「私の東京地図」-佐多稲子-

以前、昔の東京の情景を描いた小説や随筆をよく読んでいたときに、リストアップされたままになっていた本。
戦前から戦中にかけての東京の情景が自身の回想を通して描かれています。佐多稲子は、戦前から戦中にかなり深くプロレタリア運動にのめり込んでいたらしいのですが、その活動についての記述は最小限にとどめられていて、あくまでもその時代に育った一人の女性から見た東京の風景が情緒的に描かれています。その辺のバックボーンをおさえた上でこの本を読むとまた違う風景が見えてくるのかもしれませんね。

ちょっと前になってしまいますが、ゴールデンウィーク明けに何年かぶりに風邪を引いてしまい、2日寝込んでしまいました。木曜の夜は9時くらいに寝て、金曜会社休んで、そのまま土曜日、日曜の午前中までずっと眠ってました。多分そのあいだ目を覚ましてたのは、トータルで4時間くらい?ちょこっと起きるたびに「もう寝れないだろう」と思うのですが、喉が痛みと寒気と頭痛のせいで起きてられず、ベッドに横になった途端に眠ってしまうという、いやそんなに寝れるなんて病気ってすごいな、なんて久しぶりだったせいもしみじみ思ってみたり‥‥。
結局、喉の痛みの方はその後もぜんぜん治まらず、ちゃんと治るまでに一週間ぐらいかかってしまいましたね。元喘息持ちとしてはいつまでも喉が痛くて、咳き込んでると、これがきっかけで喘息の発作が出たらどうしようかと、どきどきしてしまいます。もう10年以上でていないので、薬とかも常備しているわけではないし‥‥気をつかなくちゃねぇ~
ところで、4月に子どもが風邪をひいて、病院に連れて行ったときに知ったのですが、東京って大人でも気管支喘息医療費が無料になってるんですね。もちろん申請に際しては「喫煙者は禁煙すること(誓約書を提出)」というのが条件になってますが‥‥。

「ベスト・オブ・ドッキリチャンネル」-森茉莉-

「週刊新潮」に1979年から1985年にかけて連載されたテレビ評を、中野翠が精選して再編集したもの。全集だと8巻中2巻を占めるので、続けて読むとかなりお腹いっぱいという感じになりそうな気がします。というか森茉莉のものすごいファンというわけではないわたしにとっては、「ちょっとつき合ってられない」って感じになってしまいそうなので、このくらいの分量でちょうどいいかもしれません。
逆にわたしが、「山口瞳『男性自身』傑作選」を読みながら「なんで全部の連載を文庫で読めるようにしないのか!」と思ってしまうように、森茉莉のファンは、ベストで一冊にまとめるなんて邪道、みたいなことを思うのかも? それにしても「週刊新潮」なんて歯医者か床屋で見かけるくらいしかなくて、実際買って読んだことありませんが、わたしが中学生くらいに「週刊新潮」を読んでいたら、山口瞳と森茉莉の連載が楽しめたんだな、と思うと、すごい。中学生のわたしに山口瞳と森茉莉の両方を楽しむことができたか?という問題は抜きにして、ですが。

さて、気分的にはゴールデンウィーク最終日の日曜、福生に行って来ました。前に行ったのは1月の初めだったので、4か月ぶり。富士見ヶ丘に住んでいた頃は、年に一回、友好祭の時に行けるかどうかって感じだったので、ほんと行きやすくなりましたね。特に大きな目的はなかったのですが、前回、椅子を買ったときに、フジヤマファニチャーの店員が、春ぐらいになったらアメリカに買い付けに行くのでゴールデンウィーク明けくらいに新しい商品が入りますよ、といっていたのと、第二日曜にフリマをやっているので、暖かくなった分、たくさん出店しているいる人がいるのでは?という淡い期待をしつつ、青梅線直通快速に飛び乗ったわけです。
今回は大きな買い物はしなかったのですが、多肉植物を寄せ植えしたらいい感じになりそうなスパイスの缶や、グラスベイクのマグカップ、童話の本、漣くんの洋服など、久しぶりにフリマでいろいろ買ってしまいました。あと、名前などの文字や色、デザインを指定すると、その場で鉄板に書いてくれるお店が出ていたので、表札も作ってもらいました。

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「スーベニール・スノードーム―世界でいちばんかわいいおみやげ」-Apila編-

去年の11月に府中に引っ越してきてもう半年経とうとしているのに、まだ空けていない段ボールがいくつもあって部屋の一角を占めているという状態が続いてます。段ボールに入ったままなのは、普段は使っていなくて、でもいつか使おうと思っていたり、捨てるにはもったいない食器類、アナログ盤、スマーフなどのおもちゃ、そしてスノードーム。
特にスノードームは前の部屋に引っ越してきたときも全部は出していなくて、気に入ったものだけリビングに並べていて、半分以上はエアパッキンに包んだままでした。それでいつかの大掃除の時に、並べてあるスノードームの埃を拭いていたら、全部蒸発してしまってまったく水が入っていないものがあったりして、かなりがっかりした経験があるので、今回、どれを出して並べるか、まだ悩んでいたりします(そもそもどこに?という難題もありますが‥‥)。

この本でも、日本でスノードームがおみやげ物として人気がなくなってしまったのは、
 ・時間が経つにつれて水が汚れてしまうので店に置きづらい。
 ・ペイントミスや気泡といったスノードームにつきもののエラーに対するクレームが多い。
日本人は完璧な製品を求めるという理由が挙げられています。

スノードームを集めるにしたがって、スノードームに完璧なものなどない、という割り切りができてきたわたしでも、水が全部なくなってしまうと思うとちょっと考えてしまいます。でも、逆にいつまでも取っておけるものでないからこそ、箱から出して眺めていたいという気持ちにもなるんですけどね。

「野上弥生子短篇集」-野上弥生子-

ゴールデンウィークに入って天気がよい日が続いているので、一日中、トロージャンのボックスセットを家で流してます。5、6年くらい前、スカ~ロックステディ、ダブ、ラバーズにかなりはまっていて、これからの人生、ジャマイカの音楽とソウルだけを聴いて過ごすのもいいかも、なんてことをちょっと思ったりしたものですが、それ以来あんまり聴いてなくって、かなり久々。最近はエレクロトニカとか電子音楽ばかり聴いていたので、演奏者の顔が見えるような、ごつごつした演奏が新鮮です。
ただ、レゲエ関連の音源って、CDの再発よりもアナログ盤の再発が充実しているので、アナログ盤しか買っていなかったんですよ。だからトロージャンのボックスセットも「Calypso」と「Ska Rarities」「Sunshine Reggae」の3組しか持ってません。デタミネーションとかスカフレイムス、初期のリトルテンポなど日本のスカバンドのCDは、何枚かあるんですけどねぇ。これから夏に向けて、中古屋でトロージャンのボックスセット見つけたら買っておこう、という感じですかね。
ほんとはコンピじゃなくてきちんと集めたいとは思うけれど、アナログで持っているものもあるのに、いちからCDで集め直す気力もないし、当分の間、アナログ盤でじっくりと音楽を聴くなんていう環境でもなさそうなので、まぁしかたない。

ところでわたし自身は「夏=ジャマイカの音楽」というイメージもあんまりなくて、季節よりも「晴れの日の音楽」という感じですが、「夏=ジャマイカの音楽(レゲエ)」というイメージは、いつ誰が言い始めて、浸透していったのかちょっと気になってます。そもそも、中南米の音楽のほとんどが「夏」と結びつけられているような気がするし、確かに暑い国の音楽なのかもしれないけれど、どうも売らんとする戦略、洗脳が見え隠れするような気がしてしまうのでは、わたしがひねくれているだけでしょうか。でも夏をテーマにした曲を集めたコンピがトロージャンから出るくらいなので、「夏=ジャマイカの音楽」は日本だけのものではないんだろうな~。
あと、ついでに書くと、ジャマイカの音楽=レゲエ、レゲエ=ルーツロックレゲエ+ダンスホールみたいなイメージになってしまっているので、それ以外のジャマイカの音楽が好きなわたしとしてはちょっと困るなあ、と。いや、そんなに困ってもいないんですけどね。なんとなく‥‥ね。