第16回 東京蚤の市に出店しました
もう一週間以上経ってしまいましたが、、11月15日から17日かけて昭和記念公園で行われた東京蚤の市に出店しました。初めて昭和記念公園での開催で、期間もこれまでより1日長い3日間でしたが、3日間とも天気に恵まれて、3日間で5万人以上もの来場者があったようです。来場していただいた皆さま、スタッフの皆さまありがとうございました。
今回は、初めて単独ではなくスプンフルさんと一緒に、17日だけ出店させていただきました。スプンフルさんは、私が住んでいるマンションからすぐ近くにあるカフェで、これまでも東京蚤の市に出店していたり、カヌー犬ブックスもときどき出店させていただいているはけのおいしい朝市を主催しています。
お店に立っている側としては、これまで家族だけだったのに比べ、バックエンドにいつも人がいてわいわい話したり、ごはんやおやつを食べたりして、にぎやかな雰囲気で楽しかったですね。結果的にお店としては、クッキーやマフィンを売るスプンフルさんと、古本屋が並んでいるというだけになってしまったような気もしますが、その辺からお店の雰囲気を変えつつ、次回一緒に出店するときは、もっといろいろできればと思っています。
昭和記念公園で開催ということを知ったときは、これまでの京王閣と違い建物も、屋根のある所もないし、休んだりするところも少ないだろうしどうなるのかな?と思っていましたが、会場が再入場可能ということもあって、お店を周り疲れたら会場の外の芝生のエリアでちょっとのんびりして、また会場に入る、という人が多かったようです。公園自体が広いので、少し移動すれば適度に休憩をとれる場所があるという感じでよかったのではないでしょうか。
個人的には八角テントでのライブや、場所によってその付近の雰囲気が変わるところなど、京王閣も好きだったんですけど、来てくれるお客さんとしては昭和記念公園のほうが便利で過ごしやすかったのかもしれません。ちなみにわたしは子どもたちがソフトクリーム食べたいというので、イケアまで行ってソファに座って休んだりしてました。北欧市に行って帰りにイケアに行くという北欧好きの人も多そうですよね。
古本屋としては、3日目だけ出店したことやフードエリアでの出店だったこともあり、子どもを連れた家族の方々にたくさん来ていただき、開場から閉場まで大にぎわいでした。ありがとうございました!「このお店、小さいけどいい絵本がたくさんある!」などと言われたりして、ちょっと嬉しかったです。次回は絵本以外でも、「いい本たくさんある!」といわれるようにがんばりますー!
■雑誌「HUGE」に連載された読書エッセイ。
■主人公の小説家と彼を担当する編集者、そして普通の人には聞こえない音が聞こえる音響技士の3人が、消えた言葉の辞書を作ることをライフワークとしていた亡くなった恩師の手紙の秘密を、聞こえない音をたどりながら解き明かしていくというストーリー(最終的に解き明かしたのかどうかはわからない)。
■もう1か月以上前のことになりますが、3月に新井薬師前にあるスタジオ35分でやっていたジョナス・メカスの写真展に行ってきました。ジョナス・メカスは、身の回りの日常風景などを撮影した映像記録で知られているリトアニア生まれの映像作家・詩人。10分くらいの短編から5時間を超える長編まで多数の作品を制作し、映画館やギャラリーでの個展などさまざまな場所、さまざまな上映スタイルで作品を上映しています。アメリカに渡ってきたばかりのころ、まだ英語を話すことができなかったため、コミュニケーションの手段の一つとして16ミリのカメラで映像を撮るようになったとどこかで読んだ記憶があるけど、本当がどうかわかりません。
■昔に行った場所や会った人を映像としてはっきりと思えている人もいると思いますが、わたし自身はあまり記憶力がよくなくて、すぐに忘れてしまいます。何かきっかけがあって思い出したとしてもだいたいぼんやりとしているし、思い浮かんだいくつかのものたちのつながりなどもはっきりしていない場合が多かったりします。そういうことも含めて、ジョナス・メカスの作品を見ていると、行ったことも見たこともない風景なのに、被写体が日常的なものだけになんとなく自分の頭の奥にある記憶を探っているような気分になったりします。
■鈴木清順、深作欣二、北野武といった日本のヤクザ映画やギャング映画が好きというユアグローによる、ギャングを主人公にした短編を47編収録した短篇集。短編といってもユアグローなので、どれも1ページから5ページくらいの短く、そこにいたる過程はもちろん、主人公の経歴や心理、周辺の状況といったことは描かれません。1行目からいきなりやばい状態になり、事実のみが淡々と描かれ、最後にストーンと話が落ちていきます。柴田元幸の翻訳の文章も内容に合わせてかいつもと違っていて、かなり硬質な文体になっている気がするけど、それは気のせいかもしれません。
■帯にも書いてあるように「なぜ今まで片岡義男の書き下ろし珈琲エッセイ本がなかったのか?」という編集者からの問いかけに答えてつづられたエッセイ集。わたしに限らず、この本が出ることを知ったとき、「ついに片岡義男のコーヒーの本かー!」と思った人は少なくないのでは。そして、片岡義男だったら単にコーヒーについての思い出や喫茶店の紹介などでは終わらないはずと思ったと思う。
■ピート・ハミルの本を読んでいたのは、高校生の終わりから大学生の初めの頃までで、「ニューヨーク・スケッチブック」や「ニューヨーク物語」「ボクサー」などを読んだ記憶がある。でも80年代らしい、わりと軽めでちょっとおしゃれな雰囲気の小説という印象が強くて、それ以降はぜんぜん読んでなかった。最近、読んだ常盤新平の本で、ニューヨークに行ったときにピート・ハミルに会った話が出てきて、ふと思い出して読んでみようと思った次第。
■モダンガール篇と同時に刊行された、男性を主人公にした作品を収録した短篇集。ちゃんと覚えてないし、調べてもいないのだけれど、なんとなく読んだことがある作品が多い気がしました。
■東京蚤の市に続いててのわ市も無事終了しました。当日は天気もよく、かなり暑い一日となりましたが、たくさんの人に来ていただき、大盛況のうちに終えることができました。
■古代人のミイラに出会った科学者たちが、ミイラに影響され態度や行動が変わっていく様子を描いた作品をはじめ、死者続出するにもかかわらずなぜか毎年開催され、そしてなぜか多くの住民が参加するというピクニックについての作品など、不思議な設定の中で不可解、不条理、そしてどこかグロテスクな物語が展開されていく短編集。なんとなくミルハウザーに似ているかも?と思いながら読んでいたんだけど、最後に解説を読んだら、セス・フリードが同時代の作家で気になっている作家の一人にミルハウザーをあげていたので、納得。
■高級車のディーラーで、ラジオで放送するちょっとしたコネタを作ったりしている主人公と、地理学者の友人、そしてその恋人の3人が、プジョーやメルセデスなどの高級車を乗り継いで北欧からイタリアまでを移動していくロードノヴェル。友人の恋人はときどき男性に変装して爆破事件や強盗事件を起こしたりする。