◆横尾忠則、公開制作@府中市美術館
安住敦は逓信省に勤めながら久保田万太郎らと俳句雑誌「春燈」を主宰したりしていた俳人。この本はその「春燈」の編集後記をまとめたもので、タイトルのとおり1月から始まり12月で終わるという構成で日々のできことや交友のある人々についてなどがつづられています。
また収録順を再構成するにあたって、年代よりも取り上げられている内容を重視しているため、1950年代に書かれた文章と同じ題材を取り上げた1960年代のものが並んでいたりします。大げさに言うと元気だった人が次の文章で亡くなっていたりすることもあり、最初はちょっと違和感がありましたが、読み進めて行くうちに意外とこの流れのほうが一年を感じられてよいという気になってきます。
府中市の広報を見ていたら、府中市美術館の公開制作室で12月10日から横尾忠則の公開制作が行われているとのことだったので、さっそく行ってきました。
1時からのスタートだったのですが、出遅れてしまって美術館に着いたのは2時半くらい。平日にもかかわらず、制作室の前は人だかりで、絵のほうもかなり進んでいる様子。もちろん特に解説とかなく、横尾忠則がひたすら絵を進めて行くという感じなのですが、1回目ということもあり、大きなキャンバスにどんどん絵が広がっていく感じがおもしろい。実際、筆が進み過ぎて、3時くらいには終了して質問タイムみたいな感じになってしまったのですが、このあとどういう風に作品が出来上がっていくのか続けて見てみたくなりますね。ちなみにこの後の公開日は、20日、22日、23日。さすがに平日はもう行けないけれど、23日とかまた行ってみようかな、なんて思ってます。
府中市美術館では今、「石子順造的世界一美術発・マンガ経由・キッチュ行」という展覧会もやっていて、石子順造が評論の対象したマンガや演劇、芸能、具体的にはつげ義春の「ねじ式」原画全一話分が公開されていたり、水木しげる、林静一、赤瀬川原平などの作品(?)が紹介されているみたいでかなり気になってます。まぁ現実的には漣くんを連れて美術館には入れないので難しいかな。図録だけでも買っておきたいかな。この図録がちょっとヴァラエティブック的な要素もあって、これで2000円は安いかも!?という感じなのです。
しかしそんなわけで今、府中市美術館のミュージアムショッブは、横尾忠則・石子順造関連の書籍やグッズがたくさん並んでいて、いつもと違う雰囲気になっておりますヨ。