「春のてまり」-福原麟太郎-

◆12月にあいそうなピアノのCD
福原麟太郎の本を読むのは初めてなのかな?前になにか読んだ気もするけど思い出せないしこの雑記でも取り上げてなさそうなので、多分なにかのアンソロジーに収録されているものを読んだだけでなんだろうと思う。三月書房の小型本の随筆集で狂言や能について、読書について、そしてシェイクスピアを中心とした演劇についての三部構成になっています。
偶然ではあるけれど、この前に読んだ安藤鶴夫やこのあと読んだ丸岡明と日本の伝統芸能に精通した人の随筆が続いているのは年末が近づいているから、ではないです。昔は年末になると池波正太郎の本を読み返していたけどね。この勢いで年末年始にかけて岡本文弥の本とかも読んでみようかしらん。

さてクリスマスまでに何枚か12月にあいそうなピアノのCDを紹介します。なんて書いておきながら、気がつけばクリスマスも過ぎてしまいました。年末はなにかと忙しいです。って、遊んでばかりで新しい年を迎える準備とかまったくしてないですけどね。

そんなわけで何枚かまとめて‥‥

-■「ラテン・サイド・オブ・ガラルディ」(ヴィンス・ガラルディ)
ガラルディの「チャーリー・ブラウン・クリスマス」はクリスマスに外せない一枚で、今年もよく聴きました。大きく盛り上がるわけではなく、ふつふつと静かに盛り上がっていく感じのサウンドが家で聴くクリスマスソングとしてぴったり。街に出れば大盛り上がりのクリスマスソングを聴かされるわけだし、家の中では静かに過ごしたいもの。
この「ラテン・サイド・オブ・ガラルディ」では「Mr. Lucky」「Corcovado」「Brasillia」といった曲を軽快なラテン・ボサノヴァタッチで演奏しているのだけれど、ガラルディらしい暖かく優しいピアノのタッチに加えて、さりげなくオーケストラがかぶさってくるところがこの季節に合っていると思わせるところ、かな。

-■「カクテル・アワー」(ポール・スミス)
リキッド・サウンドという室内楽的なサウンドで有名なピアニスト。やわらかなホーンセクションが心地よい「クール&スパークリング」もおすすめですが、ピアノアルバムといえばこちらですね。
このアルバムでは、トニー・リッジのギターがよいアクセントとなっていて、ソフトなだけじゃないメリハリのきいたスウィング感がいい。で、ギターでバーニー・ケッセルが参加している「ソフトリー、ベイビー」や「サウンド・オブ・ミュージック」というアルバムもあって、ものすごく期待して聴いてみたのですが、悪くはないんだけど、トニー・リッジほどのアクセントになっていなくて残念。

-■「80日間世界一周旅行」(ジェラルド・ウィギンス)
ポール・スミスに「サウンド・オブ・ミュージック」があるように、ジェラルド・ウィギンスには「80日間世界一周旅行」があります。って、多分、両者につながりはないと思いますが‥‥。ただジェラルド・ウィギンスもポール・スミスのように歌手の伴奏者として活躍したピアニストという意味では近いのかもしれません。両者とも、強い個性を前面に出すというよりも、明快でわかりやすいスウィング感が演奏の特徴なのも伴奏者ならでは、という気がします。