「ふるさと・東京」-池田弥三郎-

9月の終わりくらいから、仕事が終わった頃に「今日どうする?」「お腹空かない?」「ちょっと飲んで帰る?」みたいな感じで飲みに行けなくなっているのだけど、15年勤めていた人がやめてしまったり、新しい人が入ってきたり、人事異動があったり、加えて、前の会社の人と会う機会が、10月に入ってから続けてあったりしたので、それでも週に3回は飲みに行くことになってしまってます。でも一年ぶりとかで何人か集まると、なにやら意味なく盛り上がってしまいますね。
中には、ゆっくり話すのは久しぶりだけれど、よく考えてみれば、この前電車の中で会ったね、とか、そういえばその前にも下北で会ったね、とか偶然よく会う人もいて、改めて確認すると、意外と久しぶりでもなかったりすることがわかっておもしろい。前の会社のその人に限らず、何カ月かに一回ぐらいの割合で、どこかで偶然に会う友だちというのは、なんとなく不思議で、レコード屋や本屋で会うというのは、まぁあるとしても、たまたま道を歩いていてすれ違ったり、なんとなく入ったドトールにいたり、電車の中で前の席に座っていたり‥‥。そういった友だちが、近くに住んでいるというわけでもなくて、逆に近所に住んでいるのに、もう何年も会ってなかったりする人もいるし、行動パターンが似ているというだけでは、説明できない何かがあるような、ないような‥‥。

池田弥三郎に限らず、街や酒に関する随筆を読んでいると、どこどこの飲み屋やカフェで誰を見かけたとか、どこどこで誰と偶然会い、そのまま一緒に飲んだ、といった話がよく出きます。でも週に何回も飲みに行って、行ったら行ったではしご酒で、しかもある程度行動パターンが同じ、とくれば、偶然とは言えないのかもしれないけれど‥‥。