「故郷の本箱」-上林暁-

◆わをん2013 -秋-@千葉県 横田ファーム

毎回、興味深い本をこつこつと出している夏葉社から出た上林暁の随筆集。京都で善行堂という古本屋をやっている山本善行さんが収録作品のセレクトを行っています。親しみのある読みやすい作品が多く収録されていて、初めて上林暁の作品に触れる人でも入っていきやすいような作品がピックアップされている感じなのかな。ちなみに夏葉社さんからはこの前にも同じ山本善行さんの「星を撒いた街」という本が出ているけれどこちらはまだ読んでません。夏葉社さんの本は装丁もいいし、本の作りきれいだし、一冊一冊丁寧に作られている感じがとてもいいんですが、こういっちゃなんですが、2000円以上するので実際に買う踏ん切りをつけるタイミングがなかなか難しい‥‥
故郷や幼馴染の話、古本の話、作家との思い出‥‥どれも心にしみるような穏やかな雰囲気の作品で、読んでいると心に響くフレーズがたくさん出てきて、機会があるたびになんども読み直したく本なので2000円は安いのかもしれませんが。

上林暁の本は、後期のものはわりと古本屋で手軽な値段で手に入ると思うのですが、初期の頃の作品は難しくなってしまうので、その辺の作品をオリジナルで復刊してほしいです。
アンソロジーというのはそれを読んで気に入ってさらにほかの作品を読んでみるという入口だったり、いくつか作品を読んでいる場合にあらたに組みなおした作品を読んでみることで新しい発見ができるといった変化球だと思うんですよ。だから、どちらにしてもオリジナルが読める状況になってると、こういう本の意義もまた変わってくるんじゃないでしょうか、とか。いえ、適当。
ちなみにうちの下の子の名前は上林暁から取りました(ウソ)。

日曜は、千葉県の鎌取にある横田ファームで行われた「わをん」というイベントに行ってきました。横田ファームという名前のとおり、農場が会場として使われていて、ビニールハウス内に作られたステージでライブがあったり、DJが音楽をかけたりしつつ、農業体験やトラクタークルーズといった農場ならではのイベントがあるというちょっと変わったフェスでした。
出演したのはthe chef cooks meや後藤正文、ザ・なつやすみバンド、奇妙礼太郎、TGMX‥‥などで、わたしの目当てはComeback My Daughters、Turntable Films、坂本美雨といったところ。まぁ子ども連れなのでがっつりライブを見るという感じではなく畑の周りで遊んだり、簡単なワークショップに参加したりしつつ、ちょこっとライブを見れればという気持ちで行ってみました。実際、トラクターに乗ったり、ツリーハウスやハンモックなど遊ぶところがたくさんあるし、また農場で採れた野菜を使ったという食べものはだいたいフリーということで、遊んだり食べたり(飲んだり)で、ほんとにライブをゆっくり見てるどころではなく、Turntable Filmsも坂本美雨もちゃんと聴けたのは2曲ぐらいで、最初から最後まで見れたのはComeback My Daughtersだけというね。あ、ザ・なつやすみバンドもちょっと聴いたけどけっこうよかったな。

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そのComeback My Daughtersは、最近のアルバムはぜんぜん聴いてなかったし、ライブを見るのも5年以上ぶり、最新アルバムでは曲によっては歌詞が日本語になっているということだったので、見る前はちょっと不安でしたが、サウンドの方向性もそれほど変わらず、でも演奏はダイナミックになっていて、そんな不安を吹き飛ばしてくれたパフォーマンスでした。新譜から曲のみで、かつ時間も短かったので機会があればもっと聴きたいです。最初は「うるさい」って言ってた漣くんも途中で手を上げたり叩いたりして盛り上がってたしね。でも最後にはそれまで遊んだ疲れが出たのか寝てしまいましたけど。ほんとこれを見ただけでもよかったかも!?
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と思いつつも、東京の西から鎌取までは遠かったです。横田ファームまでシャトルバスも出ていたのですが、バスで15分くらいかかったし、会場にいた時間よりも移動していた時間のほうが長かったぁ~