「男性自身 困った人たち」-山口瞳-

同じ本ばっかり読んでいるなぁ、という気がする。山口瞳、永井龍男、そしてときどき吉田健一、片岡義男という感じ。実際、この日記は今日で127回目(一回に何冊か載せているときもあるので127冊ではない)なのだけれど、そのうち山口瞳の本が20冊、永井龍男の本が11冊です。2人合わせると全体の24.4%、4冊に1冊にもなるのですね。
しかも2人とも作品によって作風が変わるわけではないので(山口瞳はときどき変わるけど、男性自身を読んでいる分にはあまり変わらない)、それこそ「いっつも同じような本ばかり」ということになるわけです。読みたいと思っている人はたくさんいるにはいるのですが、こんなに古本屋さんに通っているのになぜか巡り会わないのはなぜ。そんなにマイナーな作家でもないと思うんだけど。高見順とか獅子文六とか安藤鶴夫とか堀江敏幸とか池内紀とか・・・・。

さて、ゴールデンウィークの中日、みなさんはいかがお過ごしですか?なんて今ごろ書いてみる。私はとりあえず月末に引っ越そうと思っているので毎日不動産屋さんめぐりです。
3日間、かなり数を回ったせいで条件がはっきりしてきて、初めて入った不動産屋で「家賃は●●円まで、間取りは●●でできれば専有面積●●平米、駅からはちょっと遠くてもかまわなくて●●分くらい。洗濯機は~、構造はできれば~。そういう条件で●●線の●●駅から●●駅、あるいは●●線の●●駅から●●駅・・・・」などとすらすら条件が出てくるようになってしまいました。でもはっきりしすぎて物件がない!どうなる!?我が家の部屋探し。今のところだともうものが入らないぞ!

「絵本についての僕の本」-片岡義男-

明日から5連休。こんなにお休みが続くゴールデンウィークもなかなかない。今の会社に入るまで私はゴールデンウィークやお盆がお休みというのがなかったので、予定もないのに休みが続くのにどうも慣れない感じがします。
いや5連休中にやらなくちゃいけないこと、やりたいことはたくさんある。これもやりたい、あれもしたい、と思う。でもそういうのは家のことだったり、自分の趣味のことだったりしてたいていひとりでやることが多い。5連休中、いくら夫婦で暮らしているといえども(ちなみにミオ犬はゴールデンウィーク中は仕事なのです)、5日間昼間ひとりでいるのはちょっと寂しい。

で、つい友達から飲みに行こうとかちょっと出かけようなんて誘いにほいほいのってしまう。ついでに6時に待ち合わせもなんだから3時とか4時とかでご飯までのあいだちょっと散歩しようなんてことになる。すると休日は10時くらいに起きるのだけれど、せっかくの休日だしコーヒーをドロッッパーで淹れたりしてのんびりと朝食を食べて、天気もいいから洗濯でもして、掃除は明日でいいかな、なんてやっているといつの間にか昼過ぎ。
4時に待ち合わせとしても3時には家を出なくちゃいけないから、後3時間しかない。こうなったらちょっと早めに家を出てレコード屋や古本屋でもひとりでまわってみようかな、なんてことになって、結局一日が終わってしまうような感じ。
加えて飲み過ぎたりして夜、終電で帰ってきたりしたら、次の日は起きるのが昼前になってしまう・・・・なんてことをしているうちにやりたいこともほとんどできずにお休みは終わりになってしまうのです。

さぁ今年はどうなるかな?

「カレンダーの余白」-永井龍男-

朝、ぼんやりと目をあけると少しだけ開いたカーテンの向こうに青い空が見える。「あぁ起きなきゃなぁ」と思いつつ、また夢の世界へ。しばらくすると隣の部屋で携帯がなっている。「あぁ今度こそ」と思う。布団を持ち上げ、椅子の上に置いてあった眼鏡を取って、そしてそのまま掛け布団のほうへ倒れ込んでしまう・・・・なんてことを繰り返しながら、結局ちゃんと起きたのは11時過ぎ。前の日に飲んだ休日はいつもこんな風になってしまう。でも昨日はそんなに飲んでないのになぁ。

とはいうもののせっかくのお休みを無駄にするわけにもいかないので、急いで出かける準備をして代官山へ。ユトレヒトでやっている「エルベ・モルバン 小さな原画展」に前から行こうと思っていたのだ。FLOギャラリーはその名前のとおり小さなスペースでちょっと物足りないけれど、ここでみておかなくちゃ、というセレクトなのでつい行ってしまう。しかもけっこう頻繁に行っているのに本を買ったことはないというある意味いやな客ですね、私は。今日もいろいろエルベ・モルバンの本や絵本を見つつ「あとでamazonでチャックしてみよう」なんて思っていました。すみません。
その後は久しぶりにeau cafeへ。バケットサンドを食べる。今日は簾から差し込んでくる陽の光が椅子やテーブルにあたっていい感じ。持っていった本を読んだりしつつのんびりしていたら、店員が近づいてきて「すみません、バケットサンド、もうすぐ出来ますから」と。いやいいですよ。時間もあるし本読んでますから。

「A Designer’s Art」-Paul Rand-

会社を出て携帯をチェックすると「飲みに行かない?」というメールが来ていて、赤坂見附で飲むことになったので、待ち合わせの時間までに東京ランダムウォークで時間を潰す。
特に買うものもなく期待もせず店内を回りながら何気なくこの本を手に取ってみたらなんと2500円で、「タワーブックスでも5000円以上していたな」なんて思いつつ、一冊しか残ってないし明日は休みということもありレジへ。しかしお金を払ったあとレシートと一緒になにやらポストカードを手渡され、そこには「東京ランダムウォーク一周年記念、4/29~5/5 洋書全品20%OFF」の文字が!思わず店員に「これも?」と聞いてしまいました。あぁ。「そうです。また来てくださいね」じゃないよ。まったく。しかも帰ってきてamazonでチェックしたら2931円じゃないですか!?

そんなわけで思い出したのは、一年前の開店日、私は送別会か歓迎会か忘れたけれど、編集部で赤坂で飲んでいて、もちろん部内全員で飲んでも楽しいはずもなく9時過ぎに一次会が終わると、仲の良い友達と「じゃ!」と別れて、開店したばかりのこの店に入ったな、ってこと。で、「20%OFFでも高い」なんて言いながら店内を見て回ったってこと。その後コーヒーを飲もうと思ってスターバックスに行ったら閉店間近で入れなかった、ってこと。
あれがたった一年前なんて信じられない。もっと昔のことみたいだ。

「EXPO’70 伝説 日本万国博覧会アンオフィシャル・ガイドブック」

先週の木曜日から歯茎が腫れてきて、週末は痛い歯(というより耳の裏?首筋?)を押さえてうなってました。どうやら親知らずが隣の歯に当たってしまっているらしいです。とりあえず金曜日に会社を休んで歯医者に行って炎症止めの薬をもらったので炎症はおさまったのですが、痛みは全然ひかず定期的に頭に響くような痛みが走るので、3連休もほとんど家にいて、「まるでナチスの拷問みたいだな」なんて思いながら、特におもしろくもないテレビを見たりこんな本を眺めたりしてました。

大阪万博についてといえば、私は1969年生まれなのでもちろん記憶があるはずもなく、もしあと10年くらい早く生まれていれば、と思うけれど、うちの親がわざわざ大阪まで人混みの中へ行くとは思えないし、大阪方面に親戚があるわけでもないから、結局行けなくてあきらめていたのかなぁ。
でも私の世代の子供たちは「20年、30年後の未来はすごいことになってるはず!」と本気で思っていました。1970年代はまだ2001年なんてほんとに宇宙ステーションができていて宇宙に行ったり、車はチューブの中を走っていたり・・・・そんなイメージがあったけれど、今から20年、30年後なんてたいして変わってなさそうだし、それどころか今より悪くなってるんじゃないか、なんて思っているのは私が大人だから?今の子供たちはどうなのよ!どうでもいいけど。

そもそも1957年に人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられて1961年に人類初の宇宙飛行が人工衛星ヴォストーク1号によって行われ、そして1969年にアポロ11号が月表面に降りるまで(ほんとうか?)に10年ちょっとしかかかってないわけで、それからもう35年も経ってるのにねぇ。1981年のスペースシャトルからも20年以上だもの(このときはクラス中で盛り上がったなぁ)。やはり宇宙は遠い・・・・。そういえばこのあいだブッシュが2015年までに米国の有人月飛行なんて言ってましたね。

「私の一日」-里見弴-

里見弴の本は、岩波文庫から出てる随筆は昔読んだりしていたのだが、一度まとめて読んでみたいと思いつつなかなか手に取ることがなかったする。
この「私の一日」は里見弴が80歳過ぎてからの随筆集で、永井龍男の随筆と同じように鎌倉での日々や若かった頃の自身の話、志賀直哉泉鏡花といった友達とのエピソードなどが綴られています。文章は比較的軟らかいのだけれど、旧かなづかいなのでちょっと読みにくいと思ってしまうのは、単に私の勉強不足のせいです。
随筆のほかにも「彼岸花」や「多情仏心」「安城家の兄弟」といった小説も読んでおきたいところ。そもそも「極楽とんぼ」さえまだ読んでない私ですから・・・・。

そういえば先週の土曜日に前の会社の人に誘われて久しぶりにレコード回しました。渋谷の六本木通りからちょっと入ったところにあるSoftという、それほど大きくないゆったりとできるような場所。
あんまり新しいレコード買ってないので去年までやっていたリボルバーの時と同じようなイージーリスニングとソフトロックを中心に、お客さんがまだ少ない早い時間に自己満足でハーフビーやルーファス、ヲノサトルかけたりして、ひとり盛り上がってみたりしてました。でも体力が持たず終電で帰宅。次の日とか気にしてるようじゃダメですね。

「木をみて森をみない」-青山南-

翻訳家の中でもし柴田元幸派と青山南派があるとしたら私は青山南派で、「訳:青山南」となっているだけでそのその作品や作者を知らなくても読みたくなってしまいます。といっても全部の本を読んでいるわけではないし、柴田元幸が訳した本も読んでますけどね。柴田元幸の場合はその作品がおもしろそうかどうか割と冷静に考えてから読むことが多いです。

私は英語が読めないせいもあって翻訳家の書いた文章で知らない作品や作家のことを知るということが多い。そしてそういった本を読むたびに「英語が読めたら・・・・」なんてちょっと思ったりもします。でも翻訳されている本でさえ読みたい本を全部読んでいるわけではないので、もし英語が分かったからといってペーパーバックを読む、なんてことがあるのかどうか・・・・。

この本でもときどき古本屋で見かけるあの本はこんな内容だったのか!、あの作家の本がそんなにおもしろいとは知らなかったなど発見があるけれど、実は単に青山南自身のジャズ喫茶に通っていた話といった話がおもしろいから、つい本を買ってしまうわけで。
この本に関して言えば一番の驚きは青山南が大学の時に小沼丹のゼミに所属していたということです。だからどうした、と言われればどうもしないんだけれど、自分の好きな人同士がどこかでつながっていたりすると、それだけでなぜかわくわくしてしまいます。

「This Is London」「This Is Paris」-Miroslav Sasek-

ニューヨーク編とサン・フランシスコ編に続いて復刊されたサセックの本が届く。前回の時も注文してから届くまでが早かったけど、今回は寝る前に注文しておいたら次の日の昼に「配送しました」というメールが来てその次の日に本が届くという・・・・。かなりびっくりの早さでした。シリーズものって一度買い始めると、つい買い続けてしまったりするんだけれど、このまま18冊全部復刊されたらどうしよう。
「あぁパリに行きたいなぁ。思い切って行っちゃおうかなぁ。」なんて思いつつページをめくってます。

久しぶりに「ニャンちゅう」をみたらお姉さんが伊藤かずえから清水ゆみって女の子になってました。伊藤かずえの“かずえお姉さん”は無理があったもんな。私としてはニャンちゅうの相手としては笹峰愛が気に入っていたんだけどね。
私は当然知りませんでしたが、清水ゆみって子はmcSister専属のモデルらしいです。ホームページを見たら去年「中国語会話」に出ていたり、掲載誌に4月6日発売の「relax」が載ってたんだけど、それって私がこのあいだ買った「relax」だね。「中国語会話」もときどき見てたはず・・・・。でもどこに出ていたのか全然記憶なし。

「町からはじめて、旅へ」-片岡義男-

本腰を入れて片岡義男のエッセイを読んでみようと思っているのだが意外と古本屋さんで見かけることがない。いやそもそも新刊の本屋さんでも片岡義男のコーナーってなかったりします。もう過去の人ということなのだろうか?角川の文庫はブックオフにいっぱい並んでいるのになぁ。

「町からはじめて、旅へ」は1976年に出された本で、「流行通信」や「シティロード」「宝島」といった雑誌に掲載された文章をまとめたもの。だからというわけではないが片岡義男の文章としてはかなり軽い、理屈っぽくないなんじゃないだろうか。
ちなみにこの直前にあの「スローなブギにしてくれ」が角川書店から発売されていて、この後「彼のオートバイ、彼女の島」「人生は野菜スープ」・・・・と続いていくわけです。(「町からはじめて、旅へ」の発売は1976年4月、「スローなブギにしてくれ」が3月)

全体的に「アメリカには本物の文化があり、日本にはない」といった論調が続くので、「日本にあった本物の文化を、まるで駐留軍が日本家屋に白いペンキを塗りたくったように、アメリカが偽物で覆い尽くしてしまった」と思っている私にはちょっとつらい。
でもそれは片岡義男の文章だけでなくその頃の雑誌などに書かれた文章は少なからずそういう雰囲気を持っているので片岡義男本人だけの問題ではない。しかもそういう文章をストレートに真に受け止められてしまっていたんだろうな、と思う。だから今だからこそ普通におもしろがってこの本を読んだりできるということもあります。
そういう主張が片岡義男の意図するところだったのかどうかは分からないけれど、どこか「たかが文章」という半分ひいた感じの姿勢が見え隠れしてるような気がするのは私のひいき目なのだろうか。少なくとも「アメリカには本物の文化があるから、日本もその上辺だけを持ってくるのではなく本物に接するべきだ」ということではないと思うが・・・・。

「レイモンド・ローウィ展」

渋谷の公園通りにあるたばこと塩の博物館で5月16日まで開催されている「レイモンド・ローウィ展」の図録。ずっと行こうと思っていてやっと日曜日に行って来ました。

ローウィの展覧会自体もおもしろかったけれど、常設展示のたばこに関する展示も「世界の喫煙具」「たばこの伝播」「近現代のたばこ」や、昭和53年当時のたばこ屋さんを復元したものがあっておもしろかった。
中でも「世界のたばこパッケージ」は、ヨーロッパとか中南米とか素敵なパッケージがそろってて、これで本を作ったら売れるんじゃないかと思うくらい。ちょっとたばこのパッケージを集めるのも趣味と実益(?)を兼ねてていいな、なんて考えてみたりして。でも強いたばこがすえない私には無理か・・・・。
このパンフも内容もかなり充実しているし紙もしっかりしている本なのですが値段は1200円。さすが元国営企業です。

話がそれるけれどこれだけ禁煙が叫ばれている今日この頃、JTはなんでのんびりと構えてられるのかいつも不思議です。ある意味営業妨害でしょ。しかも売り上げの4割が税金だし・・・・。発泡酒に酒税がかけられたときのビール会社の反応と比べると格段の差ですよね。私が知らないだけでJTはたばこ以外でものすごく儲かっている分野があるのだろうか。

そのあと下北へ出て、レコ屋巡り。ひさしぶりにノアルイズ・レコードに行ってみた。ここは店の雰囲気も落ち着いてるし、自由に試聴もできるし、何より欲しいレコードばかりなのでつい試聴しまくってしまう。でもいつも1000円程度でレコードを探してるような私にはちょっと買うには敷居が高い。イベントとかやったりしてるし心構えが変わってくるのだが、家で聴くだけだと思うとかなりシビアになってしまいます。