内容的には「最近の日本どうなってんの」的なコラムが多いので、これに「愚者の楽園」というタイトルをつけるなんて獅子文六にしてはストレートだなぁ、と思いながら読んでいたのだけれど、(といってもそんなに凝ったタイトルをつけることもあまりありませんが‥‥)あとがきによるとこのタイトルは、この連載の前の執筆者が名づけたものということです。獅子文六をストレートかひねくれているかという分類で分けると前者になると思うけど、なんとなく違和感があったので少し納得。
どうでもいいですが、この本は持ち歩くにはちょっと大きくて、普段、会社に持っていく鞄が小さいだけに、鞄に入らなくなることも度々あって、困った。獅子文六については、山口瞳と同じように、単行本ではなく文庫本で読もうと思っていたわりには、実際に読んでいるのは単行本のほうが多い。以前、友だちと獅子文六の話をしていた時、友だちが一冊一冊集めていくのが面倒なので、思い切って全集を買ってしまった、と言っていた気持ちがわかる。獅子文六の本って意外と見つからないものなのですよ。
何度も書いているけれど、ずっと海外文学ばかり読んできたので、全集を買うという選択肢が自分の中にあまりない。そもそも海外文学の全集って、(特に現代文学は)全然“全”ではなかったりするし、基本的に、ある作家の人気のある作品をまとめて出版しました、という程度のものでしかなく、装丁とかも普通。だからここ最近、同じ作家の作品を何十冊も読むようになって、はじめて全集を買いたくなる気持ちがわかりました。だいたい20冊くらい同じ作家の本が本棚に並ぶようになると、だんだん残りが手に入りにくくなることもあって、全集をセットで売ってないかネットでチェックしてみようかな、という気分になります。まぁ実際に買ったことはないんですけどね‥‥。
今日は暑かったので、夕方近くから、下北へ出て、マジックスパイスでスープカレーを食べた。レギュラーのものに辛さを「覚醒」「瞑想」「悶絶」「涅槃」「極楽」「天空」「虚空」の7段階で選べるんだけれど、わたしは辛いのが苦手なので、一番辛くない「覚醒」を選ぶ。応対した店員がちょっと大げさで、「覚醒」でも辛過ぎるという人もいます、とか、トッピングをなにもしないと私ならかなり寂しいです、みたいなことを言うのだが、「覚醒」はちょっと辛いかな、というくらいで、それほど辛くなくちょうどよかったし、野菜もたくさん入っていてぜんぜん物足りなくなかったです。バナラッシーも食べたせいかむしろお腹いっぱいで苦しい。でもエアコンが効いているにもかかわらず、テーブルの上になぜか団扇が置いてあるわけが食べていてわかりました。それにしても1階はジャムカヴァーで、2階はマジックスパイスというこの建物はどうなんですかね?