「我もまた渚を枕」-川本三郎-

■神奈川、千葉、埼玉など首都近郊のなんでもない町のなんでもない道を歩いて、古い町並みを楽しみ、地元の人が通う居酒屋でビールを飲むという一人旅をつづった本。小説や映画の一片と結びつけられ、広がって行くところがおもしろい。町歩きと言ってもその前の普段のインドアでの知識の蓄えと記憶力などが重要で、自分の中の引き出しに何も入っていなければ、風景から引き出せるものも限られてしまうのだなと思う。翻訳者による外国の紀行文がおもしろいのはそんなところにあるんだろう。
いつか実家に帰ったついでに、川本三郎でさえ場所がわかりにくかったと書いてあった抹香町や初音新地に行ってみたい。この本が出たのが2004年なので、それから10年以上達った今ではもっとわかりにくく、町の様子も変わってしまっているのだろうけど。単に小田原は隣の市なんだけど、子どものころから映画を見る時など平塚に出ることが多くて、あまり行ったことがないので、歩いてみたいという気持ちもあります。

-■気かつけば3月もおしまいで。3月は二宮や勝浦、そして札幌と遠出が続いていたので、なかなか新着本や雑記の更新もできないまま、4月に入ってしまいました。札幌は出張だったのですが、空いた時間などで、狸小路とかちょこちょこ歩き回ったりしましたが、事前知識もほとんどないので川本三郎さんのような街歩きにはならず。
しかも最初にアダノンキという古本屋さんの入っているビルのレコード屋さんに入ったら、300円くらいのシングル盤がたくさんあったので、そのままネットで調べつつレコード屋めぐりをしてしままうというあり様。カフェに入ってコーヒーを飲みながらスマートフォンで調べたら8軒くらい見つかったのですが、閉店しているぽかったり、場所が分からなかったりで、結局、催事に出ていたタケチャスレコーズも含めて4軒だけですけどね。どこも歌謡曲のシングル盤の量が多すぎて、時間的にあきらめたのがちょっともったいなかったかも。60年代のポップスやジャズのコーラスもの、イージーリスニングといった感じのものを15枚くらい買ったかな。楽しかったけれど、久しぶりにアナログ盤を買おうとすると、もうなに買っていいのかわからなくなります。特にアナログコレクターというわけではないので、基本的にはヒットした曲もしていない曲も含めて、60年代のポップスで絞ろうとは思ってるんですけど、なかなか。定期的にDJをやるわけではないのでネタ的なものは必要ないし‥‥

■ちなみにアダノンキはお店の中でビールが飲める古本屋さん。ちゃんとカウンターや席もあっていい雰囲気のお店でした。料理本などもたくさんあってちょっと買っちゃおうかと思っちゃったけど、旅先で本を買いだすとかなりかさばるんですよね。ビルの中にはほかにもカフェやギャラリー、雑貨屋などいろいろ入っていて、階段をぐるぐる回りながら上に行ったり下に行ったりしてしまいました。

■いい感じのビルといえば、ミンガスコーヒーの入っているビルも、ミンガスコーヒーのほかにワールドブックカフェやスープカレーのお店、北欧雑貨のピッコリーナ、and ordinaryなどオシャレなお店が入っていて、よかったです。ビル自体はそれほど大きくはないので、いちいち階段で上がったりしつつ、踊り場とか廊下とかを歩くという感じではないんですけどね。ミンガスコーヒーはレコードや雑誌がたくさん置いてあって、スピーカーからジャズっぽいボーカル曲が流れていて、カウンターの席も大きめでゆっくりできました。テラス席もあるみたいなので、晴れた日の朝に朝食を食べに行ったらいいかもしれません。

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-■さて、春になって暖かくなってきたということもあり、4月~5月はイベントに出ます。4月は12日、19日に小金井のクジラ山周辺で行われるはけのおいしい朝市。こちらはいつものはけ市のメンバーに加え、ホットベーグルやアジアンミール、たいやきや ゆい、七曜日‥‥など、たくさんのお店が出るので、桜の花は散ってしまっていると思いますが、クジラ山周辺は大賑わいになりそう。近くの武蔵野公園ではバーベキューもできるので、バーベキューやピクニックのついでにお店を歩き回ってもいいかもしれません。武蔵小金井の駅からちょっと遠いけれど、一日たっぷり遊べると思いますので、春の一日をクジラ山でのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか?カヌー犬ブックスでは、今回ちょっと広く場所を使えそうなので、絵本などをゆっくり読めるスペースなども作りたいなと思っています。

 「はけのおいしい朝市 in 武蔵野公園」
 日時:2015年4月12日(日)・19日(日) 両日ともに10:30 – 16:00 雨天中止
 会場:武蔵野公園 くじら山付近 (府中市多磨町2-24-1)
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