久しぶりに旧字体の本を読むと、すっかり忘れていてスムーズに読み進めることができない。つくづく記憶力がないことに気づかされます。文章自体はくせがなくて読みやすいので、何とか読めるけれど、定期的に読むようにしないと、吉田健一とか読めなくなってしまいそう。
9時過ぎに買取の荷物が届いて起こされたのはいいけれど、もう一回寝ると昼まで寝てしまいそうだし、かといって外は雨なのでなんにもできず、テレビを見ながらだらだらとしていたら、行定勲が「ロックンロールミシン」について語るという番組が放送されていた。わたしは過去の行定勲の作品を見たこともないし、「ロックンロールミシン」にも、ましてや「クローズド・ノート」とか「世界の中心で、愛をさけぶ」とかまったく興味がないのだけれど、なんとなくそのままつけっぱなしにして、届いた本のチェックをしていたら、主人公たちが住んでいたアパートのロケ先が、前にわたしが勤めていた会社の目の前にあった建物だったので、思わず見入ってしまった。
壁一面が草に覆われている古いアパートで、夏になると緑色の葉っぱが、もりもりと生い茂り、冬になると枯れて一面が茶色になってしまうため、ガチャピン・ムックと呼んでいた建物で、よくベランダでたばこをすいながら眺めてたのを思い出す(ときどきビール飲んだり‥‥)。映画では逆に、アパートから周りを眺めているという映像の片隅に、会社の建物やベランダが映ったりして、なつかしい。いや、会社やめてからも、ときどきその辺を歩いたりしているので、それほどなつかしくもないんですけど‥‥。でも、映画が公開されたのが2002年、撮影されたのは2001年くらいとすると、まだその会社に勤めていた頃の風景なわけで‥‥。
そう考えると、あのアパートでなんか撮影っぽいことをしていた記憶があるような、ないような。場所的には高級住宅街の真ん中なので、よく有名人が歩いていたり、ロケが行われていたりしたし、池内博之、りょう、加瀬亮といった人たちにも興味なかったしね。一度こっそり中に入ってみようと思いつつもその機会がなく、会社を辞めてしまったので、建物の中や屋上がこんな風だったのかなどと、今さらながら知ることができて、またあの辺を散歩してみたくなったりして‥‥。