「「酒」と作家たち」-浦西和彦-

■雑誌「酒」は、株式新聞社の社長、小玉哲郎が、酒好きという自らの趣味が昂じて酒に関する雑誌を創刊したという雑誌。創刊にあたって新聞に「『趣味の雑誌』編集記者募集」三行広告を出し、それに応募・合格したのが、編集長を務めることになった佐々木久子です。3歳からお酒を飲み、もともと酒好きだったという佐々木久子は、上司の大学時代の同期だった火野葦平と知り合ったことをきっかけに、尾崎士郎、檀一雄、江戸川乱歩、丹羽文雄、吉田健一、梶山季之といった作家たちと酒の席で知り合いになっていき、誌面には彼らの文章が並ぶようになります。また日本各地の蔵元を訪ね歩いては、隠れた美酒を発掘していきます。創刊当時は売れず、休刊のまで追いこまれた時期もあったようですが、火野葦平の力を借りつつも、株式新聞社から独立しするなど、さまざまな波乱を乗り越え、最終的には1955年の創刊から1997年まで42年刊行し続けました。

■佐々木久子自身の著作もかなりあり、多くは日本酒に関する濃い話のものになってしまうのでなかなか手に取りにくいのですが、こんな風にアンソロジーとしてまとめられると読みやすくていいです、特にここでは「酒」に掲載された酒に関する文章といっても、自分のことを書いているのではなく、作家が友人や師匠についてつづったり、編集者が担当した作家を書いたりしている文章が収録されているのがおもしろいです。42年間の歴史もあるので、もっといろいろな切り口でアンソロジーが組まれるといいなと思う。

-■年末まで12月のできごとをさらさら振り返るシリーズ
12月14日は出茶屋さんの10周年を記念したバーベキューに行ってきました。ミオ犬から言われた時は「え、この時期にバーベキュー?10周年でなんでバーベキュー?」という気もしましたが、実際はたくさんの人が集まり、いろいろなところからおいしいにおいや温かい湯気が立って、寒さなんてあまり気にせずに、出茶屋さんの常連さんたちがつくる食べものを堪能し、おしゃべりを楽しみました。最後にはチアリーダーが盛り上げたりして、「ああ、10周年を祝うのにいちばんいい形だったなぁ」と思いました。出茶屋さん10周年おめでとうございました!そしてこれからもよろしくおねがいしますー!

-■そういえばその前の日は、井の頭動物園に行ってましたね。めずらしく一圓でごはんを食べて、中道通りから井の頭通りに移転したプチに初めて行ってみました。まぁ暁くんを抱っこして行くには遠かったです。
昔はペッツやらスマーフやらスヌーピー、ラムチョップ、ストロベリーショートケーキなどのキャラクターグッズが家中にあったこともあって中道通りのお店はよく行ってましたね。かなりごちゃごちゃしてて奥深い感じでしたが、新しい店舗ではかなりきれいになっていました。通路が狭いのは変わんないかもしれません。いや、昔は通路と呼べるものもなかったかも?
わたし自身は、手頃な値段の欲しいものがいくつかあったのですが、漣くん向けのスターウォーズグッズはないし(そもそも小さい子ども向けのスターウォーズグッズってあんまりないですよね)、暁くんが欲しがったウルトラマンの怪獣のソフビは、まぁいろいろ気にしなければいま売っているもののほうが安いし、それをうまく説得させておきながら、でもお父さんのものは買う、いうのもどうなのか?という気がして、今回はパス。次回は一人で行ってゆっくりみようっと(笑)
ちなみに今回調べてみてお店の名前がプチであることを初めて知りました。

「朝夕 感想・随筆集」-里見トン-

■この本を読んだのは9月くらいかな。なんか9月くらいから通勤時間に読書に集中できなくなって読むのに時間がかかってしまいました。気がつけば12月ももう半分くらい過ぎてしまい、雑記もぜんぜん追いついてない。個人的には、年末恒例のセールをやったらもう年も明けるという感じですね。今年は少なくとも50冊以上の本を読んで、50は雑記を書こうという目標だったのだけれど、今のところ雑記数はこれ入れて42。あと7、8冊読んだけれど書いてない本があるのですが、もう27日なので年内に50は無理そう。3月くらいまではいいペースで本を読んでいたんですけどね。あと、やっぱり少なくとも本を読んでから1週間以内に雑記をアップするようにしたい。途中まで書いて放置しすぎなのです。どこかで今年読んだ本についてまとめようと思ってますが、全体としては今年はわりと料理随筆を読んだような気がします。逆に小説はほとんど読んでなくて、ほぼ随筆・エッセイ。来年は夢中になれるような小説に出会いたいかも。

■というわけで年末までに12月のできごとを少しずつ書いていければと‥‥

■12月6日は石田倉庫のアートな2日間へ遊びに行きました。今年で3回目。秋は毎年恒例になりつつあるイベントが多い(もう冬だけど)。例によってラマパコスのキーマカレーやカフェ キュイッソンのポトフを食べたり、ビールやワインを飲んだりしながら、倉庫での展示を見たり簡単なワークショップに参加してみたり、giguのライブをちょっと聴いてみたり‥‥。ラマパコスが赤ちゃんを囲んでカレーを作っているところや、人でにぎわっている中を子どもたちが走り回っているのをお酒片手に友だちを話しながら見ていると、この雰囲気は西東京ならではだなぁと思う。ちゃんとイベント概要を確認しなかったせいでワークショップに参加できなかったのがザンネン。子どもたちは、展示の全面がガラス張りになっている部屋が気に入ったらしく何度も入っては、中で大声を上げてました。

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「長野陽一の美味しいポートレイト」-長野陽一-

■近藤恵介の個展を見た時にNADiff Galleryで購入した写真集。「ku:nel」などの雑誌で撮影してきた「料理写真」が収録されており、お店のの片隅でも「長野陽一の美味しいポートレイト」というタイトルで、写真の展示もしてありました。「ku:nel」の料理写真は前々からいいなとは思っていたけれど、雑誌自体もう何年も買ってなかったし、長野陽一も「シマノホホエミ」でのポートレイトの印象が強かったので少し意外。この本も「12ヶ月のための絵画」と同じ形式の小冊子なのでちょっと物足りないけれど、雑誌に掲載された料理の写真集がちゃんと刊行されるとも思えず買ってしまい、同じように夜寝る前に、さらっとページをめくって写真を眺めてたり、石田千のエッセイを読んだりしてます。夜遅く会社から帰ってきて、しかもちゃんとごはんも食べてなくて、微妙にお腹がすいているときなどかなりあぶないんですけどね。

-■写真展と言えば、新しい写真集「FRANCE」は出たせいか10月11月とマイケル・ケンナの写真展が続き、ちょうどタイミングよく見に行けました。世界各国の風景をモノクロで切り取った作品は、その構図や現像のコントラストも含めて完璧だと思う。そして隙がないのに息苦しさを感じない。ある意味モノクロ写真の完成形なのではないだろうか。そしてマイケル・ケンナは、シャッターを押す段階でどこまで写真のあの世界が見えてるのかが気になります。撮ったあと現像の段階で完成形に近づけていくのだろうか?あの世界を作るにはシャッターを押す段階でかなり具体的な形で完成形が見えてないと現像の作業だけでは作れないのではないかとも思うしね。
でも完璧だからと言ってマイケル・ケンナが1番好きな写真家か?と言われるとそうではないというところが人の不思議さなのですよ。(音楽とかでもそうですよね)

-■このところ六本木のギャラリー気になる写真展が多い。開催が明日までということで、急きょ昼休みを利用して、ミッドタウンのFUJIFILM SQUAREでやっていた蜷川実花の写真展も見てきました。こちらは美意識としてはある意味同じ方向なのかもしれませんが、作品は対極ですね。ピンクや青などの原色が強調された人工的な世界(マイケル・ケンナの写真も風景だけれど、モノクロの人工的な感じがします)で、思っていたよりも作品のサイズが大きく、また展示されている写真の数も多く、なんだかめまいがするようでした。
しかし、撮影可といえ、写真の横に立って記念撮影をしている人が多いのにびっくり。しかも女の子だけでなく、普通のおじさんも記念撮影していたりして、なんだか不思議でした。

-■11月29日、30日に行われた第6回東京蚤の市に参加しました。土曜日は雨が降ってしまいましたが、日曜日は晴れて、たくさんの人で大盛況でした。カヌー犬ブックスのブースにもたくさんの人に寄っていただきありがとうございました!毎回いろいろ考えて本を選んだり、少しずつブースのレイアウトを変えたり、本棚を増やしたりしているのですが、なかなか思うようにはいきませんね。いろいろ難しいです。
しかしなんだか回を追うごとに、会場を見てまわれなくなってしまい、お客さんとして楽しむ時間が少なくなってしまっているような気がします。まぁそれはそれでいいことなのかもしれませんが、少しさみしい。ほんとは土曜日にちょっと買い物をして、車で持ち帰りたいんですけどね。(日曜は本を持ち帰る必要があるので‥‥)今回はWATER WATER CAMELのライブを楽しみにしていたのですが、いつの間にか終わってました。注目のカジヒデキは最初のほうちょこっと見れました。カジヒデキのライブを見るのは、ソロでは初めてかな。もう10何年もカジくんのアルバムとか聞いてないので、「いきなりエレクトロニカになってたりしても驚かない」なんて一緒に見た友だちと話していたのですが、昔と同じく短パンで登場し、今でもスウェーデンでレコーディングしてるなんて話を聞いて逆にびっくりしましたよ。