内田百けんの対談(もしくは鼎談、座談会)をまとめたもので、徳川夢声、河盛好蔵、井伏鱒二、三木鶏郎、獅子文六、吉田茂‥‥といった人たちが対談相手をして登場してきます。たいてい、貧乏話とかお金の貸し借りの話ばかりしてて、酒が入っているためか対談の終わり頃には、相手をじいさん呼ばわりしたり、編集部の人がテーマに話をもどそうとすると、勝手に喋らせろみたいなことを言ったりしておもしろい。内容のほうは、言葉をピックアップしようとしたらポストイットだらけになりそうなくらい、いいことを言っていたりしていて、興味深いのだけれど、まぁ本気にとってもしょうがない。お酒の場での話なんですから、その日には盛り上がったり、話の内容に共感してうなずいたとしても、次の朝にはすっかり忘れてしまうものですよ、と。
今週はちょっと用事があったので、有休を取って根津へ。ついでに東大の学食でご飯を食べようと思って本郷3丁目まで歩いていったら、二次試験の受験日で関係者以外立ち入り禁止の看板が!寒い中、歩いていったのにそういう時期なのねぇ。というわけで、近江屋にしようかちょっと迷いつつ、万定フルーツパーラーでハヤシライスを食べる。ここでハヤシライスを食べたのはいつぶりか?なんとなく前はもう少し具があったような‥‥、少なくとも店の前のショーウィンドウ飾ってあるのは‥‥まぁいいや。デミグラスソースの味は変わってないと思いますが、あまり自信はなし‥‥。
ついでにそのまま歩いて、マミーズでアップルパイを買って、スコスで文房具を見たりする。マミーズは「Arne」で紹介されていたパイのお店。家に帰ってから食べてみたけど、かなりおいしかったです。レモンパイやバナナパイもあったので、次回は食べてみたい。大橋歩にはずれなし。天気がよければカメラを持っていってもう少しぶらついたりしたのだけれど、なんせ小雨は降ってるし寒い。そしてくしゃみが止まらないという最悪な状態だったので、早々に帰る。それにしても今週は雨ばかりでした。

“人生エンマ帖”なんていうとちょっと大げさだけど、これまでの人生で経験した出来事や思うことを、思いつくままにつづったもので、エンマ帖というほどの告白や秘密にしてきたことが書かれているわけではないです。佐々木郁邦の本を初めて読む私にとっては、そんな告白を書かれてもちょっと困ってしまうので、気楽に書かれたくらいでちょうどいいんですけどね。
獅子文六が戦前から戦後にかけて、主にパリでの生活での出来事や出会った人について書きためたものをまとめた本。基本的には事実がもとになっていて、誇張はあってもウソはないと、あとがきに書いてありますが、戦前のパリの小さなコミュニティの中にこんな個性的な人がいたのか、と思うくらいおもしろいです。時期的にはヘミングウェイやピカソが活躍していた時代で、言うなれば、獅子文六版「移動祝祭日」なのだけれど、スケールの小さい中で、夢を描き、時に孤独な気持ちになり、日本に対しての愛憎を抱え、周りの日本人に対して虚勢を張り、それでも異国の開放感の中で楽しく過ごしている遠いアジアの国から来た異邦人たちの様子のおもしろさは、「移動祝祭日」に勝るとも劣らないと思います。
大佛次郎の随筆集を読むのは5、6冊目になると思うのですが、新聞小説を一日分書くために一日5時間きちんと仕事し、旅行に出かけるときはその間の仕事をこなしてから出かけるなど、大佛次郎にしろ池波正太郎にしろ歴史小説を書く作家は、きちんとしているというか、職人的だなぁと思う。ほかの作家の知らないし、この二人についても小説は随筆だけで小説はまったく読んでいないので、一概には言えませんが‥‥。
いつも古い本ばかり読んでいるので、久しぶりに新しい本を手にとるとカバーをめくった後の本体の白さにはっとします。どうでもいいですけど。
永井龍男、富士正晴、入江相政、白石一郎、開高健、山田風太郎、田中小実昌、常盤新平、大岡昇平、山口瞳‥‥など、有名人93人が、酒との出逢いについて語った本。まぁ読む前から内容が何となく想像できるような気もしないでもないけれど、それはそれでまたよしといった感じで軽く読めます。表紙の馬場のぼるの「11ぴきのねこ」もいいしね。
ちくま文庫の内田百けん集成(24巻+「私の「漱石」と「龍之介」」)を読み始めてちょうど2年になりますが、ようやく残り5冊となったので、年末に思い切ってアマゾンでまとめて注文しました。別に古本で買うことにこだわっているわけではないし、最初にまとめて買って、一気に読んでも良かったのですが、古本で見つけるタイミングで読むくらいが今のわたしにとってはちょうどいい。内田百けんで2年間も楽しみめた~という感じですね。というかまだ全部読み終わったわけではないんですけど。内田百けん以外にもまだ読んでない本が本棚に積んであったりするし、全部読み終わるのは春くらいかな~
過去に発表されたインタビューなどの記事をまとめた本。こういう風にいっぺんに読んでみると、謎の多いヤン富田という人が少しだけ分かるような気がして興味深い。ヤン富田の経歴や影響を受けた音楽、レコーディングの裏話なども分かるしね。、
明けましておめでとうございます。今年もカヌー犬ブックスをよろしくお願いします。