「林の中の晩餐会」-城夏子-

-■少女小説を書いていたり編集者として働いていた頃から、老人ホームに入ってからの頃までに出会った人々についてつづったエッセイ集。井伏鱒二や里見トン、瀬戸内寂聴、宇野千代と言った作家から竹下夢二、森繁久弥、市井の人々まで、さまざまな人が登場して、こういうつながりがあったのか、などいろいろ発見も多い。この人の若い頃に出した本を読みたいと思うけれど、さすがに少女小説は40代後半のおじさんにはつらいので、随筆集とか出ていないのだろうか?

■10月2日のはけのおいしい朝市も無事終了しました。いい天気に恵まれたくさんの人に来ていただきありがとうございました。個人的には前日行われる予定だった小学校の運動会が日曜に延期になってしまったせいで、はけ市と重なってしまい、なんだか慌ただしい一日でした。小学校での初めての運動会だったのでゆっくり見たかったなーと思う。徒競走も1番だったらしいしね。でもお昼にケーニッヒのホットドッグを食べたり、木を削って鉛筆をつくるワークショップに暁くんと参加したり、そして15年以上前に勤めていた会社の同僚が遊びに来てくれたりして楽しかったです。ものすごく久しぶりに会ったのにぜんぜん変わっていなくって、びっくりでした。

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-■次回の出店は、11月3日に東小金井駅の高架下で行われる家族の文化祭になります。今回のテーマは「家族の食卓」ということなので、いつもサイトで販売している食の本で家族で楽しめるものや家族で楽しめるレシピなどが掲載されている本などを多めにピックアップして持って行きたいと思います。もちろん絵本や児童書なども持って行きますよー
特にはけ市では、小学校が運動会ということで、小学生が読めるような児童書を持って行かなかったのですが、今回はその辺もある程度そろえますので、小学校のお子さんんいる家族でも楽しめるのではないかと思います。よろしくお願いします~

 【家族の文化祭 家族の食卓】
 開催日:2016年11月3日(木・祝)
 場所:コミュニティステーション東小金井(JR中央線東小金井駅高架下(小金井市梶野町5-10-58))

「William Eggleston’s Guide」-William Eggleston-

-■1976年にMoMAにて開催された初の“カラー”の展覧会の際に出版された図録的な写真集。これは2003年に復刻されたもので、いまではわりと手軽に手に入るエグルストンの入門編といった感じですね。
エグルストンの写真集は「William Eggleston 2 1/4」を持っていて、いつか「Los Alamos」とか「William Eggleston: For Now」といった作品を手に入れようと思っているんですが、最近はいろいろな意味で写真集を買うような余裕がないですね。金額のことを言えば、普段、レコードやCDばかり買ってるくせに、1万円のレコードとかぜんぜん買う気にならないんだけど、1万円の写真集なら買っちゃおうかな、なんて思ってしまうのが不思議。まぁ写真集はそういうものだという刷り込みがあるわけですが‥‥昔、カジヒデキが写真集を買うのは、自分の未来への投資、みたいなことを言っていたけど、この歳になって未来への投資って言うのもどうかってね(そもそも写真集が投資になるようなことは、仕事でもプライベートでも一切していない!)。

-■10月2日に小金井神社で開催されるはけのおいしい朝市に出店します。はけのおいしい朝市に出店するのは1年ぶり、小金井神社での出店は2年ぶり、かな。小金井神社のはけのおいしい朝市は、うちの子どもたちも含め、神社の境内を子どもたちが走り回り、にぎやかな雰囲気で楽しいので、今から楽しみにしています。といっても、来週末なんで、もう準備をし始めなくちゃいけないんですけどね。
基本的には絵本や児童書を中心に、家族で楽しめるようなレシピ本、読書の秋にさらりと読めるような随筆を料理の分野だけでなく幅広く持って行こうと思っています。
9月に入ってからあんまり天気がよくないけれど、当日は晴れるといいなちなみに前日は小学校の運動会なので、10月1日、2日は両方とも晴れてほしいんですけどね。

 「はけのおいしい朝市 vol.84 in 小金井神社
 日時:2016年10月2日(日)9時~16時(雨天決行・荒天中止)
 会場:小金井神社 東京都小金井市中町4-7-2

「ロッパ日記代わり 手当り次第」-古川緑波-

-■「週刊娯楽よみうり」に1958年から1959年にかけて連載したコラムをまとめた本。食べ物や映画や舞台、読んだ本‥‥などについて、日記代わりのようにつづられている。ほめたりときに毒舌をはきつつ短めの文章でテンポよく読めます。
ロッパの食べものについての文章を読んでいると、以前、会社の本部長だった人が「量が質を凌駕する」ということを言っていたのを思い出す。食べる量が普通の人とぜんぜん違う感じなんですよね。おいしいものもまずいものもとにかくたくさん食べて、まずいものはまずいといい、おいしいものはおいしいという、まずいものも食べなくちゃおいしいものはわからないというスタンスがストレートでいい。音楽を聴くにしても本を読むにしても映画を観るにしても、いいものだけに接していることはできないし、体を動かすにしても効率の良いことばかりしていくのは不可能であって、とにかく量をこなすということが大事なんだろうなと思う。って、つい音楽とか本とか趣味の話になってしまい、仕事にまったく活かそうとしていないところがなんですけどね。

■今年の夏は、子どもたちの帰省が短かったこともあり、いろんな所に行った。7月の初めにイイトコ宵の市があり、府中競馬場の花火大会、3週連続のセプチマ、そして8月に入ってからも江戸東京たてもの園の夕涼みから始まり、水木しげるの妖怪展、スカイツリー、NHKのスタジオパーク、勝浦、国立博物館、バーベキュー‥‥など、まぁ基本的に近場ですけど。でもね、なんとなく今年の夏は「夏~」って感じがしなかったなぁと思う。冷夏ってわけでも天気が悪かったわけでもないしなんでだろう?単に歳を取ったせいなのだろうか?そんなわけでなんだかしっくりとこないままこれまた行事やイベントの多い秋に突入です。

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「ジャケガイノススメ―Beautiful Covers」-土橋一夫、高瀬康一-

-■レコードジャケットがたくさん載っている本を読んでいるのは楽しい。レコードジャケットに添えられている文章が著者の思い入れたっぷりだったりするとさらに楽しい。思わず「ジャケガイ」してしまいそうな美しいジャケットのレコードをオールカラーで掲載したこの本もそんな本。まぁだいたいきれいな女性が写っているジャケットが多く、イージリスニングからオールディーズ、ジャズ、ボサノバなど1970年くらいまでのレコードが紹介されている。サバービアスイートの一面を拡大させた感じと言えるかな。
個人的には、ジャケットの写真もいいけど、アルバムタイトルやアーティスト名(ってこの頃は言わないか)のフォントや配置の仕方にひかれてしまいましたが。最後のコーナーの海外シングル盤のカンパニー・スリーブの写真もいいですね。
適当にページをめくりながらビール片手にレコードを聴いてると時間を忘れる気がします。いや、忘れたい。ふと気がついたら夜中の3時とかになってたい。とはいうものの、この本も10年前に出た本で2014年に改訂版も出ているくらいなわけで、それほどレコードに関する本を買っているわけではないんですけどね。

-■立川の砂川七番にあったギャラリーセプチマが7月いっぱいでクローズしてしまいました。7月の最後は、タイミングが合ったこともあって、3週続けてセプチマに行って、いろいろな人のライブを見たり、それまで話していなかった人と話したりしました。ほんとの最後の最後までいられなかったけれど、最後の日にセプチマに行けてよかった。
「気づいてないかもしれないけど、今かけがえのない時間を過ごしてるんだぜ」というYojikとWandaのギターの人の言葉の通り、セプチマの代わりになるようなどこにも場所はない。でもここで見たり聴いたり遊んだりしたその記憶を胸に秘めつつ、それぞれが何かをしていけば、またどこかで別の素晴らしいことが生まれるんだと思う。そうやって繋いでいくことが大事なんじゃないかな。よく分からないけど。で、じゃ、お前は何するんだ?と言われるとなんにも言えませんが。

■わたしがセプチマを知ったのは2010年11月に行われた「みんな丘へ」というイベントに誘われたのがきっかけでした。「みんな丘へ」は絵の展示や、おいしい食事のお店、鉄の器とコースターを作るワークショップがあり、バックではハタノくんのラジオ局があり、最後にはみんなで楽器を持って演奏するという不思議で、にぎやかで楽しいイベントでした。西東京に引っ越してきて一年くらい経った頃で、セプチマのみんなに出会えたことは、いろいろな意味で大きかったですね。
そのあとはセプチマには一年に数回くらいしか行けなかったけど、子どもたちを連れて気軽に遊びに行けて、ライブやおいしい食べものがあって、時にはバーベキューをしたり‥と、いろいろな企画が湧き出るように開催されてほんとに楽しい場所でした。

■電子音楽を聴きながら庭でジンギスカンをしたことやmomo-seiを初めて見たこと、そのmomo-seiとロッキンエノッキーの演奏をバックに漣くんがスネアを叩いたこと、なつやすみバンドのスティールパンの響き、子どもたちに囲まれたCOINN‥‥など、いろいろな思い出が頭に浮かびます。でもどんなときでも子どもたちは庭を走り回ってるだけでしたが、いつかこの場所があったことを思い出したりしてくれるといいなと思う。

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■セプチマありがとうー!

「花森安治戯文集1〈逆立ちの世の中〉ほか」-花森安治-

-■昭和29年に刊行された「逆立ちの世の中」と、「暮しの手帖」以外の雑誌・新聞に寄稿した文章を掲載したもの。ファッションやゲージュツ、戦後の世相などについて独特の口調で語っている。最初に花森安治の本を読んだのはいつだったか忘れてしまったけれど、それほど熱心に「暮らしの手帖」を読んでいたわけではなかったので、この絵を描く人がこんな文章を書くんだという感じでちょっと違和感があったけど、最近は慣れてきました。むしろ内容的には辛辣なことを言っているので、この口調によってきつさを緩和しつつ、読む人にストレートに訴えかけてきているような気がします。
こういうことって誰もが思っているけど、普段の生活の中では忘れていて、流されている部分なので、繰り返し心に刻みつつ行動していかないとダメで、そういった意味では「暮しの手帖」という定期的に読まれる雑誌媒体で読まれ、引き継がれていくべきものなのだろうなと思う。こういう分厚い本でドンとまとめられるものではないかもね、なんてことを考えていたら、「逆立ちの世の中」は中公文庫から出てました。

■4月から始まった朝ドラが「暮しの手帖」の大橋鎭子をモデルにしているということで、ミオ犬が毎日録画していたので、めずらしく見てみようかと思っていたのに、気がついたら何週間も溜まってしまい、結局ぜんぜん見ていない。ツイッターとか見ていると、「暮しの手帖」に思い入れがある人ほど、いろいろ言っていて、それほど思い入れがない人は楽しく見ているようだ。わたしの会社の人なんて、「朝ドラを見るのが唯一の楽しみ」と言っていたのに、話していたら花森安治もそもそも「暮しの手帖」さえ知らなかったんでびっくりしました。まぁそういうものなのかもしれないですね。

「食魔 岡本かの子食文学傑作選」-岡本かの子-

-■岡本かの子の食に関する作品を集めたもの。前半は小説、後半は随筆は収録されている。随筆のほうは昭和の初めに一家でヨーロッパを巡った際の体験談が中心で、さまざなま国でのレストランでの様子などがつづられている。本を買った時は随筆で一冊にまとめてほしかったけど作品数が足りなかったのかな、などと、小説のほうはあまり期待していなかったのだけれど、好き嫌いが激しくてやせていく子どもを心配する母親が、子どものために手製の鮨をにぎる「鮨」や、どじょうを食べることについての老人の執念を描いた「家霊」、北大路魯山人をモデルにしたという美食の道に尋常でない執念を燃やす主人公を描いた「食魔」など小説のほうがおもしろかったです。ほかの作品も読んでみたいけど、どんな感じなのだろうか?

-■今年も府中競馬場の花火大会に行ってきました。去年は急に来られない人がいたりして、結局、子どもと3人で見たのですが、今年は5家族くらいとかなりにぎやかな中での花火でした。一緒に行った人が朝、場所取りもしてくれたときは、すでによい場所は取れれていたらしく、木で視界が遮られてしまう場所だったのですが、年々人が多くなるといっても通路となっているところに移動してみるくらいの余裕があるので、夕方くらいから飲んだり食べたりしながら、花火が始まったちょっと移動するという感じ。花火の時間も30分くらいですしね。
府中競馬場の花火大会は、それほど大規模というわけではないけれど、花火が打ちあがる場所が近いので、きれいに見れるし迫力もあるし、なにより会場まで行くときや帰りに行列になったりすることもなくてのんびりした雰囲気がいい。
昼間に地元の人と話していたら、府中競馬場の花火大会は、昔はバブルガム・ブラザーズや高中正義といった人が出て、花火に合わせて演奏していたりしていたらしいです。

■立川のグランデュオに入っていたオリオンパピルスが7月で閉店してしまうらしい。立川に行ったときは必ず寄って、本をチェックしたり、子どもたちに絵本を読んだりしていたので、さみしい。雑貨も本もきちんとしたラインでセレクトされていたし、お店の雰囲気もよかった。駅ビルに入っている書店としてはそれほど広くはないけれど、セレクトショップとしては広めという、子どもたちを連れてざっと本をチェックするにはちょうどいい広さで、しかも平積みにされている本が多くてチェックしやすかったので残念。
グランデュオは前はアメリカンファーマーシーも入っていたのになくなってしまったしなー(その前の中華街の時もわりと好きでした)

「屋根裏プラハ」-田中長徳-

-■何年か前に写真家が書いた本を読もうと思っていた時にリストアップしていた本なのですが、田中長徳さんのことは写真家というよりもライカのコレクターということくらいしか知らない。写真についてもこの本に掲載されているもの以外できちんと見たこともないです。もしかしたら広告の写真とかで知らないうちに見ているのかもしれませんが。
この本は、1970年代から東京とプラハを行き来している著者が、2000年代の出来事から1968年のプラハの春~1989年のビロード革命という2つの節目を軸に、はじめてプラハに行ったときからの出来事を回顧したも。プラハの街を写真撮影する様子やプラハと東京で行われた個展の準備から開催した時の話、プラハでの友人たちとの交流を中心にしつつ、プラハ出身の写真家ヨゼフ・スデクについてといったことがつづられている。どのエピソードもその裏にプラハの春、ビロード革命が潜んでいたり、著者自身の年齢も含めてそこはかとなく暗い影を落としていたりして、そこがなんとなくですがプラハの街のイメージを重なってこのエッセイの魅力にもなっていると思う。
しかしこう言っちゃなんですが、この本自体はおもしろかったけど、まぁ田中長徳の写真集を買おうとかは思わないかも。ヨゼフ・スデクの写真集は欲しいけどね(amazonを見たらマーケットプレイスで3万くらいだった‥‥むむ)。

■土曜日はイイトコ宵の市でした。ポータブルプレーヤーのセッティングできれいに音が出ないなどちょこちょことトラブルもありましたが、5時にスタートしてからはのんびりとレコードを回しつつビールも飲めてわたし的にはかなり楽しいイベントでした。もうレコードかけるのとビール飲むので古本屋のことなんて半分忘れてました。ときおりかけてるレコードの写真を撮る人がいたり、体を揺らしてる人がいたりしたので、来てくれた人も楽しんでくれてたらいいなと思う。そしてテンチョには聞いてないけど、ビールの売上げが伸びてくれていたらうれしい。
わたしは普段クラブではかけられないジャズ系のものから60年代ポップス、夏っぽい歌謡曲、そして最近よく買っているレゲエをバラバラとかけてみました。もう少しジャンルを絞ったほうがよかったかなとも思うけど、どんな音楽で喜んでもらえるかまったく分からなかったので仕方ない。しかもけっこう曲の途中でカットアウト、インしちゃったので、想定していたよりもかなりの枚数をかけました。
そのあとは、一緒にDJとしたマチャさんやレコード屋のハイフェデリティさん、幼稚園のお父さん友だちと、1階の居酒屋で12時過ぎまで飲んでました。帰りはふらふらでしたが、飲んだ後、自転車で帰れるのは楽だなー

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■武蔵小金井でどこかお店を借りてイベントをやったりするのは、ちょっと難しいかな、と思ってて、そもそもそんなお店もないんですが、今回、イイトコ市でBGM係をやってみて、こういう風にポータブルプレーヤーで出張する感じでBGM係をするのも、いつものイベントの雰囲気と変わっておもしろいなと思いましたね。ということで、小金井近辺でイベントをやっている方、もしよろしければ声をかけていただければと。よろしくお願いしますー!

「随筆東京」-奥野信太郎-

-■幼少の頃は浅草の叔母の家に預けられ、青年期には永井荷風に心酔して、荷風が教授を務めていた慶應義塾大学に入ったという(入学時すでに荷風は職を辞していたらしい)東京の下町も山の手も知っている著者が、幼少の頃から戦後にいたるまでの東京についてつづった随筆集。タイトルは東京となっていますが、東京について書かれたものが半分、戦後の世相や専門の中国(文学)に関するものが半分くらいの割合で収録されているので、全体として東京が一つのテーマとなっているわけではないです。第一作目の随筆集が、昭和11から13年にかけて外務省の特別研究員として北京に滞在した時のことをつづった「随筆北京」なので、それにあわせてるのかもしれません。(適当)


-■奥野信太郎に限らず池田弥三郎や永井龍男、吉田健一、安藤鶴夫など、昔からの東京について、あるいは幼少の頃の東京についてから今の東京についてまで、東京について書かれた本が好きでよく読んでいる。でも東京という街に何か思い入れがあるかというとそうでもない。別に東京で生まれたわけでもないですし、神奈川という微妙に近い場所で生まれたせいで、ひとり暮らしを始めたときも上京という感じでもなかったですしね。
で、こういった本のなにがおもしろいのかなと思うと、やっぱりその時々の暮らしの様子や人間関係、書く人の日々の様子、そして東京への思い入れ‥‥になるのかな。昔は東京という街自体が狭いので、いろいろな人がどこかでつながっていたりし、活動範囲もそれほど広くない。なので、同じことや同じ場所を、違う人がそれぞれの視点で書いているものがあったりします。その辺を頭の中でつなげつつ読んでいけたらより楽しめるのだろうけど、あいにく記憶力があんまりよくないので、忘れてたり、なかなか思い出せなかったりするのがとても残念。

■週末は普段夜のイベントで遊んでいる友だちと鉄道博物館に行ってきました。下は2歳から上は51歳までの大人7人、子ども4人の大所帯。初めに友だちと行こうと言ったのが2年前くらいだったのですが、なかなか行くタイミングがなく2年経ってしまいました。そのときは子どもたちも木の電車で遊んでいたりした頃だったので、鉄道博物館と言っただけでかなり盛り上がったのですが、2年経つと興味も移り、「今度、鉄道博物館に行くよー」と言っても、特に大きな反響もない。あー大人と違って子どもにとっての2年は大きいですね。特に上の子は小学生になったということもあり、昔好きだったものに対して、もう小学生だしそんなものは卒業、みたいにいきがってるところもある。ウルトラマンとかね。
とはいうものの、行ってみれば大盛り上がりだったんですけどね。あと大人数ということもあってゆるい感じで見れたのがよかった。多分、3人で行ったら隅から隅まで歩いて、できるだけ全部の体験コーナーによって行ったり来たりでぐったりしちゃうんだろうけど、人が多い分、広場でのんびりしたり屋上で遊んだりするだけでも子どもたちは楽しそうでした。わたしとしてはスズキさんに車掌の格好をしてもらって子どもたちと並んで記念撮影して欲しかったですが‥‥

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■夜は池袋に出て西武の屋上で飲む。大人の時間。注文してから焼くビザとかあって軽く飲むにはいい感じでした。最近、デパートの屋上のお店が充実してますよね。イベントとかもよくやってるし。その一方で屋上と言えば、という感じのペットショップもあったりするのもよかったです。

「日本のポータブル・レコード・プレイヤーCATALOG」-田口史人-

-■1960~70年代を中心に製作されたポータブル・レコード・プレイヤーを111台紹介した本。それぞれの機種の色もきれいなのでカラー写真でこれだけのプレーヤーが並ぶと壮観です。単にレコードを聴くだけでなく、ラジオ、カセットからエコー、リズム・ボックス、鍵盤といった機能が追加されているものがったり、フォルムもそれぞれ個性的で眺めているだけで楽しい。80年代中ごろくらいまでってポータブルプレーヤーに限らず、テレビやラジオ、家電もこういうある意味この過剰な感じのデザイン、多様なデザインが多かった気がしますね。今だったらより売れるほうに一斉にデザインが流れていくと思うんですよね。逆にこういうデザインがあふれていたからこそ、無印良品のシンプルなデザインが新鮮だったんだろうなぁどと思いつつ、コロンビアのポータブルプレーヤーでレコード聴きながら眺めてます。
ちなみに著者の田口史人さんは高円寺にある円盤の店主。「レコードと暮らし」とか最近著書がよく出ている気がするけど、気のせいかな?

■わたしが一番最初にレコードを聴いたのは、この本にも出ているテントウムシプレーヤーというやつでした。今はもうないけれど、4曲入りの童謡のレコードやウルトラマンなどの子ども番組の主題歌とか当時流行っていた「泳げたいやきくん」とか10数枚くらいのレコードをこれで聴いてました。特に親も音楽が好きというわけでもなく、レコードを買っていたりするわけでもなかったので、ポータブルプレーヤーくらいでちょうどよかったのだと思う。

■そのあと、一人暮らしを始めた時には、調布の骨董市で見つけたプレーヤーでレコードを聴いてましたね。真空管の入ったやつで、スイッチを入れてもすぐに音が大きくならず、時間がたってくるとだんだん音が大きくなるという感じでした。SPレコードも聴けたんですが、聴いたことはなかったな。7、8年使って最後には音が出なくなってしまったので、捨ててしまったけれど、今考えるともったいなかった。ちょうど当時使っていたパタパタ時計が壊れて、古道具屋に修理に出したんだけど、結局直らなかったということがあったんで、直すのが面倒になってしまったんですよね。

■で、今と言えば、逆にそのときに買ったレコードプレーヤーが壊れてしまっているので、コロンビアのポートブルプレーヤーでレコードを聴いていることが多い。床に座り込んでビールとか飲みながらレコードを聴けるので楽なんですよね。まぁ特に音にこだわってないってのも大きいですが‥‥

-■そして、そんなポータブルプレーヤーを2台使った簡単なDJ(というかBGM係)を、7月9日にシャトー2Fで行われるイイトコ宵の市でやります。イイトコ市は、いつもは日曜の昼間に行われている市で、食べものや飲みものを初め、洋服やアクセサリー、雑貨などのお店がシャトー2Fの店内を彩ります。(といってもわたしはかなり昔に一回行っただけですが‥‥)今回は土曜の5時から9時という夕方から夜の時間に行われるということで「イイトコ宵の市」。一応、「夏」をテーマにジャンル関係なくかけようと思っていますが、その場の雰囲気も分からないし、ほかの人がどんな曲をかけるのかもわからないのでどうなるかは分かりません。まぁ夏の初めの夕暮れにお酒が進むような感じにしたいですね。

■それからイイトコ宵の市では、カヌー犬ブックスとしても少しだけ本を持って行きます。絵本と料理関連の本、そのほかのジャンルの本を1/3ずつくらいで、全部で段ボール2箱くらい持って行こうかなと思っていますので、こちらのほうもよろしくお願いしますー

 【イイトコ宵の市】
  日時:7月9日(土)17:00-21:00
  会場:シャトー2Fカフェ 小金井市本町6-5-3シャトー小金井2F
  会場HP:http://www.chateau2fcafe.com/
  日曜市FB:http://www.facebook.com/iitocoichi

「サウンド・バイツ」-アレックス・カプラノス-

-■著者のアレックス・カプラノスは、フランツ・フェルディナンドのヴォーカル&ギターを担当している人で、バンドのツアー先で食べたものについて書いた本。B級グルメからミシュラン星つきの高級レストランまで幅広い店が登場する。まぁだいたいB級グルメぽいものが多いのかな。日本では名古屋の「幕の内弁当」や大阪の「フグ」という、なんで名古屋で幕の内弁当?大阪でフグ?と日本人なら突っ込みたくなるような、地域と食べものが選ばれてます。ほかの国もそんな感じなんだろうなぁ~
とはいうものの、下積み時代にシェフやウェイターなど飲食業についていたということもあって、料理方法についての言及や厨房の中の様子などについても書かれていたりして、単にロックミュージシャンが食べものについて書きましたという感じではないです。
原文は分からないけれど、文章も音楽と同じくひねた感じの言いまわしで、若干読みにくいところもあるけれど、読んでいるうちにその言葉のリズムにはまってしまいます。ちなみに翻訳者は実川元子。わたしの中では映画化された「おれたち、ザ・コミットメンツ」で有名なロディ・ドイルの本の翻訳を手掛けていたというイメージで懐かしい。なぜか「おれたち、ザ・コミットメンツ」は実川元子の翻訳ではなく、サザンオールスターズの関口和之なんですけどね。

-■これを読むなら一緒にフランツ・フェルディナンドも聴かねば、などとと思い、久しぶりに「Franz Ferdinand」や「You Could Have It So Much Better」をiPhoneに入れて聴いていたら、ほかのバンドも聴きたくなり、しばらくの間自分の中で2000年代のUKロックのプチブームが起きてました。と言っても当時聴いていたものを聴き返してるだけですけどね。でも久しぶりにUKロックとか聴くと朝から気分があがりますね。
で、結局、1番聴き込んだのは当時も好きだったThe Viewの「Hats Off To The Buskers」とLittle Man Tateの「About What You Know」だったりします。わりと基本的にいいメロディに後ろでギターがジャカジャカ鳴ってればOKって感じなんで。Little Man Tateはセカンドアルバムを出した後、解散してしまったみたいだけど、YouTubeでちょっと聴いたらいい曲だったので、どこかでセカンドアルバムを見つけたら買おうと思ってる。
あと当時はそうでもなかったけど意外にBabyshamblesがよかったりして、今さらながら今までスルーしてきたThe Libertinesを買ってみようかなんて思ってしまいました。

-■洋楽も邦楽もそうだけど、もう2000年代の音楽って古い感じがまったくないのね。それは自分が歳を取ったというせいもあるし、実際に古くなっていない(言い換えれば新しくなっていない)という部分もある。加えて歳を取って自分の好みが固まってきて、自分の好みの範囲で音楽を聴いてしまうということもあるかな。
なんとなく1997年~1998年くらいからもうあまり古くない感じですかね。特に邦楽はそんな感じがします。くるりやスガシカオ、椎名林檎、キリンジ、クラムボン‥‥とかね。というのも先週、ETVで渋谷系を特集した番組が放送されてて、自分は結局最初の5分くらいしか見ることができなかったんですが、その番組に出ていた20歳くらいの女の子が、渋谷系はぜんぜん知らない。よく聴くのは椎名林檎、みたいなことを言ったのに「んん?」って思ったから。まぁその後の活躍もあるけど、渋谷系と椎名林檎って2、3年くらいし変わらないのに、その差ってなんだろうとちょっと思う。そして自分の中ではこの辺の時からリアルタイムで邦楽を聴いてない感じなので、詳しくは語れません。