「素湯のような話」-岩本素白-

◆スプンフルさんとシャトー2Fさん
素白先生の随筆は、いろんなものが沈殿した水槽の上のきれいなところをていねいにつづりつつ、時折深いところが見え隠れする感じが好き。「酒は飲まず煙草は吸わず、碁も打たず将棋も指さず、謡も謡わず茶も立てぬ、世間的に云えば無趣味極まる男である。暇さえ有れば独り杖を曳いて気侭に歩くだけの事である」とはいうものの、自分の好きなものに対するこだわりは徹底しているし、専門分野の探究に関してもストイックというか厳しい考え方を持っていることが、そこかしこでうかがえます。そしてものすごく記憶力がいい。その深く広い知識と過去の記憶を軽やかに行き来し、それが無理なく表現されているという随筆がおもしろくないわけがない。

ところでカヌー犬ブックスでは、家の近くにあるスプンフルと武蔵小金井の駅の近く(でもない?)にあるシャトー2Fというカフェに本を置かせてもらっています。

-スプンフルさんには、去年の2月くらいからイベントで使っている四角いボックスを3つ分ほど本を置いていて、ボックスごとにちょっとしたテーマを決めて本を持っていっています。気持ちとしては、毎週、1つのボックス分の本を毎週入れ替えていこうと思っているのですが、最近は2週間に一回ぐらいになってしまっている感じですね。
ちなみに今週のテーマは「紙」。包装紙や封筒などのかわいい紙を紹介した本から切手、ぽち袋、フリーペーパー、ダンボールで作る子どもが遊べる家具の作り方などを紹介した本を置いています。

たいてい、土曜日に漣くんを幼稚園に送った後、迎えに行くまでの間に、本と暁くんを台車に乗せてスプンフルさんに行き、ついでにコーヒーを飲んだりスコーンやマフィンを食べながら、お店の人と話したり、スプンフルある丸太ストアの中で暁くんを遊ばせたりしながら本を入れ替えています。
スコーンもマフィンもおいしいのですが、わたしが好きなのはクッキーですかね。ちょっとやわらかめのクッキーに大き目のチョコなどが入っていて、ときどき家で食べるように持ち帰ったりしています。もちろんカレーやキッシュ、クスクスなどごはんメニューもおすすめ。それから夏になるとソーダやチャイ、スムージーなどいろいろな種類のドリンクがあるのもうれしい。

丸太ストアは、スプンフル以外にはお惣菜屋、お肉屋、魚屋があります。古い建物の中に昔からあるような小さな商店が集まっていて、お店の人も親切で温かくて、いい雰囲気。そして魚もお肉もここで買ったものを食べたらスーパーで買ったものが食べられなくなるくらいおいしいのです。うちは駅から離れていて周りは住宅街(?)とちょっと離れて大きな公園があるようなところなんで、近くにこういうお店があるのはほんとにうれしいです。

シャトー2Fのほうは、去年の12月から60cmくらいの本棚に本を置かせていただいています。こちらも月一くらいで本の入れ替えを行えればと思ってはじめたのですが、なかなか行区ことができない状態になっています(申しわけありません。)。始めたばかりなので特にテーマは決めてませんが、これから続けるにしたがって置く本の傾向を決めていければと思っています。カフェの置くにはキッズルームもあるので、半分くらい絵本を置いてもいいかな、とかね。

シャトー2Fも武蔵小金井に昔からあるシャトー小金井というちょっと大き目の建物の2階にあるギャラリーも併設したカフェ。カフェのメニューは漣くんと同じ幼稚園に通うお母さんが担当していて、幼稚園やはけのおいしい朝市のメンバーが集まったりしています。店内も広くゆったりしているのでキッズルームで子どもを遊ばせながらごはんを食べたり、本を手にとってもらえればと思っています。

ちなみにシャトー小金井にはほかにスポーツクラブや居酒屋、バー、などもあり、初めて行ったときはなんか不思議な建物だなぁと思いました。今では遅く帰ったときなどときどきその中の居酒屋で一人で飲んで帰ったりしてますけどね。

 →tiny little hideout SPOONFUL
 →KOGANEI ART SPOT シャトー2F