「続 春夏秋冬帖」-安住敦-

◆ジブリ美術館に行ってきました
久保田万太郎から引き継いで主宰した俳句雑誌「春燈」の編集後記をまとめた本。その前に出た「春夏秋冬帖」から10年くらいの年月が経っているので、その間に書かれたものが厳選され、お正月用の繭玉を作る話に始まり大晦日で終わるという一年の流れに合わせて再構成されているという感じでしょうか。
前にも書きましたが、書かれた年に関係なく再構成されているので、読み進めていくと一気に年代が進んだり戻ったりして「ん?」と思うところもときどきあります。ただ俳人らしく季節をいろどる草木や風景、その時々の行事など、季節のうつろいをつづった描写が多いこともあり全体としてはスムーズな流れになっています。
残念なのは、わたしが出てくる花や木の名前をあまり知らないこと。いや、知らなくても雰囲気が伝わってくるのですが、やはりちゃんと分かってて読むとぜんぜん違う感銘を受けるんだろうなぁと思います。
文章を書くのなら草木の名前を知らなくてはダメだ、といったのは山口瞳の師匠、高橋義孝だったか、山口瞳本人だったか。永井龍男も同じようなことを言っていたような‥‥。

-10年ぶりくらいにジブリ美術館に行ってきました。でもわたし自身はいわゆるジブリ映画というものをほとんど見たことがないのです。年齢的にも「風の谷のナウシカ」が公開されたときは中学3年だったしね。もう2、3年遅く生まれてたら見てかも。この辺の2、3年はけっこう大きい。宮崎駿とぜんぜん意識してないけど、「アルプスの少女ハイジ」とか「未来少年コナン」とか「ルパン三世 カリオストロの城」は普通にリアルタイムで見てたしね。そんなわけで子どもが「となりのトトロ」とか「崖の上のポニョ」とかテレビで見て盛り上がってるのでまぁ行ってみますか、という感じ。
まぁ今一番漣くんが気に入ってる宮崎駿作品は「パンダコパンダ」なんですけどね。

親バカな発言をしちゃうと、やっぱり子どもが一緒だと楽しい。漣くんや暁くんが猫バスに乗ったりできるってのもあるけど、単に螺旋階段登るだけ、館内を歩き回るだけで楽しめます。展示されていたり販売されてる絵本とかもいろいろ参考になるし。そんな中でなぜか堀田善衛のDVDや著作集があったりしておおっ!と思ってみたり‥‥。
-けっきょく途中ごはんとかお茶とかしながらも12時に入って5時まで遊んでしまいました。館内はわりとカップルできている人が多かったけど、わたしの場合ミオ犬と二人だったら絶対5時間もいられない。

で、すみません。ここまで書いてみたものの、わたし自身ここに来ていろいろ発見したとか、宮崎駿を再認識したとか、ないッス。もしかしたら何年か後、漣くんとジブリ映画を映画館に見に行くようなことがあるのかもしれないけど、自分からはあいかわらず見ないかも。う~ん、なんだろ?別に嫌いとかではないんですけどね

とりあえずわたしのジブリ美術館での収穫は、トトロのフローティングペン。なんか最近またフローティングペンがわたしの中でブームになりつつあるのです。

「ピーナツ・バターで始める朝」-片岡義男-

◆東京おもちゃ美術館や消防博物館、フクナガフルーツパーラーと四谷三丁目でいろいろ
片岡義男は2012年も小西康陽との共著「僕らのヒットパレード」をはじめ(まだ読んでない)、エッセイを4冊、写真集、小説を1冊ずつと相変わらず本を出し続けている。さすがに2010年、2011年はそれほど出していないけれど、2009年は3冊出してる。その衰えない好奇心と創作意欲はどこから来るのだろうか。今知ったのだけです今年で73歳、あ、ちょうどわたしの父親と同じ歳なんですね。う~ん(特に大きな意味はなし)

さてこの本は2009年に出たエッセイ集。特に決まったテーマはなく、いろいろな媒体に発表した音楽や本のこと、食べもの、文房具‥‥など、片岡義男の興味の向くままにつづられた43篇が収録されています。

ざっとタイトルと並べてみると

    旅と小説はどのように関係し合うのか
    瀬戸の潮風、うどんの香り
    アイスクリームには謎がある
    天赴羅蕎麦はこうして生まれた
    『草枕』のような旅を
    サソエツ、ニッタケ、コダワラの女たち
    猫が階段で寝ている
    猫のことを書くなら
    ピーナツ・バターで始める朝
    ハワイの田舎町を訪ね歩く
    今日も小田急線に乗る
    商店街が終わって三叉路になるところ
    本を三冊買う
    真夏のシャーロック・ホームズ
    僕はチェリーを忘れてた
    後悔くらいしてみたい
    手帳が溜息をつく

‥‥などタイトルを見ているだけでちょっと読みたくなってきませんか?という気持ちがする一方で、このタイトルを見ただけで敬遠する人もいるのかもしれないなんて気もしてしまうのは、片岡義男の文章は、ときおり気障な言い回しで話が進められるというか、もったいぶった口調というか、レトリックで書かれた独特の口調で書かれているのがタイトルからなんとなく伝わるような気がするから。その辺が好みの分かれるところなんだろうな、と思う。
でもその点を考慮してもエッセイストとしてファンだけではなくもっと広く読まれてもいいんじゃないかな。(余計なお世話か!)

-先週の金曜は、お休みをいただいて四谷三丁目にあるおもちゃ美術館に遊びに行ってきました。おもちゃ美術館は、閉校になった小学校の教室に厳選されたおもちゃを展示し直接遊べるようになっている施設。
置いてあるおもちゃは、木琴や大きなソロバン、カラコロきれいな音の鳴るおもちゃ、ままごとのおもちゃ、ゲームなど木を使ったシンプルなおもちゃが多く、一緒に遊んであげないと分かりにくいものもけっこうありました。そんなわけで最初のもくろみとしては子どもたちに勝手に遊んでもらって、わたしはのんびり見てればいいかなと思っていたのですが、漣くんはすぐに「おとうさんこっちきて」と一人で遊んでくれないし、暁くんはちょこちょこ歩きまわってどこかに行ったり、おもちゃを倒したり投げそうとしたりして目を離せないし、けっこう疲れました。2歳以下の赤ちゃんのための木育ひろばもあるのですが、こちらは3歳以上は中に入れず。う~ん‥‥。

-おとうさんの楽しみとしては、4月7日までやっている企画展「アメリカと日本の古き時代の玩具- FISHER・PRICE TOYS & JAPANESE TOYS in 1930-1980 -」かな。あと昔の小学校を利用しているので、館内(校内)を歩いてるだけでもわりと楽しかったです。
それから大通りを横に抜けて美術館前の路地が、特になにもないけれどいい感じの路地になっていてよかったです。新宿御苑から曙橋、四谷三丁目あたりの路地は、例えば谷根千のような“何か”があるわけではないけれど、ちょっと前の路地の様子がそのまま残っていてよいです。昔、セツ・モードセミナーに通っていた友だちとあの辺をカメラ片手に歩きまわったりしたことを思い出しました。セツ自体もいい感じの建物だったなぁ~

-ついでに四谷三丁目に直結している消防博物館にも寄りました。こちらは屋外には消防ヘリコプターが置いてあって操縦席に入れたり、昔の消防車がそのまま展示されていたり、災害が起きた時の様子を映し出すモニターがあったりと、小さな男の子が喜ぶものが満載で、漣くんも大はしゃぎ。帰ってからも消防車の話ばかりでこっちをメインで遊びに行けばよかったと思うほどでした。まぁそういうものです。

帰り際にはフクナガフルーツパーラーへ。一階が果物屋さん、二階がフルーツパーラーになっているちょっと昭和な雰囲気のお店。通りから店内が見えないので子どもを連れて入るのはどうなのかなと思ったけれど、全然平気でした。ほかにもベビーカーに赤ちゃんを乗せてる人もいたし、帰りにはお店の人に近くにあるらしいアンパンマンショップのショップカードをもらったくらい。まぁでも平日の中途半端な時間だったので空いてたからってのもあると思いますが。
パフェがおいしいらしくその時にいたお客さんもほとんどがパフェを食べていましたが、1歳児がいるのでフルーツサンドを注文。柔らかなパンとイチゴやパイナップル、キウイなどのたくさんのフルーツ、そして生クリームのバランスがとてもよく、ふんわりとした食感でおいしかったです。

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「作家の旅」-コロナ・ブックス編集-

◆年末からジャイブ/ジャンプのCDをよく聴いてます
コロナブックスの「作家の~」シリーズの何冊目?旅をテーマにその作家の文章+写真+その作家の家族による思い出というほかのシリーズと同じ構成でになっており、安心して読めます。ただ何冊か読んだせいもあるかもしれませんが、とりあげられている作家が、山口瞳、寺山修司、田中小実昌、吉田健一、澁澤龍彦など、このシリーズによく登場する作家が多いような気がするのがちょっと物足りないかな。いや、単に自分が好きな作家や旅と言ってすぐに思い浮かぶ作家が多いので新鮮味がないだけかもしれません。好きな作家の話なんでそれはそれで何回読んでもいいんですけどね。
そういう意味では、“おやつ”、“酒”、“食卓”、“家”‥‥と分野を広げていくのと並行して、「作家の旅 第2集」「作家の旅 第3集」‥‥と一つのテーマで何冊か出していくのもおもしろいのかなと思いますがどうでしょう。まぁ売り上げはだんだん落ちていきそうですけど。

去年の終わりからいろいろな要因が絡んで、ルイ・ジョーダンやスリム・ゲイラード、キャブ・キャロウェイ、ルイ・プリマといったジャイブ/ジャンプのCDをよく聴いてます。

ジャンプ/ジャイヴとは、簡単に言うと、ビッグバンドによるスイングジャズが、若者のダンスミュージックとしては物足りなくなって来た時代に、若者のためのダンスミュージックとして生まれたブルースが主体としつつパワーがあって陽気で跳ねるようなサウンドにおもしろい歌詞を乗せたエンターテイメント性にあふれた音楽。そしてジャズからリズム&ブルースやロックへの橋渡し的な存在、という感じですかね。細かくわかってないんでざっくりとした説明ですみません。そもそもジャイブとジャンプの違いも分かってないんですよ。

デヴィッド・ボウイが主演したジュリアン・テンプル監督の「ビギナーズ」という映画にスリム・ゲイラードが出ていてそのサントラを聴いたのがきっかけで、80年代終わりから90年代初めに一度自分の中でのブームがあって、その時に何枚か聴いたのですが、当然、その頃はあまりCD化もされてなかったし、アナログも手に入りにくかったので、この手の音楽をまとめて聴いたのは初めてかも。

ちなみに「ビギナーズ」は「ラビリンス/魔王の迷宮」とともにデヴィッドボウイが出演した失敗作として記憶されている映画ですが(笑)、サントラはシャーデーやスタイル・カウンシル、ワーキング・ウィーク、ジェリー・ダマーズなど、ジャズとかボサノヴァとかをとり入れたイギリスのアーティストが参加していていいのですよ。

まだそんなにたくじさん聴いてるわけでもないし、詳しいわけでもないですが、例によって備忘録として、よく聴いたCDを何枚か紹介。あまりにも基本的なミュージシャンなので、少しずつ何回かに分けて紹介しようかな、とか思ってます。あと、基本的にベスト盤ばかりです。(それぞれのミュージシャンでいろいろベスト盤が出ているのでどれを買うべきなのか初心者はほんと迷います)

-■「Are You Hep to Jive」-キャブ・キャロウェイ-
まずは映画「ブルースブラザーズ」にも出演し、ジャイブ/ジャンプと言ってすぐに思い浮かぶキャブ・キャロウェイのベスト盤。彼の全盛期とも言える1930年代後半から1940年代後半に録音された代表作を収録。今回選んだCDは1950年代に録音されたものが多いので、音だけ聴いていると、それらに比べてわりとおとなしめのストレートなジャズになっているし、コーラスなどもちょっと古い感じになってます。まぁそれが本来のサウンドなんですけどね。逆にそのゆったりとしたサウンドのせいで、猥雑な雰囲気がきわだってるとも言えるかな。音だけよりも映像で見たい気がしますね。

-■「Rock’n’ Roll」-ルイ・ジョーダン-
かつてのヒット曲などを1950年代半ばに再録音したもの。クインシー・ジョーンズがプロデューサーをつとめています。「私の考えるジャズ」とほぼ同時期の仕事になるのかな。そんなわけでバックのサウンドはかなり洗練されておりそれに合わせてかルイ・ジョーダンのヴォーカルもどこかモダンな感じがします。録音されている音もいいです。ストレートなジャズヴォーカルっぽい曲からノベルティ的なもの、ラテン音楽など幅広い曲調の曲が収録されてて飽きません。それからロックンロールというにはちょっとモンドな音やフレーズのエレキギターが意外といいアクセントになってます。

-■「Greatest Hits」-ビッグ・ジョー・ターナー-
なんとなくジャケットで選んでみたCD。CDなんで迫力は半減してると思われます。レーベルもアトランティックなので、初めて買うビッグ・ジョー・ターナーのCDとしてはベストなのではないかと‥‥。大ヒットした「Honey Hush Shake Rattle And Roll」「Fip Flop And Fly」やロックンロールの名曲「Sweet Sixteen」「Chain Of Love」といった曲をブギ~リズム&ブルース~ロックンロール・ナンバーがいい。ただアトランティック時代以外は、カウントベイシーやデューク・エリントンなど共演するなどかなりジャズ寄りな活動が多かったようなのでその辺も聴いてみたいですね。

-■「Laughin in Rhythm: Best of Verve Years」-スリム・ゲイラード-
1940年代から1950年代初期のVerveに所属していた時期のベスト盤。歌だけでなくピアノ、ギターなどの楽器も弾き、タップダンスもしちゃうという多才なミュージシャン。芝居がかった感じの歌も多いので、どんな内容を歌ってるのか分かるともっと楽しめるんだろうなと思います(ジャンプ・ジャイヴの歌手全体に言えることですが)。“コメンナサイ~♪オハ~ヨ~♪”と歌う「Gomen Nasai」も収録されてます。1930年代後半のスリム&スラムやベーシスト、バム・ブラウンと組んだ時代、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーなどをフューチャーした録音などの音も聴いてみたい。

-■「Capitol Collectors Series」-ルイ・プリマ-
ルイ・プリマは、ヴォーカリストとしてはもちろん、トランペッター、バンドリーダー、「Sing Sing Sing」を作曲した作曲者でもあるというマルチプレーヤー。これはキャピトル時代(1950年代?)の曲を収録したベスト盤で、「Sing Sing Sing」やブライアン・セッツァーがカヴァーしていた「Jump Jive an’ Wail」などの代表作をはじめ、当時の妻だったキーリー・スミスとのデュエット曲も収録。時代によってサウンドが異なるようですが、この時代はキャピトルですし30年代、40年代をちょっとノスタルジックに振り返りつつ、わかりやすく軽快なノリのサウンドになってます(偏見か)

「私の好きな料理の本」-高橋みどり-

◆「田中一光とデザインの前後左右」@21_21 DESIGN SIGHT
去年、最後に読んだのは、高橋みどりさんの「私の好きな料理の本」。通勤の電車の中で読むのがもったいなくて、昼休みにひとりでごはんを食べている時に、これうちにあるなぁとか、これ前にうちにあったけどすぐに売れちゃったなぁとか、こういう本を扱いたいなぁ、なんて思いながらページをめくってました。

夏に「暮しの手帖」で“私の好きな料理本”という特集とした時に、

「料理本はヴィジュアルもきれいだし、昔の本はイラストなどもかわいいものが多いし、いろいろな人がおすすめの料理本を紹介する本があったらおもしろいと思うのですがどうなんでしょう。そんなに多くの本を載せなくてもいいし、本の厚さも薄くていいのでオールカラーで、できればハードカバーだとちょっとうれしい。和書と洋書の2部構成になっていて、それぞれ数ページずつちょっとしたテーマにあった本を紹介して、そのあいだに料理家を紹介するコラムや本を作ったときのエピソードが掲載されているとか‥‥などなど、と妄想。」

などと書いてみたけれど、この本でだいたい実現された感じになっていてうれしい。もちろんいろいろな人のおすすめの料理の本が載っているわけではなく、あくまでも高橋みどりさんの好きな本が主に紹介されています。でもその本に関連する人にインタビューをしていたり、インタビューしている人に関連するほかの本やその人がすすめる本なども紹介されているので、テキストも紹介されている本を補足しているだけではなく読み物としてもおもしろい。
インタビューでは、それぞれの本が単にいろいろな料理やそのレシピを紹介するだけでなく、その時代背景や料理の種類によって見せ方を工夫していたり、取り上げた料理自体の歴史や作者との関わりなど、レシピをさらっと見ているだけでは分かりにくい試行錯誤があったことが語られており、これから料理の本を読む時に、そういうことを頭においておくと、いままで気がつかなかったことに気がついたりして、また違う角度から料理の本を楽しめるようになりそうです。

それからその本に掲載されているレシピも別に掲載されていて、本だけでなく実際の料理の写真も掲載されているので、ページの見た目もちょっと華やかになってます。

-去年の9月からミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTでやっていた企画展「田中一光とデザインの前後左右」がもうすぐ終わってしまうので、金曜日、会社帰りに見てきました。21_21 DESIGN SIGHTは、ときどき前を通るけれど中に入るのは初めてで、受付から階段を降りて展示会場まで行く構造になっていることにちょっと驚いたり‥‥(設計は安藤忠雄)。

田中一光については特に好きというわけではなく、一連の西武や無印良品のポスターや広告や印象的にタイポグラフィを用いたデザインといったくらいの知識しかないのですが、作品をまとめてみてみると、大きなサイズのポスターが多く展示されていることもあってインパクトがあるなぁと思いました。まぁやっぱり見たとこのあるデザインのものが多いんですけど、一つ一つを広告としてさまざまな場所で見ているだけでは分かりにくい工夫や作風の違いが分かったりして認識を新たにしました。

日本の伝統文化のデザインを取り入れたものや日本語をもとの文字が分からなくなるくらい崩したものもおもしろかったし、ロゴや河出から出ている「今日の海外小説シリーズ」や山口瞳の「血族」「家族」といった単行本の装丁、雑誌のエディトリアルデザインも気になりましたね。

最近、会社の人に田中一光の本ももらったので、今読んでいる本を読み終わったら読んでみようと思ってます。

ちなみに21_21 DESIGN SIGHTの次回の展覧会は「デザインあ展」。2月8日から6月2日までと会期は長いですが、できるだけ早めに見ておきたいところ。

「たのしい写真―よい子のための写真教室」-ホンマタカシ-

◆明けましておめでとうございます。今年もカヌー犬ブックスをよろしくお願いします。
予定では、これを年末の30日にアップして、もう一冊、大晦日に紅白とかカウントダウンとかおママ対抗歌合戦などを見ながら今年一年(もう去年ですが)に読んだ本を振り返ってみようというつもりでした。でもツイッターなどにも書いたように30日に39度の熱を出して寝込んでしまい、気がつけば年を越し2日、そして3~4日は二宮に帰省したりして、すでに5日になってしまいなんだか振り返るという感じでもなくなってしまいましたね。まぁ振り返ってみて特にどうというわけではないんですけどね。
それにしても風邪をひくとだいたい39度以上の高熱になっちゃうというのは子どもの頃から変わってない。でもそのくらい熱が出るとさすがにもう何もできないので、いろいろあきらめがついていいのですが‥‥。

去年は写真についての本をいろいろ読んでみようと年の初めに思ったのですが、古本屋でしか本を買わないのである程度読むとなかなか読みたい本を見つけられなくなってしまい、なんとなくフェードアウトしてしまいました。
で、結局読んだ本は、「明るい部屋―写真についての覚書」(ロラン・バルト-)、「写真術―21人の巨匠」(ポール・ヒル、トーマス・クーパー)、「写真の時代」(富岡多恵子)、「私の写真作法」(植田正治)、「写真の秘密」(ロジェ・グルニエ)、「僕とライカ」(木村伊兵衛)の6冊のみだったので、年の最後の読書は、ホンマタカシの「たのしい写真」で締めてみました。このシリーズは最近パート2も出ているのですが、そちらは市川実日子のデビューから現在までのポートレート集になっていて今さら買うべきかどうか迷ってしまってます。
あとはアンリ・カルティエ=ブレッソンのこころの眼―写真をめぐるエセー」とヴァルター・ベンヤミンの「図説 写真小史」とロベール・ドアノーの「不完全なレンズで」、セルジュ・ティスロンの「明るい部屋の謎」、ゲルハルト・リヒターの「写真論/絵画論」、スティ-ヴン・ショア-の「写真の本質」、中平卓馬と森山大道、荒木経惟あたりの本は1冊ずつくらい読んでおきたいと思っているので、まだまだ先は長そう~

さてこの本では、ホンマタカシが影響を受けたと思われるブレッソンを中心とした決定的瞬間、エグルストンを中心としたニューカラー、そしてニューヨーク近代美術館の写真部長になったピーター・ガラシが提示したポストモダンの3つの概念を中心におき、「講義篇」「ワークショップ篇」「放課後篇」「補習篇」を4部で構成されてます。
まずその3つの概念を説明した後、それを念頭にある課題に対しての写真を撮ったり、そこからちょっと違う視点で3つの概念に基づいた例を出してみたりと、あえて焦点が絞られている分、さまざまな角度からわかりやすく、また具体的な指摘がされていたりしておもしろい。
また去年、オペラシティ行われた「ニュードキュメンタリー」と同様に、この本で記載されている内容に対してもそういったポストモダン的な手法が随所にとられているのも楽しく、さらりと読めてなんとなく写真のことがわかった気になってしまうところがこの本のすごいところだなって気がします。でもそこで分かった気になっているとあとから「あれ?」って感じになりそうだなと思うのは、ホンマタカシの写真もそんな感じだから。
また上記であげたような写真についての本を読んだ後、読み返してみたらちょっと印象が変わるのかもしれません。適当。

「放浪時代/アパアトの女たちと僕と」-竜胆寺雄-

◆吉野英理香写真展「Digitalis」@タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
竜胆寺雄の名前を知ったのはここ1年くらいのことだと思うのだけれど、どこで知ったのかは忘れてしまった。手帳の読みたい本のリストに入ってる作家の中では、ちょっと作風が違う作家なので気になってるんだけど、思いだせない。

竜胆寺雄は、昭和初期に「放浪時代」でデビューし、高等遊民というか大正・昭和初期のモダンガール・モダンボーイの生態、昭和初期の風俗を描いた作品を多く発表している作家。車庫(ガレージ)、多謝(メニサンクス)、拡声器(スピーカ)、広間(ホール)、涼台(テラス)、虹形(アーチ)、筆触(タッチ)、受信機(セット)‥‥と、ルビがふってある単語をピックアップするだけでその作風や雰囲気をなんとなく想像できるのではないでしょうか。
ただしこのほかにも歴史小説、童話、シナリオ、コント、SF、ファンタジーなど多岐にわたるジャンルの作品を発表しているようです。でもこの本以外には簡単に手に入りそうなものはなさそう。ちなみに1980年代に全集も出ていて、月報に村上春樹が文章を寄せていいるらしいのですが、これらも手に入れるのは難しそう(日本の古本屋で検索したら全12冊で20000円くらいでした。そんなに高くはないですね)。

そして、「放浪時代」の発表から6年後、この本にも収録されている菊池寛や川端康成などの実名を挙げ文壇の腐敗を攻撃した「M子への遺書」発表。それによって文壇的地位を失い、以後、文学活動ができなくなったとされています。今ではそれは竜胆寺雄の被害妄想、誇大解釈だったという説が主流になってるみたいですけど。まぁでも現状で手に入る本がこれだけということを考えると単に被害妄想と片付けてしまっていいのかという気もしないでもないですが‥‥

-先週は、昼休みにタカイシイギャラリーでやっていた吉野英理香の写真展を見てきました。郊外の風景や部屋の中の様子などを深めの色合いで撮ったカラーの作品が展示されてます。普段、自分の撮る写真も含めてわりと淡い色合いのカラー写真を好んで見ているせいもあって、久しぶりにこういう色合いのカラー写真を見ると新鮮でした。

もともとはモノクロのスナップ写真を撮っていたらしく、最近になってカラー写真の作品を撮るようになったとのことですが、モノクロの作品をちゃんと見たことがないので、カラーになってどのように作風が変化したのかなどはわかりません。そもそも吉野英理香という写真家の写真を見るのもはじめてだったもので‥‥。

会場のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは会社から近く、昼休みにちょっと見に行けるので、知ってる・知らないに関わらずできるだけ時間を作って通おうと思ってます。最近はいろいろ調べたりして新しいものを探して、かつそれを見に出かけていくというのができなくなっているので、自分の周りのものに対しては、知ってる・知らない、あるいは好き・嫌いに関わらずできるだけ触れておくようにしたいな、と。などといいつつ、国立新美術館やサントリー美術館、ミッドタウンのギャラリーなどにはぜんぜん行ってませんが。
ちなみにここを知ったのは去年の年末でラリー・クラークの展示をやっていた時で、今年に入って、植田正治、奈良原一高、田原桂一の展示を見に行ってます。奈良原一高、田原桂一のように前後期で展示を分けたりして、通してみると割とたくさんの作品に触れることができたりするのも、ここの個展のいいところです。

「せんべの耳」-三浦哲郎-

◆ピアニカ前田クリスマスコンサート、そして国立のぶどう園を知る
1975年に出た2冊目の随筆集。基本的には身辺雑記、過去の経験をつづったものがほとんどなんですが、構成がしっかりしていて言いっぱなしにもなっていないので、心地よいテンポで読むことができます。こういう文章を書きうつしとかするとすごく勉強になりそうな気がしますがどうでしょうね。

週末は、今私が住んでいるマンションでクリスマスコンサートが行われたので家族そろって見に行ってきました。普段、マンションで行われるイベントなんてそんなに参加する方でもないし、クリスマスコンサートも去年、どんな人が演奏を行ったのか分からないくらい印象が薄かったのですが、今年はピアニカ前田が来るとあって我が家は大盛り上がり。しかもギターは石井マサユキ。誰がブッキングしたのだろうと思うくらい渋い人選。ふつうにちょっとした居酒屋で2000円くらいのチャージでも見に行きたいくらいです。
といっても、コンサートのほうは4時から子どもの部、7時からおとなの部と分かれていて、わたしが行ったのは子どもの部のみ。演奏される曲もジブリ映画の曲やクリスマスソングのみでしたが。子どもの前でもかなり慣れた感じで話しかけたり演奏したりしていて、年季を感じました。

ピアニカ前田と言えば、ダブマスターXとの「Tokyo Duv Storyby」とかソロの「PIANICAN SUMMER」「DOUBLE DREAM OF THE SUMMER」しか聴いたことがなかったので、改めてピアニカ前田のことを調べていたら、CDよりもピアニカ前田が昔、住んでいたという国立にあったというぶどう園が気になりだしてしまいました。

そのぶどう園は、戦後、「農業科学化研究所」という名目で澤登晴雄という人が土地を買い取り、ぶどうやキウイなど果樹の育種を行っていたとのこと。そこでの育種の研究や澤登氏の教えにより「十勝ワイン」などのいくつもの国産のワイナリーが誕生するなど国産ワインの愛好家にとってはわりと有名らしい。そんなところになんでピアニカ前田が住んでいたかというと、ぶどう園のなかに風呂なし共同トイレのプレハブのアパートが立ち並んでいて、主に音大生向けに貸していたらしいのです。

で、ちょっと調べただけで、そのアパートにはピアニカ前田のほかに小玉和文も住んでいて、松永孝義と小玉和文を結びつけたのがピアニカ前田だったという話や、忌野清志郎や当時RCサクセションのドラマーだった人が夜中に大騒ぎしていたという話など、おもしろいエピソードがどんどん出てくるんですよ。ほかにも遠藤ミチロウや梅津和時、工藤冬里といった人もすんでいたらしいし、特に後年有名なミュージシャンにならない人でも、四畳半の部屋にグランドピアノを置いてその下に寝ていた人がいたとか、夜になると部屋越しにセッションが行われるとか、もうて興味はつきません。当時のことをつづった本とか出てないのだろうか?こうなったらピアニカ前田に書いて欲しいくらいです。
ちなみに現在は澤登キウイ園として残っているよう。10月から11月の時期はキウイ狩りもできるみたいです。

いやー国立ってすごわ。なんたって山口瞳が、国立に引っ越してきた頃、まだよばいの風習があってびっくりした、みたいなこと書いてたくらいだしね(まぁ真偽は疑わしいけどね)。

そんなわけで今日のBGMはThe CHANGの「今日の雨はいい雨だ」。最近、月曜に雨降ること多いですね。

「き・まま」

◆明日ははけのおいしい朝市です~
「き・まま」は小金井市在住のスタッフが小金丼やその周辺地域を紹介する地域雑誌で、創刊号となる本誌では、はけのおいしい朝市や江戸東京たてもの園が特集されています。

わたしは先日遊びに行ったはらっぱ祭で購入しましたが、かごや書店、啓文堂書店武蔵小金丼店、オリオン書房、BOOKS ORION nonowa西国分寺店といった小金井周辺の本屋さんや、はけのおいしい朝市に出店しているdogdeco HOME犬と暮らす家、SPOONFUL、中村文具店でも購入できます。明日のはけのおいしい朝市にも出店していますので、よかったらそちらで手に取ってみてください。

特集がはけのおいしい朝市と江戸東京たてもの園ということもあって、わが家にとっては親しみのある人やお店がたくさん登場してきて、漣くんも一人前に本を広げて「ここ、このあいだれんくんがいったところ~」とかいちいち指さしたりしてます。どこもいいお店ですし、紹介されている公園なども素敵な場所ばかりなので、これを見て小金丼周辺に興味を持ってもらえるといいなあと思います。

さて、明日ははけのおいしい朝市。先週の蚤の市に持っていった本を片付けつつ、朝市に持っていく本の準備中~!イベントの準備をする一週間くらい前から前日までのあいだになるといつも、「このイベントだったらこういう本があったいいのに(今在庫がない)」とか「普段はカヌー犬ブックスでは扱いづらいけどこういうイベントだったらお客さんに楽しんでもらえそう」などと思ったりして後悔してしまいます。でも、なかなか普段からイベントに出店したときのことまで考えて仕入れできないんですよね~でも次回なんらかのイベントに誘われた時のために“あれ”とか“それ”とか“これ”は集めておきたいなどといろいろ考えてますヨ!

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今回は水森亜土のイラストがかわいい「よいこのえいごあそび」シリーズを持って行きます。


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レシピ本いろいろ。段ボールに詰める前に写真を撮り忘れてしまった‥‥

予報では明日の最高気温は8度!かなり寒くなりそうですが、みなさん、お待ちしておりますー!

「今日の買い物。」-岡本仁、岡本敬子-

◆今年、後半の後半によく聴いたCD(たいしたものは聴いてない)
前にも書いた気がするけれど、この本は、二人がする買い物やお店にひかれるというよりも、ポラロイドの写真集として読んでます(見てます?)。もちろん中身も読んでるし、おもしろいと思うけれど、これを参考に何かを買うとかどこかに何かを食ぺに行こうとかいうことはほとんどない。
とはいうものの別に物欲がなくなったわけでもないし、欲しいものまあまああるけれど、なんとなく買う機会があまりないんですよね。相変わらず買い続けているのはCDくらいか。
しかし40歳過ぎても聴きたい音楽がたくさんあって、次に買うCDのことをいつも考えてるなんてことになるとは、20代の時は思ってもみなかった。しかも歳をとったから、レアで高い盤を買ってるとかでもなくて、基本20代の頃と同じくいろんなジャンルを広く薄く、そして安いCDばっか買ってるなんてねぇ‥‥進歩なさ過ぎ。

で、最近は、70年代のプリティッシュポッブをよく聴いていてます。ポール・マッカートニー&ウイングスとかELO、バッドフィシガー、10cc‥‥など、中学生~高校生の頃に聴いたような70年代ブリティッシュポッブの基本!みたいなもの、またスタクリッジやグリムス、ウィザード、バークレイ・ジェイムス・ハーベストなど、昔、雑誌やラジオで紹介されてて聴きたいと思っていたけれど、当時はCDで出ていなかったものなどを聴き直してるという感じですかね。いや、なんだか高校生の頃のリスニングに戻ったかのよう。しかも20年以上経つあいだに手に入らなかったレコードがCD化され、安く手に入るものも多かったりしてうれしい。

この辺は60年代や80年代以降に比べて、全体的にどこかいなたいというかサウンドが洗練されてないので好みが分かれるところなのだと思う。メロディはすごくいいし、アレンジもいいんだけど、その楽器の音が70年代ぽさを出してしまってる。それも80年代におけるドラムのエコーとか技術的なトレンドによる共通した音みたいなものではないんだけど、どのバンドもどことなく同じような雰囲気を醸し出しているのがちょっと不思議です。
でも昔ちょっと聴いたきりで、そのあとちゃんと聴くきっかけを失ってしまいなんとなく手を伸ばすきっかけがつかめなかった音楽を改めて聴くというのもいろいろ思うことや発見があってそれはそれで楽しい。やはりなんとなくでスルーしたりしないできちんと聴いておくべきだなと思ったりしてます。
CDは、あと何年かしたらすぐに買えなくなってしまいそうな、もしかしたらアナログ盤よりも先になくなっちゃうんじゃないかって気がするしねぇ。

そんなわけで、このところヘビーローテンションなブリティッシュポッブを何枚かピックアップしてみました。でも書いた後で読み直したら、なんかわざわざ紹介するほどのCDでもなかったかという感じです。まぁ2012年の後半はこんな音楽を聴いてたなぁという自分に対する備忘録ということで‥‥。

■「On The Road Again」-Roy Wood-
ロイ・ウッドのソロ3作目。もう最高ッス。大好きデス。何かとよく聴いてる「Boulders」と「Mustard」にはおよぱないけれど、ポッブ楽曲にどこか実験的な要素を入れ込んだようないろんな楽器が入り乱れるごちゃごちゃとしたところが好き。このごちゃごちゃ感をきれいに整理して表面を磨いたりするとELOになるなーとか、ロックンロール調の曲でELOと同じようなアプローチをしていたりして、改めてロイ・ウッドとジェフ・リンは同じような嗜好をもった人だったのだなと思いました。

■「Eldorado」-ELO-
そのELOは、今回、思い切って11枚組ボックスセットを買ってしまいました。とりあえず全部iPhoneに入れてみて適当に聴いているのですが、なんとなく「On The Third day」「Eldorado」「Face The Music」あたりをよく聴いている気がします。こうやってまとめて聴いてみると、ELOの核となるサウンドにロックンロールやハードロック、ディスコなどさまざま音楽をとり入れていて、そのバランスがめちゃくちゃ絶妙であることに気がつきます。あとロイ・ウッドが在籍していた初期の過激さやブログレシッヴさはさすがだな、とか。

■「Straight Up」-Badfinger-
バッドフィシガーは改めて聴いてみたらどのアルバムもよくて、なんで聴いてこなかったのかちょっと後悔しているくらい。いや、80年代はアップル・レコードは手に入りづらかったし、CD化も若干遅かった記憶が‥‥。これは代表曲「デイ・アフター・デイ」が収録されたサードアルバム。ほんとはどれでもいいんです。ぽぉっと聴いてるとウィングスを聴いている気になってしまう瞬間もあるほどポップ。でもポールほど下世話な部分がなく上品。逆にポールって下世話になりそうなギリギリのラインでキャッチーな部分を作るのがうまいなぁなんて思ったりして。

■「The Man ln The Bowler Hat」-Stackridge-
「田舎のピートルズ」と呼ばれていたらしいです。なんかヴァイオリン入ると田舎って感じがしますね、ってのは偏見か。このアルバムではジョージ・マーティンをブロデュースに迎えて完成度のポッブなサウンドになってるのですが、どこかメロヂィやアレンジにインパクトがないのが、ポッブ好きの人に「いいアルバムだよね~」といった感じで共有されるにとどまってる所以なのかな。ただしこの手のバンドで曲がキャッチーだと「アイドルバンド」扱いされるか「売れ線狙い」ととらえられてしまうところのでそのさじ加減は難しい。

■「Rockin Duck」-Grimms-
マイク・マッギアらによるスキャッフォルドにポンゾ・ドッグ・バンのニール・イネスらが加わったグループのセカンドアルバム。元のバンドの音楽性から推測できるような演劇的で、ギャグ満載の内容とのことなのだが、英語が分からないわたしにはセリフ部分は理解できてません。まあ英語がわかったからと言って内容が分かるものなのかも不明ですが‥‥音楽のほうはわりと、イギリスのビートニクと言われた彼ららしく、アメリカのスワンブやカントリーロックなどの影響が大きいサウンドになっています。もちろんそのままではなく彼ららしいひねりが加えられてますが。

■「Time Honoured Ghosts」-Barclay James Harvest-
バークレー・ジェイムス・ハーヴェストは、ジャンル的にはブログレシッヴになるらしいのですが、これを聴く限りではあまりブログレっぼくないです。3~5分くらいの長さでシンセサイザーを用いたシンフォニックなものや、きれいなハーモニーとアコースティックギターの音が繊細に響く曲が多い。しかし1曲目は「in my life」というタイトルだし、ビートルズの曲名をつないで歌詞にした「Titles」なんて曲もあるし(曲も若干引用している)、ピートルズファンということは分かりますが、なぜ、8作目のこのアルバムでビートルズ?という疑問も‥‥

「春の夜航」-三浦哲郎-

◆東京蚤の市、ぶじ終了しました。皆さまありがとうございました!
前回、三月書房の三浦哲郎の本を読んだのをきっかけに三浦哲郎の本を読んでみようと思っている。まずは「笹舟日記」「せんべの耳」「娘たちの夜なべ」「春の夜航」「下駄の音」「一尾の鮎」「狐のあしあと」‥‥といった随筆集から読んで、その後、短篇集、長編と進めていこうかと。まぁなんとなくの思いつきで特にこの順番にこだわっているわけではないんですけどね。

「春の夜航」は1985年に出た4冊目の随筆集。「おふくろの妙薬」でも書かれていた青森で暮らす母親と姉とのやりとりや東京での暮らし、自分の作品についてなどが、わりと短い文章でつづられているのですが、構成がきちんとしていてコンパクトにまとまっていて文章を書く勉強になります。なかでもその作品に感銘を受け絶えず見守ってくれているような気持ちでいたという上林暁の追悼文が印象深かったです。

さて、第二回東京蚤の市、無事終了しました。二日間、ホームページをチェックしていただいてる方やツイッターでフォローしているいただいている方、そして友だち‥‥と、寒い中、たくさんの人にブースに足を運んでいただきありがとうございました!

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今回は、家族4人での参加だったので、ときどきお店を離れて会場を歩きまわることができました。予想していたよりも天気も良く、日があたる場所は暖かだったりして小春日和の蚤の市という感じでしたね。
-ちなみにわたしはイベントに出た時に使うための鉄でできた赤い本立てを買いました。最初は、木の本立てか小さめの本棚を買おうと思っていたのですが、いろいろなお店を見ているうちに、うちはそんなアンティークっぽい落ち着いた感じでもないなぁという気持ちになってきて、あきらめかけた時にこれを発見した次第。このお店は本立てのほかにもいい感じのものがあったのですが、名前とかチェックし忘れてしまい、残念です。(あとでゆっくり調べます~)

あとはできるだけ並ぱないような時間帯やタイミングを見計らって、パンとかお菓子、お昼ごはんなどのフードを買ったくらい、かな。まあ今はそんなに物欲もないので、会場を散歩しながらいろいろなお店のアンティークを見ているだけで楽しかったです。

今日は、本の搬入・搬出を行ったせいで体中が痛い感じですが、今週末もはけのおいしい朝市に出店いたします。はけのおいしい朝市のほうは、蚤の市以上に子ども連れのお客さんが多いので、子ども向けというか子どものいる親向け、家族向けのレシピ本などをちょっと増やしたり、会場が中村文具店なので文房具関連の本などもを持っていこうと思っています。

今週末から12月、もうしばらく気が抜かずに年末までがんばります~

第40回 はけのおいしい朝市のお知らせ
●【第一会場】dogdecoHOME
開催時間:9:00~13:00
出店:
dogdeco HOME、PETAL.、YUZURIHA、SPOONFUL、foodmood【ゲスト】、kopi panas(コピパナス)【ゲスト】、地域雑誌『き・まま』【ゲスト】

●【第二会場】中村文具店
開催時間:9:00~13:00
出店:
中村文具店、出茶屋、achipan design、カヌー犬ブックス【ゲスト】

 →詳細ははけのおいしい朝市ブログで!