「文学の楽しみ」-吉田健一-

普段、特に忙しく過ごしているわけでもなくて、むしろ無駄な時間ばかりという毎日を過ごしているのに、ちょっと時間があると、どこかに行ってみようとか、何々をしてみようとか思ってしまうのは、単なる貧乏性のだからだろうか。

昨日は、来月から名古屋に帰ってしまう元上司の壮行会が7時半からあって、朝までは「今日はちょっと残業かな」なんて思っていたのに、急に定時にあがって神保町に行くことを思いついてしまいました。
会社の最寄り駅から1回乗換えで約20分弱。どうせ神保町の古本屋なんて、7時頃には閉店してしまうのだから、5時15分に会社を出て、7時過ぎに神保町を出れば余裕で壮行会に間に合う計算なので、1時間半くらい時間ができる‥‥。

いや、別にそんなギリギリの時間で行動しなくたって、用事があるわけじゃないし明日でもいいじゃん、という突っ込みを心の中で入れてみるものの、そういう気分に一度なってしまうととまらないもので、5時に会社を出るためには何をすればいいのか、ということと、神保町に着いたらどういう順番で古本屋を回ろうか、ということばかりが、頭の中を一日中回り続けてしまってました。自分でもよくわからないけれど、これはなんなんでしょうねぇ。そもそも会社員としてそれでいいのか、という疑問も‥‥。

そんなわけで、行って来ました、神保町‥‥‥‥やっぱり、無理がありました!

ほとんど古本屋を回れず、7時前に店が閉まってしまい、ディスクユニオンでCD買って、戻ってきて壮行会に参加という感じでした。ものごとは、思いつきでやったらだめ、計画性が大事ってことですね。(どっかのCMかよ)

「あの日、その人」-安藤鶴夫-

こういう交友録というか想い出の人たち的な本というのは、ある時代一定の作家たちの中では定番になっていて、同様の本がたくさん出ているけれど、今ではどうなのだろう?誰の交友録だったらおもしろそうなのかな、って考えてみたけれど、そもそも今の作家の本を読んでいないので、思い浮かぶはずもなく‥‥。
一時期の作家に、食べものや旅の随筆が多いのは、小説だけでは食べていけなくて、編集者がそれをフォローするために、雑誌に食べものや旅の話を書かせたせいで、作家にとってもおいしいものが食べられるし、旅にも行けるので一石二鳥だったという話を、どこかで読んだ記憶があって、もしかしたら交友録というのも、そういう意味合いで書かれたものが多いんじゃないだろうか、なんてことをちょっと思ったりもしました。

ミオ犬が退院してから、夜寝るのが早くなってことと、たいてい6時くらいになるとちょうど泣き出すこともあり、ちょうど4月からうちの会社もフレックスになったこともありで、勝手にサマータイムと称して、8時半に出社5時半を定時退社にしてます。いや、そうは言っても5時半に帰れるはずもなく、なんとなく残業が増えてるだけ?という気もしないでもないですが、それでもいつもよりは早く帰れるし、なんとなく夜の時間に余裕が出てきている気がしたりして、今のところいい感じです。まぁ一人だけ早く帰るので、飲みに行けないという難点はありますが‥‥。まだ薄明るい中で帰りのバスを待っていたりすると、夏になって、それでも5時半に帰る生活をしていたら、会社を出たときにものすごく明るいんだろうな、なんて今から、ちょっと楽しみになりますね。その頃まで6時半起きを続けてられるか、分かりませんが‥‥。

「暮しの手帖 第4世紀39号」

松浦弥太郎が編集長になってから「暮しの手帖」もまたおもしろくなってきたなぁと本屋で立ち読みをしながらいつも思うのだけれど、今まで買ったことはなくて、この号が初めて。前号の予告を見て、わたしが唯一家で作る料理である「やきそば」が特集だったから、と、ミオ犬からひまなので雑誌を読みたいと言っていたから。発売日に雑誌を買うなんて何年ぶりだろう。って書くと、どれだけ読み終わった本と雑記で取り上げている本のタイムラグができてしまっているばれてしまいますね。
読む前は、高山なおみとか長尾智子、根本きことかがやきそばの作り方を紹介してくれるのかな、と予想していたのだけれど、実際は、ウェスティンホテル東京の「龍天門」の料理長、陳啓明が6種類のやきそばのレシピを紹介するというかなり本格的なものでした。実際に作るときはあるのだろうか、と疑問に思いつつも、おいしいたまご焼きの作り方や鎌倉散歩、長尾智子の「近頃九州で見つけた、すてきなもの」などおもしろい。
高校生の頃よくエッセイを読んでいた常盤新平(カヌー犬ブックスにもありますよ~)の連載なんか読んでいると、なんとなく不思議な気分になってしまいます。常盤新平の影響で創刊号が出たとき、飛びついて買った「エスクァイア」の日本版も休刊になるこのご時世なのに‥‥。ちなみに最初の頃の「エスクァイア」は、もっとアメリカでの記事や小説の翻訳が載っていました。

さて、話は変わりますが、4月になってわが家に新しい家族が増えました~!3月の終わりからいつになるかドキドキする日々が続いて、4月4日の夜、ようやく生まれました。男の子です。先週末に退院して、今は家にいるのだけれど、会社から帰ってきて眺めているだけで飽きません。いや、ほとんど寝てだけですけどね。当然、夜中に起こされたりしますけどね。あんまりいろいろ書くと親ばかになりそうなので、とりあえず報告だけで。

「想い出のホテル ドゥマゴからの贈り物」-井上俊子編-

「ドゥマゴ通信」っていまでもあるのでしょうか?ドゥマゴなんてもう何年も行っていないので分かりません。15年くらい前は何冊かうちにあったし、Bunkamuraでやっていた洋書バーゲンで(これも今でもやっているのかな?)安く買った1号から32号までをセットしたボックスセットもうちにありましたね。
実を言うとこのボックスセットのマネをして、当時自分で作っていた「Pastel Paper」を1から25までをまとめたボックスセットを作りましたね。大きさをぴったりにするため厚紙を切って箱にしたので、作るのがけっこう大変で、自分と当時表紙を書いてもらっていたSさん、Kさん、そのほか欲しいと言ってくれた人の分くらいしか作らなかったけれど‥‥。もう誰も持ってないだろうなぁ。というか、わたしも持ってません。

今年に入ってからも「酒との出逢い」も読みましたが、一つのテーマでいろんな人のエッセイが入ったアンソロジィって、軽い感じで読めることもありわりと好きです。こういう本を読んで気に入った文章を書いている作家の作品を追いかけたりできるしね。ってウソですけど。音楽と違ってそういうことはあまりないかも。なんででしょうね。テーマが決まっている分、文章に作家の個性があんまり出ていない場合が多いのかも知れません。適当。

音楽の場合はまずコンピレーション買って‥‥ということは多いです。レーベル別とか作曲家とか‥‥。サバービア以降は、コンピレーションの意味合いが変わってしまったような気がして(って何年前だよ)、それほど買わなくなってしまいましたが、新しいジャンルの音楽を聴くときは、やはりコンピレーションを探してます。
最近も「OHM-電子音楽における初期の導師たち:1948~1980」という三枚組のCD+DVDを買ってしまいました。HMVのオンラインで買うと4036円。これでクララ・ロックモアからピエール・シェフェール、ジョン・ケージ、トッド・ドックスターダー、シュトックハウゼン、ウラディミール・ウサチェフスキー、レイモンド・スコット、スティーヴィー・ライヒ、テリー・ライリー、リュク・フェラーリ、アルヴィン・ルシエ‥‥など、42曲が聴けるなんて安すぎ!そんなわけで、ここ一週間ぐらいずっとこのコンピしか聴いてないです。
それで、先日、このCDをかけながら、小さな音でテレビのニュースを流して、カヌー犬の更新作業とかしていたら、北朝鮮のニュースの時に、アナウンサーが、自衛隊が今回導入した警戒管制レーダーの前で、レーダーの前では、電波が強くてテレビにかなり雑音が入ってしまいます、と言っているのだけれど、うちのCDコンポから流れてくる音楽と同じ?って思うくらいほとんど判別できない状態で、なんだか、わたしはなに聴いてるのやら、という気分になってしまいました。