◆「関田孝将 スプーンからお店まで」@circle gallery & books
■この本、完全に飛ばしてました。「身辺雑記」「小説や作家の話」「旅行や長崎、東京について」と大まかに3つのテーマに分けた作品を収録した随筆集。ソ連からヨーロッパを旅してトルストイなどの作家たちのお墓に行く話や、堀辰雄、広津和郎、壺井栄、土門拳といった友人についてつづったものがなんとなく印象深いかな。三月書房の本は小さいけれどわりと中身は多いので、こうやって章を分けて収録されていると気分が変わって読みやすい。大げさに言えば3冊読んだ気分。
■連休二日目は、谷保にあるcircle gallery & booksでやっている「関田孝将 スプーンからお店まで」を見に行ってきました。関田くんは金属を中心にさまざまな素材や技術を使って、キッチン用具・照明器具・家具・店舗の看板などを作っている造形作家。独特の世界を持ちつつ、でも抽象的なものへは向かわずに、自分たちが日常で欲しいもの、そして使えるものを制作し続けているところがすごいと思う。
circle gallery & booksの内装の多くも関田くんが手がけていて、本棚や階段の手すりなども展示されているものとあわせてじっくり見ると、蔵全体(circle gallery & booksはもとは蔵だったところを改装して利用しているのです)が関田くんの作品みたいな気分になってより楽しめます。ということもあり、今までもいくつかの場所で関田くんの作品を見たけれど、ここでの展示が一番なじんでいたように思えます。
■この個展の「スプーンからお店まで」のお店のほうにあたる(?)「ラマパコス」というお店がオープンしました。場所は、谷保駅から歩いて5分くらいのところでcircle gallery & booksからも近いです。関田くんと小沢利佳さんの住居を自分たちで改装したお店でギャラリー的な感じになるそう。わたしたちが行ったときは関田くんや写真家の利佳さんの作品、東欧で見つけてきた雑貨などが店内に置かれていました。天気もよかったし、ガラス戸を開け放して開放感のある空間でいい雰囲気。これからどんなものがお店に置かれていくのだろうとか、どんな作品が展示されるのだろうと思うと楽しみです。
ちなみに「ラマパコス」という名前は、以前、石田倉庫のアートな二日間などに出店していたカレー屋さんの名前だったので、お店に行くまではカレー屋さんと思ってました。お店に行ったら席などもないし、関田くんたちは、先に来ていた友だちとのんびりと話しているし、「幸田さん、ワイン飲む?」とか言いつつワインやジュースを入れてくれるし、最初の1分くらいは頭の中を「?」が渦巻いてました。同じように考えていた人もいたらしく、お店に入るなり「えーカレーないの?」と言われていたりしていました。
■2009年から続いていたNHK FMの「元春レイディオ・ショー」が先週で終了。2000年代に入ってからの毎回聞いていたわけでもなく、放送時間に家にいて作業を行っているときにときどき聞くくらいでしたが、80年代の「元春レイディオ・ショー」を聞いていた身としては終わってしまうのは寂しい。去年は小西康陽の「これからの人生。」が終わったし、3月はいろいろ終わる季節。そういう中で20年以上続いている「サンデーソングブック」はすごい。
ちなみにジングルになっているマリ・ウィルソンのレコードは、伊藤銀次が貸したものらしい。これいいから聴いてみなよってレコード貸したらぜんぜん返してくれなくて、しばらくしたら番組のジングルとして使われてた、と伊藤銀次が話してました。
■毎回参加させていただいている東京蚤の市のちらしが届きました。今年はいつもより1週間早い5月17日、18日の二日間になります。今回は北欧市も同時開催されるようです。またきちんと告知しますが、今から予定を空けておいてくださいねー