお店や場所などがイラストと文章でつづられています。街並みが変わっていことに対する不安や怒り(?)もあると思うのですが、マイナス面に関して最小限に抑えられているところが柳原良平らしい(単にかけなかったのかもしれませんが)。ついこれを山口瞳や開高健が書いたら‥‥と思ってしまうけれど、それは野暮というもので‥‥

わたし自身のことで言えば、横浜によく遊びに行っていたのは1985年からこの時期ぐらいまでなので、この本が出てから24年、この後、いろいろと再開発が進んてかなり街の様子も変わったと思うけれど、実際どうなのかよくわかりません。そもそもわたしが横浜に遊びに行ってたのだって高校時代が中心なわけで、古本屋とか中古レコード屋とか雑貨屋とか喫茶店ぐらいしか行ってないですしね(今とほとんど同じか?)。あとはちょっと背伸びして491houseとかよいどれ伯爵、BarBarBarあたりでジャズのライブを聴いたくらいなのですよ。なので、横浜がどう変わっていこうと何にも言えないナー

それにしてもこの本が出てからの期間と柳原良平は横浜に移り住んでからこの本を書いた期間がほぼ同じなんですよね。そう考えると1964年から1989年の変化と1989年から2013年の変化ってどのくらい違うものなんだろうか。

さて、11月9日、10日は京王閣で行われた東京蚤の市に出店しました。昨年から始まって今回で4回目。開催されるごとにお店の数も増えていって今回は150店あまりのお店が京王閣に集まりました。今回は天気予報があまりよくなくて、日曜日には雨が降ったときの対策として場所を移動したりするお店がありましたが、無事開催できて、かつ雨も降らなくてよかったです。でも、なんかお店もお客さんも、そして主催している手紙社さんも、みんな天気予報に振り回されてしまったような感じだったかもしれません。
そんな中でもたくさんの人に来ていただきありがとうございました。またスタッフやボランティアの皆さまありがとうございました。

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わたし自身は今回は特に買ったものもなく、ときどきお店を離れて会場を子どもたちと歩き回ったり遊んだり、ドーナツやワッフルを食べたりしていました。今回は古本屋さんが屋内だったので、ステージや会場の様子があまり伝わってこなかったり、外の喧騒が聞こえてこなかったのが残念だったかも?でも屋内だったせいで雨の不安もなく、またそれほど寒くもなく快適に過ごせたのでなにも言えませんが‥‥。
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ミオ犬が買ったクマゴローと珍犬ハックルと塗り絵

しかし、回を追うごとに子どもたちの騒ぎっぷりが加速していて、特に前回からは幼稚園の友だちとかも遊びに来てくれるようになったので、手がつけられなくなってしまっててちょっと困った感じです(遊びに来てくれるのはいろんな意味ですごくうれしいですけどね)。ほんと両隣のお店には申しわけなかったです。もし次回も蚤の市に誘われたら、そのときにほかの古本屋さんから「カヌー犬ブックスの隣は避けてほしい」と言われたらどうしようかと思ってるくらいです。あ~あ

「スコットランドの鴎」-大岡昇平-

◆はらっぱ祭2013

前にも(いつも?)書いているけれど、三月書房の小型本だと読んだことのない作家の本もつい買ってしまいます。大岡昇平の本もこれが初めて。まぁこれだけ読んでどうのこうの言うのもなんなのでコメントはなし。でも「武蔵野夫人」が小金井、特に“はけ”を舞台にしていて、しかもその辺の風景や地形がかなり書き込んであるということを初めて知って読んでみなくては、という気持ちになりました。

三連休は、その“はけ”、野川沿いにある“はらっぱ”で行われたはらっぱ祭に去年に引き続いて2日連続で行ってきました。ここに引越してきてちょうど4年、引越してきたのが10月31日だったのではじめの年はお祭りどころではなかったけれど(漣くんもまだ0歳だったしね)、それから3年毎年来ていて、いる時間もだんだんと長くなってきています。今年は昼前から5時過ぎ、暗くなるまで遊んでいました。会場がはらっぱなので当然照明もなく夜になると真っ暗になってしまうため、来年はランタンを持っていって夜まで楽しみたいですね。
といっても、特に何をしているわけでもなくて、ステージで行われているライブをBGMに屋台のご飯を食べて、ビール飲んで、友だちと話したり、子どもたちが遊んでいるので見ていたり、というかなりゆるい感じです。今年は、幼稚園の友だちがたくさん来ていたので、漣くんは友だちと勝手に遊んでいるあいだ、お父さん同士でのんびりビールやホットワインを飲んでました(そのせいでかなり飲みすぎました)。

-ライブのほうは、途中までだったけれど、レゲレーション・インディペンダンスを聴けたのがよかった。レゲレーション・インディペンダンスは、4月に国立の大学通りで土生剛がライブをやったときにちょっとだけ聴いてちょっと気になっていたバンド。ダブっぽいテイストで、11人のメンバーによる厚いサウンドがかっこいい。4時半からスタートだったのですが、演奏が進むにつれてだんだんとまわりが暗くシチュエーションも最高でした。やっぱり野外で聴くレゲエはいいです。アルバムも出ているらしいので今度見つけたら買おう~
で、レゲレーション・インディペンダンスを聴きながら、わたしがスカやレゲエが好きなわりにはスカパラにあまりはまらない理由って、たぶんダブの要素がないからなんだろうなってことに、今さらながらに気がつきました。その辺はスカ/レゲエを始めて意識したミュートビートの影響が大きいわけで。三つ子の魂‥‥。まぁロッキンタイムやマイスティースは好きでときどき聴いてますが、それもすごい好きというわけではなくて、ダブの緊張感に疲れたときのほっと一息って感じですね。でもスカコアは別かも?あ、それも初めてスカというものを聴いたのがマッドネスやスペシャルズだったからか?三つ子の魂‥‥。

「また杏色の靴をはこう」-城夏子-

◆メキシコマーケット@松庵文庫

以前、森茉莉や萩原葉子、矢田津世子、広津桃子、芝木好子など女性の作家の本をまとめて読んでみようと思って、おもしろそうな人をピックアップしていた時に知った人(例によってその時にピックアップした本のほとんどは読んでないままというね‥‥)。
実はこの本を買ったのはその頃なんですが、いざ読んでみようとなると、帯に書いてある「誰もがかつて17歳でした。そして、誰もが17歳の心を持ち続けることができます。たとえあなたの暦の上の年齢がいくつだとしても‥‥。夏の始まりの朝のようにみずみずしい17歳のエキスがたっぷり詰まった、ときめきの小筐。」という言葉に40歳を超えた男が読んでいいものだろうかと不安になってしまい躊躇してしまいなかなか読み始められなかった次第。

実際には、67歳で老人ホームの生活を始めた後、70歳を過ぎてから書かれたもので、老人ホームでの暮らしの素晴らしさや楽しさなどがつづられています。時代のせいもあり、ホームでの生活については読んでいてちょっと違和感を感じてしまうところもあります。でも純粋で明るい文章を読んでいると、たぶんこの人は、確固とした自分の世界がありどこで暮らすようになったとしても楽しめるじゃないかと思いますね。そういう意味では森茉莉と似ていて、この本を森茉莉好きな早川茉莉が編集を担当しているのもうなずけます。とはいうものの、女の人は歳をとってもいろいろたいへんだなぁという気はしますが。さすがに少女小説を読んでみようとは思わないけれど、もう少し若い頃の随筆を読んでみたいですね。

週末は西荻の松庵文庫でやっていたメキシコマーケットに行ってきました。古い日本家屋を改装したカフェでなぜメキシコ?と思ってしまいましたが、日本家屋の落ち着いた中にカラフルなメキシコの雑貨が並んでいるのはなかなかいい感じでした。
わたしは特に買い物はしなかったのですが、骸骨をモチーフにした雑貨を子どもたちと見たり、ランチのタコライスを食べたり、縁側に座ってメキシコの黒ビールを飲んだりしていました。

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子どもたちはメキシコの伝統的な行事、ピニャータ割りに参加。これはお菓子が入った大きな丸い張りぼてをロープに吊るして、揺らしてるところを目隠しした子どもたちが棒で割るというもの。メキシコでは誕生日とかに行われるらしいです。
小さい子から順に張りぼてを叩いて行ったのですが、力もなくただ棒を降ってるだけの子から、だんだん力強く叩くようになっていって、周りの大人たちもそれに合わせて盛り上がっていくといった感じでした。張りぼてを頑丈に作ったせいで結局は子供たちでは割れず、最後は大人が登場し割るというオチもなかなかいい。
割れて飛び散ったお菓子をみんなで拾う様子も小さなお祭りぽくてよかったし、幼稚園とかでやればいいのになぁ。

ちなみにメキシコマーケットは今週末11月3日までやってます。お近くの方連休に行ってみてはいかがでしょうか。

-帰りはそれいゆでお茶。昔は西荻に行くたびに寄っていたものだけれど、子どもが生まれてからは初めてです。5年ぶりくらいかな?いや、子どもたちと一緒にそれいゆに来れるようになるなんて考えてもいませんでした。大きなサイズのケーキやスコーンもそのままで、漣くんと分けて食べるにはちょうどいいサイズでうれしい。それほど混んでなかったので、お店の真ん中にある水出しコーヒーの器具を漣くんと眺めたりしてあの頃とは違う意味でなんだか落ち着きました。

まぁとは言っても西荻は子どもが楽しめるところがあんまりないのでそうそう行けそうにない街には変わりないんですけどね。(西荻の楽しさが分かるのって何歳くらいなんでしょうね?)

「ぼくのシネマ・グラフィティ」-田中小実昌-

◆はけのおいしい朝市&カヌー犬ブックスat平林家

この本は高円寺のあずま通りにある読書と手紙にまつわるお店Amleteronで購入したもの。コミマサさんは特に意識して本を集めているというわけではないけれど、手頃な値段で見つけるとつい買ってしまいます。だいたい映画関連のエッセイは手頃な値段で手にはいるかかな。ほんとは小説の方も読みたいんですけどね。Amleteronではこのほかにイシイリョウコのポストカードも買いました。7月の夏のできごと。

あーそして気がつけば10月ももうおしまいです。
10月ははけのおいしい朝市に出店したり、出茶屋さんが定期的にお店を出している平林家で一緒にお店を出したりしました。イベントが終わってもうかなり経ってしまいましたが、どちらもたくさんの人に来ていただきありがとうございました!

-はけのおいしい朝市は、50回記念ということで小金井神社の境内に、30店舗余りのお店が集まって開催されました。わたしは幼稚園の友だちでネットでレコードを売っているハイフェディリティさん(今はあんまりやっていないみたいですが)と一緒に古本&中古レコード屋として出店させていただきました。そういうこともあってか幼稚園の友だちもたくさん遊びに来てくれて、また場所柄、神社から出なければ、誰かが見守ってくれているという感じだったので、わたしは本やレコードを見てくれている人と話したりできて楽しんでました。小金井という地域をいい意味で感じつつ、でもそこに縛られているわけでもない自由な雰囲気がしてほんといい50回記念イベントでしたね。
また来月からは、dogdecoさん、中村文具店さんでの通常開催になりますが、これからも遊びにいかせていただきます!(来月っていうかもう今週末ですが)

平林家での出店も子どもたちが家の中で遊びまわる中、大人たちはのんびりと珈琲を飲んだり、本をめくったり、おしゃべりをしたりしているというアットホームな雰囲気で、いつまでもここでのんびりしていたい気分になりました。

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11月はまた東京蚤の市に出店します!開催されるごとにお店も増え、来てくれるお客さんも増えていって賑やかさが増していっていますが、今回はどんな風になるのか楽しみです。天気がいいといいなぁ~

「焼き餃子と名画座」-平松洋子-

◆一人飲みの金曜日

7月に横須賀、鎌倉に行ったときに持っていった吉田健一の「作法・無作法」を品川で読み終えてしまい、読みたい本もあんまり置いてなかったので、軽く読めるかなと思い購入した本。
平松洋子さんの食エッセイは、カヌー犬ブックスにもたくさんあるので、ちょこちょこ斜め読みはしていたけど、きちんと読むのは初めて。知っているところもいくつか出てきたりして楽しいし、何より平松洋子さんの“食べる”ということに執着する姿勢が心地よい。いや執着というとちょっと重いというか、もっと軽やかな前のめり加減が読んでいてちょうどいい。あと、おいしいものを特別なこととしてとらえてなくてあくまで日常の中の楽しみであって、それならそれをとことん楽しんじゃおうという感じが伝わってきます。
といいつつ、そのあとも気が向いたときに斜め読みしかしてないんですけどね。料理エッセイってほんとはじっくりと読む本ではなくて、斜め読みまでいかなくても、出かけるときに普通の本と料理エッセイの2冊持って行って、2対1くらいの割合でかわりばんこに読んでみたり、家に帰ってきて、ビール飲みながらとか寝る前とか毎日2、3編ずつ読んでいくとか、そういった読みかたが合ってるような気がします。

毎週、金曜は会社帰りに古本屋とかレコード屋とかに寄り道して帰ってるのだけれど、最近は、いろいろ回った後に、荻窪とかで一人でちょっと飲んで帰ることが多い。と言っても、たいていお店に入る時間が10時半はまわってるので、中瓶1本とつまみと2、3くらい頼んで、本を読んだりツイッターのTLを眺めたりする感じです。前は一人でどこかに入って飲むなんてことはほとんどなかったんだけどねぇ(というか会社の人と週に2、3回は飲みに行ってたからな)。
なんとなく一人でなにかをするようになったら、ほんとに自分が好きなものなんだなぁと思う。美術館や映画館とか最初は友だちと行ってたと思うんですよ。それがだんだん一人で行くようになったりすると、身軽な分、行く頻度が多くなっていくというね。あるいは旅行とかクラブとか、もっと言うとキャバクラ(わたしは行かないけど)とかもそうなんじゃないかと‥‥。

そんなわけで、金曜の夜はたいてい荻窪のガロネロとかヴィレッジバンガードダイナーとかその辺の中華屋さんとかグラブとかで飲んでるんですけど、一瓶のビールでちょっとだけいい気分になりつつ、「あーここ平松洋子の『焼き餃子と名画座』に出てきたなぁ」なんて思いながら、まぁその頃は当然閉店してしまってる北口の川勢の前を通ってます。(まぁさすがに一人で鰻は食べません~)

「作法・無作法」-吉田健一-

◆10月6日に小金井神社で行われるはけのおいしい朝市に参加します!

いくつかの新聞に掲載した短めの文章をまとめた本。小西康陽が引用したことで有名な「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである」という言葉が出てくる「長崎」も収録されてます。「長崎」は「感想B」(1966年)にも収録されているのを以前読んだし、「新聞一束」(1963年)にも収録されているようですが、「作法・無作法」は1958年に出ているので初収録になるのかな。しかし前に読んだと言ってもこの部分だけ有名になってしまったせいか、前後の印象がすっかり薄れてしまってこんな内容の文章だったっけ?みたいな感じでした。
そういえば山口瞳にも「作法・不作法」ってタイトルの本ありましたね。師匠の高橋義孝の対談で、礼儀作法とはこういうものだみたいな話をしていた記憶があります。

1か月以上ぶりの更新で告知というのもなんですが、10月6日に行われるはけのおいしい朝市に参加します。
いつもはdogdecoさんや中村文具店さんで開催されているはけ市ですが、今回は50回記念ということで小金井神社で開催、30店舗以上が参加し、音楽イベントやワークショップも行われるというかなり楽しいイベントになりそうです。
わたしは漣くんの幼稚園の友だちと一緒に古本と中古レコードのブースを出します。まだどんな本を持って行くかなどぜんぜん考えてませんが(いや、そんなに選択肢ないんですけどね)、子どもたちもたくさん遊びに来そうなので絵本をちょっと多めに持っていこうかな、などと思ってます。ほんとはそこで読めるように椅子をたくさん持っていきたいんですけどね~
武蔵小金井の駅からちょっと歩きますが、近くには野川があっていい散歩道になってますし、そこからもうちょっと足をのばせばくじら山や武蔵野公園もあったりして、天気がよければのんびりとした休日を過ごせるのではないでしょうか。

それからチラシにも掲載されてるように古道具、革靴、かご、器、レザーアイテム、木工品、犬雑貨‥‥など、手仕事のもののお店が多く出店しますので、参加している人とちょっと話してみたりするとおもしろい話が聞けたり、これをきっかけに長くつきあえるようなものとの出会いがあると思います。当日はわたしもミオ犬とお店版を交代しつつお店をまわってみたいと思ってます~くわしい出店者の紹介ははけのおいしい朝市公式サイトでチェックしてみてぜひ遊びに来てくださいー。よろしくお願いします。

■はけのおいしい朝市公式サイト:http://hakeichi.net/

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「毎日が冒険」-萩原朔美-

◆蒲田東急プラザの観覧車とホットケーキ

萩原朔美は、萩原朔太郎の孫であり萩原葉子の息子。10代後半にジャズ喫茶でバイトしていた時に寺山修司と出会い、「天井桟敷」の立ち上げに参加。役者として舞台に立ったりしたあと(一度だけのようですが)、演出を手がけるようになります。演劇だけでなく、実験映画を制作したり、雑誌「ビックリハウス」の編集長をしたり、大学で教鞭をとったりと幅広い活動をしているようです。

この本では、日々のできごとや天井桟敷時代などの想い出といった身辺雑記や植物や街をテーマにしたエッセイなどが収められています。三月書房の小型本は、小さい割にはわりと分量があるので、特にテーマもなく随筆が収録されていても、かといって一つのテーマに絞っても、途中でちょっと飽きてきたりしてしまうので、3部構成になっていて、しかもテーマやスタイルがはっきり分かれているのはいい。

ちなみにこの本の装幀は、当時24歳だった萩原朔美が手がけた同じ三月書房から出ている母親の萩原葉子の本「望遠鏡」を踏襲したものになっているらしいです。そして萩原葉子の本では望遠鏡だった絵が、「毎日が冒険」ではエンピツになっており、その絵を描いたのは萩原朔美の長男という‥‥と言っても「望遠鏡」のほうはまだ手に入れてないんですけどね。

7月も終わり、二週間の一人暮らしも終わり。子供たちを羽田空港に迎えに行く前にちょっと蒲田に寄り道。あんまり時間もなかったのでまずは東急プラザの屋上へ。ここは東京で唯一屋上にある観覧車があるのです。しかもレトロな雰囲気のこじんまりとしたもので、前々から子供たちと遊びに行きたいと思っていたのですが、さすがにこれ目的で蒲田まで行くのはちょっとね。観覧車のほかにもそれほど広くはない屋上にたくさんのゲーム機や乗り物があり、近くにあったらしょっちゅう行きそう。吉祥寺や立川にこんな屋上があればいいのにね。さすがに一人で乗るわけにもいかないので、屋上を歩き回っただけで、降りてきました。

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-その東急プラザの4階には、シビタスというもともとは万惣フルーツパーラー蒲田支店だった喫茶店(?)があります。万惣フルーツパーラー仕込みのホットケーキが食べられて、それにまつわる話が壁に貼られていたりするのですが、全体的にデパートの中にあるカジュアルな喫茶店という雰囲気。平日の昼間だったこともあり、お客さんも年配の女性の団体や子供連れの親子、外出途中の会社員といった人たちがほとんどでした。特に売り場と壁で区切られているわけでもないのに全席喫煙可って今どきあまりないですよねぇ~

万惣フルーツパーラーのホットケーキは10年くらい前(?)に神田で食べたことがあるだけなので味の方は比べられないけれど、適度にふわっとした食感がよかったです。前回ホットケーキが築地のコリントだったこともあってそう感じただけかもしれませんが‥‥

ついでに古本屋をちょっと見たりして(いや、こっちが本来の目的だったのですけどね)、商店街にある純喫茶リオでコーヒーを飲む。おばあさんが一人でやっていて、しかも店内にお客さんが誰もいないという状態。でもこういう古い喫茶店で今でも続いているお店って、テーブルや椅子をはじめお店の中にあるものすべてがそのままなんだけれど、きちんと手入れされていてきれいに使われている感じがしますね。そういうところが長く続いているりゆうなんだろうなぁ、なんて思いました。

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「写真ノ話」-荒木経惟-

◆デイジーワールドの集い@青山スパイラルCay

荒木経惟の写真は雑誌をはじめとしたメディアでちょこちょこ見るけれど、きちんとした写真集は見たことがないです。エキセントリックな言動がフィルターになってしまっているせいか、どうも自分の嗜好とはまったく違う次元の人で、接点を感じられないところにその原因があるんじゃないかなとか思ったりしてしまいます。でもこうやって一冊を通して本を読んでみると、ちゃんと写真集を読みたくなるようないい話、フレーズに溢れていたり、アラーキーの正統な面とエキセントリックな面が出ていておもしろい。この両方の面をきちんと見ないとダメなんだという荒木経惟のファンならあたりまえのとも言えることにようやく気がついた次第。

さて、先週の水曜ははじめてデイジーワールドの集いへ行ってきました。
前々から行きたかったのですが、なかなか行く機会もなく、最近はチェックもしていなかったのですが、前日にたまたま知りこれは行くしかないと‥‥。

ゲストは事前に告知があったリトルクリーチャーズと、直前になって決まったらしいハナレグミ。まぁそんなに細野晴臣に交流のあるミュージシャンではないような気もしますが(わたしが知らないだけです‥‥)、両方ともライブを見るのも久しぶりなので、7時過ぎに強引に会社を出て、スパイラルへ‥‥

リトルクリーチャーズは、新しいアルバムも聴いてないし、最近の活動もあまりよく知らないけれど、ほんと変わらないスタンスで活動を続けていて、なんだかすごい。この日はライブということもあってか、インスト部分が多い演奏だったのがよかったです。こう言っちゃなんだけど、青柳拓次は、けっして歌がうまいわけでもないので、演奏がうまいだけにヴォーカルになるとちょっと肩透かしな感じになっちゃうんですよね。別に歌わなくてもいいのでは?とも思うけれど、それはリトルクリーチャーズ以外での活動でやってるからいいのかな?でも3人でのインストアルバムを聴きたい気もしました。

ハナレグミは基本弾き語り、途中でユザーンのタブラが入る形。歌の途中に「ブギーバック」が入ったり、ユザーンとの掛け合いがあったりと、和気あいあいとした盛り上がりが楽しい。こういうノリのライブを見ているとスーパーバタードッグも解散せずに並行して活動を続けていてくれてたら、と思いますね。

高田漣の弾き語りを挟んで、最後は細野晴臣。最近のアルバムからの曲で、鼻歌のような細野さんのヴォーカルがcayの雰囲気に合ってました。こうやってシンプルな演奏をバックに歌を聴いていると、細野晴臣の作るメロディって実はあんまり変わっていないというか、その時々によってサウンドが変わるのでぜんぜん違うものとして聴いてしまうけど、多分、「泰安洋行」の中の曲をこのバンドでやってもあまり違和感はなんじゃないだろうか。というか、むしろ聴いてみたい。

最初に告知されていたゲストがリトリクリーチャーズだけだったせいか、人で溢れかえるという感じでもなく、席に座ってカレーを食べたりしながらリラックスした雰囲気でライブが見れたのもよかった。フェスもいいけど、まぁ大人なんでこういうところでのんびりライブを見るのがいいなぁ。

「やきもの随筆」-加藤唐九郎-

◆鎌倉で飲んで帰る

前々から陶器とか磁器、工芸品などについて知りたいと思ってるのだけれど、どうしたものか、とまったくわからないままになってしまってます。実際の物を見に行ったり集めたりしないとわかってこないんだろうと思う。
そんなわけで、おそらく、それほど陶磁器について詳しくない初心者向けに書かれたと思われるこの本も、イメージがわかないところも多く、読むのに時間がかかってしまいました。とりあえずはこういう本を読みつつ機会があれば実物を見にいければ、という感じですかね。

専門性を別にすれば、中国のものが最上だった時代があったり、朝鮮のものの価値を重要視するようになったり、その後、日本で作られたものが再評価され、そこに日本の地方に争点を当てた(ちょっと違うか)民藝運動がおこったりと、読んでるとなんだかレコードコレクターみたいな話のようでもあり、いつの時代もあまり変わらないんだなぁとか思ったりしてしまいますね。

-さて、間があいてしまいましたが、横須賀、鎌倉散歩の続き。
今回の鎌倉散歩は、前日に飲みに行った時に「BRUTAS」を読んだせいで、夜の鎌倉で飲むというのがテーマでした。単に夏休み中なので、昼間にディモンシュでお茶したり、イワタでホットケーキを食べたりするのは無理だろうってこともあります。

夕方くらいに鎌倉に着いて、古本屋や雑貨屋、市場などをさっとまわって、夕方から友だちと合流。ちょっと遅れるというので、歩き疲れたし「BRUTAS」で岡本仁さんが紹介していたブルールームでサラダとフリッターをつまみに一人先に飲み始める。釜焼きのクラフトビールがいくつかあるこじんまりとしたいい感じのピッツァリア・ビアバーで、ピザもおいしそうでしたが、前日もビザを食べたこともあり、ベアードビールを2杯飲んでさくっと移動。

なんとなく海の近くで飲もうということになり、行く店も決めずに御成通りを海の方へ歩いていたらギターの音が通りまで聴こえてきて、そのまま立ち飲みのスペインバル、パンダバルに入る。入ってから壁のタイルを見て、ここも岡本仁さんが紹介していた店と気づく。う~ん、なんなんだか。
でもギター一本で爪弾かれるボサノバやクラッシックの演奏が心地よく(フラメンコとかはほとんど演奏しなかった)、グリゼット(スペインバルだけどベルギービール)を飲んだりしながら、演奏が終わるまで飲んでしまったのだけれど、一日中歩いていたのでちょっと立ち飲みはつらかったです。
(すみません、演奏していた人が誰だったかは忘れました。帰り際にCDのチラシをもらってきたのですが、どこかで失くしてしまいました)

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その後、もう一軒入ろうと思ったのだけれど(できれば岡本仁さんが紹介してないところ)、鎌倉の夜は意外と早くて、なかなか手頃なところが見つからず無駄に歩き回った挙句、市場のラーメン屋で締めて終了。鎌倉を出たのは10時くらい。家に着いたのは12時過ぎでした。
いやーよく歩きました!そして一日が長かった。出かける前、7時半くらいに投票に行ったことなんてすごい前のことのようでした。

「その他大勢」-小堀杏奴-

◆横須賀美術館再訪、海辺の散歩

最近(と言っても去年のことか?)森茉莉の本を読む機会が多かったのですが、久しぶりに小堀杏奴の本を読んでみる。そして素直にやっぱり姉妹でも全然違うなぁ、と思う。まぁ当たり前ですけどね。
森茉莉のファンが読んだら「子どもの自慢話とか受験の話なんてどうでもいいんだよぉ~」と言いそうな内容でもある。正直わたしも読んでてそう思う時がありました。ただ森茉莉の文章はいい意味でも悪い意味でも偏ってるということは否定できないし、文章も万人向きとは言えないのも確かなので、森鴎外の娘としてこういう文章に対するニーズもあるんだろうな、という気もします。むしろ一般読者向けと言えるかも?。
ついでに森於菟の「父としての森鴎外」や「耄碌寸前」も読んでみたいけど、古本屋で見たことないですね。そもそも「大人の本棚」シリーズは一部を除いてなかなか古本屋で見かけないし、あったとしても元の値段が高いのでそれほど安くもなってない場合が多いんですけど。

先週からミオ犬たちが長崎に帰省しているので、ひさしぶりに一人の週末、横須賀→鎌倉めぐり。一人暮らしになると、いつも鎌倉に行ってる気がする。一人なんでちょっと遠出でも、なんて思うとなんとなく鎌倉あたりに行ってしまいます。別にどこでもいいんですけど、まったく知らないところにして、事前にいろいろ調べるのもまぁまぁめんどうなもんで‥‥(それが楽しいって時もあるけどね)

で、特に妖怪が見たかったわけでもないのにわざわざ横須賀美術館へ。現代の作家よりも浮世絵を中心にした昔の絵のほうが、物語性というか、絵の隙間や描かれている妖怪の背景が想像できる感じがよかったです。当時はかなりリアリティがある絵として受け入れられていたのかもしれませんが。それから、なぜか幽霊の絵になると掛軸に墨で描かれたものが多くなってしまうのは何でなんでしょうね。夏とかに床の間に飾ったりしたのだろうか。それはそれでめちゃくちゃ怖い気もするんですが‥‥

前にきた時は、屋台が出ていて、ちょっとしたものを食べたり、ビールを飲んだりできたのですが、今回はそれがなかったのが残念。あの時は芝生のところに大きなスクリーンが張ってあって夜、映画の上映をしていたりしたんだよなぁ~

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そんなわけでさくっと展示を見たあとは、観音崎灯台に登ってみたり、海辺を歩いてみたりして、美術館の周りを散歩。なんか前日に伊千兵衛でやっていたart of noise にいたわりと美術系の人たちとはまったく違う感じの人たちがバーベキューをしていて、遠くにきた感じを実感しました。
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その後は鎌倉に移動、つづきは次回?