◆いよいよ週末は東京蚤の市!
こんな本を通勤時間に読んだりしてると、そのままパスや電車に乗ってどこかに行ってしまって適当な場所で降りて、目についたお店に適当に入ってお昼からのんびり飲んだりしたいという気分になってしまいます(コミマサさんか?)。少なくてもお休みの目の前の夜とかお休みの日の午後とかに軽く飲みながら読むべき本。
前回「作家のおやつ」を紹介したときに、「実際にそこで食ぺたと思われる仕事部屋や机などと一緒に撮られた写真や、そのおやつについての作家自身の文章の引用が掲載されていたりして本全体としていい雰囲気になっています。やっぱりおやつは色合いがきれいだったり形がかわいかったりするので、基本的には落ち着いた雰囲気の作家の仕事部屋と一緒だと映えますね。」なんてことを書いてみたけれど、この酒のほうは、それぞれのなじみのお店と家で飲む時の料理の写真が主になっていてこれはこれでいい感じです。
紹介されているのは、井伏鱒二、山口瞳、吉田健一、田村隆一、中上健次、池波正太郎、立原正秋、三島由紀夫、田中一光、赤塚不二夫、福田蘭堂、秋山十三子、稲垣足穂、小津安二郎、宮脇俊三、高田喜佐、黒澤明、草野心平、種村季弘、大籔春彦、埴谷雄高、田中小実昌、長新太、田辺茂一、山田風太郎の26名。
つぶれるまで飲まないと気がすまない感じの人や朝からほぼ一日中飲んでたんじゃないかという人、酔いつぶれることもなく常に礼儀正しく飲んでいた人、家ではまったく飲まなかったという人‥‥、また一人で大勢で、あるいは文学談義に花咲かせる人、文学のことはまったく話題にすることがな人、飲みと下ネタを言うようになる人、はたまた場末の飲み屋をはしごしたり、料亭のようなところで静かに飲んだり、老舗のバーでバーテンと話したり‥‥と、酒との関わりは人それぞれ、そしてひとりの人でも時と場合によってさまざま。その作家のイメージや作品を思い浮かべながら読んでると楽しいです。しかしみなさん高そうなお店で飲んでマス。
文章のほうは、基本的な構成として、その作家が酒やつまみ、写真で紹介している飲み屋について書いたものを抜粋したものと、奥さんや子ども、あるいは友人がその作家の飲んでいるときのエピソードなどを書いたものの2つが掲載されてます。その中で気になったのは、吉田健一について娘さんの吉田暁子が書いていること。そして吉田暁子は翻訳家なのですね。ちょっと調べたらサガンの「厚化粧の女」やロジェ・ヴァディムの「我が妻バルドー、ドヌープ、J.フォンダ」、フランソワーズ・マレ=ジョリスの「ダイエット」といった作品の翻訳をしているようです。
「作家の娘」好きとしては、エッセイ集とか出してたら読んでみたいのだけれどまとまったものは出てなさそう。吉田健一の本のあとがきなどはときどぎ書いているみたいですけどね。
このシリーズは最近出た「作家の旅」もまた違う見せ方ができてそうでちょっと期待。今度本屋さんに行ったときにチェックしたい。
さて週末は東京蚤の市です!
ゴールデンウイークくらいから少しずつ準備を始めたいな、と思っていたにもかかわらず、けっぎょくほとんど進まず。テスト前の学生みたいな感じで今週になってあわててます。本の選択や値札付けもそうですが、オンラインショッブということもありお店を作るための本棚などの什器がほとんどないのってのがさみしい。こういう時のために普段から一つ一つ小さな本棚とか本を飾るためのものとか集めて行かないとだめだなと実感してます。漣くんも3歳になったしこれから一箱古本市のようなイベントにも少しずつ出店していきたいと思っているので本だけではなくそういったものも意識して集めるようにしないとね。
昔、「クーネル」のインタビューでチクテカフェの人が「二十歳になったときに親からどんなお祝いが欲しいか聞かれ、多分、親としては成人式に着て行く着物などを予想していたのだろうけれど、将来カフェを開ぎたいと思ってて、そのとぎに使えるイスとテーブルをもらうことにした」みたいなことを言っているのを見て、すごいな、と思ったものだけれど、それってほんと大切なことですよね。40過ぎたおっさんが今ごろなに言ってるんだって気もしないでもないですけど。いや、40過ぎたおっさんだからこそそういうことを後回しにしがちなので、ちゃんと心に留めておくようにします。
とはいうものの、でぎる範囲で納得できるすてきなお店が作れるようにがんばります。めずらしくプレッシャーのかかる状況でいろいろ悩んでますが、いろいろやりたいこともあって今から楽しんでます。
本のほうは、うちは基本、料理と暮らしの本しかないですし、古本屋として在庫も多いわけではないので、作家の食べもの随筆や古めのレシピ本がなんとなく多めになるのかなといった感じで、新しめのものも持っていくつもりですし、サイトの様子から大ぎく変わるような感じではないです。
なので、ほかに出店する古本屋さんには、料理本とかレシピ本とかを持っていくのをできるだけ避けていただけないかと心からお願いします(笑)。ふふふ。