「日々の100」-松浦弥太郎-

◆石田倉庫のアートな2日間といろいろなライフスタイル

松浦弥太郎が書く文章は昔から好きだし、カウブックスも、今は行けないけど、中目黒や表参道に行ったときはたいてい寄っていたし、編集長になってからの「暮しの手帖」もいいと思うけれど、最近になって出ている自己啓発本ぽい本はどうなんだろうってちょっと思ってしまってます。前から本のことを書いていても、実は本の内容よりもどちらかというと自身の経験やライフスタイル、考えを語るということが多かったので、もしかしたら自然な流れと言えるのかもしれませんが、それを前面に出してしまうのはねぇ。あくまでも本や作家などを紹介しているという体裁の中で語られているというのがよかったと思うのです。
ましてや、これは単なる偏見だけど自己啓発本っていまを切り売りしてるイメージがあるので、そういった本を古本屋が書くってことに何となく違和感があります(読んでないのでどんな内容なのかあんまり知らないけど)。

これは、文房具や食器、衣類、食べもの‥‥など、松浦弥太郎の暮らしの宝物と呼べる「もの」についてつづった本。普通に買えるものよりもどこかの朝市で見つけたものや、出会った人にもらったり勧められたりしたものが多く取り上げられています。ということもあって、取り上げたものその自体を語るというよりも、やはり自身の体験や考えが多くつづられているのは変わらないけれど、やはり「もの」が前面になっていて、その背景として語られているのがいい。
「もの」についてつづっていて、しかも自分でその写真を撮っているという点で、つい岡本仁さんの「今日の買い物。」と比べてしまいますが、なんとなく雰囲気は似ているようで、でもちょっと違うと思ってしまうところが随所に感じられて興味深かったです。
どちらも、この人たちみたいなライフスタイルの生活はおくれないなぁ、なんてことを思わされてしまうところは同じですが(笑)

-11月24日に立川の石田倉庫で行われていた「石田倉庫のアートな2日間」に行ってきました。普段、石田倉庫をアトリエとして利用している造形家・家具工房・陶芸家・金属工芸家たちが、製作しているものやその制作方法・過程が分かるようなものの展示があったり、子供でも参加できるようなワークショップがあったり、そして食べものや飲みもののお店が出ていたりと大人の文化祭といった感じ。細い階段を登ったりしてちょっとかわった形の倉庫の中を歩き回っているだけでもワクワクします。
食べものもmarumiyaやラマパコス、お菓子工房くろねこ軒、焼き鳥 たかといったお店が出店しており、晴天の下でビールと飲みながらラマパコスのカレーを食べたり、ひと通り見た後でおやつにお菓子を食べたりと、絵に描いたような秋の休日でした。

漣くんも、壁に描かれている森に、自分の描いた葉っぱなどを貼り付けていくワークショップや、枠に毛糸を通して額のようにしたプラ版に絵を描くというワークショップなど、いろいろ参加できるようになってきて去年よりも楽しんだよう。

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石田倉庫は、前に一緒にイベントを行った金属工芸家関田くんがアトリエとして借りていて、それがきっかけでこのイベントも知ったのですが、関田くんやこの日カレーのお店を出していたラマパコスのみんなを見ているとほんとに自由で純粋に毎日の生活を楽しんでいる感じですごいなぁと思う。自分に必要なものとか欲しいものはどんどん自分で作っちゃうし、家もどんどん自分が住みやすいように自分でリフォームしてったりしちゃうしね。

しかしこれが終わった後のメンバーの打ち上げとか楽しそうだな~