「写真の時代」-富岡多恵子-

◆今世紀、初めてのドライブ
実を言うと今まで富岡多恵子の本を読んだこともない。それでもこの本を読んでみようと思ったのは、年末に、写真についての本を読もうと思った時に思い浮かんだのが、写真の評論家ではない人が写真について書いた本、もしくは写真家自身の本だったから。いや、単に評論家が書いた本も含めて調べていたらきりがなくなってしまった、ってだけですけどね。

1976年6月から1978年5月にかけて『カメラ毎日』という雑誌に連載されていた写真についての時評をまとめた本。富岡多恵子自身がもともと写真に興味があったり、趣味で写真を撮っていたりするわけでもなさそうだし、ここで取り上げられている写真集も編集部の人が、毎月何冊か持ってきたものから選んでて、特に毎回美術館やギャラリーに足を運んだりということはないようです。それにもかかわらず、写真に関して展開している内容は的確かつ明快だし、時評というわけには今の時代にも当てはまる内容が多いし、随所にひっかかる言葉があっておもしろかったです。

1つ、「JPS編『日本現代写真史』を見て」で「21世紀に編まれる「現代写真史」は万葉集のように天皇から防人までの写真を収録しなくてはならないのではないか」と言及されているのだけれど、30年後にフィルムからデジタルに移行することによって、カメラや写真がより手軽なものになり、毎日すごい量の写真が撮られかつ共有されていることによって、写真の万葉集のようなサイトがいくつもできてしまっているという今の状況の異常さを何となく感じたりしました(まあわたしも食べたごはんとかアップしてますけどね)。

-土曜日は、近くの安いレンタカーで車を借りて練習がてら福生まで行ってきました。もともと車でどこかに行くという習憤がないので、実際にどこに行こうか考えるとぜんぜん思い浮かばないし、11時くらいにうちを出て5時くらいに帰ってくるとして、どこまで行けるのかもわからいというあり様。まあ主の目的は運転の練習なのでどこでもいいんですけど。去年、暁くんが生まれる前にひとりになったときに、ペーパードライバー講習を受けて、12年ぷりに車を運転したのだけれど、その後、結局運転する機会もなく気がついたらそれから4か月が経ってしまいましたからね。当分は車を買う予定もなかったりするので、これからは意識して定期的にどこかに行かなくては。

-で、どこに行ったかと言えば、電車で行くにはちょっと面倒な立川にあるゼルコバという天然酵母のパン屋さんだったり、そのまま福生の町中を走ってみたりって感じで特にどこに行くわけでもなにをするわけでもなく一日が過ぎてしまいました。
ゼルコバには、12時くらいに着いたのですが、お店の中はすでに満席になってしまっていてパンもかなり売れてしまっていたようです。そんなわけで外のテラス席でピーナツクリームのサンドやチーズのパンを食べて、週末め朝ごはん用に山型のレーズンパンやラムカランツとくるみのプチなどを購入。でも土曜日は暖かったし庭の雰囲気もよくて、むしろ外で食べたほうが気持ちいいくらいで、長居したくなる感じでした。ただ駐車場もあんまりなくて(多分)隣の鈴木農園の庭先に車を止めているような状況だったので、なんとなく早めに切り上げなくては、みたいに気分になってしまいましたけど‥‥。結果的にはそのあとどこかに寄ってお茶したくなるような場所もなかったので、もっといろいろ食べてゆつくりすればよかったです。
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あとは福生の町を走り回りつつ、ちょこちょこ寄り道をしながら帰宅。いつもは福生も拝島、牛浜、福生の駅から16号の間くらいしか歩きまわれないんですけど、ちょっと車を走らせると、まだハウスがいくつか集まっているところが残っていたり、知らないお店が見えたりして新たな発見がありました。車でしか行きにくいようなお店がたくさんあるんだろうなと思うので、次回はもっときちんと調べてから遊びに行きたいですね。ちなみに福生を走っているときの車内ではiPhoneで南佳孝の「SILK SCREEN」をかけまくってました。