「血涙十番勝負」-山口瞳-

「世相講談」がおもしろかったので下巻を読むのはもったいなくなってしまい、後まわしにしていた将棋と競馬ものの本を読んでしまおうと、読み始めてみたのですが、いやこれもおもしろい。将棋については、普通に小学校の時とかに遊んだだけなので、定石とかまったく分からないし、採譜もまったく読めない、かつ棋士についても名前を聞いたことがある程度しか知らない。でもおもしろい。何がおもしろいのかといえば、勝負が始まる前の棋士の紹介、勝負中の心理描写、勝負が終わったあとのいいわけ?、つまり採譜以外すべておもしろいんですよ(といったら言い過ぎか)。
「男性自身」での向田邦子や川端康成、吉行淳之介、梶山季之、色川武大といった人たちに向けたすばらしい追悼文を例に挙げるまでもなく、山口瞳は、思い入れがある人について書いたとき、ほんとうにいい文章を書くと思う。(誰かそれをテーマに1冊作ってくれないだろうか?)
ここでも自分自身による偏見に満ちた人物評を中心に、さまざまなエピソードや人から聞いた話などを取り混ぜて、対戦相手の性格これまでの経歴や人柄、将棋における勝負の仕方などをぐいぐいと描いてます。
ついでに将棋について少し勉強してみようかなぁ‥‥なんて気に‥‥は、ならないですけどね。だって登場する棋士たちが、あまりにもすご過ぎなんで‥‥。

日曜日にケータイに母親からがメールがきて「‥‥今日、●●おばさんと、村上春樹の『1Q84』を買いに行ったんだけど、売ってなかった‥‥」とのこと。70歳近く(というと怒られそうだが)の人まで、読んでみようと思わせるなんて、なんだかすごい‥‥。もっとも父親のほうは読まなそう。その辺の女性のパワーはいくつになっても変わらないんでしょうねぇ
といいつつ、わが家も、ミオ犬が読みたいというので、日曜日に古本屋を回ったついでに買ってきました。売れてるだけあって、古本屋に出るのも早いですね。いつかこの雑記に感想が載るかもしれません。乞うご期待(?)。いや、子育てに忙しくてゆっくり本を読んでいる時間もなさそうなので、いつになるのか分かりませんが‥‥。
わたし自身は、「ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉」読んで以来、村上春樹の本を読んでないです。今度の作品は、個人的には、村上春樹の本を初めて読んだのが、中学生の時1984年だったので、なんとなく気にはなるんですけど、どうだろう。まぁ作品の内容とは関係ないですけど。でも、これを書きながら村上春樹の作品のリストなどを見ているうちに、村上春樹って実は「ねじまき鳥クロニクル」以降のほうがおもしろいの?という気になってきたりして、これを機に「1Q84」読んでみようかなぁ‥‥なんて気に‥‥は、ならないですけどね。