■「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」(東京都写真美術館)
マリオ・ジャコメッリは、ほとんどの作品を、生まれ育ったイタリア北部のセニガリアという街で撮り続けたというイタリアの写真家。この展覧会の告知を見るまでは知らなかったのだけれど、これ以上はっきりさせると対象が消えてしまうのではないかと思うくらい、強烈な黒と白のコントラストが、写真の中の10代の男の子たちの心情をあらわしているような、雪の中で遊ぶ神学生の写真にひかれて見に行ってみました。
写真というメディアが、その決定的な一瞬を切り取ったものだったり、写真の中で構成されるものへの人為的なこだわりだったり、現像時の技術だったり、コラージュだったり‥‥する芸術だとしたら、マリオ・ジャコメッリの写真は、そのどれにも当てはまらないとも思うし、かつ、どれにも当てはまっているような不思議な個性を放っていて、見ていると少し疲れてしまった。写真の表現方法というのは奥深い‥‥
さて、恵比寿から移動して、渋谷のパルコでやっている「“AGFES”-AGFA コレクターズカメラフェア-」へ。こちらは、AGFA(アグファ)のカメラやフィルムの展示販売。レアとか個性的な冠をつけているとなんなんだけど、トイカメラの域を出ず、個人的にはあまりひかれません。別にライカとかハッセルとか欲しいとは思わないけれど、LomoとかHolgaもどうかと思うんですよねぇ~。といいつつ、ズイコーの魚眼レンズがなかなか手に入らないので、LOMO fisheyeを買ってしまおうかと思っている今日この頃なんですけど。
アグファについて言えば、15年くらい前、カメラを持ち歩くようになった頃、アグファのフィルムを使ってました。なんでだったのか忘れたけれど、ヨドバシカメラでよく安売りをしていたののですよ。あと、たしかアグファのフィルムをヨドバシカメラに出すと現像料がただだった記憶があります。それから、これもあいまいな記憶なんですが、ゴダールがアグファのフィルムを使って映画を撮っていたとかなんとかで、その影響もあったような、ないような‥‥。最近は、特にこだわりがあるわけではないけれど、コダックが多いですね。変遷としてはフジ→アグファ→コニカ→コダックという感じなんですが、たまにフィルムを変えると、「こうなるだろうなー」と思って撮った写真が、なんとなくですが、ちょっと違った感じになって、現像から戻ってきたりして、新鮮な気分になります。逆に、頻繁にフィルムを変えてしまうと、思っていたような写真が撮れなくなってしまうこともあり。もちろん“思っていたような写真”が、“いい写真”かどうかは、それはまた別の話‥‥。