「作家のおやつ」-コロナブックス編集部-

◆今年の夏は在宅勤務して仕事の合間に「作家のおやつ」に出てくるようなおやつを食べたい、のだ!
コロナブックスの「作家の~」シリーズは、このほかにも「作家の家」「作家の食卓」「作家の酒」「作家の犬」「作家の猫」などいろいろ出ていいますが、この本が一番ヴィジュアル的によさそうかな気がします。まあ個人的な趣味ですが‥‥。でもほかの本も欲しい。少なくとも「作家の食卓」「作家の酒」は手に入れておかなくては。

三島由紀夫のプチガトーや植田正治のフルーツケーキ、向田邦子のシュークリーム、植草甚一のお団子、小津安二郎の半生菓子、池波正太郎のホットケーキ‥‥といった作家がひいきにしたおやつが、実際にそこで食べたと思われる仕事部屋や机などと一緒に撮られた写真や、そのおやつについての作家自身の文章の引用が掲載されていたりして本全体としていい雰囲気になっています。やっぱりおやつは色合いがきれいだったり形がかわいかったりするので、基本的には落ち着いた雰囲気の作家の仕事部屋と一緒だと映えますね。この辺「作家の食卓」「作家の酒」だとどんな感じになってるんでしょう。
そういった演出もあって、どれも高級でおいしそうに見えるのだけれど、中にはABCビスケットやさーたーあんだぎー、森永のキャラメルなど庶民的なおやつもあり、実際の値段よりもやはり趣味のよさというのがにじみ出てるという感じです。仕事の合い間にこんなおやつを食べたいものだけれど、まあ会社じゃ雰囲気でないッス。

ちなみに今日の夜の作業のおやつは、St.Michelのガレット。週末に吉祥寺に行ったときにパルコのB1にできたジュピターという輸入食料品店で買ったもの。St.Michelというメーカーを初めて知ったんですけど、フランスではNo.1ビスケットとして35%以上のシェアがあるらしいです。まぁ味の方はいかにも外国のお菓子らしいバターのきいたビスケットなんで、どうということもないんですけどね。

話は逸れますが、むか~し、初めて調布のパルコに行ったときに、地下が食料品売り場になってて「パルコなのに!」とびっくりした記憶がありますが、輸入食料品とはいえ、吉祥寺のパルコのB1も1/4くらい食料品売り場になってしまって、なんだか「‥‥」という気がしてしまいました。いやわたしが知らないだけで、ほかのパルコって普通に地下は食料品が売ってたりするんでしょうか。

「歩くキノコ」-飯沢耕太郎-

◆匙屋さんの店先で食べたいちごのかき氷、夏はもうすぐ?
今日は、国立の匙屋さんの店先で開店していたたいやきやゆいさんのかき氷を食べに行ってきました。天気的にはかき氷日和!というわけではありませんでしたが、逆に先週の平日のような天気だったら、駅から匙屋さんまで歩くだけで汗だくになってしまうだろうし、匙屋さんの前にだらだらとしゃべったりすることもできないので、これはこれでよかったのかもしれません。

夏みかんが売り切れていたので、うちは苺のに練乳をかけたもの、お店の前で合流したTAIYODOの菅藤さんは抹茶を頼んでみんなで食べました。苺の果肉がちょっと残ったところ手作りの練乳の甘さが程よくて、抹茶は外には粒あんがかかっていて、氷の中にはこしあんが入っているという手間のかかったものでした。かき氷自体もキーンと冷たい~!というよりも、ふわっとしたやさしい食感で涼しい時に食べたからといって体が冷えてしまうようなこともなかったです。

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匙屋さんの前にはニチニチ日曜市に出ている古本泡山さんがいたり(いつもちゃんと話したいと思ってるのですが、なかなか話せない‥‥)、あとから「みんな丘へ!」のメンバー(って言ういい方でいいのか?)トモキくんが自転車で店の前を通ったりして、ご近所さん集まる、みたいな感じになってました。
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ちなみに、匙屋に行く前に、籠太でお昼ご飯を食べたときも、お店で赤ちゃんを連れたOさんに偶然会ったし、その後に行った黄色い鳥器店では、お店の人とお客さんが、わたしが昔勤めていた会社の同僚と思われる人の話をしていたりして、なんだか不思議な一日だったな。

さてこの本は、最近では、文学から漫画・音楽・映画と、古今東西のあらゆる「きのこ本」に言及した「きのこ文学大全」や、萩原朔太郎や夢野久作、泉鏡花、北杜夫、宮沢賢治など「きのこ文学」を16作品を集めたアンソロジー「きのこ文学名作選」、「世界のキノコ切手」「考えるキノコ摩訶不思議ワールド」など、きのこに関する本を出している飯沢耕太郎による東アフリカとトルコ・ヨーロッパを巡った6か月間の旅行記。

作家など著名人らしい快適な旅というわけではなく、かといってバックパッカー的な旅でもないある意味とらえどころのない旅なんですけど、もともと、飯沢耕太郎が1979年から1980年にかけて日本アフリカ文化交流協会スワヒリ語学院の学生としてケニアのナイロビで過ごしていることもあっての15年ぶりの東アフリカなので、単なる旅行記・紀行文にはなってないです。

「INVITATION」-マーク・ゴンザレス-

◆新しいカメラを買いました!
マーク・ゴンザレスの作品は一見すると単純な線のまるで子どもの絵のようなんだけれど、どことなくユーモアがあって暖かい感じがするところがいい、なんて言って書き始めてはみたものの、実はトーマス・キャンベル、ハーモニー・コリン、マイク・ミルズ、トミー・ゲレロ‥‥といったシーンの他のアーティストたちのイメージと重ねてしまっているところもあるような気がします。

まぁそういうシーンとしてのつながりも含めて好きなわけで、はたしてこの本に掲載されている作品をなんの前知識もなく見たらどう思ったのだろうか、ということはやはりどうでもいいのかもあしれない。むしろ他のアーティストの作品も積極的に見たり、聴いたりしていくことで、より楽しめるようになるんじゃないかと思うんだけれど、そういう楽しみは邪道なのだろうか。なので「ビューティフル・ルーザーズ」は必見ののアイテム。わたしは映画館に見に行けずいまだに見れていないけれど‥‥

さて、話は変わりますが、10年以上使っていたコニカのBig miniの液晶部分が壊れてしまって、設定がまったく見れなくなってしまったので(前回もこの部分が壊れて買いなおしたんですよね~)、これを機に新しいコンパクトカメラを買いました。いろいろ迷ったのち結局、ニコンの35Tiを購入。最初はリコーのGRにするか、コンタックスのT2もしくはT3にするかなど思っていたのですが、まっ最終的には35mmということと価格、そしてデザイン、ですかね。
デザインについては、当時は(今も?)上部にあるクルクル針に気に入って購入した人が多いみたいですが、わたしはここについてはそれほどいいとは思えなくて、四角いところやチタン合金色と黒の箇所のバランスを含めたちょっと古い感じの全体感が気に入ってます。
ネットを見てると28Tiの黒塗装のよさだったり、コンタックスT2の機能のよさだったりが書かれているけれど、カメラにかかわらず、わたしが自分が使う道具を決める要素としては、期待する性能から大きくかけ離れているような場合でなければ、この全体感が気に入るかどうかが、購入を決める大きな要因になることが多いです。

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結局のところ自分にとって必要な機能なんて使っていくうちに代わっていくものだし、使いやすさについても実際に何年も使ってみないと分からないところが多い。それよりも機能に合わせて使い方を変えていったり、使いやすさも逆に使うものに合わせて自分を変えていったほうが楽。ただそのためにはそのものが好きじゃないとだめなわけで、長く使うにはそっちのほうが大事なんですよね。

早く試しで撮ってみてどんなふうに写るのか確認したいのですが、週末まで出番はなさそう。しかも家にあったフィルムが36枚撮りを入れてしまったので、来週末、フィルム一本撮りきれるかも微妙。とりあえず次の週末に雨が降らないことを今から願ってますっ。

「冬の薔薇」-秋山ちえ子-

◆蓮沼執太のインストアライブとかカヌー犬ブックス8周年記念20%オフセールとか
秋山ちえ子さんは1957年から45年間「秋山ちえ子の談話室」というラジオ番組のパーソナリティをつとめた人で、「大晦日のローストビーフ」「春・夏・秋・冬 女の食卓」「雨の日の手紙」「82歳のひとりごと」といったラジオ番組などを通じて出会った人々とのエピソードや身辺の出来事をつづった随筆集や昭和40年代から50年代の高度成長期に取材した人たちを10年後に再度訪問するという「十年目の訪問」などの本も出しています

この本は77歳、喜寿を迎えた記念としてまとめた本。
前にも誰かの本で、誰かが三月書房から出している小形の本が気に入っていたので、今回何かの記念に自分でも出すことができた、みたいなことが書いてあったような気がするのだけど、記憶があいまい過ぎて調べようがない。三月書房自体も少人数でやっている小さな出版社みたいだし、そういうつながりで出している本もわりと多いのだろうか?

そしてウィキペディアを見てみたら秋山ちえ子さんは、1917年生まれでまだ存命のよう。喜寿どころか今年珍寿なのですね。しかも2005年まで自身のラジオ番組を持っていたとのこと。ちょっとびっくり。

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金曜の夜は、スパイラルレコーズでやっていた、蓮沼執太のインストアライブを見に行ってきました。当然ですが蓮沼執太のライブを聴くのは初めて。
蓮沼執太は、生楽器中心のオーケストラ編成の蓮沼執太フィル、コンピュータが中心のソロである蓮沼執太チームなど、さまざまな形態でライブを行っているのだけれど、今回は蓮沼執太バンドと称して、蓮沼執太(鍵盤)、Jimanica(ドラム)、千葉広樹(ヴァイオリン)、石塚周太(ギター)、斉藤亮輔(ギター)の5人のメンバーでのバンド編成。まぁこれは最後にメンバー紹介をしたとぎにはっきり分かったことで、会場は人が多くて、最初から最後まで演奏している様子を見ることはできず。ライヴ・レコーディングを素材にしたアルバム「wannapunch!」で聞かれるような、フレーズが組み合わさり、絡み合うような曲がどのように演奏されているのかちょっと見たかったですね。
練習する時間があまりなかったというわりには息もぴったりで、バンドのサウンドとしてストレートに演奏されていて、蓮沼執太のブレイヤーとしてのすごさを実感しました。機会があれば、ちゃんとしたライブを見てみたいです。

ところで、話が変わりますが、6月10日でカヌー犬ブックスは8周年を迎えました。まあいろいろありましたけど、なんとかここまで続けてこられたのも皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
ここ数年はいろいろやりたいこともありつつ、あまり実行できないという感じでしたが、10周年に向けて少しずつ前に進んでいきたいと思っておりますので、今後もよろしくお願いいたします。

そんなわけで、8周年記念ということで6月10日(金)から24日(金)まで、全品20%オフセールを行っています。前から欲しかった本や買い逃していた本、あるいは買うかどうか迷っていた本などがありましたら、この機会にぜひご利用ください。

「ふらふら日記」-田中小実昌-

◆はけのおいしい朝市@中村文具店
ちゃんと照らし合わせていないけれど、なんとなく読んだことがあるものばかりなので、ほとんどがちくま文庫の田中小実昌エッセイ・コレクションの<旅>編に収録されているのかもしれない、いや、読んだことがある気がするだけで分かんないです。いつでもバスに乗って“ふらふら”とどこかに行き、行った先でお酒を飲んで“ふらふら”と酒場をはしごする様子がつづられているので、読んでいるほうもときどきコミマサさんがどこにいるのか分からなくなって“ふらふら”してしまいます。
たぶんものすごくたくさんの知識と経験を持っているにも関わらず、実際の“もの”はほとんどなくて、所有にもこだわらず、ほぽ手ぶらな状態で、“ふらふら”と歩きまわる生き方はほんとうにうらやましい。

そういえばエッセイコレクションも最終巻の<自伝>を読んでないや。今度読もう。んでもって気持ちだけでも“ふらふら”としながら過ごしていこう。

さて、日曜ははけのおいしい朝市。前にPetalでやっていたときに何回か行っていたけれど、 dogdeco HOMEでやるようになってからはあんまり行かなくなってしまってました。そんなに遠くなったわけではないけれど、通り道かどうかっていうのが大きい。それから、朝市の時だけじゃないけど、素敵な植木の置いてあってその横で出茶屋さんのワゴンがあって、小さなテーブルとイスが置いてあって、みんなで囲むようにコーヒーを飲みながらマフィンを食べたりしている、というPatelのお店の前の雰囲気がよかったということもあるかな。(そういえば前は参加しているお店が持ち回りで朝市の会場にしてましたね)

今回は、dogdeco HOMEと中村文具店での2か所での開催とのことで、60年間、小金井でお店をやっていたという文房具店の倉庫に眠っていた古い文房具や、それを再生させたオリジナル商品があるらしい中村文房具店が気になっていたのと、近所にあってミオ犬がしょっちゅう行っているスプーンフルというカフェがdogdeco HOMEのほうに出店するということだったので、あわよくば両方まわれたらいいかな、と。

中村文具店では、「文具店で、ちょっと座っていきませんか」と題した手づくり手紙キットのワークショッブやオヤコデねっとによるひらがなやカタカナが白抜きで書かれているポストカードに自由に絵を描くという「これなーんだ?」があり、奥ではYUZURIHA+アチパンの日本茶カフェがあって、ガレージの中は子どもたちでいっぱい。そんな中で漣くんもお絵描きに夢中になってしまったので、予定では、文房具を見てアチパンでパンを買ってさくっと移動する予定だったのですが日本茶をいただきながら抹茶のマフィンを食べたりしてのんびりしてしまいました。

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ガレージの中だけでなく、お店が路地というには広く、でも車が行き交うわけでもない道路に面しているので、子どもたちが多少店から出ても安全だし、こういうワークショッブをするにはいい場所でしたね。

ところで、家に帰ってちょっと調べてみたら、中村文具店って南口の商店街に合った文房具店だったんですね。わたしたちがここに引っ越してきてしばらくたった頃、閉店セールをやっているのを見つけていろいろ文房具を買ったのを思い出しました。
そう考えると引っ越してきて一年半くらいしか経ってないけど、駅前の様子など武蔵小金井周辺はかなり変わりましたね。そもそも線路がまだ高架になってなかったですよねえ(遠い目)。

「口福無限」-草野心平-

◆SLが料理を運んでくるお店でお祝い
週末は金曜をお休みにして3連休でした。
特にどこかに出かけるというわけでもなかったのですが、金曜の昼間は家でのんびりして(というか午後、家族3人で思いっきり昼寝してしまったのだ)、夕方から国分寺に出て行き、小平にあるいろりの里というところで食事をしました。

いろりの里は、国分寺といっても住所は小平、玉川上水沿いにあって、敷地内には日本庭園が広がっていて、まさに”武蔵野”という感じのレストランで、その庭園を個室から眺めながら、しゃぶしゃぶやすきやき、海鮮料理といった料理を楽しむことができます。

なんでわざわざそんなところまで行ったかと言えば、部屋の外にレールが敷いてあって蒸気機関車が料理を運んでくれるのです!しかもそんなギミックだけではなく、料理もおいしいらしいし(ミオ犬は昔ここで食事をしたことがあったらしい)親子3人とも満足できる素敵なレストランなのですよ。って大げさか。もっと近くにあったら頻繁に行くのに!いや、うそです。平日ランチでも2500円のコースなんてそうそう食べられません。

実際は、全部の料理をSLが運んできてくれるわけではなくで、しゃぶしゃぶのお肉とデザートの2品だけなんですが、ほかの部屋に料理を運んでくるときも窓の外に出てSLを見たりするので、食事をしている間、わりと頻繁にSLが通ります。その度にほぼ全室で大騒ぎになるのですが、SLが戻って行った後は個室に入って窓を閉めてしまえば静かに料理を食べられます。

しかしなんでSLなのかはちょっとなぞ。

そして隣の女の子(漣くんと同じ2歳。女の子はおしゃべりがはやいねぇ)が大騒ぎしているのに気遅れしてるのと場所見知りで、SLは気になるけど、いまいち緑側に出ていくことができない漣くんなのだった。SLの音がすると窓を開けてその隙間から外を見たりしてるのですよ。この辺はなんか「自分の子だな~」と思ってしまうところですね。
でも、「このお肉おいしいねえ」という親の声に反応して、いきなり、しゃぶしゃぶの生肉に食いつくようなところは、「自分の子とは思えないなあ~」と思ってしまいますけど。