■中山岩太は、なんとなく昔から写真集を買おうと思いつつも手に入れる機会がなかった写真家。といってもよく知っているわけでもなく有名な「上海からきた女」くらいしか知らない。この写真は高校くらいの時、ジャズを聴き始めたころに、ピート・ハミルが選曲した(してるのかな?わからない)、古いジャズのコンピレーションのジャケットに使われていたのをきっかけに知りました。もともと写真に興味があったわけではないので、レコードジャケットに使われた写真から知った写真家って多い。エリオット・アーウィット(フェアグランド・アトラクション)とか、ロバート・フランク(ローリング・ストーンズの「メイン・ストリートのならず者」)とか、ラルティーグ(誰か忘れた。フランスの)とか‥‥って思い浮かべてみたけど、あんまり思い浮かびませんでした。まぁわたしの写真家知識なんて、ほとんど「スタジオヴォイス」から得たものですよ。
■作品のほうは、ポートレイトや街角で撮影されたスナップ、そして小物などを配置した実験的なものなどが掲載されているのですが、シリーズの中の一冊なのでそれほど掲載点数は多くないし、物足りない。ひと回りしたせいもあるかもしれないけど、実験的な写真にその当時の雰囲気というのかな、最先端の表現を取り入れていく気概みたいなものがあっておもしろいと思う。植田正治の初期の写真にもそういうのありますね。スナップも構図が大胆で余計なものがほとんど入ってこないところなど、ロシアアヴァンジャルド的なものを感じてしまったりします。
■そういえば6月に銀座で社員大会があって、4時前に解散、だったので、ついでにライカギャラリー東京でやっていたエリオット・アーウィットの写真展「NIPPON」を見てきました。
タイトルにもなっているように、日本の宮島や京都といったいわゆる観光地や東京で撮影されたスナップに近い写真14点が展示されていたのですが、個人的には子どもたちを撮ったスナップに近い写真のほうがエリオット・アーウィットらしくてよかった。1970年代に撮られたものなので、写っている子どもたちはわたしと同じ世代と思われるし、なんとなく自分が子どものころに見た風景に通じるものがあったりしましたね。
外国の写真家が日本を題材に撮った作品はいくつかあるけれど、その作家の作風とちょっと変わってしまった写真が多いような気がしてして、いいと思えるのはあまりないかも。それは単に自分の知っている風景だからなんでしょうかねぇ。その点、マイケル・ケンナは、どこに行っても作風が変わらないので、日本の風景でもあまり気にせずに素直に見れます。
■写真と言えば、先日、朝、漣くんに自分のおもちゃのデジカメを片手に「これって写真撮ったらすぐに見れるし、大きくしたり小さくしたりできるし、カメラっていうよりスマホじゃない?」と力説されました。いや、お父さんのカメラはフィルムだけど、大抵のお父さんの持ってるカメラはすぐに見れますよ、と思うが、説明するのは難しい。「じゃ、お父さんのはカメラじゃないの?」とか言われそう。