■もう3月も半ばですが、これを読んだのは年末年始にかけてで、新年ということで浅草を舞台とした小説を読んでみたんですよね。不良集団「浅草紅団」の女首領弓子とのやり取りを中心に、カジノ・フォウリイの出し物や踊子たち、浮浪者、娼婦‥‥といった登場人物が、関東大震災以降の浅草という町を案内する。ちょっと表現や言い回しが古いというか大げさな気もするけれど、これは当時のこういう小説の文体を意識しているだろうか?それとも川端康成の文体なのだろうか?川端康成の本をちゃんと読むのは初めてなんじゃないかな?というくらいなのでわかりません。
あと、そもそも浅草という町の地図が頭に入っていないうえに、地名が今では変わってしまっているため、書かれている場所や登場人物がどこからどこに移動しているかなどがわからない。なので、多分、当時の人が読んでいる時の臨場感を味わうことができないんですよね。ただ同じような時代の浅草を舞台にした高見順の「如何なる星の下に」を読んだときは、それほど地名を特定できなくても、当時の浅草の様子を楽しめた、ということはある。
ついでに、機会があれば、「日本三文オペラ」など浅草を舞台とした武田麟太郎の小説や、浅草ではないけれど、同時代に書かれた都市小説ということで、1925年に中国・上海で起きた反日民族運動を背景にしたという横光利一の「上海」も読んでみたい。
■暁くんと「ウルトラマンオーブ」を見る。映画を見るのは一年ぶり。ということは前回の「ウルトラマンエックス」以来というというわけで、なんだかなぁという気もしないでもないけれど、それはそれでいい。子どもたちと映画館でウルトラマンを見るのは3作目で、最初の時は、一番近くで昭島とかでしか上映していなかったし、内容も全然予算をかけてなくて、さみしい感じだったけど、去年からは新宿でも上映してるし、だんだん戦闘シーンも迫力が出てきていい感じになってきてます。といっても子ども向けですけどね。
で、なんとなくたまには一人で映画でも見てみたいなぁと思って、帰ってきて阿佐ヶ谷のラピュタのサイトを見てみたら、鰐淵晴子や松山善三と高峰秀子の特集をしていて思わず上映作品の紹介を見入ってしまった。昔の浅草を舞台にした映画とかやってないだろうか。「如何なる星の下に」も「浅草紅団」も映画化されてるんですよねぇ。