「酒場の文化史」-海野弘一-

■原始人の洞窟(!)を起源とし、宿屋、イン、パブ、キャバレー、カフェ、ギャンゲット、ジャズ・クラブ‥‥と変化してきた20世紀初めまでのヨーロッパにおける酒場の通史を解説した本。チョーサー、シェイクスピア、ディケンズ、バルザック、シムノンなど同時代の文学や絵画を取り上げ、その中でどのように酒場が描かれていたのかについても紹介することで、当時の酒場の様子を具体的に浮かびあがらせているところが秀逸。
それにしてもヨーロッパのナイトライフの歴史が古く根付いていることに気づかされ、日本でクラブ規制とか言っている状況が違うのだな、と思う。同じような形式で日本の酒場についてに書かれた本も読んでみたい。日本酒自体の歴史は古そうだけれど酒場というと意外と歴史は浅そう。というか、旅の途中とかではなく普段の生活での外食という文化が、どのくらい前から始まっていたのかも気になる。

-■武蔵小金井に引越してきて、当然のことながら西東京の街によく行くようになったわけですが、中でも福生に行けるようになったのがうれしくて、引っ越したばかりの頃は、毎月第2週の日曜に行われているフリーマーケットにあわせてよく行ってました。青梅行きの電車にうまく乗れれば30分で行けてしまうので、新宿に出るのと変わらない。当時は第1週ははけのおいしい朝市、第2週は福生、第3週はニチニチ日曜市という感じで日曜日を過ごしていたような気がします。
と言っても、そんなに歩き回れるわけではないので、たいていはフリーマーケットを見て、16号沿いのお店をちょっとのぞいて、デモデヘヴンでご飯を食べて帰る、とわりと決まったコースになってしまってる。久しぶりに行ってみた日曜も漣くんが途中で歩くのを嫌がったりして、同じコースでした。たまにはいつもは行かない道を歩いてみたいけど、16号沿い以外はお店が密集しているわけではないので、難しい。さすがに子どもが米軍ハウスを見て楽しむってわけにもにはいかないものね。
フリマのほうは、ちょっとずつ出店者も減ってきて寂しくなっているようなのが気になります。季節的な要因なのだろうか?今回はそういう出店者がいなかったせいか、16号沿いにクラッシックカーがずらりと並ぶということもなかったしね。
しかし去年から友好祭がなくなってしまったのが寂しい。ようやく子どもたちも飛行機とか見て楽しめるようになったのに‥‥

-■4月に入ってからなんとなく慌ただしくてゆっくり昼休みをとれなかったので、タカイシイギャラリーでやっていたアーヴィング・ペンの「Cigarettes」展にようやく行けました。19日までなのでぎりぎり。
大判のカメラを用いて撮影し、プラチナ・パラディウム・プリントという白金を用いた印画技法でプリントされた煙草の吸殻の写真が16点展示されています。煙草の紙のしわやシミ、汚れ、細かな灰や煙草の葉がはっきりとしていて、ただの吸殻でしかないのに、つい見入ってしまいました。でも、煙草嫌いの人には耐えられない写真展かもしれません。どんなカメラでどんな風に撮影しているのか気になりますね。

■ついでに3月15日にオープンしたというIMA CONCEPT STOREものぞいてみた。ギャラリー、ブックストア、カフェがゆったりとした空間に共存しているお店。あんまり時間がなくてゆっくり見れなかったけれど、4月27日から川内倫子×テリ・ワイフェンバック「Gift」展もあるらしいので、そのときにまた来ることにする。まぁ全体的にはなんかいかにも六本木って感じではあるので、ここでお茶するのはちょっと恥ずかしい

-■今、IMA CONCEPT STOREで行われているのはJason Evans、Charlotte Dumas、Marten Lange、Cristina De Middel、Inka Lindergard and Niclas Holmstrom、Nerhol、西野壮平、Ed Panar、題府基之、Luke Stephenson、Clare Strand、Scheltens & Abbenesという写真家12名によるグループ展。まったく知らない人ばかりですが、なんとなくポスターの写真にひかれて見てみました。この写真はJason Evansというイギリスの写真家の作品。ほかの写真も日常のささやかな風景の写真に丸いシールがはってあるというものでした。ぼんやりと雰囲気が似ているいくつかのセレクトショップや雑貨屋を思い浮かべてしまったけれど、なんというお店か忘れた。
後で調べてみたらレディオ・ヘッドをはじめフォー・テット、フランツ・フェルディナンド、クラクソンズ、オウテカなどのCDジャケット撮影など音楽関連プロジェクトを中心に活動しているようです。最近の音楽を全然チェックしていないので、ジャケットが思い浮かぶのはフォー・テットくらい。いや、フォー・テットのジャケットいつもいいなぁと思ってたんで、それが分かっただけでも、ついでにこの展覧会を見てよかった。

■毎月第三水曜日はエッジエンドで毎月第三水曜日にやってるイン・ザ・ファシフィックへ。85回目だそうだ。単純に12で割ると7年、その前、メンバーはだいたい同じでイベント名が違う頃から遊びに行ってるので、もう10年以上通っていることになる。気軽に行けることも大きいけど、そんなに長い間、通い続けているイベントなんてない。
今回のゲストDJは“A LOVE SONG”というイベントを主催しているミナトさん。9時半くらいにエッジエンドに着いたら、ちょうどミナトさんがDJをやっていて、歌謡曲を中心にリズムのはっきりしたイージーリスニングぽい曲をうまく組み合わせた選曲がよかった。もう少し早く行って最初から聴きたかった。Union Singing Stringsの「ABC」最高~!“A LOVE SONG”も機会を作って行きたいと思ってますー