「わたしの東京」-安藤鶴夫-

◆一番、日本を感じられる季節
安藤鶴夫の本に限ったことではないけれど、昔の東京についての随筆の多くが、年末からお正月のできごとや風景などを中心に書かれているような気がします。日本には四季がありそれぞれの季節での楽しみがあるというけれど、やはり年末年始は、一年のうちで一番日本ぽさを感じられる時期なんでしょうね。
今でも一年の中で一番日本を感じることのできる時期を考えたら、昔に比べればぜんぜん様子が違っているけれど、全体的に昔からの日本の行事の大切にする気持ちが低くなっているなかで、逆に「お正月くらいは‥‥」という気持ちもあってこの時期を思い浮かべる人が多いのではないかと思いますがどうでしょ。わたしはけっこうクリスマスが終わってから、お正月までのあいだが、慌ただしいような、ちょっとのんびりしているような感じがして好きですね。

そんな風にして、どことなくお正月気分をひきづっていると、あっという間に1月が終わってしまうというのは毎年のことで、実際に気がつけばもう2月。でも、思えば特にお正月にお正月らしいことをしたわけでもないので、「お正月気分で」というのも単なる言いわけというか、紋切り型のあいさつに近いのかもしれませんが‥‥。

なんてこと書いたまま放置していたら、旧暦のお正月も過ぎてしまいましたとさ!