「花筐・檀一雄短編集」-檀一雄-

◆笹山団地
6月の終わりに、育休中の会社の人のところに遊びに行ったということを書きましたが、その人は、横浜から出ている相鉄線の鶴ヶ峰というところに住んでいて、わたしが生まれてから小学1年の頃まで住んでいた西谷の隣の駅だったりします。

わたしが住んでいたのは、西谷の駅から20分くらい歩いたところにある笹山団地というところ。周りは団地ばかりで、団地の隙間をぬって公園や広場があったり、工事中の更地があったり、林があったり‥‥と、横浜とは思えない感じでした。
でも当時、駅から団地までの道沿いなどは、かなり宅地造成が進んでいたりしたので、今じゃ随分変わってしまったんだろうなぁ、なんて思っていたら、電車の窓から通り過ぎたときに、駅前にあった本屋さんが見えたり、その周りの様子もあまり変わってなくて懐かしかったですね。

二宮に帰ることになったときに、ふとそんなことを思い出して、ネットで調べてみたら、なんと、「老朽化と住民の高齢化で夜はゴーストタウンになる」なんてことが書いてあったりしてびっくり。個人的には廃墟とか廃線とか廃工場とか‥‥もう行ってみようとは思わないけれど、笹山団地はかなり行ってみたくなりました。
いやいや、そういう意味じゃないですね。自分が住んでいたときとほんとに変わってないというところにひかれてるんだと。実際に行ってみたらどういう気持ちになるのか、分かりませんが‥‥。

「不参加ぐらし」-富士正晴-

◆一泊二日で二宮へ
週末は漣くんを連れて二宮へ帰ってました。前日まで、泊まってくるのと日帰りとどちらが楽なんだろう、と悩んでてしまいましたね。片道で2時間くらいかかるので、往復で4時間と考えると、あきらかに日帰りだと慌ただしいし、かといって泊まりは荷物が多くなりそう&そもそも何を持っていけばいいのかお父さんにはいまいちわからん。
で、散々悩んだあげく、2人で行くことを考えると、できるだけ荷物を減らしたいということで日帰りにしたのに、結局、実家で親子二人で昼寝をし過ぎて泊まることになってしまいました。12時過ぎに実家に着いて、ご飯を食べて、2時前くらいから寝始めて起きたのが4時半でしたから‥‥さすがに帰る気力もないし、親にもちょっと悪い。だったら最初からそうすればよかったのにねぇ‥‥。

まぁ泊まっても何をするわけでもないので、次の日に近くにある小学校に行ってちょっと遊んだくらい。ほんとは海とかに行けるといいんだけど、歩いていくと15分くらいかかるし、二宮の海は隣の大磯と違って、急に深くなっているので危ないのよ。っって自分が子どもの頃はそんなことまったく気にせずに泳いでましたけど‥‥。
わたしとしては、漣くんを親に預けて、夜、地元の友だちと飲みに行くってのが希望なんですけど、人見知りが始まったのか、知らない人が周りにいるのに慣れてないのか、親が見えなくなると大泣きするし、まだまだ先になりそうですね。

「くらしのうた」-増田れい子-

◆2010年、山下達郎イヤー
今年の初めにティンパンアレイ系を聴いている中で、「CIRCUS TOWN」のCDを買って聴いてみたら、今まで聴いていたアナログの音と印象が違ったというのがきっかけで、、年末までかけてアナログ盤しか持っていなかった山下達郎のアルバムをCDで買い直してます。

実際はアナログ盤でしか持っていなかった「SPACY」から「POCKET MUSIC」まで(ベスト盤、企画盤含む)と、あとそもそも持っていなかったその後の「僕の中の少年」「JOY」「SEASON’S GREETINGS」の3枚。月に1枚か2枚買って、12月の最後に「SEASON’S GREETINGS」を買えれば、季節的にもいいかなという感じで、全部で15枚くらい。意外と枚数もあるのでなんだか今年は個人的に山下達郎イヤーだな、なんて思っていたら、ツアーはあるし(チケット取れなかったけど)、フェスには出るし(行けるはずもなし)、ニューアルバムも出るし(9月から延期らしい)、あんまり参加もできないけれど、世の中的にもいろいろあってうれしい。

買い直しのほうの進捗は、7月の終わりでRCA/AIR時代のアルバムがほぼそろったので、8月は「BIG WAVE」と「MELODIES」を買う予定。ここまでは中学時代に聴いたものばかりなので、かなり懐かしい。どの曲もイントロ聴いただけで、空気が変わるような気がします。逆にこの感じを味わいたくないのといろいろなことが甦ってしまうのがいやで、敢えて80年代から90年初めくらいの音楽を避けていたところもあるんですけどね(大瀧詠一は例外)。

「対談 植草甚一」-植草甚一-

都筑道夫、五木寛之、飯島正、淀川長治、辻静雄、山下洋輔、久保田二郎‥‥との対談が収録されている対談集。
もちろん、それぞれが活躍する分野について語っているのだけれど、その場の思いつきでどんどん話が違う方向に進んだり、突然違う話になったりといつもの植草甚一節はそのままなので、対談、あるいは会話として成り立っているのかどうかいまいち分かりません。そういうところもこの本のおもしろさのひとつ、とも言えるわけですが‥‥。

ひとり暮らしをしていた大学生から結婚するまでのあいだ、部屋に置いてある本棚に本が入らなくなると、読まさなそうな本を段ボールに詰めて実家に送っていたのですが、実家では中身を見ることもなく、台所の冷蔵庫や食器棚の裏側に仕舞ってしまっていたため、取り出すこともできず、そのままの状態になってました。
ところが先日、実家のお風呂場を改装するにあたって、お風呂場と面している台所の段ボールが積み上げられていたスペースを、お風呂場を広くするために使おうということになったらしく、10年以上ぶりに段ボールを奥から出したとの連絡があり、とりあえず8月の始めに子どもを連れて日帰りで実家に帰ることに。
両親に子どもを遊ばせてもらっているあいだに、本の整理をしようと思っているのですが、ちょこちょこ送っていたので、どのくらいあるのか、どんな本があるのか、まったく覚えてません。20代に読んでいた本なので海外文学ばかりだとは思うのですが、読書日記とかつけていたわけではないし、当時気に入っていた本は手元に残していたはずなので、どんな本が送られているのか、今からちょっとドキドキしてます。
なんとなく「あの頃はどうしようもない本ばかり読んでたんだなぁ」ということになりそうな予感はしてますが、少なくとも植草甚一のスクラップシリーズはかなりあるはずなんですけどね‥‥。いやいやその前に日帰りで全部整理できるのか?という心配もあり‥‥。9月以降でカヌー犬ブックスに海外文学の本がまとめて更新されていたら、多分それは実家から持ってきたわたしの本です。

「良平の東京湾みなとスケッチ」-柳原良平-

今日は調布の花火大会。
去年の夏の終わりに、今住んでいる家を見に来たときに、前に住んでいた人が、「ベランダから調布の花火も見れるんですよ」と言っていたので、引っ越してきてからずっと調布の花火大会を楽しみだったんですよ。とはいうものの、うちは府中市のはじっこなので、ベランダからの景色に遮るものがあまりないとはいえ、調布の多摩川沿いからはかなり離れているので、それほど期待はしていなかったのですが、7時になって花火があがるとやっぱりちょっと盛り上がりますね。マンション内から見ている人が多いらしく、マンション内で歓声が上がったり、「もっと向こうに行こうよ」などといった子どもの声が聞こえたりしていました。う~ん夏ですねぇ。
先週の水曜日に渋谷のディスクユニオンでようやくハーフビーの「The Island of Curiosity」を購入。スティールパンが入っていたり、ブラジルっぽいパーカッションが使われていたりと、全体的に夏っぽい感じのサウンドになっているので、7月中に買えてよかったです。今年の夏は、これをBGMにしてベランダにつるしたハンモックに揺られながらビール片手に片岡義男の本でも読んで過ごすことにします(ウソです)。

-それにしてもサンプリングの仕方などどことなく習作っぽかった「HALF WORKS」から(それはそれでこれも好きなんだけれど)、昔どこかで聴いたことのあるようなサンプリンクネタが多用されていて懐かしかった「GREEN HOURS」を経て、「SIDE FARMERS」、この「The Island of Curiosity」とリリースする枚数を追うごとに、ポップ(ス)としての完成度をあげていくという方向に進んでいるのが個人的にはうれしい。
DJがつくる音楽って、1枚目、2枚目くらいまではいろんな工夫があって楽しいのに、3枚目くらいになると、4つ打ち全開になっちゃうとかいわゆる「DJの作るお洒落な音楽」的な方向に向かってしまって、おもしろくなくなってしまうのが多いんですよねぇ~

「オーレ・エクセル Swedish Graphic Designer」-オーレ・エクセル-

スウェーデンのデザイナー、オーレ・エクセルの作品集。ミオ犬から1000円の図書カードをもらったので、たまには写真集とかデザイナーの本とか、ちょっと高めの本を買っちゃおうかと思って、前々からほしかったこの本を渋谷のリブロで購入。ついでに近くに置いてあったリサ・ラーソンの「BABY NUMBER BOOK」という絵本を子ども用に買ってしまったので、1000円の図書カードは実質使ってないと言えば使ってない‥‥。

リサ・ラーソンは、スウェーデンを代表する陶芸家で、まるっこい動物の置物が有名、なのかな。この絵本に描かれてる動物たちも、どことなくその置物の雰囲気が出ていて、かわいいんだけれど、完全に子ども向けなかわいさではないところが気に入ってます。あと、厚紙でできているので、振り回したり、床にたたきつけたりしても破れなさそうなので、1歳児にはちょうどよい。まぁ何か月かたったらぼろぼろになってしまうのかもしれませんが‥‥。
さて、話が逸れてしまいましたが、オーレ・エクセルのほうは、出たときはこの手の本はもういいかな、と思っていたのですが、今年の初めにMXテレビでアニメーションを放送していて、けっきょく2回くらいしか見れなかったのですが、見ているうちに本のほうも欲しくなってしまったという次第。ほんとはアニメのDVDが欲しいんですけどね。

子供が生まれてから、美術館やギャラリーに行くことができなくなってしまって、これからも当分の間は行けそうになくて、まぁそれはそれで不満というわけではないのですが、そのかわりに写真集やデザインを1か月に1冊とか定期的に買っていきたいな、と思ってます。
今でもときどきDJをしている友だちが、昔、月に1枚はレアなレコードを買うようにしてる、という話をしていたけれど、まぁそんな感じですかね。月に1枚、1冊でも何年も続ければ山となりますからね。というわけで、今から8月に何を買おうかと、いろいろ調べたりしてます。

「草餅」-上林暁-

杉並にある郷土博物館で4月から「上林暁・その作品と生涯」という展覧会をやっていて、時間があったら散歩がてら、展覧会を見てから、高円寺までバスで移動して古書会館に行って、それから‥‥なんて考えているうちに終わってしまってました。そんなこともあって、ひさしぶりに上林暁の本を読んでみたのですが‥‥、今、サイトを調べてみたら8月1日まで延長だそうな。好評だったのかな。といっても、8月1日まででも多分わたしは行けませんが‥‥。9月1日まで延長されたら行けるのに。

月の第三週は、金曜日に福助という飲み屋で国立に住んでいる友だちがレコードを回しているので、先月に引き続きちょっとだけ飲みに行き、日曜日はニチニチ日曜市というなんとなく国立続きになってしまう週末なのであった。
金曜の方は、イベントというよりも飲み屋のBGMとしてレコードを回しているという感じなので、レコードを回している横で話をしたりできるし、カウンターに座っている人のほとんどが一人で飲みに来ている(ご飯を食べに来てる?)人なので、かかっている曲についてとか、気軽に話しかけたり話しかけられたりしつつ、9時半くらいから1時間半くらい飲んで帰宅。国立で飲むと帰りの電車が空いてて楽。反面、ほかの人を誘いにくいという欠点はありますが‥‥。
ニチニチ日曜市は、午後から行ったのでほとんど品物がなく、カレーパンとシフォンケーキを食べて、クラッカーを一つ買っただけでした。まぁ店内がすいているほうが、自分がパンを食べている間とか、漣くんをお店の中で歩きまわらせたりできるのでいいんですけどね。でもすぐに置いてある本に触りたがるので、ちょっとヒヤヒヤ。
ニチニチを出て歩いていたら、柿屋ベーグルといういい感じのベーグル屋さんがあったので、明日ので朝ごはん用にブルーベリーとオレンジピールのベーグルを買う。帰ってきて調べてみたら、今年の7月2日に開店したばかりのお店らしいです。国内産小麦、喜界島産砂糖、ゲランドの塩はできるだけ無農薬のフレッシュな野菜やハーブを使った体にやさしいベーグル、ということらしいので、フレッシュハーブのベーグルとかむらさきいものベーグルを買ってくればよかった。来月またニチニチに行ったら野菜のベーグルを買ってみよう。

 「上林暁・その作品と生涯」
  杉並区立郷土博物館
  4月24日(土)~8月1日(日)
  http://www2.city.suginami.tokyo.jp/histmus/

 柿屋ベーグル
   東京都国立市東1-15-1吉村ビル103
  10:00~19:00(火・水 定休)
  http://blog.kakiyabagel.com/

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「しろい虹」-石田千-

最近は、特に石田千のファンというわけではなくなってしまったけれど、古本屋で本を見かけるとなんとなく買ってしまう。好きだったのは「月と菓子パン」「踏切趣味」「屋上がえり」の3冊ですね。基本的に描かれている世界観はずっと変わらないので、テーマにそったものでまとめられた作品集のほうがおもしろい気がします。この「しろい虹」は、一応“色”がテーマになっているようなのですが、それだとちょっと曖昧なような‥‥。

まだ読んでいない「踏切趣味」に続いて“踏切”をテーマにした「踏切みやげ」と“登山”をテーマにした「山のぼりおり」、どこの町にもあるような普通のお店を訪ねた「店じまい」など、最近のエッセイ集はテーマにそったものが多いのもそういう理由なのかもしれない。あくまでも勝手に推測ですが‥‥。
あと、石田千の文章はひらがなが多いのでちょっと読みにくいんだよなぁ~ひらがなの効果を狙っているというのは分かるんですけどね。これも個人的な気持ち。昔の本を読んで旧漢字ばかりだと、読めない漢字ばかりでなかなか読み進められないって言ってますしね。

「野上弥生子随筆集」-野上弥生子-

待ち合わせまでちょっとだけ時間が空いてしまったので、吉祥寺のfeveでやっている「Aloha Tailor of Waikiki」へ。といっても目当てはアロハシャツではなくて、いがらしろみさんのジャム。
会場ではディモンシュの堀内隆志さんのコーヒー店も開かれていたので、ほんとうはコーヒーを飲んで、ゆっくりしたりところだけれど、さすがにそこまでの余裕はなし。マンゴーとバナナのジャムとdoisのコーヒー豆のグラスを買ってさくっと移動。
以前は定期的に鎌倉に散歩しに行っていたものだけれど、引っ越して遠くなってしまったし、わざわざ鎌倉まで行ってベビーカーを押して歩きまわるにはちょっと気合いが必要で気軽に行けるような感じではなくなってしまってます。ディモンシュだったら店内もゆったりしているしべービーカー入れても大丈夫なような気がするんですけどね‥‥。

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買ってきたグラスはアイスコーヒーでも入れて飲みたいな、という絵柄なんですけど、とりあえずお茶を入れてみたら、反対側のコーヒー豆が大きくなって見えたりして、かなりいい感じです。アイスコーヒーだったらコーヒー豆の模様が見えなくなっちゃいますしね。

 「Aloha Tailor of Waikiki」
  gallery feve(吉祥寺)
  7月10日(土)~17日(土)
  http://www.hikita-feve.com/

「貧乏サヴァラン」-森茉莉-

例えば、バート・バカラックの音楽を聴く度に、そこには音楽に関するさまざまな要素が詰まっていて、わたしにはその中のほんのいち要素しか聴き取れてないんだろうと思ってしまう。
また最近、レイ・バレットやハーヴェイ・アヴァーン、カコ、ウィリー・ボボなど、なぜかブーガルーのCDをよく聴いているのだけれど、正直に言って1960年代後半、ニューヨークで流行ったソウルミュージックなどの影響を受けたラテン音楽という言葉の意味以外は、ブーガルーがどんな音楽なのかまったく分からない。幸いラテンミュージックのCDのジャケットには、曲ごとにBoogalooとかManbo Jazz、Son Mauntuno、Mozanco、Guaguanco、Shing-A-Ling、Jala Jala、Ritmo Melon‥‥といった表記があるのでそれを信じるしかない。
まぁ別に音楽評論家ではないので、自分が聴いていて楽しければそれでよいのだけれど、もしほんの少し手も音楽の専門的なことを学んでいて、そういった細かな違いを聴き分けられる耳を持っていたらもっと音楽を聴くことが楽しくなるのではないかと思ったりもするけれど、今さらどうしようもないわけで‥‥。

そんなことを書いてみたのは、森茉莉の文章には、鴎外が使っていたような古い言葉や漢字や、当て字などが効果的に使われていて、森茉莉はそれを辞書をひくわけでもなく記憶だけで、原稿用紙に書いていたと言うことをどこかで読んだから。
多分、それは音楽や文章だけではなくて、なにかインプットがあったときに、そこからどれだけのものを受け取ることができるか、そしてそれをきちんと記憶することができるかってことが、アウトプットを出すときに重要になってくるんだろうと思う‥‥と、ここまで書いてみて、自分が何か月か前に質より量が大切みたいなことを書いたことを思い出しました!んんん。