◆ルイス・フォアの写真集とロンドンで撮った写真
2002年にヒューストン美術館で開催されたルイス・フォア回顧展を機に刊行された写真集。1940年代~1950年代におけるニューヨークのストリートを撮った作品を中心に、未発表作品や雑誌出版時以来公開されてない作品など、彼のキャリア全体を振り返ることのできる内容になっています。
個人的には、ルイス・フォアの写真集といえば、「デジャヴ」のルイス・フォアの特集号とPhotoPocheシリーズの写真集だけしか持ってなくて、洋書を置いている本屋でもなかなかみつけることができずにいたのですが、いつのまにかこんな本も出てたんですね。PhotoPocheシリーズは、いろいろな写真家の作品を手軽に見れていいのですが、ポケットサイズというところが難点だったので、大判の写真集が手に入ってうれしい。
わたしの中では、アンリ・カルティエ=ブレッソンとルイス・フォアは、写真家として別格で、ギミックやわざとらしさがほとんどなく、絶対に真似のできない完成度でストレートに写真とはこうあるべきというものをのを提示してくれる写真家なんですよね。
話は変わりますが、最近、iPadを買ったせいで、iPadに入れたり、Flickrにアップしたりするために、写真をスキャンするのがすっかり楽しくなってしまってます。デジカメだったら普通のことだよって言われそうですが、いまだにフィルムのカメラを使っているわたしとしては、単純に大きなサイズで手軽に見れるのがいい。ほんとは年に一回くらいの割合で、気に入った写真を引き伸ばしてまとめておきたいんですが、引き伸ばしってけっこう料金かかるし、別に展覧会に出すわけでもないし、と考えるとなかなか難しくてできないので、まぁ当分はスキャンしてiPadで見るという形に落ち着きそう。
で、普段はそんなに写真を撮っているわけではないので、昔に撮った写真も気に入ったのをスキャンしてみようと、昔のクリスマスの時期に行ったロンドンの写真を見返してみたのですが、いやいや、なぜかガラスに映った風景や人の写真が多くてちょっと笑えました。多分、ルイス・フォアの影響をそのまま間に受けて撮ってるんでしょうけれど、ロンドンに行ったのは2003年の12月なので、ルイス・フォアの写真を見はじめたばかりというわけではないし、その前の北欧旅行のときの写真は映り込みを意識したものは少ないので、何かあったのでしょうかねぇ、まったく思い出せませんけど。
しかし、今になってみると、わざわざイギリスまで行ってガラスに映りこんでいる写真を撮るよりも、もっと素直にはっきりと被写体がわかるような写真を撮ればいいのにと思います。でもまたどこかに行ったらそんなことも忘れてひねくれた記念写真を撮っちゃうんでしょうね。