◆写真絵本いろいろ
アンリ・カルティエ・ブレッソンによるエッセイ集。自身の写真に対する哲学、中国やヨーロッパなどこれまでに撮影した場所について、そしてジャコメッティやドアノー、キャパ、サラ・ムーンなど友人たちについて書いたものの三部で構成されています。
どの文章も簡潔だけれどするどい文章が印象的で、いくつか引用したいところだけど、それで伝わるかというとちょっと疑問なのでやめておきます。
ブレッソンの写真は、何度見ても飽きないし、見るたびに新しい発見や駕きがあるけれど、この本も同じ、いつでも手に取れるような場所に置いておいてときどき読み返したい。
さて、前は雑記で絵本なども取り上げていたけれど、子どもが生まれてから、基本“漣くんのため”という建て前なので、ここでは取り上げてません。でも堀内誠一とか柳原良平とか、子どものためという言いわけで自分の好きな本を買っているという感じですけどね。
最近は、写真絵本に凝っていて自分の本をアマゾンで買うついでに注文したり、古本屋さんで探したりしてます。漣くんに見せても“絵”より“写真”のほうがくいつきがいいのです。このジャンルは洋書の絵本でいい本がたくさんあるみたいなので、わたしとしてはちょっと探してみたい気もしてるのですが、そうすると目的が変わってしまうしなぁ~なんて思ったりして。
■「ねむいねむいちいさなライオン」-マーガレット・ワイズブラウン&イーラ-
動物園にいる子どもライオンがお母さんライオンから離れて冒険に出るというお話。ライオンの表情はもちろん、冒険の途中で出会う犬や猫との写真などかわいい写真が満載。
写真を担当したイーラは、動物のポートレート専門のスタジオ設立するなどしたウィーン出身の女性動物写真家。この本のほかにも「85枚の猫」や「せかいをみにいったアヒル」、自身がストーリーも手がけた「二ひきのこぐま」といった絵本や動物の写真集を刊行しています。
■「わたしのろばベンジャミン」-ハンス・リマー-
ある日、お父さんと海を散歩していた女の子スージーは一匹のロバと出会います。そのろばとスージーとが一緒に暮らす様子をつづった本。いつも仲のよいスージーとベンジャミンのかわいさはもちろん、地中海の風景や家の様子など、二人を取り囲む風景がとてもきれいです。
■「イエペはぼうしがたいすき」-石亀泰郎-
1OOものぼうしを持っているという帽子好きのイエペは、ある日保育園にお気に入りの帽子をかぶらずに行ってしまいます、そのせいかなんだかいつもと違う‥‥
石亀泰郎がデンマークの公園で出会ったイエペという少年を撮影した本なのですが、これも家のインテリアとか、庭の様子がめちゃくちゃかわいくて、大人のわたしはそんな写真の隅っこばかりに目がいってしまいます。
続編に「イエペさんぼにいく」があるのですが、こちらはなぜか絶版で、手に入れるのがしいみたいです。
■「ヌーヌーサーカスへいく」-ヌーヌー、アンヌ・マリー・べロー-
この辺になると子ども向けというより大人向けになってくるような気がしますが、まあ今のところ動物の写真が載っていればだいたいOKなのです。おしゃべりなクマのぬいぐるみヌーヌーがサーカスに入団するためにチンパンジーと踊ったり、ゾウの上に乗っかったり、曲芸師とアクロバットを演じてみたり‥‥ちょっと無理やりな構図も含めて楽しい絵本。ちょっとスーティっぽい?
ヌーヌーシリーズは.「ヌーヌーとフローレンス」というヌーヌーと女の子の話の本も出ています。
■「パリのおつきさま」-シャトロット・ゾロトウ-
表紙を見るとなんとなく「赤い風船」を思い出してしまいます。「赤い風船」も写真絵
といえば写真絵本といえるかな。「赤い風船」はうちにあるのはペーパーバックなのでハードカバーのやつが欲しいかも。
セーヌ河や通りのカフェ、朝日に輝くマロニエの木、バケットを抱えたパリジェンヌ‥‥など、パリの風景写真がきれいな本だけれど、こちらも漣くんがもう少し大きくなってから、もしくは大人向け、ですね。いや、やんちゃな漣くんがこんな本を好きになるようなことがあるのかかなり疑問です。
カテゴリー: 未分類
「耳学問・尋三の春」-木山捷平-
◆「みんな丘へvol.2」in国立東4丁目 平屋ギャラリーのお知らせ
国立大学通沿いにある築60年の平屋群。
老朽化のために取り壊しが決まり、この住まいを愛した住人達もこの春ででていくことになりました。
その中の1軒まるごと使って、みんな丘へvol.2。
平屋の最期に花を添えるべく、そうそうたる愉快な仲間達が集まってくれました。
絵や鳥や古本や、縁側ラジオを聴きながらパンやお菓子を。夕暮れに唄を。
空っぽになった家がどんなことになるのか、楽しみです。
賑やかなフィナーレ。
【概要】 →大きなフライヤー
■日にち:4月17日(日)
■時間:11時~18時/17時~園部信教 投げ銭ライブ
■場所:国立市東4-15-52 平屋ギャラリー
[平屋ギャラリーへの行き方]
JR国立駅南口下車。大学通り沿い左側をまっすぐ。
蕎麦屋を過ぎ、ケーキ屋過ぎたところの信号を渡ったらもう少し。徒歩15分ほど。(約1km)
※大学通りに面しています。歩道橋よりも手前。
※南武線谷保駅も使えます(徒歩10分ほど)
■出展者
◆展示
関田孝将(造形作家)
Ricamera(写真とごはん)
ぺぺぺ小鳥店(オブジェ)
西淑(イラストレーション)
片岡メリヤス(にんぎょう)
しるこの部屋(絵と工作)
ハタノ=コンスタンティン(映像/縁側ラジオ)
◆FOOD
TAIYODO(植物性焼菓子)
アグネスパーラー(ドリンク/軽食)
TomBo Bakery ( 群馬の地粉を使った自家製天然酵母パン)
レイ・チャーン(トマト農園のケチャップ)
OH!TAKU1980 (バーテン、夜のドリンク)
◆その他
カヌー犬ブックス(古本)
■家主/関田孝将さんからのお知らせ
みんな丘への1週前の4月9(土)、10日(日)にヒラヤギャラリーでのさよならイベント第1弾として家主/関田孝将の「暮らしの道具をつくる展」をやっています。
ちょうど大学通りの桜も満開の頃だと思うので、お散歩がてら是非おいでください。
普段製作しているスプーンや鍋、椅子、テープルなど生活の道具を展示します。
「記憶の蜃気楼」-鈴木信太郎-
◆賑やかな週末@レットエムイン
鈴木信太郎といえば、個人的には西荻にあるこけし屋や長崎のお菓子クルスがすぐに思い浮かびます。このほかに学芸大前にある洋菓子店のマッターホーンや神田志乃多寿司といったお店でも鈴木信太郎の絵をモチーフにした包装紙などが使われていたり、井伏鮮二や丹羽文雄、尾崎士郎といった作家の本の装丁なども手掛けており、こちらも気になっているところ。
なのですが、この本の著者の鈴木信太郎は、その洋画家の鈴木信太郎とは別の人でフランス文学者。しかもこの二人同い歳ということで、かなり紛らわしい。そのおかげでこのフランス文学者のほうの鈴木信太郎を知ることができたので、それはそれでよかったんですけどね。
墓本的には、生涯、大学教授として東大仏文科を活性化に努めた人なので、翻訳を除くとそれほど多くの著作はないようですが、断片的に描かれるパリ留学時の話ゃ岸田国士、辰野隆といった友人たちの話など、もっと読んでみたい。中でもびっくりしたのは、森茉莉の元夫だった山田珠樹と親友だったということ。山田珠樹については今まで森茉莉の視点からしか描かれているのを読んでなかったので新鮮でした。逆に森茉莉の随筆には、辰野隆が出てきたりするのだけれど、わたしが読み飛ばしただけで、鈴木信太郎も出てきてたのだろうか?出てきたとしたらどんな風に描かれてるのが気になります。(辰野隆もあんまりよく書かれてなかったし、鈴木信太郎もよく書かれていることはないんでしょうけど‥‥)
こうやっていろいろな人の“点”がつながって“線”になっていくのが、交友緑のおもしろさの一つですよね。
TAIYODOがレットエムインで出店しているということで国立へ。
レットエムインのある国立市北区商店会は初めて来たときは、駅から遠いなぁと思いながら、暑い中ベビーカーを押して行った記憶がありますが、それからワイワイ祭など何回か来ているうちにそれほど遠いという気もしなくなりました。ほとんどがTAIYODOが参加していたり教えてもらったりしたイベン卜がらみなんですけどね。
TAIYODOのかんちゃん(サイ卜に名前が出てなかったので愛称で書かせていただきます)は、昔、ミオ犬が吉洋寺のバウスシアターでバイ卜していたときに、一緒にバイトしていた人なのですが、武蔵小金井に引っ越してきてニチニチ日曜市によく行くようになってから、国立の情報をいろいろ教えてもらったり、イベントに誘ってもらったり、イベントを通じて新しい友だちができたりと、かんちゃんがいなかったらかなり味気ない生活になってしまっていたのではないか、と思うくらいなのです。
レットエムインの帰りは籠太でビュッフェランチ。籠太は、会津の郷土料理を中心とした居酒屋なんですが、昼間はビュッフェになっていて、しかもキッズスペースがあったりと子ども連れでも入りやすい。並べられている料理は、煮物が中心なのですが、サラダやポテトグラタンなど子どもでも食べやすいものが多いし、ケーキや和菓子などのデザートなどもいろいろあります。唯ーないのがお酒、ですかね。これでビールが飲めたら最高なんですけどね。って、じゃ夜に行きなよ、と。
ここは20年以上国立に住んでいる友だちに教えてもらいました。この友だちも昔、一緒にイベントをやったり、フリペを作ったりしてた人。そのあともずっとお互いのイベン卜に行ったり一緒に飲みに行ったりしてましたが、引っ越してきて、月に一度レコ―ドを回している福助という飲み屋に遊びに行くようになったり、ニチニチ日曜市に一緒に行ったりと、またよく会うようになりました。
ほんと近所の友だちに感謝です。
TAIYODOのスコーン
「贅沢貧乏」-森茉莉-
◆森茉莉と吉田健一が似ている点
・エッセイとも小説とも言えるような形式
・根がお壊さまだけに深刻さや悲愴ささがまったくない貧乏生活
・賛沢というものへの独自の、そして確固とした価値観
・食べ物ペの執着
・自分の気に入らないものに対する侮蔑の仕方
・難しい漢字を使ったり、長かったりと文章が読みにくい
・今でも熱烈な(特に同性の)ファンが多い
‥‥など
実際に書かれている内容や主張は違うんだけれど、方向性というか姿勢というかカテゴリとして森集約と吉田健一の共通点は多いなぁとこの本を読んで改めて思いました。そもそもこの「贅沢貧乏」というタイトルも、吉田健一の「三文紳士」とか「乞食王子」と、どことなく意図するところが似てるね。
あと二人ともフォトジェニックですよね(美男美女という意味ではなくてね)。
さて話が変わりますが、吉祥寺にヨドバシカメラができたのが2007年、もう4年近くも経つし、その前は何年も三越だったにもかかわらず、今でも近鉄裏と言ってしまうのは、わたしだけではないはず。改めて調べてみたら吉洋寺の近鉄が閉店したのって2001年!もう10年も前のことなんですね。
この辺は、駅から歩いてくるとうブホテルゃ風俗店、スナックなどの飲み屋が並んでて、夜になると客引きでいっぱいになるような場所なんだけど、そういうお店に交じって昔はバラレルハウスやSide-Cなどの雑貨屋さんがあったし、今でも洋服屋とかおもちゃ屋、雑貨屋、古本屋など小さなお店がたくさんあって、東急裏とはまた違った雲囲気で、わりと好きなエリアだったりします。
そんな近鉄裏を散歩したときにたいてい行くのが、ダーチャというカフェ。近鉄裏周辺よりもさらに離れた五日市街道沿いのマンションの2階にあります。街の中心から離れている分静かだし、店内の様子もこじゃれた感じでもなく、かといって昔ながらの喫茶店という感じでもなく、その両方をうまく活かした‥‥いや、本やCDがたくさん置いてあったり、ギターなどの楽器や古いカメラ(たぶん壊れてる)、おもちゃなどがが無造作に置いてあったり、小さな水槽で魚を飼っていたり‥‥お店というより友だちの家に行ったような独特の空気が流れていて妙に落ち着くカフェです。
一人で行ったときなどは、ご飯を食べたりコーヒーを飲んだりしながら、店内にたくさんある本を読んだり、ノートにやらなくちゃいけないことなどをメモしたり、買ってきたものをチェックしたりのんびりしてしまっているのですが、先日、ヨドバシに用事があつたついでに、そんなある意味大人なカフェに漣くんを連れていくという暴挙を試みてみました。
ちょうど窓際の席が空いていたので、そこ座らせると、いきなり目の前に 置いてあったチェブラーシカの人形で遊びはじめるは、窓際に置いてある電車のおもちゃを指さして「ガタン、ガタン」と叫び出すは、棚に置いてあるものを次から次に取ろうとするは、本人は楽しそうだったけれど、けっこう大変、というか静かに本を読んでいたりする周りの人にあきらかに迷惑。
すみませんでした~
「春の予感」-増田れい子-
◆西荻は遠くになりにけり
去年の11月に取り上げた「いろんな瓶」と一緒に買ったのだけど、題名にあわせて春が近づいたら読もうと思って、本棚にずっと置いておいた本。3月になってようやく春になってきたかな、と思って読んでみましたが、なかなか暖かくならならなくて、まだまだ春は遠い、という感じです。そう言えば去年もゴールデンウィークくらいまで寒い日が続きましたね。今年はどうなんでしょうね。
なんてことをぼんやりと思いながら過ごしていたら大きな地震が。
わたし自身は、地震が起きたときには会社にいたし、家も本棚の本が飛び出したくらいで、大きな被害はないし、家族や知り合いもみんな無事だっし、当日帰ってくるのがちょと大変だったくらいで、そのあともしかしたら停電があるのかな?なんて思いながら電気を使わないようにしたり、通勤の電車がちょっと混んでたり以外は、今のところ特に生活に支障があるわけではないので、できるだけいつも通りの気持ちで生活をしてます。
いや、わたしはわりと鈍感に生きてるほうなので、こういうときほどきちんとアンテナを広げて自分にできることのレスポンスを早くするようにしなくちゃいけないんでしょうけど、なかなかできず‥‥。しばらく経ってから気づくことも多いんだろうなぁ。
被災地で避難生活を送っている方は、ほんとにまだ冬の気候の中、不自由な生活を強いられていることを考えると、少なくとも被害を受けている方々に迷惑をかけるようなことや救援活動などに支障を来たす可能性があるようような行動をとらないように気をつけたいと思ってます。
そんなわけで、いつも通りの週末。土曜日は、漣くんを連れて西荻を散歩。
会社の帰りに音羽館などに寄ったりすることはあっても、武蔵小金井に引っ越してから、休日の昼間にのんびりと西荻を歩くなんてこともまったくなく、ほんとうに久しぶりです。前と違ってベビーカーにのせる必要もないので少々お店が狭かったりしても抱っこして入れるだろうと思うとちょっとワクワク&感慨深い、というと大げさか。
とはいうものの、とりあえず子ども連れでも安全パイと思われるKIKUでごはんを食べて、にわとり文庫や雨と休日をちょっとのぞいたり、音羽館や花鳥風月のほうまで歩いていったついでに古道具屋に入ってみたり‥‥と、うろうろしてみたけど、道が狭いわりに車通りがあるから自由に歩かせるわけにもいかないし、抱っこしてお店の中に入るのもけっこう難しいお店が多かったりして、意外と思うようにいかず、でした。西荻って子どもを連れて歩くにはあんまり向いてないのかもね。
あ~西荻は遠くになりにけり。一時期は“西荻夫婦”になりたい、と思ってたくらいだったんですけどねぇ~
でも近いうちにまた行こうと思ってます~
KIKUで食べたお総菜3品。これなら漣くんも食べられます。
「ロボッチイヌ」-獅子文六-
◆2月によく聴いたCD
表題の「ロボッチイヌ」は“ロボット犬”と思いきやロボットをフランス語の女性形にした造語ということで、女性を性の奴隷から開放するために売春ロボットを作るという話。このほかにも容姿が西洋人に似た日本人が西洋人になりきる話など、風刺的要素が強い短編が収録されています。
長編だと風刺的要素が背景に漂うという感じで、ある意味隠し味になっているところが、獅子文六の作品の“味”になっていると思っているのですが、ここに収録されている作品では風刺的要素が前面に出過ぎっちゃってる気がします。どこか筒井康隆や星新一的な雰囲気もあります。
年末に「電子音楽InTheLostWorld」を読んだときに、1970年代後半から1980年代にかけての日本のテクノポップを聴き返してみようかな、なんてことを書きましたが、その後、見事にはまってしまいました。でもまだまだ聴き始めたばかりで、YMOやプラスチックスの周辺を中心に昔聴いたアルバムをCDで買いなおしてるって感じです。ついでにNew MusikやBuggles、New Order、OMD、Strawberry Swichbladeなどのエレポップまで手を伸ばしかけていたりして、今年はこの辺だけでなく80年代の音楽をいろいろ聴き返してみようとまで思ってる次第。
80年代の音楽って一部(邦楽だと大瀧詠一と山下達郎、洋楽だとネオアコ周辺くらい)を除いて、90年代以降あえて聴いてこなかった分、ある意味新鮮な気分で。いや、単なる懐古なのかもしれませんけどね。
しかしこの頃のアルバムをCDで手に入れようとすると意外と見つからないもんですね。
そんなわけで2月によく聴いたCDを5枚‥‥
■「Singing Circuit」-Shi-Shonen-
これは高校時代にほんとによく聴きました。前半の「Lovely Singin’ Circuit」「デジタブル・イン・ベッド」「N-Sマグネティック」「Bye-bye Yuppie」という流れは完璧(もちろんそのあともいい曲が続きますが)。今の音楽に比べるとぐっと前面に押し出す感じがないので、パフュームとかエレクトロ系の人の曲と続けて聴いたりするとかなり軽い感じになってしまうんでしょうけど、おじさんにとっては耳に優しくてうれしい。パフュームも好きだけれど、ずっと聴いてると疲れるのよ。隙間がある分、奥行きが感じられるのね。
今考えるとこのShi-shonen~ピチカート・ファイヴという流れが、わたしのビートルズに影響と受けた人たち離れを促進させたんだなぁと。
■「マイ・ガール・フライデー」-サロン・ミュージック-
90年代の真ん中くらいにイベントをやっていたときに、よく「マッスル・ドーター」をかけていたので、それほど懐かしい感じでもないのですが、CDで買い直して改めて通して聴いてみるといい曲がそろっているなぁと思いますね。リアルタイムでは、1990年の「Psychic Ball」まで聴いてました。逆に90年代のトラットリア時代以降はぜんぜん聴いていないので、こちらも聴いてみたいかも。
そういえば、吉田仁はピンクの岡野ハジメとQuadraphonicsなんてユニットもやってましたね。懐かしい~
CD化の際にジャケットのデザインが変わってしまったのが残念。
■「緑の法則」-鈴木さえ子-
鈴木さえ子のアルバムは、「科学と神秘」とアンディー・パートリッジがプロデュースした「スタジオ・ロマンチスト」しか聴いてなくて、これを聴くのは初めてなのですが、でもどこかで聞いたことのある曲が多いのは、鈴木さえ子のラジオ番組を聴いていたせいかもしれません。
ほかのアルバムでもそうなのですが、このアルバムもインストがいいんですよ。1曲目の「夏休みが待ちどおしい」とか、インストなんですけどメロディはもちろん使われている効果音や音色などが、ほんと「夏休みが待ちどおしい」って雰囲気を出してるんです。
それにしてもファーストアルバムのタイトルが「毎日がクリスマスだったら」で、次のアルバムの1曲目が「夏休みが待ちどおしい」って‥‥。
■「SF」-鈴木慶一-
鈴木慶一プロデュースによるSFをテーマにしたイメージアルバム。
ムーンライダースのメンバーが変名で参加していることもあって、テクノポップというよりもプログレというかフュージョンというか的なインストが収録されています。この頃のテクノ(ポップ)ってあんまり演奏力はないけれど、アイデアやひらめきがあればいい音楽が作れるという発想のものと、もともとプレイヤーでアレンジャーも兼ねていたりするようなミュージシャンが、シンセを取り入れることによって一人で音楽を作っちゃう多重録音的なものと2つの面があると思うのですが、これは後者。もちろん鈴木慶一なのでそれだけではないですけどね。大村憲司とか佐藤博とかこっち方面のCDにも手を広げたいところ。
あと、萩原朔太郎の孫(萩原葉子の息子)である萩原朔美が作詞で参加しています。
■「浮気なぼくら」「サーヴィス」-YMO-
「浮気なぼくら」とか「サーヴィス」など、いわゆる歌謡曲路線と言われているYMOのアルバムをまた聴くことがあるとは?という感じですが、この歌謡曲路線が今の気持ちに合っていて、けっこう繰り返し聴いています。歌謡曲といえばYMOの3人が作詞、作曲、編曲、プロデュースで関わった歌謡曲を収録した「イエローマジック歌謡曲」というCDも出ているみたいですね。イモ欽トリオとか伊藤つかさ、三田寛子、スターボー、安田成美、中原理恵‥‥といったアイドルの曲を3枚組、全55曲収録、かなりお腹いっぱいになりそうです‥‥。
ちなみに「サーヴィス」のほうはSETのコントを外してiPodに入れてます。ははは。
「河岸の古本屋」-河盛好蔵-
◆ジパング・スティール・バンド@コピス吉祥寺
河盛好蔵の本を読むのは初めてかな。一年くらい前にフランス文学者のパリ滞在記をまとめて読んでみようと思って、辻邦生や山田稔、森有正、平岡篤頼などの本をいくつかピックアップしてみたのだけれど、その時にリストに河盛好蔵の「巴里好日」などもその中に入っていたはずなんだけど、リストを作っていくうちに、いろいろ広げすぎてしまって、気がついたらかなり多くなってしまったにもかかわらず、リストにあげた本を古本屋で意外と見つけられなかったこともあって、けっきょくあんまり読んでない。
そのときに思ったのは、フランス文学に関しては、戦前戦後にかかわらずフランス文学を研究するファーストステップとしてフランスに留学している研究者が多いってことですね。それに比べると、英米文学を勉強するためにイギリスやアメリカに留学する人はあまりいないような気がしますが、実際どうなんでしょうか。
単純に考えると、戦前は海外文学と言えばフランス文学が主流だったし、今と違って情報が多いわけではないので、まず現地に行く、というのが一番の方法で、その伝統が戦後も引き継がれているってことなのかな。適当ですが。逆に戦前にアメリカに留学っていうのもなさそうだし、イギリスは夏目漱石の失敗が‥‥とか?
それにしても文学者に限らず、昔も今もパリ滞在記というのはものすごく多い。パリに行くと何か書きたくなるものなんでしょうかねぇ~そしてそれを読みたいと思っている人が多いんでしょうねぇ~
この「河岸の古本屋」もタイトルから、河盛好蔵がパリに滞在したときに、セーヌ川沿いに並ぶ古本屋を見て回った話なのかな、と期待はさせますが、滞在記というわけではなく、13世紀から現代にいたるまでのセーヌ河岸の本屋の盛衰を描いたもの。
このほか、パリ、あるいはフランスについてつづったものや読書論、親しい作家の追悼文などが収録されてます。随筆集なので内容の統一感がないのはいいんですが、文章の種類というか、さらりと書いたようなものと「河岸の古本屋」のようにきちんと文献を調べて書かれているものが並んでるのが個人的にはちょっと違和感を感じました。河盛好蔵のいろんなタイプの文章を読めるという意味ではいいのかもしれませんが‥‥。
週末は、吉祥寺のコピスのウッドデッキで行われていたジパング・スティール・バンドの演奏を見てきました。ジパング・スティール・バンドは、パノラマスティールオーケストラなどにも参加している佐々木謙太朗さんがやっているバンド。何年か前、井の頭公園で一人でスティール・パンを演奏しているの聴いて、その後すぐに雑貨屋でのライブを見に行ったとき以来(一昨年の秋とか?)、時々チェックはしていたのですが、なかなか聴きに行く機会がなかったのですが、コピスとかだと気軽に見れてうれしい。しかもソロではなく、さまざまな音階?のスティール・パンによるバンド形式!野外っていうには大げさかもしれないけど、外で大きく響き渡るスティール・パンの音を聴けるのはかなりぜいたくな気分でした。
漣くんも前に出ておかしな踊りとかして楽しそうだったし、定期的に演奏しているみたいなので、次回はウッドデッキのイスに座ってビールを飲みながら聴こうかな、とか思ってます。ちなみに、今回はムーミンスタンドで買ったミックスベリーのドリンクでしたが‥‥。
「わたしの東京」-安藤鶴夫-
◆一番、日本を感じられる季節
安藤鶴夫の本に限ったことではないけれど、昔の東京についての随筆の多くが、年末からお正月のできごとや風景などを中心に書かれているような気がします。日本には四季がありそれぞれの季節での楽しみがあるというけれど、やはり年末年始は、一年のうちで一番日本ぽさを感じられる時期なんでしょうね。
今でも一年の中で一番日本を感じることのできる時期を考えたら、昔に比べればぜんぜん様子が違っているけれど、全体的に昔からの日本の行事の大切にする気持ちが低くなっているなかで、逆に「お正月くらいは‥‥」という気持ちもあってこの時期を思い浮かべる人が多いのではないかと思いますがどうでしょ。わたしはけっこうクリスマスが終わってから、お正月までのあいだが、慌ただしいような、ちょっとのんびりしているような感じがして好きですね。
そんな風にして、どことなくお正月気分をひきづっていると、あっという間に1月が終わってしまうというのは毎年のことで、実際に気がつけばもう2月。でも、思えば特にお正月にお正月らしいことをしたわけでもないので、「お正月気分で」というのも単なる言いわけというか、紋切り型のあいさつに近いのかもしれませんが‥‥。
なんてこと書いたまま放置していたら、旧暦のお正月も過ぎてしまいましたとさ!
「ぼくの美術帖」-原田治-
◆今年初めてのニチニチ日曜市とはじめてのコショコショ市
前半では、ルネサンス期のティツィアーノから、デュフィ、小村雪岱、木村荘八、宮田重雄といった挿絵画家、アメリカのカートゥニスト、鈴木信太郎、北園克衛、そして師匠である川端実など、原田治が敬愛する画家たちについてつづったエッセイを収録。
抽象画家に師事していたという事実をはじめ、多種多様の作家を取り上げつつも美術というものへの一貫した向き合い方が伝わってくる内容など、ミスタードーナツのノベルティをはじめとしたオサムグッズのイメージしか持っていなかったわたしにとって、前半だけでも原田治のイメージを変えてくれるのですが、後半になると、縄文美術を日本民族の美術の原型として捉え、弥生時代以降、室町時代にかけて権力によって抑えられてきたその美術観が戦国時代に復活し、江戸時代の浮世絵まで花開くという独自の美術史観が熱く展開されており、もう驚きの連続でした。
イラストレーターのエッセイ集というと、今までに影響と受けた作家たちを自分の経験に結びつけつつどちらかというとサブカルチャー寄りの視点から語ったものがほとんどだし、イラストのテイストや年代から原田治のこの本も、そういう風なものだと予想していたのが大きな間違いでしたね。そしてこれが今ではなく、オサムグッズ全盛の1982年に出ていたという事実もすごいと思う。当時、この本は原田治のファンにどのように受け止められていたのでしょうか?
今では、月の半分は築地で仕事をし、残りの半分は大島に建てたアトリエで抽象画を描いたり、焼き物をしたりして悠々自適の生活をしているようです。原田治が描いた抽象画、いつか見てみたいですね。どこかで展覧会を開いたりしていないのだろうか?
今年初めてのニチニチ日曜市。春から秋にかけて皆勤賞に近い形で、ニチニチに通っていたわたしですが、11月、12月は友だちがうちに遊びに来たりしたので行けずじまいで、3か月ぶりになります。
加えて、今月は同じ旭通りにある場所でコショコショ市が開かれていたので、スタート直後の11時過ぎくらいに国立に着いたときは、両方とも人だかりで旭通りは大にぎわい。
まず会場がオープンなコショコショ市に行って、漣くんを抱っこしてお店のあいだをすり抜けながら本を眺めたりしてたんですけど、ときおり強い風が吹いたりしてかなり寒かったです。
でもそれぞれのお店が一箱ながら、テーマを設けた本をチョイスしていたりして個性的で、全体の規模はそれほど大きくないけれど見ごたえがありました。場所がらか山口瞳の本を出している人が多かったような‥‥。ちなみにわたしは、講談社文芸文庫の河盛好蔵と小島政二郎の本を買いました。ほかにも欲しい本があったのですが、国立に住んでいる友だちが偶然に前を通りかかって(所沢に行くところだったらしい)、話し込んだりしてしまったので、時間があんまりなかったのです。
お店を出している人も、本を買いに来ている人も楽しそうでよい雰囲気だったので、2回目、3回目、というか春になった頃の開催が楽しみですね。
ニチニチ日曜市のほうは、今回からdans la naturenさんが参加しなくなってしまったのが寂しい。その時によって違うけれど、TAIYODOさんのクラッカーとdans la natureさんのマフィンはだいたい買っていて、帰ってからのおやつにしていたのです。あと、カレーパンとシフォンケーキはどちらかというとその場で食べる感じ、ときどきジャムと古本を買う感じ、ですかね。まぁ今年もニチニチ日曜市には毎回のように通うことになりそうです。
「ひみつのブルボンキーホルダー」-森井ユカ-
◆原宿のおもちゃ屋にはスマーフグッズがたくさんあってびっくり
ブルボンキーホルダーとは、1960年代のフランスで企業の広告として配られていたキーホルダーで、特に質感やデザインなど凝ったものを多く作っていたブルボン社のものを示しているようです。ブルボン社以外のものは、普通にフレンチキーホルダーと言ってます。って、正式な呼び方なんてなくて誰かが勝手に呼びはじめただけだと思いますが。
そのフレンチキーホルダーを、雑貨屋などでよく見かけたのは結構前のこと。2003年に京都と神戸に遊びに行ったときに、神戸の雑貨屋にたくさん並べられていたのを覚えているので(大きなベニヤ板にたくさんの穴が開けてあってその穴にキーホルダーを引っかけるというディスプレイの方法にびっくりした)、2002年から2004年くらいかな。当時、あまりにもいろいろなところで見かけるのと、たくさん並べた感じがよかったので、集めてみようかとちょっと心が動いたのだけれど、保存状態がきれいなものや凝った仕掛けがあるもの、中に入っているイラストがかわいいものなど、欲しいと思うもの(つまりはこの本に掲載されているようなものですね)は、なかなか見つからなかったり、あっても値段がかなり高かったりして数個だけ買ってみてあきらめました。
そういう意味では、この本も「なんで今さら?」という感じがしないでもないけれど、まぁそんなものがブームになったこともあったね的な記念です。単純に眺めてると楽しいですしね。
年末年始のお休みが終わって、すぐに三連休。間隔的に働くにも休むにもどっちにしても気持ちが落ち着かない感じがします。もともと15日が成人の日だったわけだから、3週目の月曜にすればよかったのにと思ったりしますが、実際問題、お正月からすぐに気持ちが切り替わると言うことでもないし、その辺を考慮して2週になったとか!?
連休の初日、2年ぶりに表参道にあるクレヨンハウスに行って来ました。表参道に行くと言っても前と違っていろいろと歩きまわったりするということもなく、クレヨンハウスでランチを食べて、おもちゃや絵本を見て、ちょっと歩いたりしたあと、キルフェボンでタルトを買って帰って来るという感じ。
ほんとは久しぶりだし行きたいところもたくさんあるような気がするのだけれど、わざわざ今日行きたいか?と思うとそこまでして行く必要もないような気持ちになってしまうんですよね。具体的に買いたいものがあるわけではなくてちょっと見てみたいぐらいだったら、いいかな、と。
加えてお互いお店の名前とか忘れてて、「あの辺にあった何とかという何とかの店に寄ってみない?」みたいなことになっていたり、キルフェボンの喫茶コーナーがなくなってたり、PressSixが閉店していたり、当然ちはるのお店もなし‥‥とか、知らないうちにいろいろ変わっていて、なんだかおじいちゃん、おばあちゃんの老夫婦みたいなことになってましたね。都下で遊んでばかりいないで、ときには都会に出ないとね。