「随筆東京」-奥野信太郎-

-■幼少の頃は浅草の叔母の家に預けられ、青年期には永井荷風に心酔して、荷風が教授を務めていた慶應義塾大学に入ったという(入学時すでに荷風は職を辞していたらしい)東京の下町も山の手も知っている著者が、幼少の頃から戦後にいたるまでの東京についてつづった随筆集。タイトルは東京となっていますが、東京について書かれたものが半分、戦後の世相や専門の中国(文学)に関するものが半分くらいの割合で収録されているので、全体として東京が一つのテーマとなっているわけではないです。第一作目の随筆集が、昭和11から13年にかけて外務省の特別研究員として北京に滞在した時のことをつづった「随筆北京」なので、それにあわせてるのかもしれません。(適当)


-■奥野信太郎に限らず池田弥三郎や永井龍男、吉田健一、安藤鶴夫など、昔からの東京について、あるいは幼少の頃の東京についてから今の東京についてまで、東京について書かれた本が好きでよく読んでいる。でも東京という街に何か思い入れがあるかというとそうでもない。別に東京で生まれたわけでもないですし、神奈川という微妙に近い場所で生まれたせいで、ひとり暮らしを始めたときも上京という感じでもなかったですしね。
で、こういった本のなにがおもしろいのかなと思うと、やっぱりその時々の暮らしの様子や人間関係、書く人の日々の様子、そして東京への思い入れ‥‥になるのかな。昔は東京という街自体が狭いので、いろいろな人がどこかでつながっていたりし、活動範囲もそれほど広くない。なので、同じことや同じ場所を、違う人がそれぞれの視点で書いているものがあったりします。その辺を頭の中でつなげつつ読んでいけたらより楽しめるのだろうけど、あいにく記憶力があんまりよくないので、忘れてたり、なかなか思い出せなかったりするのがとても残念。

■週末は普段夜のイベントで遊んでいる友だちと鉄道博物館に行ってきました。下は2歳から上は51歳までの大人7人、子ども4人の大所帯。初めに友だちと行こうと言ったのが2年前くらいだったのですが、なかなか行くタイミングがなく2年経ってしまいました。そのときは子どもたちも木の電車で遊んでいたりした頃だったので、鉄道博物館と言っただけでかなり盛り上がったのですが、2年経つと興味も移り、「今度、鉄道博物館に行くよー」と言っても、特に大きな反響もない。あー大人と違って子どもにとっての2年は大きいですね。特に上の子は小学生になったということもあり、昔好きだったものに対して、もう小学生だしそんなものは卒業、みたいにいきがってるところもある。ウルトラマンとかね。
とはいうものの、行ってみれば大盛り上がりだったんですけどね。あと大人数ということもあってゆるい感じで見れたのがよかった。多分、3人で行ったら隅から隅まで歩いて、できるだけ全部の体験コーナーによって行ったり来たりでぐったりしちゃうんだろうけど、人が多い分、広場でのんびりしたり屋上で遊んだりするだけでも子どもたちは楽しそうでした。わたしとしてはスズキさんに車掌の格好をしてもらって子どもたちと並んで記念撮影して欲しかったですが‥‥

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■夜は池袋に出て西武の屋上で飲む。大人の時間。注文してから焼くビザとかあって軽く飲むにはいい感じでした。最近、デパートの屋上のお店が充実してますよね。イベントとかもよくやってるし。その一方で屋上と言えば、という感じのペットショップもあったりするのもよかったです。