「一本の茎の上に」-茨木のり子-

◆カヌー犬ブックスも9周年を迎えました。ありがとうございました。
山之口貘、吉野弘、山本安英、木下順二‥‥と著者にとって師とも言える人たちの思い出や、50歳を過ぎて習い始めた韓国語を駆使しながらの韓国旅行、そして詩や散文などについてつづったエッセイ集。
茨木のり子の本を読むのはこれが初めてなんですが、やっぱり詩も読んだほうが、エッセイももっと楽しめるのかも、って思ったりします。室生犀星とかは随筆を読んでいるときに、強く詩ということ意識しないで楽しめるのですが、茨木のり子は、随筆(散文)と詩がそれぞれ独立しているのではなく、互いに影響を受けあって一つの世界を作ってるような気がしましたが、どうなんでしょうか。
かといって室生犀星の随筆と詩(と小説)がまったく別物というわけでもないし言い方が難しいですね。文章全体から醸し出す雰囲気みたいなものなんですよね。まぁこれだけしか読んでいないのでなんとも言えないですけど。

さて、6月10日でカヌー犬ブックスは9年になります。
前にも書いていると思うけれど、2003年の春くらいに急に自分の持っている本を商品にして古本屋のサイトを作ってみようと思いたち、当時、趣味のサイトとしてやっていたPickwickWeb内にコーナーを作って数十冊アップしてみたのがはじまり。それが4月くらいだったと思うんですが、アップしていない本を含めても在庫は200冊くらいしかなかったし、ものすごいスモールスタート、というか思いつきだけで始めた感じでした。さすがにこれはないなと思い、古本屋としての新しいサイトを作り直して、2か月、6月10日に本スタートしました。

それから9年のんびりとやってきて思うのは、いまだに古本屋としてはアマチュアだってことですね。それは自分の気合の入れ方や勉強が足りないこともあるし、単に会社勤めをしながらという状況もあるかもしれないし、そのほかいろいろな理由がありますが、やっぱり一番の理由はわたし自身がどの分野でも専門家になりきれないという性格にあるような気がしてます。

多分、ここ数年は、会社勤めもあるし、漣くんや暁くんも生まれてそんなに古本屋に時間や手間をさけるわけではないという状況で、ブロに近づくにはどうしたらいいんだろう、という感じでいろいろ中途半端になっていたのかな、と。春くらいからそんなことを考えながら、毎日の更新やはけのおいしい朝市や東京蚤の市の準備をしていたのですが、ここにきてふと“このままアマチュアでもいいんじゃないか”って結論に落ち着きました。ははは。

アマチュアとしてもっと楽しんでできればいいと思うし、仕入れなどもかなり制約があるけれど、その制約の中でどういう本をセレクトしていって見せて行くかって余地もまだまだあるのかな、と。レア盤ばかりかけるのがDJじゃないぞ、と(別にわたしはDJでもないんですけどね)。

こんな風にして9年間ほんとに行き当たりばったりでやってきましたが、ここまで続けてこられたのも皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
そんなわけで、9周年記念、日ごろの感謝を込めまして、6月10日 (日)から24日 (日)まで、全品20%オフセールを行います。前から欲しかった本や買い逃していた本、あるいは買うかどうか迷っていた本などがありましたら、この機会にぜひご利用ください。よろしくお願いします~