「12ヶ月のための絵画」-近藤恵介-

■近藤恵介の12か月連続で新作を発表する「12ヶ月のための絵画」というプロジェクトで制作された作品ををまとめたもの。9月にNADiff Galleryで行われた近藤恵介の個展で購入したものなのでけっこう前になってしまってますね。このプロジェクトでは、近藤恵介の絵画とともに、佐山由紀、冨井大裕、古川日出男、丹羽良徳、平山昌尚、佐々木敦、柴原聡子といったキュレーターや芸術家、批評家、ミュージシャン12人が、それぞれの視点から近藤恵介について記述したテキストも作品と一緒に掲出されており、この作品集でも絵画とそれらのテキストが掲載されています。うすいホチキス止めの小冊子という体裁なので、なんとなく持ち歩くのは気が引けてしまい、夜寝る前とかに、さらっとページをめくって絵を眺めてみたり、テキストを一人二人分読んでみたりしています。お気に入りの喫茶店に置いてあって、コーヒーを飲みに行くたびに眺めてみる、そんな風に接したらいいだろうなぁ、なんて妄想してしまうような本。スプンフルさんかシャトー2Fに閲覧用として置いてもらおうかしらん。
しかし描かれている世界は日常的なのに生活感がまったくしないこれらの作品を見ていると、この人は普段どんな生活をしてるのかな?という気がしてきてしまいます。

-■来週末11月29日、30日に京王閣で行われる東京蚤の市に今回も出店します。今回で6回目。回を追うごとに盛況さを増していて、それだけにプレッシャーを感じてしまいますが、おいしい本をたくさん持っていこうと思っていますので、よろしくお願いします。いつもよりもちょっと遅い時期なので、野外のイベントに行くのはどうしても億劫になってしまいますが、暖かい服装で遊びに来ていただければと思います。外が寒いようでしたら屋内の古本街にいらしてください(いや、古本街があるかどうかも、それが屋内になるかどうかも今のところ分かりませんが)。
今回、ご近所のカフェ、スプンフルさんも出店するので、エデュコさんとともに小金井仲間が増えてちょっとうれしいです。

【第6回東京蚤の市概要】
 日程:2014年11月29日(土)、30日(日)
 時間:29日(土)10:00~16:30、30日(日)9:30 ~16:00
 開催場所:東京オーヴァル京王閣
 入場料:400円(小学生までは無料)

「父の時代・私の時代」-堀内誠一-

■商業美術家、多田北烏の弟子だったという図案家の父親のアトリエでの話から、戦後、カメラメーカーのPR誌「ロッコール」のデザインを担当した時代や「アンアン」などの雑誌のエディトリアルデザインを担当した時代、そして絵本についてなど自身のことをつづったエッセイ。父親や周りの人の影響が大きかったとはいえ、堀内誠一がいかに早熟だったってことがわかります。そしてこれが書かれたのもまだ40代だしね。

■堀内誠一の名前を意識するようになったのはいつだったのか、はっきりとは覚えてません。子どもの頃好きだった「くるまはいくつ?」や「たろうのおでかけ」そして「ふたごのでんしゃ」といった本が堀内誠一と知ったのもかなり大人になってからだし、ちゃんと絵本を集め出したのも、子どもが生まれてからになります。多分、子どもたちが大きくなったら、また買う機会もなくなってしまう気がするので、今のうちにいろいろ見つけておきたいと思う。本によって画風が変わるので、子どもたちが気に入るかどうかについてはわりとわかれるんですが、いつかこれらの本が同じ人によって描かれたものということに気づいてくれるのだろうか。

-■今年は何年かぶりに近所の農工大の学園祭に行ってきました。農工大の学祭は、野菜の直売があったり、学生の出している出店の食べものも鹿の肉の串とかあったり(写真は牛肉です)、大学で作っている食材を使ったお菓子があったりして、なんとなく大学を歩き回りながら、ビールを飲んだり、食べ物を食べているだけで楽しい。今回は確認しませんでしたが、大学内で作った日本酒とかもあったはず。校内なら子どもたちを勝手に遊ばせていてもある程度安全だし、アメリカンミニチュアホースの馬車に乗ることもできるし‥‥
と思っていたのですが、実際は、子どもたち、とくに上の子が、昆虫や動物の生態についての展示やプラネタリウムなどに夢中で、校内と歩き回るのに忙しく、そんなにのんびりという感じでもなかったです。幼稚園くらいになるといろいろ興味が出てくるんだなと思った次第。展示の周りにいる学生も、たいしてわかっていない子ども対してに星についてゆっくり説明してくれたり、顕微鏡の見方を教えてくれたりやさしい人が多かったですね。

-■春くらいからなんとなく週に2回くらい、6時くらいに起きて8時くらいに会社に行くようにしていたのですが、最近は、6時に起きるとちょっと薄暗くなってきました。駅まで自転車で行くのも寒くてなんだか億劫になるし、そろそろ朝早く家を出るのもおしまいかなと思う。そして今年もクロード・ソーンヒル楽団の「Snowfall」が似合う季節になってきたなと思う。ギル・エヴァンスが編曲をした穏やかなテンポの洗練された曲で、1941年の曲なのにスウィングでもイージーリスニングでもなく、独自の雰囲気を持っているところがいい。アナログ盤でチリノイズが入ったりするとまたいい雰囲気なんだろうなぁ。

-■で、この曲を聴いているとアルビン・トレッセルトとロジャー・デュボアザンの絵本「しろいゆき あかるいゆき」を見たくなります。雪が降ったその一日を雪が降る前、降っているとき、降った後の情景や人々の様子を静かに描写している作品。1948年の本なので「Snowfall」と年代も近い。
ロジャー・デュボアザンは、スイス、ジュネーヴ生まれで、パリで仕事をした後、アメリカに渡ったイラストレーター。子どもにお話を聞かせたりしているうちに、夫婦で童話を書き始めたことがきっかけで、「ごきげんならいおん」や「がちょうのペチューニア」のシリーズや「はる・なつ・あき・ふゆ いろいろのいえ」「クリスマスにはおひげがいっぱい!?」など多数の絵本を出しています(ちなみにアルビン・トレッセルトはおくさんではありません)。
デュボアザンの本は昔から好きで、子どもが生まれる前から少しずつ集めていたのですが、最近になってまた集める速度が速まってきました。でも、わりとテキストが多い本が多いので、寝る前に読むのが面倒であまり読み聞かせとかしてません。いや、この本で言えばわたしが持っているのは英語版なのでそもそも読み聞かせできませんが。

「アンソロジー カレーライス」

■子どもの頃食べた懐かしい味のカレー、これまでに食べた中で最もおいしいカレー、自分の得意なカレーのレシピ、旅先で食べたまずいカレー‥‥と、当たり前の話ですが、カレーの話ばかり。よく考えたら前に読んだ「おやつ」はじめ、お酒やお茶など食べもの随筆のアンソロジーに取り上げられているテーマって、一つのものというよりもあるジャンルについて集められたものが多い。なので、この「カレーライス」のように一品について書かれた文章をまとめて読むと、なんだか勢いに押されてしまいます。いや、カレーだからこそなのかもしれません。カレーだからこそどの人も思い入れがあり勢いに押されつつ、勢いで読んでしまうのだろう。これがサラダだったらこうまで濃密な雰囲気のアンソロジーにはならないのではないかと。

-■気がつけば11月。先週の三連休は小金井周辺で満喫。昔は毎年楽しみにしていた神田古本市なんてすっかり忘れるほど。連休に入って気がついて、なんだかいろいろ変わったなぁなんて思いつつちょっとショックを受けました。(悪い意味ではないですよ)

■さて、小金井の11月と言えば、小金井のウッドストック、はらっぱ祭り。今年は11月1日、2日に行われました。1日の土曜は幼稚園がお休みだったので、2日間続けて朝から遊びに行こうと思っていたのですが、あいにくの雨、でした。日曜は雨も止んでまぁまぁ天気もよかったので、フリーマーケットで子どもたちの洋服やおもちゃをチェックするために、午前中から出かけてきました。まぁ基本的に幼稚園のお父さんやはけ市のメンバーと、出店しているお店の食べものを食べながら昼間から芝生の上でビール飲んで、なんとなくライブを見たりしているだけなんですけどね。子どもたちも勝手に友だちとどこかに行ったりしてすぐに行方不明になるし‥‥。
-うちはまだ子どもたちが小さいので、わりと早めに行って早めに帰ってきてしまうのだけれど、夜になると街灯もなく真っ暗の中、ステージを中心にところどころに灯りがついている中でライブも盛り上がっているようなので、来年、再来年あたりは、夜まで楽しみたい。

■シャトー2Fのカフェが11月から店長が変わるということで、日曜はプレオープンのイベントもあったので、はらっぱ祭りからシャトー2Fへのはしご。こちらも子どもたちをすみっこの部屋で勝手に遊ばせつつ、おいしい食べ物を食べながらビールを飲む。4時くらいに行ったときは、あまり人もいなくて出てくる食べものを食べ放題のように食べてました。今までとこれからではキャラクターがまったく違う人が店長になるので、これからどんな風に変わっていくか楽しみです。そしてこれからも引き続き、カヌー犬ブックスの本を置かせてくださいね。(なかなか入れ替えられなくて申しわけありません)

-■ちなみに雨が降った土曜日は、はけ市のメンバーによる atelier tempoの開店記念もあり、東小金井駅の高架下で行われていたはけのおいしい朝市へ行ってきました。まずはあたらしい日常料理 ふじわらのランチプレートでごはん。カレーがおいしい。
普段はちょっと辛かったりすると、すぐに「辛すぎる」という子どもたちももぐもぐと食べる。食べている途中で次々とお店に友だちが入ってきて、いろいろ話したり、子ども同士で遊んだりする。もちろん近隣に住んでいる人なのだけれど、もともとはいろいろなところで知り合った人たちで、気がついたら同じところにいるというめぐり合わせの妙。中にはわたしが90年代の中ごろに調布でDJイベントをやっていた時に知り合った人もいたりするしね。
などと思ったのは、お店を回っていたら、わたしが15年以上前に勤めていた会社で一緒だった人が、出店していたHOT BAGLESで、ベーグルを売ってたから。その友だちの家の近所にHOT BAGLESがあるらしく、通っているうちにバイトするようになったらしい。いや、近くに住んでいてはけ市などで会ったりしていたけど、まさかそんな風にいるとはね。いつかタイミングが合って、同じときに一緒にお店を出すほうではけ市に参加することになるかも?たのしみ。

■連休の最後は、やぼろじのcircle gallery&booksで行われたshunshunと宮内優里のライブ。
宮内優里がいつものようにさまざまな楽器を使い曲を演奏している横で、shunshunが即興で絵を描いていくというもの。まず一つの楽器の音が響き、それがループされ、続いて次楽器のフレーズが演奏され、ループされていた音と響き合う‥‥という宮内優里のライブと、一枚の紙の上で、一本の線から始まって、最終的には一つの世界が描かれるというshunshunのドローイングは、どこか似てる。それが演奏のテンポに合わせて描かれたり、音に合わせて絵が描かれたり、絵に合わせて音が変わったりする時もあって、耳と目、両方の刺激を受けました。

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ロケーションも蔵を改装したcircle gallery&booksのちょっと暗くて屋根裏っぽい狭い空間で、20人くらいしか観客もいなくて、かなりぜいたく。周りの雰囲気も含めてここでしか味わえないいいライブでした。
宮内優里のライブはよく考えたら江戸東京たてもの園、ミッドタウンの21_21、そしてcircle gallery&booksとちょっと変わったところばかりで見てますね。

「アンソロジー おやつ」

■作家の食べものについて随筆を多いものとしては、お酒関連の話と旅先での話があると思いますが、家で仕事しているということや来客が多く手土産が多いということもあって、おやつに関しての随筆もわりと多いと思う。お酒関連は、食べ物やお酒そのものよりも酒場での出来事だったり一緒に飲んでいる作家仲間の話だったりと交遊録的な部分も含まれるし、旅先での話も当然、旅の出来事がつづられるということを考えると、おやつの話はわりと「おやつ」そのものについて書かれていることが多いような気がします。

■ちょっと前の話になりますが、9月18日に川口で行われていた「川口暮らふと」に行ってきました。大学時代の友だちの奥さんがスタッフをしていることもあって前々から気にはなっていたのですが、やはり川口は遠い。というわけで、今回も行けないかなと思っていたのですが、前日にその友だちから、もう20年くらいあってない別の大学時代の友だちも来るというメールが来たので、行ってみることに。
イベント自体はイトーヨーカドーの前の広場で行われていて、午後から行ったので食べものとかはすでに売れきているところが多くかなりにぎわっていました。久しぶりに会ったせいもあり、ビールを飲んだりしながら、芝生の上でちょっとしたライブを聴きながらずっとしゃべってました。なので、きちんとお店を見ることができず、はけのおいしい朝市にも出ているsafujiさんとコッペさんに挨拶をしたくらい。
ちなみに二人とも4歳の男の子の子どもがいて、わりとおとなしい感じの子だったので、うちの子たちが会っていきなり兄弟で殴り合いを始めたりしたせいでかなりひいてました。なんだかなぁ~しかし、20年ぶりに会った同年代の友だちの子どもも同じくらいの歳というのも不思議。これを機にまた会ったりできれば、と思う。

-■帰りは、川口の駅の近くにあるたぬきという居酒屋でみんなで食事。昔からあるような古い建物で、お店の人も出てくる食事も素朴な感じでよかった。2階が座敷になっていて、早い時間だったので途中までほかにお客さんもいなかったしね。

■次の19日は調布飛行場祭り。これも10年以上ぶりかな。たくさんの出店や飛行場の人たちのフリマっぽい飛行機などに関するものを出しているお店が出ていてなかなか楽しかった。小型飛行機の席まで売ってましたよ。ただ飛行機自体にはあまり乗ったりできず、滑走路の一部に出て、いつもよりもちょっと近くで見れるくらいだったのが残念。まぁ個人のものだったり商用機なので仕方ないんでしょうけど、子連れとしてはいろいろ乗せてみたかったかな。近いこともあって家でお昼ごはんを食べてから散歩がてら自転車で行ってみたのですが、午前中から行って、お店をぐるぐる回ったり、お昼ごはんを食べたり、がっつり楽しむ感じで行くべきだったかもしれません。