「屋上がえり」も含めて、「月と菓子パン」「踏切趣味」「ぽっぺん」「部屋にて」など、石田千の本はひかれるタイトルばかりなので、本屋さんで見つけるとつい手に取ってしまう。石田千も“同時代に生きている作家の新作を心待ちにしている”作家の一人といえるかも。歳も近いしね‥‥(あまり意味はなし)。
とはいうものの、実はあんまりきちんとチェックをしているわけでもなくて、この本もちょっと前に、吉祥寺にあるダーチャというカフェで、北村範史は、石田千に同行して屋上の写真を撮った北村範史の写真集を見てはじめて知りました。その写真集がよかったので、個人的にはこちらの本にももう少し写真を載せて、片岡義男の本みたいに文章と写真が同じくらいの比重になっていたらなぁと思ってしまった。
大学生の頃、同じ研究室に喫煙者がいなくて、当然、研究室内は禁煙だったので、よく校舎の屋上に上ってたばこをすいながら、本を読んだりしてました。そういえば、学校がお休みの時に、ポータブルプレーヤーと簡単なお弁当とおやつを持っていってピクニックみたいなこともしましたね。まぁ今思えば、20歳も過ぎて高校生みたいなことしてるなぁ、という感じですが‥‥。
改築される前の古い校舎だったので、完全に閉まらない窓があるのは当然で、セキュリティもきちんとしてなかったし、屋上にあがる鍵も壊れていたし、はたまた階段はあるのにその先がコンクリートで固められているところがあったりして、夜中とか一人で校舎を歩いているとかなり怖かったです。
デパートは別にすると、なんとなく、屋上には入れないという気持ちがあるので、普通の雑居ビルなどで屋上に上がれたりするとうれしい。最近は高いビルが多いので眺めがいいというよりも、屋上という非日常的な空間と見上げる空の感じがいいのだと思う。屋上に上がったからといって、缶コーヒーとかを片手にたばこをすって、縁に寄りかかるくらいしか、特に何をすることもないというところもいい。住んでいる所や会社の近くに、そんな風に手軽に屋上に上れるようなビルがあったらいいのにな~。無理か。
週末の富士見ヶ丘は、七夕祭りと題してなぜかサンバとよさこいソーランを踊る人たちが商店街を行進。通り沿いのお店が店の前に模擬店などが出してかなり盛り上がっていたけれど、なんだかなーという感じは否めません。先日、お店を閉めてしまったくだものやさんのおじさんが、模擬店の前で張り切っているのを見てちょっとほっとしてしまったりしたけどね。あと、「サンバカーニバルははなの舞までで終了です」というアナウンスが笑えました。普通の盆踊りは開催されるのだろうか。
この本は、先月渋谷のロゴスでやっていた洋書バーゲンに行ったときに買った。といってもバーゲン会場で買ったわけではなくて、普通の売り場の絵本コーナーに置いてあったもので、値札に「セール」と書いてあったことを考えると、洋書バーゲンにあわせて値段を下げたのかもしれない。実際アマゾンよりで売られている価格よりも安かったし。
内容的には「最近の日本どうなってんの」的なコラムが多いので、これに「愚者の楽園」というタイトルをつけるなんて獅子文六にしてはストレートだなぁ、と思いながら読んでいたのだけれど、(といってもそんなに凝ったタイトルをつけることもあまりありませんが‥‥)あとがきによるとこのタイトルは、この連載の前の執筆者が名づけたものということです。獅子文六をストレートかひねくれているかという分類で分けると前者になると思うけど、なんとなく違和感があったので少し納得。
なんだか貧乏話を続けて読んでしまった。普通なら「もういいや」という気分になってしまいそうなのだけれど、どちらも違う意味でどこかのんびりした雰囲気なので、気が滅入ることはなかったです。いや、吉田健一はほんとうに貧乏なのかわからない。乞食の格好をして文芸春秋社の前に座ったとか、戦後、米を転売しようとして東北まで行って、警察に捕まった話など、前に読んだことのある話でも、必要に迫られてというよりも、酔狂で、あるいはおもしろそうだから、みたいなところがある。あの吉田茂の息子で貧乏なわけないだろう、という気もするし、吉田茂はまったく息子に援助をしなかったらしいということなので、ほんとうに貧乏だったのかも、という気もするし、実際はどうだったのか。そんなことはどうでもよろしいって言われそうだが‥‥。
カヌー犬ブックスも少し本の量が増えてきたし、これ以上分類分けをしてもわかりにくくなるだけになりそうなので、思い切って検索を作ってみました。といっても、全文検索は難しそうなので書名と著者名で引っかかるものだけ、複数語の単語は入れられないという簡単なものです。検索を考えたときからどうしようと思っていた著者名のゆれも考慮していません。海外文学は、翻訳者や出版された時期によって著者名の表記が変わってしまうのが困ったところ。ほかの検索サイトはどうしているのだろう。ちゃんとデータベース作ってるのだろうか。なので、例えば「ジョン・アップダイク」と入力しても「ジョン・アプダイク」は検索されないため、「ダイク」とか適当に入れてもらえるとうれしいです。もしくは少し増えてきたと言ってもそれほど多くの在庫があるわけではないので、「ジョン」でもいいと思います。
10年ぶりくらいにUKロックを聴いてる、なんてことを前に書きましたが、意外にもまだそのブームが続いてます。結局今でもよく聴いているのは、The ViewとThe Riflesだったりするのだけれど、最近はLittle Man TateとかThe Ripps、Dogs、Jack Afroといったバンドをよく聴いてますね。前回聴いてみたいと書いていたMaximo ParkとかMilburnは、ちょっと飽きてきちゃってるし、Kaiser Chiefsなんか今では聴く気にもならなかったりして、なんだかんだ言って、もともと好きなJam~Buzzcocksあたりの音に近いのパンクぽいものに行き着いているという感じでしょうか。もっとさかのぼっちゃうとやはり60年代のブリティッシュ・ビート・バンド系の音と引き継いでいるバンドということになるのだけれど、かといってDraytonesはどうかな、どうしよう、と。ここまでくると60年代のバンドを聴けばいいのでは、と冷静に思ってしまうけれど、どうしたものなのか。
台風の通り過ぎた3連休の最終日にユーロスペースでケン・ローチの「ナビゲーター ある鉄道員の物語」を観に行ってきました。「ケン・ローチの映画 1969-2006」と題された特集で、14日から27日まで、「ケス」「マイ・ネーム・イズ・ジョー」「ブレッド&ローズ」「ナビゲーター ある鉄道員の物語」「SWEET SIXTEEN」「やさしくキスをして」「麦の穂をゆらす風」「明日へのチケット」の7作品が上映されています。“1969-”というわりには、「ケス」以外は最近の作品ばかりなのがちょっと不満なのだけれど、次にいつ見れるかわからないので、これを期に観ていない作品を観ておきたい。でも期間も短いしどうだろう。ちなみに観ていないのは「ブレッド&ローズ」「ナビゲーター ある鉄道員の物語」「明日へのチケット」の3作品ですね。もう少し長い期間で上映されるんだったら、「マイ・ネーム・イズ・ジョー」をもう一回観たいところなんですが‥‥。
先週はちょっと忙しかった。普段、働いていないわけではないけど、3、4日遅くまで働いたりすると、家に帰ってきてメールの返事を書いて、次の日に発送する本の梱包をしたら、もういっぱいいっぱいという感じになってしまいます。当然この雑記を書く気にもならず‥‥。まぁそういうときもあるよね、と。初めに入った会社が編プロだったせいもあり、締め切り間際にガーっと仕事して、終わったらちょっとのんびりして、で、また「さて次行きますかぁ」なんてぐあいに次の仕事が始まる‥‥という波があると仕事してるなーという気になったりします。まぁいつも山ばかりだともう体力がもたない、ということもあるけれどね。そんなわけで、今週は、とりえず山積みになっていた資料やプリントアウトを全部閉まったり捨てたりして、机の上もきれいになったので、窓際に避難しておいた多肉植物を机の上に戻したりしながら、ちょっとのんびりと仕事してます。
じゃ、この晴天に便乗して、日曜日、西荻古本屋巡りでもするか?いやいや阿佐ヶ谷住宅にするか?なんてことを友だちと言っていたら、午後から雨ですよ。なんなんだ?