◆明けましておめでとうございます。今年もカヌー犬ブックスをよろしくお願いします。
予定では、これを年末の30日にアップして、もう一冊、大晦日に紅白とかカウントダウンとかおママ対抗歌合戦などを見ながら今年一年(もう去年ですが)に読んだ本を振り返ってみようというつもりでした。でもツイッターなどにも書いたように30日に39度の熱を出して寝込んでしまい、気がつけば年を越し2日、そして3~4日は二宮に帰省したりして、すでに5日になってしまいなんだか振り返るという感じでもなくなってしまいましたね。まぁ振り返ってみて特にどうというわけではないんですけどね。
それにしても風邪をひくとだいたい39度以上の高熱になっちゃうというのは子どもの頃から変わってない。でもそのくらい熱が出るとさすがにもう何もできないので、いろいろあきらめがついていいのですが‥‥。
去年は写真についての本をいろいろ読んでみようと年の初めに思ったのですが、古本屋でしか本を買わないのである程度読むとなかなか読みたい本を見つけられなくなってしまい、なんとなくフェードアウトしてしまいました。
で、結局読んだ本は、「明るい部屋―写真についての覚書」(ロラン・バルト-)、「写真術―21人の巨匠」(ポール・ヒル、トーマス・クーパー)、「写真の時代」(富岡多恵子)、「私の写真作法」(植田正治)、「写真の秘密」(ロジェ・グルニエ)、「僕とライカ」(木村伊兵衛)の6冊のみだったので、年の最後の読書は、ホンマタカシの「たのしい写真」で締めてみました。このシリーズは最近パート2も出ているのですが、そちらは市川実日子のデビューから現在までのポートレート集になっていて今さら買うべきかどうか迷ってしまってます。
あとはアンリ・カルティエ=ブレッソンのこころの眼―写真をめぐるエセー」とヴァルター・ベンヤミンの「図説 写真小史」とロベール・ドアノーの「不完全なレンズで」、セルジュ・ティスロンの「明るい部屋の謎」、ゲルハルト・リヒターの「写真論/絵画論」、スティ-ヴン・ショア-の「写真の本質」、中平卓馬と森山大道、荒木経惟あたりの本は1冊ずつくらい読んでおきたいと思っているので、まだまだ先は長そう~
さてこの本では、ホンマタカシが影響を受けたと思われるブレッソンを中心とした決定的瞬間、エグルストンを中心としたニューカラー、そしてニューヨーク近代美術館の写真部長になったピーター・ガラシが提示したポストモダンの3つの概念を中心におき、「講義篇」「ワークショップ篇」「放課後篇」「補習篇」を4部で構成されてます。
まずその3つの概念を説明した後、それを念頭にある課題に対しての写真を撮ったり、そこからちょっと違う視点で3つの概念に基づいた例を出してみたりと、あえて焦点が絞られている分、さまざまな角度からわかりやすく、また具体的な指摘がされていたりしておもしろい。
また去年、オペラシティ行われた「ニュードキュメンタリー」と同様に、この本で記載されている内容に対してもそういったポストモダン的な手法が随所にとられているのも楽しく、さらりと読めてなんとなく写真のことがわかった気になってしまうところがこの本のすごいところだなって気がします。でもそこで分かった気になっているとあとから「あれ?」って感じになりそうだなと思うのは、ホンマタカシの写真もそんな感じだから。
また上記であげたような写真についての本を読んだ後、読み返してみたらちょっと印象が変わるのかもしれません。適当。