「落穂拾ひ・聖アンデルセン」-小山清-

小山清の作品を読んでいると、主人公(≠小山清)がものすごい不幸な目に合わされるのでは、あるいは、誰かにだまされて嫌な目に合ってしまうのではないかと思ってしまって、なんだかどきどきしたり、はらはらしたりしてしまう。実際に小説で描かれている主人公は、貧しく、孤独ではあるけれど、どちらかといえば気楽なイメージさえが漂っているというのに。
小山清の人生は、悲運と不遇の繰り返しで、作品の大部分が自らの生い立ち、日常生活や体験を題材とした「私小説」なのだけれど、そういう「戦前の文学青年窶れをしたものの典型」としてだけでなく、その中にそっとつづられる「誰かに贈物をするやうな心で書けたらなあ」といった言葉が、読み手に素直に響いてくるところに、小山清の純粋さや本質があるような気がします。いや、そういうところも含めて「戦前の文学青年窶れをしたものの典型」と言えるのかもしれないけれど‥‥。

ここ何年かは、昔のように雑誌に載っているようなカフェを回ったりすることが、さすがになくなったけれど、前にちょっと書いたDADA CAFEやmois cafe、ロバロバカフェに行った帰りに寄ったcura、阿佐ヶ谷にあるカルカッタ・カフェ、井の頭公園の近くにあるマンションの一室を改装したRoom-1022と、このところ、行ったことのないカフェに初めて行くことが多い。
土曜日に行ったカルカッタ・カフェは、前に勤めていた会社で、一緒に働いていた人がやっている「インド風ゆるいかふぇ~」。会社を辞めることが決まってから派遣で入ってきた人なので、実際は1カ月くらいしか一緒に働かなかったのですが、近くに住んでいることもあって、お互いに会社を辞めてからも、吉祥寺や西荻で偶然に会うことがあります。カルカッタ・カフェのことも、去年の3月、三越のウッドデッキで行われていた吉祥寺おもちゃ市場で偶然に会って、いい物件が決まりそうなので、近いうちにカフェを始めるということを聞いたんだったと思う。そのあと何かの雑誌に載っているのを立ち読みしたりして、開店当時から行きたいな、と思っていたのだけれど、近いわりにはなかなか阿佐ヶ谷に行く機会もなく、年が明けてしまいました。
メニューはカレーやチャイなど、インド風なのだけれど、お店の感じはインド風というわけではなく、とてもきれいなので、インド好きというわけではない人でも違和感なく入れると思います。カレーも思っていたよりも辛くなくて、いろいろな具がたくさん煮込まれて入っいておいしかった。普段は行かないような住宅街の方にあるので、散歩するのにもいい。暖かくなったら自転車で行けるかな~