2月に出たばかりの堀江敏幸の長編小説。正直言ってこんな早く手に入るとは思ってませんでした。しかもブックオフで。最近、ブックオフで前の作品もときどき見かけるようになったけれど、少しずつ売れてきているのかな。
物語のストーリーとしては、30代初めから半ばくらいの主人公「彼」が、妹の死や仕事での何かが理由で日本を離れ、異国のとある河岸に係留された船で生活をはじめる。そして日々、本を読んだりレコードを聴いたり、食事作ったりコーヒーを淹れたりして、過ごす。外部との関わりは公園で何年ぶりかで会った老人、その船の持ち主である大家と、時おり「彼」に郵便物を届けに来る配達夫、枕木さんという日本での友人とのFAXや手紙でのやりとり・・・・くらい。そのためらうこと、待機すること、逡巡することに身を委ねる「彼」の静かな生活と思索が、「彼」が読んだ本や映画の内容などと連想ゲームのように絡み合いながら、淡々とつづられていく。いくつもの挿話が、唐突とも思えるつながりで語られていくのだが、読んでいて違和感はまったくなく、むしろやわらかくなめらかな言葉のつらなる文章を目で追いかけていると、心地よい気分になってしまう不思議な感触の作品です。
日曜日、イベントのポストカードを置くついでにオーガニックカフェに行って来ました。オーガニックカフェは、再開発地域になっているのだけれど、まだ営業してますね。周りを見るとほとんどの店が閉まっていて、なんだか逆側のGTタワーができる前の商店街を思い出しました。そのとき、一回、夜に再開発前の商店街に行ってみたことがあるのですが、すべての店が閉店していて、街灯もついていないくて、まさ廃墟という感じでめちゃくちゃ怖かったです。
中目黒はいろいろ再開発しているけれど、結局盛り上がっているのは川沿いで、GTタワー周辺とか寂しいまま。やはり駅を出てすぐに通っている山手通りがネックなのか、なんてことを中目黒生まれの友達と話したのは、もう10年くらい前のことで、あれから中目黒もかなり変わったけれど、駅前の周辺はあんまり変わっていないような気がします。
「Stamp stamp stamp Europe」を読んだ勢いで、プチグラから出ているこんな本も買ってみた。プチグラだけあって、かわいさやデザインの良さに関しては、こちらの方がいいし、東野翠れんや江口宏志、パラダイス山元、小柳帝、やなせたかし・・・・など、人脈を活かした人たちのコラムも楽しい。
唐突言うと、エッセイと随筆の使い方の違いが分かなくって、文字の感じでどうも随筆のほうが堅い感じを受けてしまったり、単に「随筆」→「エッセイ」という時代的な変化だけなのかなと思ってしまう。
週末は、初夏のような暖かさでジャケットを着て歩き回っていると、汗をかいてしまうくらいだったのに、週が開けてからは雨続きで、冬に戻ったような寒い日になってしまった。せっかく咲いた桜も散ってしまったんだろう。今年は、3月になってもなかなか暖かくならない、と思っていたら、急に暖かくなって、ようやく春が来た、と思っていたのにね。天気予報では寒さのほうは明日まで続くようです。
吉祥寺のDropで隔月第2金曜に行われているフェビラス・パレードというイベントに行く。パレードは、友達がDJをやっているので、ときどき遊びに行く。いやよく考えてみたら、たまに、くらい。冬のあいだは、吉祥寺まで自転車で行くのは寒いので、12月、2月は行かないし、6月、7月は梅雨に入ってしまっているので、たいてい雨が降っている。で、10月くらいも台風が来ていたりする。となると、遊びに行っているのは、4月と8月くらい。DJのみなさん、今年はもう少し行くようにします。でも4月は毎年のようにいっている気がします。たいてい3時過ぎに出て、井の頭公園の桜を横目で見ながら、ふらふらと帰ってきてますね。
昭和32年、3月から6月にかけて、熊本日々新聞に連載された随筆をまとめたもの。「甘酸っぱい味」というタイトルですが、食べものや飲みものについて書かれたものばかりではなく、言葉や雑誌・新聞について、東京や大阪などの都市、文明、戦争や政治・歴史について、あるいは暇つぶしや煙草の煙について、思い出話、昔話といった身近な題材まで幅広い。もちろんバーや飲み屋、おでん屋など、食べものや飲みものについての文章もあります。
朝の8時就寝。mother dictionaryのフリマに行くので、9時半には起きなくてはいけないので、出かける前くらいに起こしてもらえるだろうと思って、ソファーで寝ることにする。・・・・と思ったのだけれど、隣で寝ているミオ犬も、隣の部屋から目覚まし時計の音が聞こえてくるにもかかわらずなかなか起きてこない。そんなわけで、結局、起きたのは11時、家を出たのは12時。フリマは14時までしかやっていないんですけどねぇ。
ルウ・ドーフスマンは、CBSの前副社長兼広告・デザイン担当クリエイティブ・ディレクター。数限りない広告、プロモーション用パッケージ、書籍、パンフレット、電波による宣伝、展示物やデザイン企画に関して、宣伝マンとしてクリエイティブ・ディレクターとして・・・・なんてことを、たいして詳しくもない私が書いてもしょうがないので割愛。
主人公は、南国の海辺の村に新しく赴任してきた甲田巡査。その甲田巡査が巻き込まれる大きな事件から小さい事件までの顛末が、彼自身の日記という形で描かれていきます。中には自殺や強盗といった深刻な事件も起こるのだけれど、どこかほのぼのとした雰囲気が漂っているのが、井伏鱒二らしい。
大学を卒業し壽屋に入社するきっかけから、宣伝部での開高健との交流、「洋酒天国」、東京での山口瞳とのエピソード、サンアド立ち上げの経緯、そして、自らの趣味である船について・・・・などを、柳原良平が語った本。随所に当時描いたイラストや漫画が掲載されてます。その後の仕事や作品の相性として、柳原良平と山口瞳というコンビの印象がどうも強くなってしまうけれど、大阪時代からの同僚として、開高健とのつきあいの方が長いのだなぁ、なんてことに改めて気づいたりした。開高健と山口瞳の「やってみなはれみとくんなはれ」も続けて読んでみるべきか。