「ジャケガイノススメ―Beautiful Covers」-土橋一夫、高瀬康一-

-■レコードジャケットがたくさん載っている本を読んでいるのは楽しい。レコードジャケットに添えられている文章が著者の思い入れたっぷりだったりするとさらに楽しい。思わず「ジャケガイ」してしまいそうな美しいジャケットのレコードをオールカラーで掲載したこの本もそんな本。まぁだいたいきれいな女性が写っているジャケットが多く、イージリスニングからオールディーズ、ジャズ、ボサノバなど1970年くらいまでのレコードが紹介されている。サバービアスイートの一面を拡大させた感じと言えるかな。
個人的には、ジャケットの写真もいいけど、アルバムタイトルやアーティスト名(ってこの頃は言わないか)のフォントや配置の仕方にひかれてしまいましたが。最後のコーナーの海外シングル盤のカンパニー・スリーブの写真もいいですね。
適当にページをめくりながらビール片手にレコードを聴いてると時間を忘れる気がします。いや、忘れたい。ふと気がついたら夜中の3時とかになってたい。とはいうものの、この本も10年前に出た本で2014年に改訂版も出ているくらいなわけで、それほどレコードに関する本を買っているわけではないんですけどね。

-■立川の砂川七番にあったギャラリーセプチマが7月いっぱいでクローズしてしまいました。7月の最後は、タイミングが合ったこともあって、3週続けてセプチマに行って、いろいろな人のライブを見たり、それまで話していなかった人と話したりしました。ほんとの最後の最後までいられなかったけれど、最後の日にセプチマに行けてよかった。
「気づいてないかもしれないけど、今かけがえのない時間を過ごしてるんだぜ」というYojikとWandaのギターの人の言葉の通り、セプチマの代わりになるようなどこにも場所はない。でもここで見たり聴いたり遊んだりしたその記憶を胸に秘めつつ、それぞれが何かをしていけば、またどこかで別の素晴らしいことが生まれるんだと思う。そうやって繋いでいくことが大事なんじゃないかな。よく分からないけど。で、じゃ、お前は何するんだ?と言われるとなんにも言えませんが。

■わたしがセプチマを知ったのは2010年11月に行われた「みんな丘へ」というイベントに誘われたのがきっかけでした。「みんな丘へ」は絵の展示や、おいしい食事のお店、鉄の器とコースターを作るワークショップがあり、バックではハタノくんのラジオ局があり、最後にはみんなで楽器を持って演奏するという不思議で、にぎやかで楽しいイベントでした。西東京に引っ越してきて一年くらい経った頃で、セプチマのみんなに出会えたことは、いろいろな意味で大きかったですね。
そのあとはセプチマには一年に数回くらいしか行けなかったけど、子どもたちを連れて気軽に遊びに行けて、ライブやおいしい食べものがあって、時にはバーベキューをしたり‥と、いろいろな企画が湧き出るように開催されてほんとに楽しい場所でした。

■電子音楽を聴きながら庭でジンギスカンをしたことやmomo-seiを初めて見たこと、そのmomo-seiとロッキンエノッキーの演奏をバックに漣くんがスネアを叩いたこと、なつやすみバンドのスティールパンの響き、子どもたちに囲まれたCOINN‥‥など、いろいろな思い出が頭に浮かびます。でもどんなときでも子どもたちは庭を走り回ってるだけでしたが、いつかこの場所があったことを思い出したりしてくれるといいなと思う。

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■セプチマありがとうー!