「電子音楽InThe(Lost)World」-田中雄二-

◆テクノポップの誘惑
電子音楽をちゃんと聴いてみようと思ったのは、ヤン富田の「フォーエバー・ヤン」を読んだのがきっかけでした。あと今は削除されてしまっているので確認できないんですけど、佐々木敦氏が電子音楽についてかなり詳しく書いたものをウェブに上げていて、一時期その2つを何度も熟読してました。
でもさすがにこれらの文章で紹介されているようなレコードを手に入れることは難しくて、もっと手軽に手にはいるような電子音楽のディスクガイドを捜しているときに知ったのがこの本でした。それから何年も経ってしまっているけれど、ようやく手に入れてちゃんと読んでみると、ここで紹介されているレコードを捜すのもけっこう難しそうですね。そもそもCD化されている絶対数が少ないですし‥‥。

それよりもこの本の後半で取り上げられている1970年代から1980年代にかけての日本のテクノポップのレコードが懐かしすぎてかなりやばい。わたしは今でも割と幅広い年代の音楽を聴いている方だと思うんですけど、1980年代の音楽(大瀧詠一や山下達郎など一部を除いて、特に日本の音楽)は、なんとなく恥ずかしくなってしまってもうずっと聴いてなかったのです。
そんなわけで中学・高校時代に聴いていたものや、当時、雑誌で読んでいたグループぐらいしか知らないので、実際のところはそんなに詳しくはないんですけど、プラスチックスとかShi-Shonen、ジューシーフルーツ、鈴木さえ子、P-MODEL、チャクラ、ポータブルロック、サロンミュージック、フィルムス‥‥など、ジャケット見ているだけで懐かしい気分になってしまい、改めてCDを買ってみようかな、という誘惑に勝てません。ついでにテクノポップじゃない1980年代の音楽も聴いてみようかな、とか考え出したりして、どうしたものかと。いやいやそういうCDを買うためにこの本を買ったわけではなんですけどね。
それでなくてもツイッターで名前が出ていたせいで10年以上ぶりに伊藤銀次なんて聴いみたりしてるというのに‥‥。