■モダンガール篇と同時に刊行された、男性を主人公にした作品を収録した短篇集。ちゃんと覚えてないし、調べてもいないのだけれど、なんとなく読んだことがある作品が多い気がしました。
モダンガール篇では当世風の考えをした女中など、その当時の風潮を取り入れつつ、「おっそうきたか!」と思うようなキャラクターが、活躍(?)していたのに対し、モダンボーイ篇では、作者、もしくは作者をベースにした主人公の作品が多かったりするので、モダン「ボーイ」とという感じではないかもしれません。やっぱり女性のほうが世相に敏感だし、ストーリーにあったいい感じのキャラクターを作りやすいのだろうか。男性をデフォルメするとなんかイタイ感じになりそうだしね。あとこの本に限らず、長編でも獅子文六の小説では、全体的に女性のほうが強いというかキャラが立ってるような気がします。男性はわりと情けない場合が多いですよね。
なので、モダンボーイというテーマとしてはちょっと弱いのですが、どの作品も話としては獅子文六らしいし、当時の世相をユーモアたっぷりで皮肉ったもの(と言っていいのかな?)、私小説風なもの、パリを舞台にしたもの、幻想文学みたいなものなど、さまざまな種類の話が収録されているので、獅子文六をはじめて読む人でも楽しんで読めると思います。長編もストーリーが起伏に富んでいるので読みやすいけれど、新聞小説が多いのでまぁまぁ長いですから。
しかし、編者の千野帽子も書いているように、「ライスカレー」の終盤の展開はヒドい。そしてこの作品を一番最初に持ってくる千野帽子も性格が悪い(いい意味で言ってます)。
■東京蚤の市に続いててのわ市も無事終了しました。当日は天気もよく、かなり暑い一日となりましたが、たくさんの人に来ていただき、大盛況のうちに終えることができました。
ここ数年、東京蚤の市では屋内に古本街が設置されているのですが、外でお店を出している人はこんなに暑い中に1日いるのだなと思ってしまいました(時には雨が降ることもありますし‥‥)。空調が効いた屋内のありがたさを実感しました。逆に屋外の心地よさもあるし、会場の様子がわかるという利点もあるんですけどね。
てのわ市は、駅からちょっと離れていることや、公園ということもあり近くに住んでいる家族連れの人が多く、お店の前で座り込んで絵本を見ている子どもやお母さん、お父さんがたくさんいました。子どもの本ってすぐには決められないし、子どもたちに気に入ったものを選んで欲しいので、次回こういうイベントに出店するときは、小さなイスを持って行こうと思います。
次のイベントは、3月に行った3days Bookstoreの2回目です。今のところ7月の終わりくらいに開催される予定なので(まだ未定)、エアコンの効いた部屋でのんびりしたり、喫茶店でコーヒーを飲みながら読めような、夏の読書に合いそうな本をセレクトするつもりです。詳細が決まったらまた告知しますので、よろしくお願いします!