「松前の風」-稲垣達郎-

■早稲田の教授で日本の近代文学の研究をしていた人。「角鹿の蟹」に続く随筆集として生前出す予定だったらしい。収録されている多くは、窪田空穂、森鴎外、夏目漱石、正宗白鳥といった作家について書かれたもので、同じく早稲田の教授といって思い出す岩本素白の随筆と違い文学に沿った随筆が中心になっている。しかも読んだことのない、もしくは初めて知る作家も多くて難しい‥‥素白先生も私が読んでないだけで学術的なものもありますけどね。

■子どもたちが長崎に帰っている間に、ブライアン・ウィルソンの「ラブ&マーシー」を観てきました。達郎のライブ映画と友だちの波多野くんが撮った「TRAIL」に続き、この6年で3本目。2年に一本くらいのペースですねw。ブライアンがツアーに参加しなくなってから「ペットサウンズ」~「スマイル」を製作する60年代と、ユージン・ランディの治療下にあった80年代後半は交互に描写される。
-基本的には知ってるエピソードが描かれているので、ある程度、ブライアン・ウィルソンを知っている人であれば違和感はないだろうけど、知らない人がどう感じるのかちょっと知りたい感じ。やっぱり60年代の描写が良くて、特にレコーディング風景は鳥肌が立つくらいでした。ブライアン・ウィルソンが一人一人演奏者に口で説明しているのが、いっせいに演奏された時に、一つのサウンドになる快感がすごい。一方で今のブライアン・ウィルソンの活動の充実ぶりを見ていると、「ペットサウンズ」~「スマイル」を振り返るのは、もうこれで終わりにしたいと思う。そして80年代は今のブライアン・ウィルソンに続くためのエピローグという気もしないでもないです。わたしとしては高校の時に1stソロを聴いて、それだけで感動した頃を思い出しました。

-■8月の終わりは調布の京王多摩川アンジェにてイン・ザ・パシフィック恒例のバーベキュー。とわたしが思っているだけで、今年はインパシのメンバーはタクミくんだけでしたが。バーベキューと言うよりも野外の焼き肉パーティといった感じですが、普段、夜にしか会わない人たちでのバーベキューはこのくらいがちょうどいい。飲み放題だしだいたい飲んでばかりだしね。で、いつものようにバーベキューが終わったあと、4時くらいから調布で飲み始めて、解散したのは9時。子どもたちを連れての飲みで飲み過ぎました。帰ってからシャワー浴びさせて寝かしつけをしたのはなんとなく覚えているのですが、目が覚めたら明け方でした。
で、当然飲みながら音楽の話になるわけですが、ブライアン・ウィルソンの話になったとたん、「じゃ君たちはスマイルを何枚持ってるのか?」みたいな話になって、これだからマニアってねぇ‥‥