「大滝詠一 Talks About Niagara」

■ナイアガラ・レーベルの各CDが再発されたタイミングなどで、「レコード・コレクター」誌で行われたインタヴューと、70年代にビーチ・ボーイズやフォー・シーズンズ、フィル・スペクターなどについて執筆した文章を収録した本。3月には、同じく「レコード・コレクター」に掲載された、インタビュー以外の記事をまとめた「大滝詠一 スクラップ・ブック」も出てます。個人的には、白夜書房から出た「大瀧詠一Writing & Talking」が読みたいけれど、5000円近くするんですよね~。今年の3月は「NIAGARA CD BOOK II」も出たし、ナイアガラ関連のものをコンプリートしようとしたら破産しそう~(もちろんしませんが)ちなみにこの本も、出てから4年くらい経ち、ようやく買ってみたら、去年、コンプリートエディションが出てたことに気づくという‥‥。
しかし大滝詠一ほど自ら自分の作品について語ったミュージシャンは、海外を含めてもいないんじゃないだろうか?そういう裏話や影響を受けた音楽も含めて、ナイアガラなのだなぁとつくづく思う。そしてナイアガラというのは、すべての作品を線でつなげた一人のミュージシャンのドキュメンタリーだなぁ、とも。いや、線だけではなく、時に面となり、時に立体となるので、より複雑になるわけなんですが‥‥

■2週にわたって行われたはけのおいしい朝市も無事終了しました。先週は途中雨が降ってきてしまい、どうなるかと思いましたが、小雨ですみ最後まで開催できてよかったです。2日ともたくさんの人に来ていただきありがとうございました。雨が降ったせいでちょっと余裕もできて、ほかのお店をのぞいたり、近くでバーベキューをしていた幼稚園のお父さんの所に行ってみたり、少しだけですが、お客さんとして楽しめたのもよかったです。
しかし子ども連れの人が多かったせいか絵本がかなり売れて、もう絵本屋さんになっちゃおうかと思ったくらいでした。あとやっぱりネットで本を売ってる時と実際にイベントで売る時の違いを改めて感じたりして、イベント出店用の在庫をある程度、キープしておく必要があるなぁとか、毎回反省を繰り返しています。なかなか思うように改善できないのが悔しいのですが、少しずつでも改善できたらいいなと思っています。
それにしても1日目は土曜まで雨が降っていてどうなることかと思っていたのに、日曜はまぁまぁいい天気で、2日目は木曜くらいからいい天気が続き、天気予報も日曜まで晴れだったのに、当日になったら崩れてしまうという‥‥ほんとに今年の春は天気が読めないですねぇ~

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-■そしてゴールデンウィークが終わる5月9日と10日には、東京蚤の市に出店させていただきます。気がつけばもう7回目。毎回、出店するお店もお客さんも増えて大きなイベントになっていっていますが、今回はどうなるのでしょうか。前回に引き続き東京北欧市も開催されますし、Water Water Camelやカジヒデキ、ザッハトルテなどのライブもあるし今から楽しみです。今回の反省を活かすにはちょっと準備期間が短いですけど、がんばりますので、よろしくお願いしますー!

 第7回東京蚤の市概要
 日程:2015年5月9日(土)、10日(日)
 時間:9日(土)10:00~19:00/10日(日) 9:00~16:00
 開催場所:東京オーヴァル京王閣
 東京都調布市多摩川4-31-1
 入場料:500円(小学生までは無料)

「僕らのヒットパレード」-片岡義男、小西康陽-

■「芸術新潮」に連載されていたというリレー連載を中心に、二人による対談などを収録した本。発売されることを知った時から読まなくちゃと思いつつも、なかなか買えないでいた一冊。いや、世の中はなかなか買えないものばかりなのです。ちなみに「11のとても悲しい歌」の買えてないまま、4年が過ぎてしまった。発売した時にジャケットの雰囲気から冬になったら買おうと思っていたのだけれど、気がつくと冬が過ぎて、毎年、春くらいになると思いだし、今年の冬こそはと思って、そのまま過ぎてしまう。聴いたら今まで聴かなかったことを後悔するのかもしれないし、このまま聴けないままに時間ばかりが過ぎてしまうのかもしれない。

■この二人のレコードに関する本がおもしろくないわけがないのだけれど、どこか遠慮がちな雰囲気がただよっているような気がします。同じレコード好きといっても生まれた年や育った環境の違いから、二人の間で音楽のとらえ方が違うところがあったりするのがおもしろい。まぁあたりまえと言えばあたりまえですが。で、当然ながらその辺はあまり深堀されてないので、もっと親しくなってもらって続編が出たらなぁと思う。あと、もう少しジャケット写真のページが欲しいかも。

■さて、はけのおいしい朝市の一日目が終了しました。たくさんの人に遊びに来ていただき、またカヌー犬ブックスのブースにも寄っていただきありがとうございました!
今回は、武蔵野公園という屋根のまったくないロケーションということもあり、前日まで雨が降っていたので、かなり天気と地面の状態を心配していましたが、当日は晴れ、地面も水はけがよいらしく、ぬかるみになることもなく、無事開催されてよかったです。

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わたしはずっとお店に立っていたのですが、本越しにくじら山方面を見ていると、近所の人が多いせいか、くじら山周辺の様子がわかっているようで、皆さん、レジャーシートや小さなテント、遊び道具などをたくさん持ってきて、のんびりしたり家族で遊んでいたりして楽しそうでした。来週はちょっと時間を作って歩き回ったりしたいですね。
ちなみに来週は、持っていく本のほとんどを入れ替えて、先週とはちょっと違う雰囲気のお店にするつもりです。って、すみません、うそです。本を入れ替えても雰囲気はほとんど変わらないかと思います。天気予報では、日曜は天気もよく、気温も20度を超えるようです。予報通り晴れたら、先週は地面の状態があまりよくなかったせいであきらめた絵本や児童書をゆっくり読めるスペースを作りたいと思ってます。

「泡/裸木」-川崎長太郎-

■前回の川本三郎の本で抹香町が出てきたのでなんとなく川崎長太郎の本を読んでみる。といっても、舞台となっているのは本に出てきた抹香町とはまた違う宮小路。私小説なので生家の海岸に近い物置小屋に住み、ちょっとお金が入ると宮小路に行き、そこでの芸妓とのやり取りが描写される。
ただこの作品が、ほかの川崎長太郎の作品と少し異なるのは、一人の芸妓を挟んで、小津安二郎をモデルとした映画監督との三角関係(?)の様子が川崎長太郎の目を通じて語られているところ。まぁ三角関係というか、小津安二郎が芸妓の気持ちを受け止めないことをいいことに、川崎長太郎が勝手に思いを寄せているだけのような気もしないでもない。小津安二郎をどことなく冷たい男として描いているのもフィルターがかかっているかなとも思うので、解説にあるように「川崎長太郎の一連の『小津もの』は、研究者にとって第一級の研究資料」と言ってしまうのはどうなのだろうか?

-■3月になって余裕ができたこともあって、乃木坂にあるTOTOギャラリー・間でやっていた「TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三」を見てきました。この展覧会では、1952年の「広島平和会館原爆記念陳列館」のプロジェクト開始から1958年の「香川県庁舎」完成までの10年間に手がけた建築について、それらの建物を丹下健三自らが撮影したコンタクトシートが展示されていました。わたしはあまり建築について詳しくはないので、建物をこういう構図で撮るのか、といった視点ぐらいでしか見れませんでしたが、詳しい人にとっては建築途中のものがあったり、赤線でトリミングの指示が引かれていたりしてもっと興味深く見れたのではと思います。
しかも70点以上のコンタクトシートが展示され、ギャラリー自体も2つのフロアに分かれていて、コンタクトシートの写真を一つ一つ見ていたら、かなり時間がかかってしまって、昼休みにちょっと見るという感じではなかったです。

-■続けて、タカイシイギャラリーで5月2日までやっているやっているエルスケン写真展の「セーヌ左岸の恋」へ。タカイシイギャラリーはしょっちゅういている気がしますね。この展覧会では、、1956年に発表された写真集「セーヌ左岸の恋」からの作品15点が展示されています。正直に言って、写真集などでも見ているものが多いし、おっ!という驚きなどはないけれど、ちゃんとしたプリントで見るとコントラストがより際立って見えたり、いろいろ発見することがありますね。

■ところで、このエルスケンをはじめ、アジェ、ロベール・ドアノー、ブラッサイ、イジスなど、パリの街並みやそこで暮らす人びとを被写体にした写真家は多いけれど、ロンドンを同じような形で撮った写真家があまりいないのはなんででなんだろう、なんてことを、この写真展を見ながら思ってしまいました。パリに比べれば、ロンドンの街の被写体としての魅力は低いのかもしれないけれど、それでももっと撮っていてもいいのではないかと思う。
そもそもイギリス出身で有名な写真家もあまりいないですね。写真自体は60年代のファッション写真とか思い浮かぶけれど、写真家としてはあまりフォーカスされてないのが不思議。まぁ写真家だけでなく、画家とか映画監督も多くないような気がするので、お国柄なのだろうか、とかなんとか。

「我もまた渚を枕」-川本三郎-

■神奈川、千葉、埼玉など首都近郊のなんでもない町のなんでもない道を歩いて、古い町並みを楽しみ、地元の人が通う居酒屋でビールを飲むという一人旅をつづった本。小説や映画の一片と結びつけられ、広がって行くところがおもしろい。町歩きと言ってもその前の普段のインドアでの知識の蓄えと記憶力などが重要で、自分の中の引き出しに何も入っていなければ、風景から引き出せるものも限られてしまうのだなと思う。翻訳者による外国の紀行文がおもしろいのはそんなところにあるんだろう。
いつか実家に帰ったついでに、川本三郎でさえ場所がわかりにくかったと書いてあった抹香町や初音新地に行ってみたい。この本が出たのが2004年なので、それから10年以上達った今ではもっとわかりにくく、町の様子も変わってしまっているのだろうけど。単に小田原は隣の市なんだけど、子どものころから映画を見る時など平塚に出ることが多くて、あまり行ったことがないので、歩いてみたいという気持ちもあります。

-■気かつけば3月もおしまいで。3月は二宮や勝浦、そして札幌と遠出が続いていたので、なかなか新着本や雑記の更新もできないまま、4月に入ってしまいました。札幌は出張だったのですが、空いた時間などで、狸小路とかちょこちょこ歩き回ったりしましたが、事前知識もほとんどないので川本三郎さんのような街歩きにはならず。
しかも最初にアダノンキという古本屋さんの入っているビルのレコード屋さんに入ったら、300円くらいのシングル盤がたくさんあったので、そのままネットで調べつつレコード屋めぐりをしてしままうというあり様。カフェに入ってコーヒーを飲みながらスマートフォンで調べたら8軒くらい見つかったのですが、閉店しているぽかったり、場所が分からなかったりで、結局、催事に出ていたタケチャスレコーズも含めて4軒だけですけどね。どこも歌謡曲のシングル盤の量が多すぎて、時間的にあきらめたのがちょっともったいなかったかも。60年代のポップスやジャズのコーラスもの、イージーリスニングといった感じのものを15枚くらい買ったかな。楽しかったけれど、久しぶりにアナログ盤を買おうとすると、もうなに買っていいのかわからなくなります。特にアナログコレクターというわけではないので、基本的にはヒットした曲もしていない曲も含めて、60年代のポップスで絞ろうとは思ってるんですけど、なかなか。定期的にDJをやるわけではないのでネタ的なものは必要ないし‥‥

■ちなみにアダノンキはお店の中でビールが飲める古本屋さん。ちゃんとカウンターや席もあっていい雰囲気のお店でした。料理本などもたくさんあってちょっと買っちゃおうかと思っちゃったけど、旅先で本を買いだすとかなりかさばるんですよね。ビルの中にはほかにもカフェやギャラリー、雑貨屋などいろいろ入っていて、階段をぐるぐる回りながら上に行ったり下に行ったりしてしまいました。

■いい感じのビルといえば、ミンガスコーヒーの入っているビルも、ミンガスコーヒーのほかにワールドブックカフェやスープカレーのお店、北欧雑貨のピッコリーナ、and ordinaryなどオシャレなお店が入っていて、よかったです。ビル自体はそれほど大きくはないので、いちいち階段で上がったりしつつ、踊り場とか廊下とかを歩くという感じではないんですけどね。ミンガスコーヒーはレコードや雑誌がたくさん置いてあって、スピーカーからジャズっぽいボーカル曲が流れていて、カウンターの席も大きめでゆっくりできました。テラス席もあるみたいなので、晴れた日の朝に朝食を食べに行ったらいいかもしれません。

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-■さて、春になって暖かくなってきたということもあり、4月~5月はイベントに出ます。4月は12日、19日に小金井のクジラ山周辺で行われるはけのおいしい朝市。こちらはいつものはけ市のメンバーに加え、ホットベーグルやアジアンミール、たいやきや ゆい、七曜日‥‥など、たくさんのお店が出るので、桜の花は散ってしまっていると思いますが、クジラ山周辺は大賑わいになりそう。近くの武蔵野公園ではバーベキューもできるので、バーベキューやピクニックのついでにお店を歩き回ってもいいかもしれません。武蔵小金井の駅からちょっと遠いけれど、一日たっぷり遊べると思いますので、春の一日をクジラ山でのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか?カヌー犬ブックスでは、今回ちょっと広く場所を使えそうなので、絵本などをゆっくり読めるスペースなども作りたいなと思っています。

 「はけのおいしい朝市 in 武蔵野公園」
 日時:2015年4月12日(日)・19日(日) 両日ともに10:30 – 16:00 雨天中止
 会場:武蔵野公園 くじら山付近 (府中市多磨町2-24-1)
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