「つやつや、ごはん」

■食べものに関するアンソロジーは、少し食傷気味なんて言いつつ、続けて「ごはん」の本を読む。「ごはん」と言ってももちろん食事のことではなく「お米」のこと。こちらも内田百けんや魯山人から田中小実昌、池波正太郎、そして堀井和子や枝元なほみまで、新旧取り混ぜた文章が収録されている。テーマがごはん(お米)なんでバリエーションがあまりなくなってしまうのを、新旧取り混ぜたセレクションで補っているといった感じでしょうか。
そしてこうやって並べてみると、どの時代の人でも「お米」に対してそれぞれにこだわりもっているのが、日本人たる所以だなぁと思う。これがパンだったら趣が変わるような気がしますしね(そもそもパンはいろんな種類があるので、バリエーションは増えるんでしょうけど)。

■先週は中野にあるブライト・ブラウンというお店に、Bloodest Saxophoneの甲田伸太郎のサックスを聴きに行ってきました。ブライト・ブラウンはブルースのバンドのライブをやっているbarで、もちろん行くのは初めてだし、ブルースなんてほとんど聴いてないので、場違いな感じだったらどうしよう、などと思っていたけれど、サックスとギター2本という編成でスタンダードからジャイヴまでを交えた選曲、サックス抜きのギター2本のみの演奏もあったりして、ドラムがない分、落ち着いて聴けて、アットホームな雰囲気で楽しかった。ジャズでギター2本の編成ってあんまりない気がするけどいいですね(単にジャズギターが好きなだけです)。甲田伸太郎の丁寧な曲紹介のMCもいい感じでした。

-■こういうところに一人で来てライブを見ながらお酒を飲むなんて、久しぶりのことなので、20歳過ぎの頃、大学帰りに横浜の491ハウスやよいどれ伯爵に一人で行ってたのを、ぼんやりと思い出しました。あの頃は、お金もなかったし、今ほどお酒にも強くなかったし、ほんとビール1、2杯のみで、何時間も粘っていたものです。
そんなことを思い出したのは、甲田伸太郎と中学の頃の話やその頃の友だちの話をしたりしたせいもあるかもしれない。前にも書いたような気がするけど、中学1年の時同じクラスで、同じ名前なので最初の席が前後だったのです。高校は違うし、数年前までバンドをやっていることさえも知らなかったけれど、こうやって年十年ぶりかにあって、昔の話だけじゃなく、音楽の話をできたりすると、自分は楽器の演奏なんてまったくできないけど、音楽が好きで、ずっと聴き続けてきてよかったな、と思う。

■Bloodest Saxophoneは、ジャイブや古いジャズ、リズム&ブルースを演っているバンドで、最近では、ルイ・アームストロング楽団で活躍したシンガー、ジュウェル・ブラウンの共演カヴァー・アルバムを出したり、3月にはエルヴィスのトリビュートアルバムに参加したりしてます。夏にはフジロックやクアトロでジュウェル・ブラウンとのライブもあるそう。本格的なライブにはなかなか行けないけれど、またこういうところでやっているときに遊びに行こうと思ってます。
そういえば、わたしが本を置かせてもらっているシャトー2Fの前の店長がやっているバンドとBloodest Saxophone対バンしててびっくりしたこともありましたね。世の中狭いなー